音楽(レビュー)

山本貴志ピアノリサイタル

2009年10月18日(木)午後7時開演 9時終演 @浜離宮朝日ホール

山本貴志ピアノリサイタル ベートーヴェン後期三大ソナタ

ピアノ・ソナタ 第30番 ホ長調 Op.109
ピアノ・ソナタ 第31番 変イ長調 Op.110

ピアノ・ソナタ 第32番 ハ短調 Op.111

ショパン ノクターン第2番 変ホ長調 Op.9-2

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前回のショパン・コンクールで第4位で、一躍脚光を浴びた若手ピアニスト。
当ブログでも過去に取り上げています。(→デュオ2008  入賞者ガラ2006

「ショパン弾き」「ロマン派弾き」というイメージだったので、ベートーヴェンはどうかな…
と思ったのですが、
彼ならではの、なかなか聴く機会のないような演奏だったのでは?
いい意味で、意外感のある演奏会でした。

まずは、ピアノ。
木目調のスタインウェイで、なんでも製造過程に謎のある楽器だとか。。。
いわゆる大ホール向けの、がんがん鳴るスタインウェイではなく、
サロン・コンサート向けかな?と思わせるような、繊細な響き。

それでも、弾いているうちに、どんどん鳴りが良くなっていくように感じました。
弾き手が乗ってきたためなのか、この楽器の特性なのか。。。
(考えてみたら、ピアノだってヴァイオリンと同属の弦楽器ですものね)

音楽の作りも独特な印象。
楽曲全体の構成(A-B-A-B' というような)をつかみ、構築していくというよりも、
その瞬間、瞬間の音の重なり、響き、連なり、を大事に大事に、紡いでいくような。

リスト、マーラーにつながっていくベートーヴェンというより、
モーツァルトから引継ぎ、ショパンにつながっていくベートーヴェン、
とでもいいますか。

楽器の音色とも合っていて、
なるほど、ベートーヴェンの時代のピアノで弾くなら、実はこういう音色が正統派だったのかも……とも思いました。

鍵盤の上におおいかぶさるような弾き姿(鍵盤は見えていないに違いない…)、
高揚感とともに高まるうなり声……
には違和感を覚えますが、取り憑かれたように弾く、彼独特のスタイルなのでしょうね。

ベートーヴェンを連続3曲、それぞれきちんと聴かせて飽きさせないのはさすがです。
中身の濃い、濃密な時間を味わったという充実感が残りました。
アンコールは、皆を唸らせる音色・響き、さすがの完成度のノクターンでした。

余談ですが、
私のすぐ横の席に座っていらしたのが、仮屋崎省吾さん。
会場には「花束受付」窓口があり、サイン会を目指して長蛇の列ができているなど、
熱狂的ファンの存在がしのばれました。。。

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ホルン・カルテット

2009年10月5日(月)みなとみらいクラシック・クルーズ vol.7

ベルリン・フィルハーモニー ホルン・カルテット

ランチタイム・クルーズ 12:10-12:50 @みなとみらい大ホール
★ハンティング・ホルン★

ロッシーニ : ホルン合奏のための狩の集い
ジュリセン編: 4つの狩の作品集”シャンソマニエⅠ”から
ケックラン : 4体のホルンのための2つの作品
ジュリセン編: 4つの狩の作品集”シャンソマニエⅡ”から
ミェフラ :   ボヘミアの狩猟祭のための音楽

ポルカ 東京地下鉄の駅名

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お仕事が午後遅い時間から、という非常勤勤務の特権を生かして、
ランチタイムコンサートへ。
ホルンの暖かい響きを楽しみました。

ランチタイムコンサートといえば、最近は演奏者のトーク付きが定番ですが、
今日は、外国人演奏者によるユーモア満載の日本語トークというスペシャル版。
4人のうち1人が、明らかに日本語を「理解して」語っていました。

「……演奏をどうぞお楽しみください。上手ですから、たくさん拍手してください。」
「ケックランは、kで始まる一番有名なフランスの作曲家です。kで始まるのは、他に何がありますか?金沢、川崎、…(中略)…、厚生年金会館も、そうです。」
「ホルンは森の中で、動物をとる狩に使われました。けれども残念ながら、水の中では聞こえませんから、魚をとるのには使われませんでした。……ウソです。」

極めつけは……

「おめでとうございます。みなさまの心のこもった拍手が、アンコールを呼びました。」
「ポルカにのせて、東京地下鉄の駅名をお届けします。」

そして、ポルカの2拍子の軽快なリズム(ズンチャッ、ズンチャッ♪)に合わせて、
この日本語堪能な方がマイクを手に持ち、ステージ前に進み出て、歌い上げたのが…

「にーしーたかしまだいらっ、いたばし、にしすがも~♪……たかだのばばっ、……」

……すみません。駅名は定かではありませんが、冒頭の「西高島平」だけは確かです。
合計20駅ぐらいは、まさに「ぺらぺら」と2回にわたって、それも2回目はとてつもない早口で歌ってのけていました。
凄すぎます。。。

あ、もちろんホルン4台の響きも、素晴らしかったです。
響きのバランスが、なんとも絶妙。
また、立って吹いているホルン奏者を見たのは初めてかもしれません。
美しい立ち姿だなあ……と見とれてしまいました。

舞台に向かって右側が1st、左端が低音担当のようでしたが、
普通は、左側が1st、右端が低音ではありませんか??
この違いには、何か意味があるのでしょうか?

この「クラシック・クルーズ」と銘打つシリーズは、「ランチタイム・クルーズ」とあわせて、
同日14:30開演「ティータイム・クルーズ」もあり、
今日はランチタイムが「ハンティング・ホルン」、ティータイムが「マンデー・オペラ・セレクション」で、ビゼー、プッチーニ、J.シュトラウス、モーツァルト、となっていました。
時間があれば、是非ティータイムのほうも聴いてみたかったです。
そちらでもユーモラスなトーク炸裂だったのかしら??

でも、狩の音楽もいいですね。血が騒ぎます。
そういえば、私は小さい頃から「狩」の曲が好きだったなあ、と思い出しました。
ブルグミュラー25の練習曲、チャイコフスキーの四季、メンデルスゾーンの無言歌……

音楽も一流、サービス精神も一流、
実に中身の濃い、40分間のコンサートでした。

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ランチタイム パイプオルガンコンサート

2009年9月17日(木)12:15-13:15 @東京芸術劇場 大ホール

ランチタイム パイプオルガンコンサート vol. 81
  ~芸術の秋スペシャル~

ヴォルフガング・クレーバー(オルガン)

F.メンデルスゾーン ソナタ第1番 ヘ短調 Op.65-1
J.S.バッハ      シュープラー・コラール集
              コラール「目覚めよ、と呼ぶ声あり」BWV645ほか
                          BWV646, 647, 648, 649, 650
M.レーガー     幻想曲とフーガ ニ短調 Op.135b

J. Chr. Rinck   オルガンのためのフルート協奏曲 第3楽章

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芸術劇場のパイプオルガン、以前にも一度聴いたことはありますが(→)、
パイプオルガンを聴くなら、1階席より、2,3階席、
無料コンサートがお勧め!という話を聞いて、一度是非!と思っていました。
その機会到来!というわけです。

開演5分前に駆けつけたところ、2階席は既に満席。
3階席も7割がた埋まっていました。平日昼間なのにすごい!
(1階席も結構埋まっていたようでした)

無料だというのに、まるまる1時間、すばらしい演奏が堪能できて、
しかも、
「バロックタイプオルガン(第1面)」から「モダンタイプオルガン(第2面)」への変身
(背中合わせに設置されているオルガンが、3分間で回転して入れ替わる)
まで見せていただいて、その2つの音色が聞けるなんて、感激でした。

と言いつつ、楽器の差による音色の違いは、いまひとつわかりませんでした。。。

バロックタイプは、バロック調律法で A=415Hz
モダンタイプは、平均律調律法で A=442Hz
なんて明記してあるのですから、明らかに音は違うのでしょうけれど、
私の耳は、そこで「おお!」と納得するほど良くはなかったのでした。。。無念

演奏者が男性で、細いズボン着用だったため、
「足技」がよーく見えたのも、新鮮でした。。。低音って、しびれますね。

高音部の流麗な流れ(すばらしき指の回転)、
ずんと響く低音部、そしてその間で奏でる中音部、、、奥が深いです。

作曲者の名前をどう読むかもわからないアンコール曲は、
ピアノのソナチネ・アルバムを思い出させるような、可愛らしいメロディーと重厚な和音が交互に出てくる、耳に優しい曲で、また聞いてみたくなりました。

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夏休みモーニングコンサート

2009年8月27日(木)11:00-12:10 @東京文化会館 小ホール

夏休みモーニングコンサート【アンサンブルの魅力】

R.シューマン / おとぎ話 Op.132
ライネッケ / ファンタジーステュックより 第1楽章 第2楽章
モーツァルト / ピアノ、クラリネットとヴィオラのための三重奏曲

ブレーク・ウェストン(クラリネット)、小熊佐絵子(ヴィオラ)、坂野伊都子(ピアノ)

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【弦楽器の魅力】【ヴィオラの魅力】につづく3回シリーズの最終日。
【アンサンブルの魅力】に足を運びました。

若手演奏家3名による、大変バランスのよい室内楽。
「あわせどころ」「聞かせどころ」を心得た、小気味のよい演奏でした。
これで500円というのは、素晴らしい!堪能いたしました。

3人とも、技術、音楽性ともに第一級だと思います。
それにしても、……アンサンブルにおけるピアノって、つくづく大変ですね。。。

このシリーズを企画したヴィオラの小熊佐絵子さんは、
このたび、オランダ、コンセルトヘボウ管弦楽団の副主席ヴィオラ奏者になられるとか。
今後の活躍に期待いたします。
9月13日(日)14:30-は、東京文化小ホールでのリサイタルを予定されていて
ご本人曰く、
「まだ20枚ぐらいしか売れていない」
とのこと。
私は都合が悪くて行けないのですが、お勧めいたします。

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歌劇「ヘンゼルとグレーテル」

2009年7月20日(月・祝)15:00開演 17:30終演 @神奈川県民ホール

小澤征爾音楽塾オペラ・プロジェクトⅩ
フンパーディンク:歌劇「ヘンゼルとグレーテル」

グレーテル:カミラ・ティリング(ソプラノ)
ヘンゼル:アンゲリカ・キルヒシュラーガー(メゾ・ソプラノ)
魔女:グラハム・クラーク(テノール)

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初めて見るオペラでした。

第1,2幕は全体的に低調な印象。
舞台が暗いこと(夜の森という設定)、
音楽も、いまひとつインパクトに欠ける感じで、
ストーリー、舞台装置も「やっぱり子ども向け?」と思わせる雰囲気。
休憩中は、ちょっと気落ちしておりました。

が、しかし!
第3幕になって、その素晴らしさに目覚めました。
グレーテルとヘンゼル、とにかく二人は歌いっぱなしなのですが、
この二人のバランスの見事さといったら、たいしたものなのです。
グレーテルは、急遽の出演とのことですが(出演予定者がウイルス性流感に)、
それで、まあ、よくぞ、この極みに!

また、出演者の演技力は、唖然とするほどです。
主演二人の「子ども」らしさにも舌を巻きましたが、
「凄い!」と絶句するレベルだったのが、……魔女!
テノールの男性なのですが、いやもう、特殊メークはもちろんのこと、
笑い声、歩き方、手の上げ下ろし……振る舞いすべてが不気味かつコミカル。
舞台全体を、まがまがしくも童話チックな雰囲気に包みこんでしまうのです。
すごいオーラでした。

後半以降は、音楽、舞台の「オーラ」に圧倒され、引き込まれてしまった私です。
若者たちのオーケストラ演奏も立派でした。
特に、各幕の冒頭で活躍する金管楽器。
曲の冒頭の金管ソロは、プロのオケでもなかなか成功しないものなのに、
今日はすべてバシっと決まり、やわらかな音色も見事なものでした。

PS
ヤマハ音楽教室のCMで子どもたちが歌う旋律
「ソーファミソファミレ、ソーファミソファミレ、ドレミファソーラファミ・レ・ド」って、
この「ヘンゼルとグレーテル」第3幕からのものだったのですね。

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高木綾子と仲間たち

2009年7月16日(木)午後2時開演 4時10分終演 @紀尾井ホール

アリオン・アフタヌーン・コンサート2009 2
高木綾子と仲間たち 

高木綾子(フルート) 長原幸太(ヴァイオリン)、菊地裕介(ピアノ)

A.ピアソラ    タンゴの歴史
            ボーデル1900、 カフェ1930、ナイトクラブ1960
C.ドビュッシー  シランクス(パンの唄)
C.ライネッケ   フルート・ソナタ ホ短調「オンディーヌ(水の精)」

J.イベール    2つの小品
W.B.モリーク  フルートとヴァイオリンのためのコンチェルタント
B.マルティヌー  フルト、ヴァイオリンとピアノのためのソナタ

村松崇継      EARTH (フルート&ピアノ)
モンティ       チャールダッシュ(フルート&ヴァイオリン&ピアノ)

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改めて、高木さんのフルートの音色の力強さ、確かさに感服しました。
若い3人が、とっても楽しげにアンサンブルしている姿を、
見て、聴いて、感じて、たいへんすがすがしい気分になりました。

印象深かったのは、
★W.B.モリーク  フルートとヴァイオリンのためのコンチェルタント

不勉強ゆえ、初めて名前を聴く作曲家でしたが、
19世紀ドイツで活躍したヴァイオリン奏者、作曲家のウィルヘルム・ベルンハルト・モリーク(1802-69)とのこと。
ヴァイオリンとフルートだけ、という演奏携帯は珍しいのではないかと思いますが、
古典的な聴きやすい旋律で、この二つの楽器の華やかな絡みあいは、大変聴き応えのあるものでした。
二人の楽器の歌わせ方、息の合わせ方、おみごとでした。

また、アンコールの2曲も楽しいものでした。
最後のチャールダッシュは、おそらくピアノニスト菊地氏の編曲によるもの。
3人の演奏家の技巧、音楽性を惜しみなく表現する、
最後を飾るにふさわしい編曲で、
演奏後の菊地氏の満面の笑みが印象的でした。

ものすごい炎天下の昼下がり、ゼイゼイ言いながら足を運んだコンサート。
でも、帰りには、気分も足取りも軽くなっていたのでした。

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青柳晋リサイタル

2009年6月29日(月)11:30開演 13:20終演
浜離宮ランチライムコンサート Vol.65

青柳晋ピアノリサイタル

モーツァルト   幻想曲 ニ短調 K397
ショパン     ノクターン 第7番 嬰ハ短調 Op.27-1
          ノクターン 第8番 嬰ハ短調 Op.27-2
          練習曲 作品25-10 ロ短調
          練習曲 作品25-11  イ短調 《木枯らし》
          練習曲 作品25-12  ハ短調 《大洋》

リスト          オーベルマンの谷
             ラ・カンパネラ
             愛の夢 第3番
ワーグナー=リスト  楽劇 《トリスタンとイゾルデ》から
               《イゾルデの愛の死》S.447
リスト         ハンガリー狂詩曲 第2番

メンデルスゾーン 《無言歌集》より デュエット
リスト         ハンガリー狂詩曲 第1番

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主催者側からの要請ということで「演奏者からのひとこと」がつくのですが、
1曲目モーツァルトの演奏後、このトークのなかで

「1年に1度ぐらい、自分で”よくやった!”と言える演奏ができる。
ピアノの向こうの雲の隙間から光が射し、そこから作曲者の顔が見えてきて、
その光の中で演奏しているような感覚。
一種のトランス状態といえるのでは。。。」

といった話がありました。

この日のプログラム最後、リストのハンガリー狂詩曲第2番、
そしてアンコールは
この最高の状態に到達していたのでは?と思います。

聴き手も巻き込み、会場全体がトランス状態になっていた感あり。
すごい瞬間に立ち会った!という気がします。

どういう風にすごいかをここで書き表すのはとっても難しいのですが、
「弾いている」のではなくて、
ピアノが自らの意志で奏でているような。。。
弾き手は、ピアノに向かって楽しげに指揮をしているような。。。
実際、そのような姿にも見えたのです。

テクニックとか、音質とか、音量とか、そういう要素はぶっとんでしまって、
音楽全体として、素晴らしいものが流れ出てきていて、
それにみんなで酔いしれていた、という感覚です。

実は、5月の「ピアノ誕生300年記念コンサート」で聴いた青柳氏の演奏に
惹かれるものを感じて購入したチケットでしたが、正解でした!

仕事前の時間に、かなり無理をして聴きにいった価値がありました。

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セドリック・ティベルギアン

みなとみらいアフタヌーンコンサート

2009年6月25日(木)13:30開演 15:15終演
セドリック・ティベルギアン ピアノリサイタル

《オール・ショパン・プログラム》

バラード第1番 ト短調 Op.23
バラード第2番 ヘ長調 Op.38
バラード第3番 変イ長調 Op.47
バラード第4番 ヘ短調 Op.52

ピアノ・ソナタ第2番「葬送」 変ロ短調 Op.35
スケルツォ第2番 変ロ短調 Op.31

ドビュッシー スケッチ帳より

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いいリサイタルでした。
なんだか疲労困憊の気分だったのですが、音楽に癒されました。。。

セドリック・ティベルギアン、
私は全く知らなかったのですが、フランスの若手34歳。
98年ロン=ティボーコンクール優勝者。
手足の長い、長身でさわやかな青年です。

驚いたのは、その音質のやわらかさ。
とってもやわらかい音なのに、音の粒はくっきりしていて、クリアに響くのです。
いったい、どんな技で???と不思議になる音。

そして、やわらかな音があってこそ映える、鋭く重いフォルテ。
その対比が、音量の操り方が、見事でした。
ショパンの魂、しっかり歌わせていたと思います。

それで……
アンコールの曲を聴いて、心底納得してしまいました。
あの音の柔らかさは、フランス印象派につながっていくものでした!

ショパン・コンクールでは
キラキラ輝く音質が評価されるようですが(あくまで私見)、
印象派的なやわらかい音質のショパンもまた、いいなあと思ったことでした。

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ピアノ誕生300年記念コンサート

日本演奏連盟第21回クラシックフェスティバル
ピアノ誕生300年記念

2009年5月8日(金)午後6時半開演 9時20分終演
@東京文化会館 大ホール

第一部 ソロ

スカルラッティ  チェンバロソナタ ニ短調 K.213
スカルラッティ(曽根麻矢子編)  ファンダンゴ (チェンバロ 曽根 麻矢子)

モーツァルト   幻想曲 ニ短調 K.397      (ピアノ 青柳 晋)

ベートーヴェン  ピアノソナタ第8番 ハ短調 「悲愴」から第1楽章
                              (ピアノ 若林 顕)

シューベルト  即興曲第3番 変ロ短調 作品142 (ピアノ 田部 京子)

ショパン     バラード第1番 ト短調 作品23  (ピアノ 迫 昭嘉)

シューマン   アラベスク ハ長調 作品18    (ピアノ 伊藤 恵)

ラフマニノフ  前奏曲 作品23-6, 23-2      (ピアノ 清水 和音)

第2部  連弾―2台ピアノ―5台ピアノ

ブラームス  大学祝典序曲 作品80 
             (ピアノデュオ ドゥオール 藤井 隆史&白水 芳枝)

ドビュッシー/ラヴェル編  牧神の午後への前奏曲
                      (ピアノ 伊藤 恵&青柳 晋)

ラヴェル   ラ・ヴァルス       (ピアノ 若林 顕&菊地 裕介)

リスト/菊地 裕介編    5台ピアノによる「ラ・カンパネラ」
ビゼーの「カルメン」による5台ピアノのためのファンタジー  菊地裕介編
             (ピアノ 青柳 晋 菊地 裕介 白水 芳枝 藤井 隆史 松本 愛)

ガーシュイン/森山 智宏編     5台ピアノによる「ラプソディ・イン・ブルー」
      (ピアノ 迫 昭嘉 伊藤 恵 清水 和音 田部 京子 若林 顕)

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3時間近くをかけた、壮大なフェスティバル。
大物演奏者がこれだけ勢ぞろいするコンサートは、滅多にないでしょう。
大ホールも満席。立見まで出ていました。

5台ピアノの生演奏というのは、初めて聴きました。
これは、ソロとも、2台ピアノとも、全くの別物です。
アンサンブルの妙味、楽しさ、難しさ、……すべてが表れていました。
アンサンブルには必然的に「指揮者」「主導者」が必要になるんですね。
弾き手が大変楽しそうだったのが印象的でした。

聴くほうとしても大変楽しめましたが、
「音楽に没入」とか「耽溺」とかいうことにはならず、
「うわあ、こんなアレンジなんだ」
「あ、今の受け渡し、ずれそうだった」
「すごい音量」
といったような雑念(?)が常につきまとっているような……難しいですね。
「芸術として鑑賞する」というより、弾き手も聴き手も一緒になって楽しんじゃう
という感覚でした。

それにしても……5台の合わせって、どうやって練習するのでしょう??
一流の弾き手でないと、曲として作ること自体、無理そう…  

また、第一部ソロの部も、弾き手による違い~音色や音楽の作り方~が
よくわかって、とても面白く聴きました。
さすが!と唸らせる演奏が大半でしたが、
ソロリサイタルの時(約1年半前)とは全く違う印象の演奏もあり、
(「もう弾きなれた曲だから…」という慢心があった?)
体調や集中力マネージメントの大切さを痛感いたしました。
それにしても、ほとんどの方が、演奏者としてばかりでなく
後進の指導にあたる「先生」の肩書きもお持ちなのですね。

おそらく主催者側の思惑どおり
「やっぱり、ピアノって、いいな♪」……という感想で締めくくれるようなコンサートでありました。

付記: 5台ピアノを聴く場合は、かなり上から覗き込むような席でないと、
    演奏者全体を視界に入れることはできないようです。
         

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マリア・ジョアン・ピリス

マリア・ジョアン・ピリス
ピアノコンサート

2009年5月7日(木)午後7時開演 9時10分終演
@神奈川県立音楽堂


演:パヴェル・ゴムツィアコフ     Vc)
    柿堺 香(かきざかい かおる)    (尺八)

ベートーヴェン  チェロ・ソナタ第2番 ト短調
ベートーヴェン  創作主題による32の変奏曲 ハ短調

  尺八古典曲  「手向(たむけ)」
ベートーヴェン  ピアノ・ソナタ第17番 ニ短調「テンペスト」
  尺八古典曲  「虚空(こくう)」
ベートーヴェン  チェロ・ソナタ第3番 イ長調
  尺八古典曲  「山谷(さんや)」より

J.S.バッハ    パストラーレ(Vc & Pf)

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プログラムを見て、びっくりいたしました。
そもそも、チケット購入時点では、オールベートーヴェンプログラム、
作品番号の異なるチェロソナタ2曲、ピアノソナタ30番、31番、でした。

実は、ピアノソナタ30番に惹かれて購入したチケットだったので、
かなり失望したのですが、当日会場に行ったところ、さらに尺八がプラスされていて、
プログラムには、次のようなピリスからのメッセージが。

私は日本と日本の文化をこよなく愛しています。
特に尺八の音色は私の心を魅了します。
現実を超える宗教的、精神的世界を表現する尺八の音色はベートーヴェンの内面的精神性と深くつながっていると考えます。
この2つの世界(尺八とベートーヴェンの曲それぞれがおりなす世界)を同時に経験し、洋の東西を問わず共通する深い精神性を皆様と共有したく、尺八走者の柿堺香さんをお招きしました。
本公演で、皆様と一緒に、共感、共鳴できますことを嬉しく思います。

さらに、
「ピリス氏は、前半・後半ともに一連の曲目をひとつの大きな流れとして演奏したいので、曲間での拍手をお控えいただけると嬉しい、とのことでございます」
との主催者コメント。

実に、ピリスの思い入れのこもった、ピリス企画による舞台芸術、精神世界
といった趣のコンサートでした。

舞台の上には、ピアノ、チェロ奏者用の台と譜面台、
そして、その右手には、ソファーセット。
ピリスは終始ピアノ椅子に座っていますが、
チェロ奏者は(前半では譜めくり人、後半では尺八奏者も)、
出番のない間はソファーで待機しているのです。
そして、ソファーから演奏位置に移動するのは、その前の曲の終盤。
尺八の音色のなかで、まさにすり足で音もなく移動……お能の世界のようでした。

確かに、精神世界、深いものを感じ取ってきた感覚です。
演奏としても、特にチェロ・ソナタ第3番は名演でした。
ググーッと精神性を高めて、これでクライマックスに達した感あり。
それまで、ピリスのメッセージを受けて静かに拝聴していた会場から
思わず拍手がわきおこってしまったのもうなずけます。(慌ててひっこみましたが…)

出演者の衣装も、渋い色調、草木染のような雰囲気で統一。
「枯れ」「寂び」に通じる芸術を堪能してまいりました。
キャンセルせずに、足を運んでよかったです。得がたい経験をいたしました。

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ブーケ・デ・トン@善光寺大門2009

090505hallBouquet des Tons (ブーケ デ トン)

フルート ヴァイオリン ピアノによる
室内楽コンサート

2009年5月5日(火・祝) 14:00 開演

@大門ホール(竹風堂善光寺大門店3F)

F.メンデルスゾーン 歌の翼に
J.クヴァンツ     トリオソナタ ハ長調
E.バッハ       トリオソナタ ホ長調より 第1楽章
M.ラヴェル      ボレロ

F.メンデルスゾーン 春の歌
G.フォーレ      シチリアーノ  ラシーヌの雅歌
V.モンティ      チャルダッシュ
高橋喜治      花の子ども
草川信       夕焼け小焼け(Fl, Vn)
中田喜直      夏の思い出

四季のメドレーより 春

*************************

毎年、この時期に長野で演奏旅行をされている、
室内楽アンサンブル、ブーケ・デ・トンのみなさま。
全8公演が、さまざまな場所、さまざまなプログラムで開催されるのですが
そのなかの1公演を聴きました。

まず、木と和紙を貴重にしたホールの美しさに感嘆しました。
(右上の写真をクリックすると、拡大写真がポップアップします)

アナウンスにもマイクなどを使わず、
曲の合間には、演奏者が肉声で曲目解説をする、という
手作り感覚、あたたかい雰囲気に満ちたコンサート。

奏でる人、聴く人が、同じ空間と時間を共有して、ここに素敵な出会いが生まれている、という感覚を覚えました。

私の個人的な新発見は、「フォーレの曲って、いいな♪」…

これからも、いろいろな曲に出会いたいな、と思いながら
会場をあとにしました。
コンサートも含め、今回の旅でのさまざまな発見や出会い、
素敵なご縁を作ってくださった、ブーケ・デ・トンのみなさまに感謝です。

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熱狂の日No.155 ドンヒョクのシャコンヌ

熱狂の日No.155
2009年5月3日(日)17:00-17:35@ホールD7

イム・ドンヒョク(ピアノ)

J.S.バッハ/ケンプ :「フルートとチェンバロのためのソナタ変ホ長調
             BWV1031」よりシチリアーナ
J.S.バッハ/ブゾーニ:コラール前奏曲「目覚めよと呼ぶ声あり」BWV545
J.S.バッハ/ブゾーニ:コラール前奏曲「主イエス・キリスト、われ汝を呼ぶ」
             BWV539
J.S.バッハ/ブゾーニ:「無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番ニ短調
             BWV1004」よりシャコンヌ

J.S.バッハ : ゴルドベルグ変奏曲より アリア

******************************

久しぶりに、その生演奏を聴きました。イム・ドンヒョク。
ショパンコンクールで彼の音色に惚れて以来、我が注目の若手ピアニスト。

今日のプログラムは、当日になってから変更されており、
前半に予定されていたイギリス組曲第3番がキャンセルされ、
すべて編曲ものに差し替えられていました。

すわ、体調不良??なんて思ったりしたのですが、
全くそんなことはありませんでした。

私の推測では、
多大なる集中力を必要とするシャコンヌに向けて、
前半はその助走と位置づけ、
自分の中でムードを高めていけるプログラムにしたのでは?

ほんとに、全く、そのシャコンヌは圧巻でした。
超絶技巧を必要とするシャコンヌ。
これをすっかり自分のものとして弾きこなせるピアニストは、
世界広しといえども、そう何名もいないのではないでしょうか?

ドンヒョクの演奏の特徴は、(技巧はもちろんですが)
なんといってもその音色だと思います。
細かい音のキラキラ感。
たっぷり鳴らす立派なフォルテにも、美しい透明感が漂います。
どんなに大きな音でも決して耳にうるさくなく、
すっと自然に弱音に戻り、それは甘美に歌い上げていきます。

さすがの演奏でした。
透明感にあふれるシャコンヌなんて、若いドンヒョクならではでしょう。
生で聴くと、感動もひとしおです。

しかし、最後に、苦言をひとつ。
お辞儀の際の「営業スマイル」!
そんなものを、どこで身につけてしまったんだか。。。

笑顔が可愛いのは認めますが、
そんな表情を押し付けられると、演奏の余韻がぶっとんでしまいます。
アイドル歌手じゃないんだから!
昔の仏頂面のほうが、まだまし。。。

演奏前、演奏後の真摯な表情を見せて、お辞儀してほしいです。。。
 

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熱狂の日No.144 管弦楽組曲

熱狂の日No.144
2009年5月3日(日)15:00-16:00@ホールC

アントワーヌ・トランクツィク(バロック・オーボエ)
ジャン=マルク・フィリップ(バロック・オーボエ)
ジュリアン・ドボルド(ファゴット[バロック・バソン])
マルク・アンタイ(フラウト・トラヴェルソ)
ル・コンセール・フランセ
ピエール・アンタイ(指揮)

J.S.バッハ:管弦楽組曲 第1番 ハ長調 BWV1066
J.S.バッハ:管弦楽組曲 第2番 ロ短調 BWV1067

***********************

総勢16名程度の室内楽団。
大変音響の良いホールで、古楽器の音色をじっくり味わうことができました。

管弦楽組曲 第2番は、「フルート協奏曲的な性格も有する」という曲で、
フルーティストはソリストとして、立って演奏していました。
「フラウト・トラヴェルソ」というのは、古楽器フルートの名前。
まるでリコーダーのような外観で、音色もちょっとリコーダーに似ています。
はじめは、ヴァイオリンその他の楽器の音に隠れているように感じましたが、
周囲の音が薄くなって、その音色が聞こえるようになると、
あらら不思議。
その後は、わが耳がちゃんとフラウトの音を捉えるようになりました。

古楽器はチューニングが大変なように見受けられましたが、
私の耳には音程がずれて聴こえることはなく、
繊細かつ端正な音色を堪能いたしました。

フルーティストのマルク・アンタイ氏、
指揮者のピエール・アンタイ氏とは兄弟です。
もう1名の兄弟も楽団所属で「アンタイ3兄弟」と称されているとか。
古楽器の3兄弟。いかにも「芸術家のフランス紳士」といった趣でした。

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ミュージアム・コンサート

東京・春・音楽祭 
京谷弘司 plays ピアソラ

2009年4月2日(木)19:00開演 21:15終演
@国立科学博物館 日本館講堂

090402 第一部:タンゴを中心に

モノローグ
エル・チョクロ
8月のマルガリータ
月の砂漠
荒城の月
最後の男意気
いつもブエノスアイレスへ
ラ・ボルドーナ
エバリスト・カリエーゴに捧ぐ

第二部:ピアソラの作品

フーガ・イ・ミステリオ
リベルタンゴ
チキリン・デ・バチン
バルダリート
カフェ1930年
キチョ
ブエノスアイレスの冬
ブエノスアイレスの春
コンシェルト・パラ・キンテート

天使の死

**********************************

なかなか聴く機会の持てない音楽に身を浸してまいりました。

バンドネオン、初めて生演奏を聴いた楽器です。
両手でボタンを操って弾くものであること、
両手を使ってアコーディオン部(って言うのかな)を伸縮させること、
手を震わせてビブラートを効かせること、
思いのほか、音量に幅が持たせられること……すべて初めて知りました。
あたたかい音色、しばらく耳から離れない感じです。

会場の講堂は重要文化財だとか。(画像;客席から舞台上部と天井を臨む)
なんとも趣のある会場でした。
スピーカーを通していたこともあり、音もよく聴こえて一安心。

まさにリズム感にあふれ、テンポの揺れも尋常ではない音楽を
4人(バンドネオン、ヴァイオリン、ベース、ピアノ)の息をぴったり合わせて
奏であげていく様子は圧巻でした。

かっこいい!COOL!…な夜を堪能いたしました。

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田村響ピアノ・リサイタル

浜離宮ランチタイムコンサート vol.62
田村 響 ピアノ・リサイタル

2009年3月23日(月)11:30開演(13:20終演)
@浜離宮朝日ホール

ベートーヴェン ピアノ・ソナタ第17番 ニ短調 作品31-2《テンペスト》
フォーレ     主題と変奏 嬰ハ短調 作品73

リスト  《詩的で宗教的な調べ》S173より 〈孤独の中の神の祝福〉
ショパン~リスト 《6つのポーランド歌曲》S480より 第5番〈愛しき人〉
ショパン  ワルツ 作品64-1 《子犬のワルツ》
ショパン  スケルツォ第1番 ロ短調 作品20

メンデルスゾーン  無言歌集より 〈甘い思い出〉

*********************************

「安定感」と「構成力」の人だと思いました。田村響。

曲全体をきっちり構成し、まとめあげる力に秀でている、という印象です。
聴かせどころ、とか、聴衆にアピール、とか、そういう次元には立たず、
曲そのものの内面を見据え、熟考しつつ奏でる哲学者、といった趣の演奏。
もちろん、ピアノはしっかり歌わせているのですが、
演奏者自身は、それに酔うことなく、音楽全体と対峙しつつ歌っているような。。。

プログラムも「構成」を意識しているな、と思いました。
きっちりベートーヴェンから入って、内面へ、内面へ、と沈潜していき、
そのスタンスを保ちつつ、ショパンの華やかさをもってフィナーレ。

で、このランチタイムコンサートでは「お決まりの…」となっているのでしょうか、
アンコール曲の前に、演奏者が舞台上でマイクを握って、ごあいさつ。

演奏家が「マイクを持って話す」というのは、演奏以上に緊張するようですね。
本当にどうしたらいいのか迷いながら、一生懸命言葉を選んで話しているのが
よくわかったのですが、その中で印象に残ったのが

「感動する音楽の橋渡しをしたい」
「感動を共有したい」

という言葉。
ああ、演奏者の心が演奏自体に表れるものなのだなあ、と思いました。

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ケルンWDR交響楽団&田村響

2009年3月5日(木)19時開演 @サントリーホール

東芝グランドコンサート2009
セミヨン・ビシュコフ指揮 ケルンWDR交響楽団

ブラームス ハイドンの主題による変奏曲 作品56a
モーツァルト ピアノ協奏曲 第23番 イ長調 作品K.488/田村 響
         アンコール:メンデルスゾーン 無言歌集より 甘い思い出

ドヴォルザーク交響曲 第8番 ト長調 作品88

アンコール: ブラームス ハンガリー舞曲集より 第5番、第1番

*********************************

音量たっぷり、非常に華やかな演奏をするオーケストラでした。
音に伸びがあり、聴衆を「酔わせる」音楽性に満ちていました。
聴衆の拍手の嵐、すごかったです。
ただ、「陰影」にはちょっと欠ける感が、なくもない…

プログラムに惹かれて衝動買いしたチケット、
その価値はありました。

驚嘆したのは、ピアニスト、田村響さんの音楽性です。
2007年にロンティボーで優勝して一躍脚光を浴びた若手ピアニストですが、
実は私、2006年に彼のソロ演奏を生で聴いていまして(→)、
そのときは、さほど強い印象を受けなかったのです。
一生懸命弾いているなあ、まあ上手に仕上げているなあ、といった程度で。

で、受賞後の演奏をぜひ聴いてみたいと思っていたわけなのですが、
実際に聴いてみたところ、

……大変身を遂げていました!

まず、音質がまったく違います。
以前は、どちらかというと、硬質な音で「ばりばり弾く」感じでしたが、
今回は、まろやかな音質。
「馥郁(ふくいく)とした薫り」とでも言いたいような。
それでいて、聴かせるべき音はパリっと浮き上がらせてきます。
見事な音楽性でした。

ピアノがオーケストラを引っ張り、音楽性を醸造していく感がありました。
(2楽章のオケには、もう少し内面性が欲しかったような…)
いやあ、若者の成長ぶりって、ものすごいものがありますね。
以前同様、真面目さがにじみ出ている態度にも大変好感が持てました。

オーケストラで一番良かったのは、第一曲、
ハイドンの主題による変奏曲です。
さすがはドイツ。ブラームスの歌わせ方がうまい!
もともと好きな曲でしたが、その魅力をさらに確信いたしました。

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MUZAランチタイムコンサート

2009年3月4日(水)12:10-13:00 @ミューザ川崎

哀歌とともに聴くパイプオルガン
松居直美パイプオルガンコンサート

J.S.バッハ  前奏曲とフーガ ロ短調 BWV544
J.S.バッハ  おお、罪なき神の子羊 BWV656
J.S.バッハ  カンタータ82番「われは足れり」より「われは足れり」*
J.S.バッハ  バビロンの川のほとりに BWV653
J.S.バッハ  前奏曲とフーガ ホ短調 BWV548

J.S.バッハ  おお人よ、汝の罪の大いなるを嘆け BWV622

*木島千夏(ソプラノ)

*****************************

午前中、ミューザの練習室でみっちりピアノ練習に取り組んで、
その足でランチタイムコンサートへ
という充実の一日を過ごしました。

大きなパイプオルガンのコンサートは以前のランチタイムでも聴きましたが(→)、
今回は、舞台上に置いた、かわいらしいオルガンを使っての「歌の伴奏」もあり、
あわせて楽しめました。

大曲ぞろいの格調高いプログラム。
響き渡る音に包まれて、敬虔な心持ちになりました。

オルガニストは、ミューザ川崎シンフォニーホール・アドバイザー。
さすが、大変端正かつスケールの大きい演奏でした。

以前も強調したことですが、これで500円というのは、ほんと感激です!

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清水和音ピアノリサイタル

090214_22009年2月14日(土)14時開演@サントリーホール
清水和音
ロマンティック ピアノリサイタル

ラフマニノフ:前奏曲Op.3-2
ラヴェル:水の戯れ
メンデルスゾーン:無言歌集より「胸騒ぎ」「春の歌」
ドヴォルザーク:ユモレスク Op.101-5, 7B.187
シューベルト:即興曲Op.90-3
ショパン:英雄ポロネーズ

ドビュッシー:夢
ブラームス:間奏曲Op.116-4, Op.118-2
スクリャービン:2つの詩曲Op.32
シューマン:アラベスクOp.18
プロコフィエフ:ロメオとジュリエットより「モンタギュー家とキャピュレット家」
         3つのオレンジへの恋より「行進曲」
リスト:超絶技巧練習曲集第11番「夕べの調べ」

ラフマニノフ作曲(アール・ワイルド編曲)
  12の歌より 何という苦しさ Op21-12
    12の歌より ここはすばらしい場所 Op.21-7

************************************************************

巨匠の貫禄!でございました。
深みのある音色のどっしりとした安定感は、当代随一では?
そのベースはしっかり保ったまま、
軽やかさと、迫力ある重厚感との間を、自在に行き来するテクニック。

非常に心地よく、安心しきって楽しませていただいたリサイタルでした。

私ごときでも弾いたことのある曲目が数多くあって、
たぶん和音氏にとっては、目をつぶってもOKな曲目が大半だったのでは。
私の印象に残ったのは、
ドヴォルザークのユモレスク、シューマンのアラベスク。
こんなに「聴かせる」曲だったのか、と初めて気づきました。。。

それから、アンコールの2曲。
”いかにもラフマニノフ”のメロディーラインなのに、聴いたことがない。。。
帰宅後、調べてみました。

「1915年生まれのアメリカのピアニスト、アール・ワイルドが、自身が6歳の時に初めて聴いたというラフマニノフへのオマージュとして、歌曲をピアノ独奏に編曲したもの」(→

とのことです。納得!
こういった新たな曲との出会いがあるのも、リサイタルの楽しさです。

和音氏とは、ほぼ同世代の私。
若いころは、「練習ぎらいの、はねっかえり青年」といった趣だったのに。。。
と、感慨にふけったのでありました。時は流れたり。

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バッハ絢爛

福田ひかり ピアノリサイタル
バッハ・ツィクルス5 バッハ絢爛

2009年1月7日〈水〉19:00開演 20:45終演
@杉並公会堂 小ホール

J.S.バッハ
《平均律クラヴィーア曲集》第2巻より
   第9番 ホ長調 BWV878
   第13番 嬰ヘ長調 BWV882
フランス風序曲 ロ短調 BWV831
   1.序曲 2.クーラント 3.ガヴォットⅠ 4.ガヴォットⅡ 5.パスピエⅠ
   6.パスピエⅡ 7.サラバンド 8.ブーレーⅠ 9.ブーレーⅡ
   10.ジーグ 11.エコー

J.S.バッハ=ケンプ
《ピアノのための10の編曲》より
   コラール前奏曲「来たれ、異教徒の救い主よ」BVW659a
   コラール前奏曲「いまぞその時(いざともに喜べ、愛する信者たちよ)」BWV307/734
   コラール前奏曲「目を覚ませと呼ぶ声が聞こえ」BWV645

J.S.バッハ=ブゾーニ
   シャコンヌ(無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番 BWV1004より)

アンコール
   イギリス組曲第3番 BWB808より ガヴォットⅠ-ガヴォットⅡ
   インヴェンション第4番 BWV775
   ゴルトベルク変奏曲 BWV988 より 第30変奏、アリア

***********************************

ネット抽選で当たったチケットで、行ってまいりました。
「こいつぁ、春から縁起がいいぜ♪」ってなところです。
そういえば昨年も…(→

演奏者、理知的な解説文を書かれる学究肌の方とお見受けしました。
そこはかとなく漂う、指導者然とした雰囲気。
おそらくバッハの専門家。。。
ツィクルスは今回最終回で、次は新たな切り口からまたバッハに取り組まれるとか。

ピアノは、スタインウエイではなく、ベヒシュタイン。
これを聴くのは初めてかもしれません。
鍵盤を思い切り叩いていても音が割れなかったのは、
演奏者の腕のよさもあるでしょうが、ピアノの特徴でもあるのでしょうか?

音量の幅が広く、繊細な音でもかすれることなく聴かせたのはさすがです。

私が気に入ったのは、フランス風序曲の、序曲とエコー。
バッハ=ケンプの「目を覚ませと呼ぶ声が聞こえ」
そして、アンコールの曲。

バッハオリジナルに曲は、文字通り「クラヴサン」の面影がちらつき、
バッハ=ケンプになると、ピアノの本領発揮、となり、
シャコンヌは、……難曲中の難曲ですねえ。やはり。聴くほうも疲労感…
そういった、曲づくりの差も感じられて、面白かったです。

プログラム構成とか、曲の「聴き栄え」度とか、
ピアノサークル運営上の刺激も、いろいろとありました。

バッハを人前で弾いてみようか、と考えている私にとってオソロシカッタのは
「ミスタッチ目立ち度、ピカイチ!」
な作曲家であることを再認識してしまったこと。

ううう。練習せねば。

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2008年に聴いたコンサート

年末ということで、
思い立って、今年のコンサートレビューの総括をしてみました。

2008年に足を運んだコンサート数
計20件(うち7件は、5月の熱狂の日音楽祭)
【内訳】
ピアノリサイタル:10
室内楽:6(ヴァイオリン1、チェロ1、オルガン1、アンサンブル3)
オーケストラ:3
オペラ:1

ううむ。なるほど。
音楽祭を除けば、平均して月に1回といった頻度ですね。
このあたりが、私の生活リズムには合っているように思います。

因みに、昨年2007年は18件、一昨年2006年は12件、でした。
来年2009年については、
既に4件のコンサートチケットを入手済みです。
来る年への期待、高まります。

それでは皆様、よいお年を♪

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郷古廉ヴァイオリンリサイタル

未来の音 第6回
郷古 廉(ごうこ すなお)ヴァイオリンリサイタル

2008年12月20日(土) 15時開演 17時終演
めぐろパーシモン 小ホール

モーツァルト(1756-1791) ヴァイオリンソナタ 変ロ長調 K.378
ブロッホ(1880-1959)  バール・シェム
バルトーク(1881-1945)  ルーマニア民族舞曲

プロコフィエフ(1891-1953) ヴァイオリンソナタ 第1番

ポンス(1882-1948 Mexco)  エストリータ (ハイフェッツ編曲)
サラサーテ(1844-1908 Spain) 序奏とタランテラ
イザイ(1853-1931 Belgium)  子どもの夢

*****************************

ここの小ホールの音響など、ちょっと聴いてみたいな、
といった、軽い気持ちで入手してみたチケットでした。

しかし! 嬉しいことに、大変すばらしいリサイタルでありました。
ヴァイオリンのソロリサイタルには、あまり足を運ばないこともありますが
ここまで完成度の高いヴァイオリンソロ、初めてでした。

ソリストの郷古廉くん、1993年生まれ。弱冠16歳の中学3年生。
非常にのびやかな音色、のびやかな音楽を創り上げる、立派なプロです。
お名前どおり、とてもすなおに、自然に、楽しんで演奏しているのが印象的でした。

経歴を見ると、小学生のうちに日本学生音楽コンクールで1位を受賞し、
06年にはユーディ・メニューイン青少年国際ヴァイオリンコンクール・ジュニア部門で1位(史上最年少)、すでに演奏家デビューを果たし、協奏曲も弾いているとか。

楽器は1682年製アントニオ・ストラディヴァリウス(Banat)とあります。
たしかに、素晴らしい音色でした。
ほんとに、今後、世界に羽ばたいていくこと確実な若い才能です。

また、伴奏者のピアノにも舌を巻きました。
上田晴子氏。
これまた、数々の受賞歴を誇る第一人者です。
ピアノとヴァイオリンの音色、音量のバランス、パーフェクトでした。
掛け合いの箇所など、楽器が違うにもかかわらず、全く同じ音色に聴こえたほど。

今年最後のコンサートにふさわしい、まさに記憶に残るリサイタルでした。
未だ余韻に浸っております。ため息。。。
 

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コバケンの第九

081218daiku日本フィルハーモニー交響楽団
第9交響曲 特別演奏会2008

2008年12月18日(木)午後7時開演 9時終演
東京芸術劇場

ギルマン ヘンデルの主題によるパラフレーズ
バーバー コラール プレリュード 《きよしこの夜》
ウィドール オルガン交響曲 第5番より 《トッカータ》

ベートヴェン 交響曲 第9番 ニ短調 《合唱》

指揮:小林研一郎
パイプオルガン:勝山雅世
ソプラノ:菅 英三子
アルト: 菅 有実子
テノール:錦織 健
バス:青戸 知
合唱:東京音楽大学

***********************

会場に入るなり、近未来的なパイプオルガンの威容に圧倒されました。
このホール、何度か足を運んだことがありますが、
パイプオルガンを目にしたのは初めて。
普段は収納してあるのでしょうね。

前半は、20分程度のパイプオルガン独奏。
前日の川崎ミューザのパイプオルガンより、耳慣れたメロディでした。
特に3曲目は、オルガン1台でオーケストラに匹敵するような音の厚み。

ここのパイプオルガン、ミューザより音がいい、との評判のようですが、
聴く位置のせいか(ミューザは3階、今回は1階)、
あるいは、観客の入りの違いのせいか
(ミューザは50パーセント埋まっているかどうか。今回は満席!)
音の響きが格段に良い、とまでは感じませんでした。

パイプオルガンは、大ホール満席、という状態より、
教会のような、空間に余裕のある会場のほうが向くのでしょうか?

今回のソリストは、ドレスではなく、パンツスタイルだったので、
観客席から、足元の動きが見えました。
大変ですねえ。。。両手で鍵盤を弾きながら、
音色を変える(と思われる)鍵盤両サイドのバーも操作し、
かつ、足元も大きく動かしてペダル音階も使うのですから。。。

二日連続でのパイプオルガン鑑賞、堪能いたしました。

さて、後半は、まさに「炎のコバケン」の面目躍如!
汗飛び散らせ、跳ね、踊り。。。すごいですね、カリスマ性全開!
ホールの聴衆を飲み込んで、迫力のステージでした。
演奏後は、「ブラボー!」の嵐。

印象に残ったのは、合唱団。
学生達の、のびやかで若々しく、りんと響く歌声がよかったです。
楽譜を持たず、暗譜で朗々と歌いあげる若者達……いいですねえ。
若いエネルギーをもらって、充電できた感がありました。

「年末の第九」にふさわしい、いいコンサートでした。

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パイプオルガンコンサート

MUZAランチタイムコンサート2008 第九回

松浦光子パイプオルガンコンサート
2008年12月17日 12:10開演 13:00終演

J.S.バッハ    前奏曲とフーガ ト長調 BWV 550
A.ハイラー   エッサイの根より
J.S.バッハ    いざ来たりませ、異邦人の救い主 BWV 599
J.S.バッハ    マニフィカト BWV 733
O.メシアン   『主の降誕』より「羊飼いたち」「天使たち」「博士たち」
M.レーガー   聖夜 Op.145-3

M.デュリフレ  主の公現日のための前奏曲

***********************************

残念ながら、仕事の都合でちょっと遅刻。
2曲目から聴きました。どうやら曲目解説も聞き逃した模様…

しかし、パイプオルガンの音色を堪能いたしました。
いろいろな音が出せるのですねえ。
うわあっと音の渦巻きに「巻き込まれる」感のある、迫力の曲あり、
オラトリオのような、α波出まくり、眠気に誘われるような、癒しの曲あり、
宇宙の旅というか、近未来的、不思議な和音の曲あり。。。

印象に残ったのは、メシアン。不思議な和音でした。
最近よく耳にする作曲家名ですが、きちんとその作品を聴いたのは初めて。
調べてみたら、1908-1992のフランスの作曲家、オルガニストだったのですね。

とてもきれいなホールでした。
ミューザにはよく行くものの、専ら練習室と市民交流室で、シンフォニーホールは初。
遅れていったため、3階席となりましたが、
高い位置になるパイプオルガンには正対する感じで、よかったです。
オルガニスト、聴衆に背中を向けて演奏するって、どんな気分なのでしょう。

一緒に遅れて入った、60代ぐらいとおぼしきお二人のご婦人方は、

「ちょっとリッチなクリスマス(副題です)、なんて書いてあるから来たのに、
知ってる曲なんて一曲もなかったわ。わけわかんなかった。
なに、このプログラム!」

と、ご立腹のご様子。
私は、いろいろな音色と曲想が楽しめて、
500円のワンコインコンサートとしては大満足だったのですが。

また聴いてみたいです。パイプオルガン。




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ショパンの音楽日記:No.6

ル・ジュルナル・ド・ショパン(ショパンの音楽日記)
No.6 惜別の甘い調べ 1830年~1835年

2008年11月29日(土)14:00開演(15:05終演)
東京オペラシティ コンサートホール

******プログラム**********

ノクターン ヘ長調 Op.15-1
マズルカ 変イ長調 KKⅣb-4
前奏曲 変イ長調
「プレスト・コン・レジェレッツァ」
   フィリップ・ジュジアーノ

ノクターン 嬰ヘ長調 Op.15-2
ボレロ ハ長調 Op.19        ジャン=フレデリック・ヌーブルジェ

マズルカ ハ長調 Op.67-3
マズルカ ト長調 Op.67-1
マズルカ ハ長調 KKⅣb-3     イド・バル=シャイ

華麗なる変奏曲 変ロ長調  Op.12
マズルカ ト短調 Op.24-1
マズルカ ハ長調 Op.24-2
マズルカ 変イ長調 Op.24-3
マズルカ 変ロ短調 Op.24-4
幻想即興曲 嬰ハ短調 Op.66   児玉桃

ノクターン ト短調 Op.15-3
カンタービレ 変ロ長調
ラルゴ 変ホ長調
ワルツ 変イ長調 Op.69-1 「別れ」 アンヌ・ケフェレック

************************

前回は、最前列の真ん中、という座席で聴いたのですが、
今回は、左手の後方、という席でした。
席によって、ピアノの音色が違って聴こえることがはっきりわかり、
面白く思いました。

前回は、ピアノから出る音をダイレクトで聴く、という形で
それはそれで、たいへんよかったと思います。
今回は、
最前列では「音が硬い」と感じた弾き手の音色が、
くっきりとクリアに響いて、美しく感じられたこともあれば、
最前列でさほど気にならなった弾き手の音が、
ボヤンと拡散して、聴きづらくなっていたこともありました。

初めて聴いた、若手・22歳のヌーブルジェは、まだ少年の面影。
端正な可愛らしい顔だちで、
終演後のロビーでは写真を撮られまくり。
演奏も、若々しく端正なものでした。

全体として、
「フランスの香り」
に満ち満ちた演奏会でした。
前回はあまり感じなかったことなのですが。
これも、聴く座席、音の響きの加減によるものなのでしょうか。。。

それから、
やはり「メジャー」な曲は、なるべくしてメジャーになったのだな、と。
聴いたことのない曲は、やはり印象にあまり残らないのでありました。

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ショパンの音楽日記:No.3

ル・ジュルナル・ド・ショパン(ショパンの音楽日記)
No.3 旅立ちの時 1828年~1830年

2008年11月28日(金)18:30開演(19:40終演)
東京オペラシティ コンサートホール

******プログラム**********

ポロネーズ ヘ短調 Op.71-3        アンヌ・ケフェレック

ポロネーズ 変ト長調 KK Ⅳa-8
ワルツ 変ニ長調 Op.70-3
マズルカ ハ長調 Op.68-1
変奏曲 イ長調 「パガニーニの思い出」  アブデル・ラーマン・エル=バシャ

081128hall ワルツ ロ短調 Op.69-2      児玉桃

マズルカ ヘ長調 Op.68-3
マズルカ イ短調(マズルカ Op.7-2 初稿)
マズルカ ニ長調 KK Ⅳa-7
ワルツ ホ長調 KK Ⅳa-12
ワルツ ホ短調 KK Ⅳa-15      イド・バル=シャイ

ノクターン 嬰ハ短調(遺作) KK Ⅳa-16
マズルカ 嬰ヘ短調 Op.6-1
マズルカ 嬰ハ短調 Op.6-2
マズルカ ホ長調 Op.6-3
マズルカ 変ホ短調 Op.6-4      アンヌ・ケフェレック

マズルカ 変ロ長調 Op.7-1
マズルカ イ短調 Op.7-2
マズルカ ヘ短調 Op.7-3
マズルカ 変イ長調 Op.7-4 
マズルカ ハ長調 Op.7-5         フィリップ・ジュジアーノ

*****************************

春の音楽祭「熱狂の日」をプロデュースしている、ルネ・マルタン氏の企画。
短めの時間で、手軽に聴けるコンサートです。
これだけの曲目を聴いて、1時間10分ほど。
第3回目のこの回は、
ショパンが1828年~1830年(18歳~20歳)に作曲した曲を取り上げています。

ピアニストによる音色、曲の作り方の違いなども聴け、面白いことでした。

「風格」「深み」に舌を巻いたのが、エル=バシャ。
よく耳にするワルツも、よくある「叙情に流れる」演奏とは一線を画す、
じっくり構築しつつ、ピアノを歌わせるものでした。
初めて生演奏を聴きましたが、そのギリシャ彫刻のような風貌といい
今晩、一番印象に残ったピアニストです。

「内面への沈潜」度が高かったのが、ケフェレックのノクターン遺作。
音の層の薄い、この曲をここまで聴かせるか。。。と脱帽いたしました。

音色の輝きでは、フィリップ・ジュジアーノ。
1995年のショパン国際コンクールで最高位(2位)となったピアニストですが、
ショパンコンクールで上位に入るには、この「音色」が大きなポイントなのかも…
と思いました。
前回コンクールの上位に入った、イムドンヒョク、山本貴志の演奏でも
「輝く音色」が印象に残りましたので。

明日もまた、このシリーズを聴きに行きます。楽しみです。

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衝撃のデュオ:山本貴志×佐藤卓史

081120piano_duo2 2008年11月20日(木)19:00開演 
@横浜市港南区 ひまわりの郷ホール

****プログラム****

モーツァルト 2台のピアノのためのソナタ ニ長調K.448
ラフマニノフ 組曲 第2番 Op.17

ショパン  ロンド ハ短調 Op.1 (佐藤氏ソロ)
       即興曲 No.1 変イ長調 Op.29(山本氏ソロ)
プーランク  エレジー
ラヴェル   ラ・ヴァルス(作曲者による2台ピアノ版)

ルトワフスキ パガニーニの主題による変奏曲(アンコール)

*****************

まさに、衝撃のデュオ!でした!
モーツァルトの出だしから、引き込まれてしまいました。
モーツァアルトの音楽で「背中がゾクゾク」したのは、わたくし生まれて初めてです。

2台ピアノって、
「ふうん。すごい音量になるんだね。」
「ふたりとも、うまいと思うんだけど……なんだか、ガチャガチャ」
といった印象になってしまう演奏が多いように思いますが、

今夜のは、別格でした!

おおおお!これぞコラボレーション!
音楽が渦を巻いて、波動となって、別世界を生み出している、という感覚。
二人の息の合わせ方、かけあいかた、絶妙でした。

弾き方は、全く異なる二人。
冷静沈着、ポーカーフェイスで姿勢正しく弾く佐藤氏。
鍵盤上にかがみこみ、憑き物状態で唸りつつ弾く山本氏。

二人とも「2台ピアノは今夜が初めて」
とのことでしたが、凄すぎます!初めてで、こんな世界を醸造してしまうとは!

山本貴志、佐藤卓史、二人とも1983年生まれの同年代、
今をときめく若手ピアニスト。
2001年日本音楽コンクールでは、佐藤氏1位、山本氏3位。
2005年には、ショパン国際ピアノコンクールにともに出場し、山本氏4位。
佐藤氏は、2007年シューベルト国際コンクールで1位となっています。

アンコール前のトークによると(話し方も、二人が全く異なっていて面白かった)、
小学生来の知り合いでありながら、メルアドも知らない程度の仲で、
今回の競演は、
佐藤氏が山本氏のメルアドを探り出して、直接メール依頼をして実現したとか。

たびたびコンクールで顔を合わせる同年代。
とあれば、きっとライバル心もあるに相違なく、
それが素晴らしい競演を生み出したともいえるのかも。

若い力、コラボレーションの凄み、を体感し、力をもらった夜でした。

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チェロ×3=

無性に「室内楽の生演奏」が聴きたくなり、次の演奏会を衝動予約したのが2週間前。
彩音会の仲間二人と、チェロ演奏の夕べを堪能してまいりました。

10月23日(木)19時開演@JTアートホール
「向山佳絵子と仲間たち~師弟による究極のチェロ三重奏~」

F.J.ハイドン(編曲:H.V.アンドレア) ディヴェルティメント ニ長調
G.ソッリマ    野生の樹木園
F.クープラン(編曲:D.ゲリンガス) 演奏会用小品

A.G.シュニトケ  チェロ・ソナタ 第一番 Op.129
J.S.バッハ(編曲:F.ロンキーニ) トリオ・ソナタ ト長調 BWV.1027

D.ポッパー  レクイエム
G.ソッリマ   キリストの笞打ち~カラバッジョの絵画による~
ドン・チン・ファン 努給勒 (Nu Gei Le)

チェロの響きって、深いのですね。
ホールの音響もよかったのでしょうが、
「全身で音色に包み込まれる」感覚が味わえた、至福のひとときでした。

また、音色、音の作りの幅にも驚かされました。
バロックの曲の音色と、現代曲の音色の差。
レガートと、スタッカートの差。
癒される音色、そして、聴き手の感覚に鋭く突き刺さる音色。
楽器を叩き、足を踏み鳴らし、パーカッション的な要素も含んだ演奏法……

巨匠の風格漂う、ドイツ紳士のゲリンガス氏。
安定感あふれる、泰然としたたたずまいの向山女史。
エレガントな若々しさに満ちた若手演奏家、趙静。

この3人の競演は、聴き応え、見応え充分でした。

アンコール3曲だけでも、中身ぎっしり!といった印象の充実ぶり。
2時間半に及んだ、まさに「当たり!!」の演奏会でしたが、
もし時間制約がなかったら、このまま楽しく永遠に弾き続けてしまうのでは?
と思われてしまうほど、体力、気力にあふれ、息もぴったりの3人でした。

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ドンヒョクのバッハ

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イム・ドンヒョク
J.S.バッハ ゴールドベルグ変奏曲集・シャコンヌ

実は私、バッハのCDを買うのって生まれて初めてです。
よって、具体的に他の演奏と比較することもできないのですが、
ドンヒョクの演奏、私のバッハの印象を変えるものでした。

無知をさらけだすようでありますが、バッハというと私にとって
重たい・沈鬱・単調・眠くなる・退屈
といったような印象がありました。(恥ずかしい…)

ところがドンヒョクの演奏は、沈鬱とは程遠く、
彼ならではの「きらきら」感に満ちたものでした。
装飾音符の美しさ、自然な輝きは、うっとりするばかり。
また、”単調な音が並ぶバロックで、テンポを揺らすことなく歌うって、可能なんだ!”
と、目からウロコでございました。

さわやかな気分で聴かせるバッハって、貴重なのではないでしょうか?
「もっと重く!」という方もいるでしょうが、私は好きです、この演奏。

そういえば、このブログで
ドンヒョクについて何度かとりあげてきたなあ、と思って確認してみたら、
こんなにありました。(→     
われながら、びっくりです。
これからも応援したいと思います。

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ブーケ・デ・トン

7月25日(金) 19:00  すみだトリフォニー小ホール
室内楽アンサンブル・Bouquet des Tons 20回記念コンサート

テレマン 四重奏曲 第1番
J.S.バッハ 「音楽の捧げもの」BWV1079より
         リチェルカーレ(高橋喜治編曲)
                    トリオソナタ

高橋喜治 海と私(初演)
大中寅ニ 椰子の実(高橋喜治編曲)
高橋喜治 Barocco (20回記念委嘱作品初演)
カントループ オーヴェルーニュのうた(高橋喜治編曲)

アンコール 夏の思い出(高橋喜治編曲)

息子@サマースクール、の機会を得て
夜のコンサートに足を運びました。
フルート、ヴァイオリン、チェロ、チェンバロによる室内楽コンサート。

最近の蒸し暑さを忘れさせてくれる、素敵な清涼剤でした。
室内楽って、いいですね。
バロック、童謡、歌曲の編曲に、癒されました。

初演作品なんて、かっこいい!
編曲作品も、耳に心地よい素敵なハーモニー。
演奏者の、自然体ながらかっちり決める演奏ぶりも、気持ちのよいものでした。

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小沢征爾音楽塾「こうもり」

080721ozawa 080721ozawa2_2 小沢征爾音楽塾
オペラプロジェクトⅨ
JシュトラウスⅡ世:
喜歌劇「こうもり」

2008年7月21日(月・祝)
@神奈川県民ホール

14:00開場 15:00開演
18:20終演

感想:「一流の音楽家は凄い!」
「芸術は楽しまなくちゃ!」

来月の彩音会コンサートで「こうもり」序曲を弾くpipi&PIOの二人で行ってまいりました。
もう、最初の序曲を聴いただけで「うわあ!これは勉強になる!」と実感。
「喜歌劇」なんですものね。まさに。
もっと明るく、楽しく、軽やかに、曲づくりを再考せねば!
小澤マエストロ、ステップ軽やかに踊っていらっしゃいました。

また、序曲中のモチーフとなっているメロディーが、
劇中のどんな場面で、どんな効果を狙って演奏されるか、歌われるかもよーくわかって、刺激受けまくり、収穫もりだくさん。

歌手の方々の「演技力」「ダンス力」etc.のカリスマ性にも驚嘆いたしました。
超一流のかたがたは、その大きさが、度量が違います。

ステージ上の歌手、ダンサー、&オーケストラ、&指揮者、&……の、一体感も見事なものでした。
舞台芸術の楽しさ、奥深さ、……凄い舞台でございました。

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美術館でのコンサート

本日、なんと2ヶ月半ぶりの「用事のない」土曜日でした。

思わず足を運んでしまったのが、横浜美術館。
たまには美術も…と思ったこともありますが、
一番の理由は、「30分間の無料ピアノコンサート」。
この情報、ノルウェー大使館コンサートでのピアニスト、
関小百合さんのホームページ(→)でゲットしました。
彼女の演奏日、来週には予定が入っているので、
行くとしたら今日だな、と。

【YMAクラシックライブ】 6人のピアニストが創る「私の音楽コレクション」

第一回:7月4日(土)14:00-14:30 @横浜美術館グランドギャラリー
「天才こそが天才を知る!響きあうロマン派の巨星達」

シューベルト 即興曲 ヘ短調 作品142-4
シューマン  クライスレリアーナ 作品16-2
リスト     巡礼の年 第1年 「スイス」より「オーベルマンの絵」

なかなか音響のよいギャラリーでした。
階段状のスペースの一角に据えてあるグランドピアノによる演奏です。

ただ、聴く位置には注意が必要。
聴衆用に並べてあったパイプ椅子に陣取ったのですが、
ここは、なんと階段の段が邪魔になって、ピアニストの顔しか見えない
(演奏している姿、腕の使い方などが見えない)
という位置。
もっとピアノから離れて、常設のソファーなどで聴いたほうがよさそうです。
上の階の手すりごしに、見下ろす角度で立って聴いている人もいましたが、
それもいいかも。

演奏は、オーソドックスにまとめた、大変聴きやすいものでした。
一番気に入ったのは、クライスレリアーナ。
この曲、今まで何度か耳にしても、いまひとつピンとこなかったのですが、
今回初めて、「おお、いい曲!」と感じました。

こういったミニ・コンサートでは、短めの曲をじっくり聴けるので、
自分がチャレンジしてみたい曲を探すという意味でも嬉しいものです。
帰宅して調べてみたら、持っていました。「クライスレリアーナ」の楽譜。
(春秋社のシューマン集に入っていました)
チャレンジ候補曲です。

それから、こういうコンサートでは華やかな衣装がいいな、とも思いました。
今日のピアニスト、竹原暁子さんは、ピンクの華やかな花柄のドレス。
モノトーン調のスペースに美しく映えていました。

久しぶりの休日、
音楽も美術も(画家では片山球子・佐藤敬、それからピカソを被写体とした写真群が印象に残りました)楽しんだうえ
みなとみらいクイーンモールでのバーゲン漁りにまで繰り出して、
一人で欲張って楽しんだ午後でした。

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熱狂の日6:こどもの日

No.412
5月5日(月)12:15-13:00@ホールA
東京都交響楽団・小泉和裕(指揮)

・ベートーヴェン:歌劇「フィデリオ」序曲
・シューベルト:交響曲第3番 ニ長調 D200

No.424
5月5日(月)15:30-16:15@ホールB7
高木綾子(フルート)
オーヴェルニュ室内管弦楽団/フランス
アリ・ヴァン・ベーク(指揮)/オランダ

・ロッシーニ:弦楽のためのソナタ 第1番
・サリエリ:フルートと管弦楽のための室内小協奏曲 ト長調
・シューベルト:5つのドイツ舞曲 D50

いずれも、視覚的にも(小泉氏の指揮ぶり、高木さんの美しさ、etc.)
音楽的にも、大変楽しいものでした。

サリエリ、軽快で美しい音楽を書く方ではありませんか!
モーツァルトの仇役としてのみ名前が知られてしまって、気の毒。
パンフによると「モーツァルトとの不仲説は後世の創作」とのことです。
シューベルトにイタリア歌曲の作曲を教えた教育者でもあるのですよ。

このほかに、屋外の東屋のようなスペースでの無料コンサートも楽しみ、
シューベルト広場でCD物色も。
有料コンサート4種をはじめ(前の記事、2つのレビュー参照)、
音楽三昧の「こどもの日」でした。

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熱狂の日5:シャオメイ・シュ_ソロ

No.456
5月5日(月)19:15-20:00@ホールD7
シャオメイ・シュ(ピアノ)/ 中国

シューベルト:アレグレット ハ短調 D915
シューベルト:ピアノ・ソナタ 第21番 変ロ長調 D960
バッハ/ ブゾーニ:アダージョ トッカータ ハ長調 (アンコール)

シャオメイ・シュ(Zhu Xiao-Mei)。
彼女の背景など全く知らず、ただ21番の生演奏を聴こうと購入したチケット。
それが、心の奥底にずーんと残る名演奏でした。
深遠なる人生の淵を覗いてしまった、というような。

ソナタ21番といえば、今回のプログラムにもあるように
「雄大な」第1楽章、「美しく叙情的な」第2楽章、「軽快な」第3楽章、
「意外性に溢れる」第4楽章、というように表現され、演奏にあたっては
キラキラ輝く音の粒、圧倒するフォルテシモ、さまざまに要求されるテクニック、
といったものが注目されるように思います。

しかし。
彼女の演奏は、耳に馴染んでいる上記の演奏とは全く違いました。

哲学者然とした、たたずまい。
(衣装は、作務衣?+地下足袋?+海老茶色のストール)
叩きつけるような音、フォルテシモは全く姿を現さず、
あくまで柔らかく、思考しつつ進む、たゆたうような音。
楽章の区切れなく、(演奏中、手は一度も膝の上に下ろされることなく)
全楽章で一体となった世界を構築する。

深く深く、沈潜していくソナタでした。
この曲がシューベルトの死の2ヶ月前に書かれたということを考えると、
このような曲作りが、実は彼の意図したものだったのかもしれない
と思わされました。

若くして音楽教育を受けながら、中国での文化大革命で迫害され
1979年にアメリカ、1985年にパリへ移住。
現在はパリで教鞭もとっているというシャオメイ・シュ。
苦難の連続であったろうと想像される、その人生が
彼女の深い・深い音楽の根底を作ったのだろうなあ、と思います。

アンコールのバッハは、彼女の音楽性が凝縮されたような演奏でした。
稀有なる生演奏に接することができて、感謝したい心境です。

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熱狂の日4:北村朋幹_ソロ

No.465
5月5日(月)17:00-17:50@ホールG409
北村朋幹(ピアノ)

シューベルト:アダージョとロンド ホ長調 D506
シューベルト:ピアノ・ソナタ第1番 ホ長調 D157
シューベルト:楽興の時 作品94 D780

「溢れ出る音楽性」というのは、こういう演奏を指すのだと思います。
弾き手がピアノと一体化して、音楽そのものになっていました。
周囲の者は、息を呑んで聴き入ってしまい、
音楽に吸い込まれてしまうような感覚に…

彼の演奏中、会場は異次元の小宇宙となったような感じでした。
音響がどうとか、演奏技術がどうとか、そんな次元を超えて。

これが10代の演奏とは!
よくある、「若々しい」「清新な」といった形容ではあらしきれません。
曲に秘められたささやき、つぶやき、ためらいを、残さずすくい取って、
すっと表現してしまう。
自然さの中に、なんともいえない深みを感じさせてしまう。

いやあ、舌を巻きました。
収容人数100名ちょっと、という小さな会場の醍醐味、味わいつくしました。

2年前、彼が14歳のとき、やはりシューベルトの曲を聴いて
その演奏の円熟ぶりに驚いたのですが(→)、
演奏中の姿は、いまや巨匠の貫禄。

一方、演奏を終えてお辞儀をする姿は小柄でシャイな少年そのもの。
そのギャップが不思議な感じです。

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熱狂の日3:樫本大進_協奏曲

No.348
5月4日(日)22:15-23:00@ホールC
樫本大進(ヴァイオリン)
フランス国立ロワール管弦楽団
ペーテル・チャバ(指揮)

メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲第2番 ホ短調 作品64
シューベルト:「ロザムンデ」序曲 D644

「凄い!」…貧弱な語彙で恐縮ですが、そのひとこと!
ヴァイオリン演奏の凄さに、背筋がぞくぞくするほどでした。
もう、耳たこってほど聴く曲、メンコン。それなのに
独奏冒頭 ♪タ~ララ~ン♪ だけで
「うわっ!なに、この音!この響き!!!」…一気に惹き込まれました。

弓のしなりで、ググーっと引っ張っていく、という音の作り方は、
ピアノには出来ません。
その弦楽器ならではの音の作り方の妙味、
また、はるかにヴァリエーションに富む、さまざまな音色。

ヴァイオリンの生演奏も、今までいろいろ聴いてきたはずなのですが、
これほど惹き込まれた演奏というのは、初めてでした。
凄い人です、樫本大進。
人懐っこい笑みの若者ながら、しっかり自己の世界を持っていて。
黒の詰襟・隠しボタンのスーツ、という衣装からも彼の個性がうかがえそう。

オーケストラも見事でした。
フランスって、なぜこうもお洒落に見えるのか、聴こえるのか…
指揮者、たいへんに恰幅のよい方なのに、いやまあ見事に軽やかなステップ。

深夜11時過ぎまで、こんなコンサートが楽しめるなんて。
まさに至福のひとときでした。

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熱狂の日2: 5/4午前

080504lobby美しい新緑が目に鮮やかな、ガラス館ロビー。
今日は朝9時過ぎから、ここの4Fへ足を運びました。
会議室に反響板を設置しての、今年の新会場です。
No.361 
5月4日(日)9:45-10:30@ホールG409
児玉麻里(ピアノ)

ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第19番 ト短調 作品49-1
シューベルト:ピアノ・ソナタ第13番 イ長調 作品120 D664
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第25番 ト長調 作品79
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第24番 嬰ヘ長調 作品78

厳格なピアノ教師による、生徒のための模範演奏。
毅然たる表情・風格の、美貌教師による、
ミスのない、かたい演奏。…そんな趣でした。
(開場の音響のせいもあるのかもしれませんが…)

080504freeそのまま半券を握り締め、無料コンサートが催される地下ホールへ。「未完成」第一楽章を聴きました。
指揮者に正対する、オーケストラ背後の席。
管楽器(席から距離が近い)の音がビンビン届きました。
演奏自体にも、今後の演奏や定期公演に聴衆を誘うスピーチにも、アマチュアの気概があふれていて、共感!

そして今。
銀座での買い物を楽しんでから帰宅して、午後9時過ぎ。
実はこれから、また演奏を聴きに出かけるのです。
なんだか不良気分で、わくわく…

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熱狂の日1:小菅優ソロ

ついに開幕。
ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャパン、「熱狂の日」音楽祭
~シューベルトとウィーン~
初日の今日、早速行ってまいりました。

080502kosuge No.122
5月2日(金)15:30-16:15 @ホールB7
小菅優(ピアノ)

シューベルト:幻想曲ハ長調 D605a「グラーツ」
シューベルト:3つのピアノ曲 D946

私の席は、最前列の右端。
ピアノの音響は左側がよい、というのが常識ですので
ちょっとがっかりしていたのですが…
右の写真(不鮮明ですが)のように、ピアニストとまさに対面する位置。
弾き手の表情がじっくり見える、という初めての体験をしました。

音響は、やはり良いとは言えませんでしたが、
(音の伸びがあまり感じられない)
そのぶん、音色の差がくっきりと感じられたように思います。
それぞれの席での楽しみ方があるなあ、と発見。

小菅優は、……さすがでした。
「3つのピアノ曲」、彼女が15歳のときの録音を聴いて
「ハマって」しまった私なのですが、
やはり、というか、当然、というか、今日の演奏はその上を行っていました。
哲学的陰影、馥郁(ふくいく)たる香り、とでもいうべき深みが加わって、
ずいぶんと曲の印象が変わっていました。

帰宅後、CDを聴いてみたら、なんだか「一本調子」に聴こえてびっくり。
それだけ、今日の生演奏が陰影に富んでいた、ということですね。

「グラーツ」なんて、曲の出だしは音の数の少ない単調なものなのに、
そこで、しっかり聴衆を惹きつけてしまうとは。
音色のコントロール、ピアノの歌わせ方に長けている人だなあ、と思います。

表情、姿勢、などを見ていると、
「厳然とした自己があって、肝が据わった弾き手として歌わせている」
ように感じます。
苦渋から微笑みまで、変化に富んだ表情を見せながらも
「とり憑かれて」いるのではなく、魂を込めた主体として操っている、という風情。

はじめは、きっちりとシニヨンにまとめていた髪が演奏中にほつれてしまって、
アンコールは全部髪を下ろして弾いていたのも
「魂を込めて」弾いているんだなあ、といった印象につながりました。

アンコールとして、「三つのピアノ曲」第一曲の一部、
シューベルト自らが消してしまった箇所を独立させて弾いたのですが、
その繊細さといったら。
「リスト超絶技巧」バリバリの彼女より、私はこちらの彼女のほうに惹かれます。

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カワイ・パウゼのリサイタル

昨日3月7日(金)夜、
カワイ表参道のコンサートサロン「パウゼ」がどんなものか
彩音会の会場候補として参考までに見てみよう、ということで、
pipiさんと二人で、若手ピアニストのリサイタルに足を運びました。

東京藝術大学 表参道 フレッシュコンサート Vol.4
萬谷衣里
(まんたに・えり)ピアノリサイタル

ショスタコーヴィッチ
 24の前奏曲とフーガ作品87より 第5番ニ長調、第7番イ長調
ヘンデル
 組曲ホ長調 HWV.430
ウルマン

 ヘブライ民謡による変奏曲とフーガ
シューベルト
 ヒュッテンブレンナーの主題による13の変奏曲D.576
シューベルト=リスト編
 どこへ、魔王
シューベルト
 ピアノ・ソナタ第21番 変ロ長調 D.960

アンコール
スカルラッティのソナタ ト長調より

初めに書いたように、
単なる「ホール下見」のつもりだった私たち。
しかし、大変嬉しいことに、
素晴らしい若手ピアニストの演奏を堪能させていただいた
至福の夜となりました。

萬谷衣里さん。
実力派のピアニストでした。
大変にやわらかい手首、指の動きに感嘆しました。
音質、音量、音の粒のバランスが絶妙でした。

大変理知的に音楽を構築し、モニターしつつ、
音楽を奏であげている、という印象です。
感性に任せて歌い上げる、というのではなく、
音楽全体のバランスを見極め、
きっちりとコントロールを利かせながら歌っている。

「バランスの巧者」と言ってよいと思います。

若手によくある「テクニックひけらかし」「音量で圧倒」演奏とは一線を画す、
芸術家としての演奏でした。
もちろん、テクニックも力強さも一流でした。

選曲も、プログラム・ノートの文章も理知的で、
是非今後も注目していきたい、と思います。
ブログを拝見すると、写真撮影の才能もお持ちのようです。(→

あ、ホールはといいますと、
さすが、何と言っても、ピアノの音色が素晴らしかったです!
ピアノの横のKawaiの文字のきらびやかだったこと!

ホールの雰囲気もよかったです。
ただ、椅子の並べ方には配慮したほうがよいかと。
前から3列目の真ん中付近といういい席だったにもかかわらず、
前の人の頭でピアニストが見えず、ずっと首を曲げていたらば、
肩が凝ってしまいました。はい。

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早春の室内楽コンサート

080217art_gallary_2 郊外の小さな美術館での室内楽コンサートに
足を運びました。
フルート、ヴァイオリン、チェロ、チェンバロ。
今までにも何度か聴かせていただいているアンサンブル
Bouquet des Tons(→)のコンサートです。

プログラム

G.Ph.テレマン  トリオソナタ へ長調
J.S.バッハ    ソナタ ニ長調 BWV1028 
              (Fl, Vn, Cembalo)
A..ヴィヴァルディ 合奏協奏曲「四季」より春

J.S.バッハ  フランス組曲第1番 ニ短調 BWV812より(Cembalo)
G.Ph.テレマン  パリ四重奏曲より ソナタ第2番 ト短調
M.ラヴェル  亡き王女のためのパヴァーヌ
(高橋喜治 編曲)
草川 信 (高橋喜治 編曲) どこかで春が (Fl, Vn)
高橋喜治           花の子ども  (Fl, Vn, Cembalo)
岡野貞一 
(高橋喜治 編曲) 春の小川 (Fl, Vn, Cembalo)
アンコール   春が来た

キラキラと春の陽光が差し込む美術館内で、
ほんとに至近距離で聴かせていただいた、春めいた曲の数々。
音響も大変によく、
4つの楽器の音色、音の伸び、その重なり、個々の音のきらめき等等
心ゆくまで堪能し、ぜいたくな時間を過ごしました。

(下画像は、左から、開演前チェンバロ調律中・プログラム終了後)

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演奏会@ノルウェー大使館

PITINAのプレゼント抽選に当選し、本日午後、行ってまいりました。

グリーグ没後100年・全音ピアノライブラリー
”ペール・ギュント”組曲ピアノ独奏版 出版記念コンサート
2008年1月25日(金)1st stage 14:30-15:45
@ノルウェー王国大使館 ホール

件の楽譜で解説・校訂をされた関小百合氏のピアノ演奏、
そして解説による、次のようなオール・グリーグ・プログラム。

1. ノルウェーのメロディ 叙情小曲集 Op.12-6
2. 君を愛す Op.41-3
3.ペール・ギュント組曲
 ① ハリング 叙情小曲集 Op.47-4
  ② 花嫁略奪 イングリッドの嘆き
 ③ 山の魔王の宮殿にて
 ④ 山の魔王の娘の踊り
 ⑤ 朝
 ⑥ アラビアの踊り
 ⑦ アニトラの踊り
 ⑧ ソルヴェイグの歌
アンコール 
  トロウドハウゲンの婚礼の日

ペール・ギュント組曲について、初めて詳しく知りました。
イプセンの戯曲全5幕の上演に向け、曲をつける依頼を受け、
作曲した26曲の中から、人気のあった曲を選んで編纂したもの
だったのですね。

また、このストーリーというのが、極言すれば
「女ったらしの山師・ペールの奇想天外なる一生」とでもいうもの。
花嫁イングリッドを略奪した挙句に、彼女を捨てて遁走。
山の魔王の娘と恋仲になり、魔王からの試練に耐えるも結局逃げ出し、
モロッコに渡って砂漠を放浪。
盗賊一味から入手した財宝も、若い娘アニトラに騙し盗られ、
老人になって苦心してノルウェーへ帰還。
そこで心の恋人ソルヴェイグと再会し……という話だったとは!

演奏の合間に
プロジェクタでノルウェーの景色や楽器も投影しながらの解説をはさみ、
テンポのよい構成で、たいへん楽しめました。

連弾バージョンでしか知らなかったのですが、
独奏でも、緩急・強弱のメリハリの利いた演奏で
かなりの迫力を出せるものですねえ。

080125norway_3   また、会場のお洒落な雰囲気も味わってまいりました。
大使館の敷地に入る際には、招待券を見せて
「門を開けていただき、一人ずつ入る」
とは、なんか、ハイソな会員制みたい。
聴衆は、60名ほどのアットホームなコンサートで、
演奏後には、プティ・ケーキとお茶のサービスまでありました。

画像は、門を入って
「まっすぐ進んでプール付近でお待ち下さい」と言われたところ。
この奥のガラスの建物の地下がホールでした。

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アンデルジェフスキ哲学

次のようなイベントに当選し、行ってまいりました。

「ピョートル・アンデルジェフスキ、茂木健一郎のシークレット・イベント」

 ○日時:11月13日(火) 開場6:30PM/開演7:00PM
 ○会場:Hakuju Hall
 ○出演:ピョートル・アンデルジェフスキ(ピアノ)/茂木健一郎<脳科学者>/
     蔵島由貴(ピアノ)

前半は、アンデルジェフスキ氏のピアノ独奏で、バッハのイタリア組曲6番。
これは、曲の性格もあり、粛々と……といったところでしたが、
後半は圧巻でありました!

後半の最初)
モーツァルト:ピアノ・ソナタK310の演奏(by蔵島由貴)
そして、アンデルジェフスキ氏によるマスターズ・クラス。

氏の指導で大変印象的だったのが、次のようなモーツァルト解釈です。

★モーツァルトはoperatic。スピーチ、対話、コミュニケーション。
さまざまな人が舞台上に現れて対話する、それを表現してほしい。
ピアノ一台での表現であっても、一人の独白になってはいけない。
登場してくるそれぞれの人物を弾き分けなくてはいけない。

指導により、蔵島さんの演奏が見る見る生き生きしてくるのは見事でした。
「とっても端正で、お上手な演奏ですけど、なんか一本調子??」
という第一印象が、どんどん変わっていくのです。

氏自身が、レッスンは楽譜1頁に1時間はかかると述べていたそうですが、
まさにそのとおり!といった内容でした。

後半の2部)
アンデルジェフスキ、茂木健一郎による対談 (in English)

音楽哲学をたっぷり!といった趣でした。
印象に残っているトピックを挙げると(記憶だけで書くので誤謬もあるかも…)

★芸術家の内なるモンスター性
実はクラシックの音楽家も「エレガントでお上品な」人ではないはずだが?(茂)
確かに私の内にもモンスターはいるが、それは変身するもの。
おとなしく小さいときもあれば、凶暴なときもあり、ときにはeat up されそうになる(ア)

★音楽を「教える」とは
モンスターを内に秘めていない凡人に教えるのは不可能なのでは?(茂)
そもそも、芸術は「自ら学ぶ」もので、本当に「教える」ことはできない。
できるのは、「ここにドアがあるよ」と気付かせること、影響を与えることぐらい。
影響を与えるのは、先生に限らない。どんなものでも。木も風も。(ア)

★演奏家とは
自らが奏でる音楽で、聴き手と対話できるレベルまで持っていかなくてはいけない。
音楽を自分の中にintegrateするということ。
そうした作業は、自分にとっては苦しみでもある。
integrate後の自分は、その前の自分と全く違ってしまうほどのインパクトになる。
それがプロ(個人的にはこの分類は好きではないが)といえるのではないか。
それに対して、
アマチュア演奏家にとっての演奏は、純粋に自分にとっての楽しみであって、
聴き手にどう受け取られるかは関知しなくてよい。
純粋に楽しめるということを羨ましくも思う。(ア)

★演奏会とレコーディング
両者は全くの別物。
演奏会はコントロールできない要素が余りにも多い。
その中で自分を納得させ、演奏に向かう精神力、柔軟性が求められる。
体調、ピアノの質、音響、聴衆、その他もろもろの不確定要素に、
なんとか自分で折り合いをつけて、そのとき限りの「対話」を実現しなくてはいけない。
一方、
レコーディングは、自分の求める条件をそろえることができる。
時間もスタジオも曲もピアノも、可能な限りわがままを通せる。
しかし、それだからこそ「完璧」を目指すのであり、ある意味、演奏会よりも重い。
それでありながら、実は「完璧」は実現できないので、なおさら難しい。
指先が「完璧」にチラリと触れられたか、という瞬間がある程度のこと。
「完璧」が実現できたら、それは芸術にとっては「死」を意味するともいえる。(ア)

★音楽とは
突き詰めれば、タイミング(フレージング)と強弱。
言い換えれば、時間の流れとエナジーということになる。
この二つは、音楽に限らず、世界を作りあげる二大構成要素である。(ア)

すっごい哲学談義を拝聴しました!
というのが正直な感想です。

通訳が大変お上手で聴きやすかったことも、ポイント高かったです。
盛り上がる議論を中断させて通訳時間を確保するのも無理なくお上手でしたし、
訳し方も、たとえばintegrateって、どう訳すのかな、と思っていたら
(語学教育では「四技能統合」のように「統合」といった言葉を使ったりします)
「音楽に”侵される”とでも表現したらいいでしょうか、ここは訳しにくいんですけれども」
のように話されていて、好感が持てました。

もう、刺激受けまくりの後半1時間半でした
たぶん、今後もずっと忘れられない一夜になるような気がします。

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JAZZ FESTIVAL 2007

071111jazz FUJITSU CONCORD071111piano
JAZZ FESTIVAL 2007
@五反田ゆうぽうと 
11月11日(日)17時開演 20時終演

3時間にわたり、ジャズのムードに酔いました。
前回(→)もそうだったのだなと改めて思ったのですが、
今回もまた、70代の「大御所」の皆様の年季の入ったジャズに舌を巻きました。

100 Gold Fingers 公演での中心人物の一人だった071111base
JUNIOR MANCE(ピアノ)と
RICHARD DAVIS(ベース)との掛け合いが圧巻でした。

また、サックス3本とトランペットが次から次へ交替していく
アドリブ・ソロの応酬も、まさにお見事!

「個性」を主張しつつ、みんなで共に創り上げていく
「いま、ここで、この瞬間」の輝きをいつくしむ
……そんな音楽を堪能しました。

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若林顕ピアノリサイタル

ヴィルトゥオーゾ・プログラムによる連続演奏会2007
第二夜

2007年11月10日(土)開演18:00 終演20:15
@浜離宮朝日ホール

シューマン:幻想小曲集 Op.12
ブラームス:パガニーニの主題による変奏曲 Op.35

シューベルト(リスト編):「水車小屋の男と小川」「水の上で歌う」
リスト:ピアノ・ソナタ ロ短調

シューベルト:4つの即興曲 Op.90-4(アンコール)

体の奥のほうに”確固と残る”リサイタルでした。
同じ音楽でも、弾き手によって本当に異なる世界が展開するものだ、と実感しきり。
若林氏の音楽は、音が「馥郁たる香り」とでもいうような色合いで、
ぽってりと油絵の具を塗り重ねるように音を積み重ね、
音の層を自ら楽しみながら、音楽を構築していくかのよう。
技巧的な曲を並べながら「ぽってり」感も出せるなんて、まさに至芸です。

このところ、音がキラキラ輝くような、流麗系の演奏をCD他でよく聴いていたので、
それとは全く違う世界に浸ってみて、うーむとうならされました。

実は、リストって、若林氏のようなアプローチでこそ、
その良さが表せるのかもしれない、とも思いました。
今まで、リストというと
「入れ込みすぎ、歌いすぎ、演歌一歩手前」とか
「音の洪水、うるさすぎ、たたきすぎ、耳障り一歩手前」などが多く
いまひとつ、納得できる演奏に出会えなかったのですが、
今日は、心底、納得いたしました!

音質の違いに耳をすませて、いくつもの音の層を操りつつ、
超絶技巧を駆使して音楽をつくりあげていけるピアニストって、
稀有ではないでしょうか?

リサイタルの標題、「ヴィルトゥオーゾ」って
「演奏の格別な技巧や能力によって完成の域に達した、超一流の演奏家」
を意味する言葉だそうですが、まさに、そのものを堪能させていただきました!

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クラシック・カフェvol.3

春のvol.1に続いて、
本日はvol.3~霜月”名月の誉れ”~へ。

カフェ・マスター:山田武彦(ピアノ)
お客様:長原幸太(ヴァイオリン)
常連マダムの知り合い:軽部真一(フジテレビアナウンサー)

エルガー(英) 愛のあいさつ
ガーシュイン(米) 歌劇「ポーギーとべス」より2曲
タルティーニ(伊) ヴァイオリン・ソナタ ト短調「悪魔のトリル」

モナリサ(軽部アナの歌&ピアノ&ヴァイオリン)
山田耕作 ピアノのための「からたちの花」(ピアノソロ)
山田耕作 赤とんぼ
ヴィターリ(伊) シャコンヌ ト短調
サラサーテ(西) ツィゴイネルワイゼン

常連マダム役の頼近美津子さんが体調不良とのことで
軽部アナの代行となりましたが、
早稲田学院から早大と7年間グリークラブに所属し、
現在も音楽番組に携わっているという彼の軽妙な語り口、よかったです。

ヴァイオリンの長原氏は、26歳にして大阪フィルの主席コンマス!
素晴らしい響き、テクニック、そして自然体の洒脱な人柄でした。
そこに立つだけで漂うオーラ。
狂言の野村萬齋を、ソフトに若くしたような雰囲気とでもいいますか。。。
気取っていないのに、漂ってしまう「只者ではない」感。

今日のトークからゲットした長原幸太情報。
・オーケストラとの初競演(12歳)の会場が、今日の会場(もしくは近所)。
司会者は明石家さんまだったが、TV禁止だった12歳の彼はさんまを知らなかった。
・趣味は、ビリヤード。NY留学中に腕を磨く。(頭脳トレーニングと集中力の研鑽になってよいとか。舞台上にキューを持参されてました)
・埼玉在住。大阪フィルの主席コンマスのステージは年40回の契約。
・コーヒー大好き。(と宣言して、ステージ上でゴクゴク美味しそうに飲んでました)
・楽団員中、彼一人だけピアノ椅子に座っているが、これは身長の低さ(162cm)をカバーして皆から見えるようにするため。それ以外の意味はない。

音楽での印象。
・伴奏の山田氏、さすが。
ヴァイオリンの軽妙なテンポアップにぴたりと息を合わせ、かつ音量も適度に保つとは、ただ感嘆!
・長原氏のヴァイオリンには、まさに酔わせていただきました。素晴らしい!

わたくし個人的にはスケジュールにかなり無理をして駆けつけたコンサートでしたが、
無理をした甲斐がありました!
生の音楽って、やっぱり、いいものです。(まだちょっと興奮気味…)

アンコール
ビバルディ 四季より「秋」 (ヴァイオリン&山田氏の指示による会場コーラス)
童謡 「七つの子」変奏曲

<追伸>
当初、4回で完結とされていたこのシリーズ、その後も続くことが決定したそうです。
vol.4の1月に続いて、vol.5も5月に予定されているとか。嬉しいことです。

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癒しのOctober

仕事に、まさに追われる日々を送っておりまして、更新が遅れております。
そんな私を癒してくれた演奏がこちら。

http://www.youtube.com/watch?v=Y-2OC9ENBDs

6月のチャイコフスキー・コンクールの折の、イムドンヒョクの演奏。
「四季」より10月。
コンクール当時にも聴いたのですが、なぜか私には「いま、このとき」響きました。
まさに10月にしっくりくる曲なのでしょうか。

あれからもう4ヶ月以上が経ったとは。。。Time flies!

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CHOPIN100 (CD)

070926chopin Amazonで購入しました。
ショパンのピアノ曲が、協奏曲含めて100曲入っています。
収録曲については、全曲録音です。

オムニバスCDによくあるような暴力的編集(許せない!)
……「途中で突然ブチっと強制的に音楽終了」
……「途中で意味もなくフェイドアウト」
は、全くありません。

また、演奏者が素晴らしい。
ダン・タイ・ソン、ディーナ・ヨッフェ、ブーニン、ティエンポ、ゲキチ……。
また、前回のショパン・コンクールのライブから、
ブレハッチ、ドンミン、関本昌平、山本貴志の演奏も入っています。

CD5枚組みで、2700円とは、素晴らしいではありませんか!
エヴァ・ポブウォッカ、サ・チェンという、私には馴染みの薄かった演奏者に巡り会えたのも、嬉しく思います。

ついに再スタートを切った、自宅でのねじり鉢巻・自転車操業のお仕事準備も、
こんなBGMがあると、ちょっといい気分で進めていけそうです。

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スペードの女王@サイトウキネン(2)

さて、オペラ・スペードの女王、その音楽ですね。

チャイコフスキーの舞台というと、バレエが思い浮かび、
「くるみ割り人形」「白鳥の湖」などの、大変耳なじみの良いロマンティックな旋律が次々に思い浮かびますが、
この「スペードの女王」はどうだったかと言うと、「これ!」と指摘できるほど印象深い旋律はありませんでした。
私がニブイせいもあるかもしれませんが。

私にとって印象深かった音楽は、場面と密接に結びついていました。

1)第1幕の、リーザの部屋で歌われる女声合唱
     →純情可憐!アップライトピアノの音も面白い
2)第2幕の、劇中劇の音楽
   →モーツァルトみたい!まさに宮廷音楽!
3)第2幕の、女帝エカテリーナ登場で鳴り響くポロネーズ
   →絢爛豪華!政治的に戯画化されているようで、笑っちゃった。

3)については、後ろの席から聴こえてきた解説によると
「エカテリーナは、普通、壁の向こうに居ると想定したり、絵で示したりするんだ。このメトロポリタンのバージョンは、それを生身で出すっていうのが特徴でね。」
とのこと。ほお~!

あとは、「この場面」とピンポイントはできないのですが、全般的に
リーザ役のソプラノ、オルガ・グリャーニコワの歌声が素晴らしかったです。
可憐な外見、美しい歌声、豊かな声量、……見事でした。

また、そのときどきで、
フルート、オーボエ、チェロ、金管楽器、と、個々の楽器がキラリと光って聴こえてきたのも楽しかったですね。

改めて振り返ってみると、音楽がどうのこうの、と言うよりも、
聴覚、視覚、雰囲気、ぜんぶひっくるめて、舞台芸術を楽しんできたな~
というのが、正直な感想です。

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スペードの女王@サイトウキネン(1)

私にとって今年最大のイベントに行って参りました。070826saitoukinen1
サイトウキネンフェスティバル@松本

チャイコフスキー作曲 オペラ「スペードの女王」
演奏:サイトウキネンオーケストラ
指揮:小澤征爾
8月26日(日) オペラ初日
@まつもと市民芸術館 開演15:00 終演18:50

右上の写真は、開演前に撮ったもので、
この美しい青い情景画が、舞台のドアのようなもの。
ここが両側にスーッと開き、たいへん奥行きの深い舞台が現れます。

今年のステージで、まず一番印象深かったのが、この舞台の色使い。センスの良さ。
プログラムに載っていた舞台写真を下に転載します。(スキャナ読み込み画像)

070826spade1第一幕。
主人公の工兵ゲルマンと、彼の恋する娘リーザの境遇、
二人の恋愛が描かれる幕で、 大変ロマンチックな舞台。
第1場は、サンクトペテルブルグの夏の庭園(左の写真)
第2場は、リーザの部屋(白いレースが重なり合う可愛らしさ)

070826spade2_2 第二幕。
身分が高く婚約者もいるリーザ、そして貧しいゲルマン、
二人の葛藤が、きらびやかな第1場、
おどろおどろしい第2場で描かれます。
070826spade22 第1場は、宮廷舞踏会
(左上の写真。劇中劇として、貧しい羊飼いと金持ちが娘を争う牧歌的オペラ)、
そして最後に女帝エカテリーナの登場(右の写真)。
第2場は、リーザの祖母の伯爵夫人暗い部屋
(カードの秘密を教えろとゲルマンが脅すと、伯爵夫人が恐怖で死んでしまう)

070826spade3_2 第3幕。
リーザと一緒になるため、貧しさから抜け出す手段として、
賭け事に勝つ=伯爵夫人からカードの秘密を聞き出す
はずだったゲルマンが、カードの秘密にとり憑かれ狂っていく。
リーザは自分の愛が裏切られたと絶望して川に身を投げ、
ゲルマンは全財産を賭けた勝負に破れ、自殺。
第1場は兵舎(伯爵夫人の亡霊とゲルマン)、
第2場は冬の運河(身を投げるリーザ)、第3場は賭博場(狂うゲルマン)
……暗い色調の舞台の中で、伯爵夫人の亡霊の「赤」が不気味に映えます

白黒のモノトーンを基調にまとめられたハイセンスな舞台。
効果的に配される青、赤。
舞台芸術の技、色彩の妙に、酔いしれました。

昨年はオラトリオ(メンデルスゾーン「エリア」)、
一昨年はステージ形式(ショスタコービッチ「グレの歌」)、
そしてその前は、暗い現代劇風(ベルグ「ヴォツェック」)と、
これまで私が聴いてきたサイトウキネンのオペラは、大変に渋い舞台。
オペラならではの舞台装置、そしてストーリーを楽しんだのは今年が初めてでした。

音楽については、また改めて。

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15歳の小菅優

070824kosuge 2007年8月22日発売のCDということで
Amazonからお知らせが来て、曲目に惹かれ購入。
ジャケットを見て、首をかしげた私。。。

……この写真の小菅優、妙に幼い……

なんと、1998年発売の再販でした。
演奏当時15歳!

しかし、素晴らしい演奏です。
まだ最初の3曲しか聴いていないのですが、シビレてしまいました。
とっても素直な音の流れ、透明なイメージ。確かなタッチ。

・ リスト スペイン狂詩曲
・ シューベルト 3つの小品 D946 より 第一番、第二番

むくむくと、シューベルトが弾きたくなってきました。
無謀にもリストに挑んだ結果、右手のガングリオンが悪化したようですし、
このあたりで、リスト編曲へのこだわりを捨て、
シューベルトのピアノオリジナル曲を弾こう!という気に。

このCDの後半は、
・ ラフマニノフ 楽興の時 作品16

これまた、楽しみです。
CDで感動するって、あんまりないのですが、久々に我が琴線にヒットしました。

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横山幸雄のベートーヴェン

070804yokoyama 一晩にベートーヴェンのソナタを一挙に5曲聴くというのは、初めての経験でした。
開演時間が午後6時と早かったのも、むべなるかな…

2007年8月4日(土)
@東京オペラシティコンサートホール
横山幸雄ピアノリサイタル・ベートーヴェン五大ソナタ

ピアノ・ソナタ 第8番 ハ短調 Op.13「悲愴」
ピアノ・ソナタ 第14番 嬰ハ短調 Op.27-2「月光」
ーーーーーーーー
ピアノ・ソナタ 第17番 ニ短調 Op.31-2「テンペスト」
ーーーーーーーー
ピアノ・ソナタ 第21番 ハ長調 Op.53「ワルトシュタイン」
ピアノ・ソナタ 第23番 ヘ短調 Op.57「熱情」

正確でクリアなタッチによる、洗練された演奏でした。
ホールには、都会的でエレガントなムードが醸し出されました。
ベートーヴェンの曲を取り上げた、正統派「サロン・コンサート」とでもいった趣。

一番心に響いたのは、「テンペスト」。
繰り出される音質、音量、音色の幅が見事でした。
落ち着いて、丁寧に音楽が作られている感じを受けました。

「ワルトシュタイン」も、じっくり聴かせていました。
今まであまり印象に残らなかった2楽章の冒頭部を含め、
ああ、いい音楽だなあと再発見。

「悲愴」「月光」「熱情」は、最終楽章の「疾走」ぶりが突出していました。
訴えかけるもの、曲の内面性よりも、
「あんなに指が回る!」というアクロバティックさに幻惑されたしまった印象です。
正確な技巧を持ち、あらゆるパッセージを軽々と弾きこなしてしまうからこそ、
音楽がいたってクールに、重みが足りないように感じてしまうとでも言いましょうか。
端正な表情と姿勢で、淡々と弾きこなしていくというスタイルも一因かもしれません。

もっとも、重厚・沈鬱なベートーヴェンではなかったからこそ、
五曲一挙の演奏も楽しめたのかも。

(アンコール)
J.S.バッハ 「主よ、人の望みの喜びよ」
横山幸雄 「バッハ、グノーの『アヴェマリア』の主題による即興演奏」

最後の即興演奏には舌を巻きました。
この現代に、お洒落なリスト降臨!といったところでしょうか。

お洒落といえば、
赤ネクタイ→黒ワイシャツ→銀ドレスシャツ
と、休憩のたびに衣装替えをして登場したのも、実にサロン的で楽しゅうございました。

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小澤音楽塾オペラ「カルメン」

070720ozawa 小沢征爾音楽塾オペラ・プロジェクトⅧ
ビゼー:歌劇「カルメン」

2007年7月19日(木)6:30pm開演 10:15pm終演
神奈川県民ホール

いやあ、実に濃密な空間、時間を堪能いたしました!

開演時間、終演時間を見ておわかりのように、
それはそれは、長丁場のオペラだったのですが、
睡魔に襲われることもなく
(お恥ずかしながら、オペラ鑑賞では画期的)
極上のエンタテイメントを楽しませていただいた、といったところです。

オペラとしての「カルメン」は、初めてでした。
実は、昨晩までの私の認識としては、
「奔放なジプシー女に翻弄される、愚直な田舎男の話でしょ。男女の仲がどーのこーのって、どうぞご勝手にって感じ。」
といったものでした。
メリメの小説を読んでも、舞台演劇で見ても(たしか20年前ぐらいにセゾン劇場で…)、ストーリー的には引き込まれるということがなかった私。

ところが、今回のオペラを見て、なんか納得してしまいました。
そりゃ、ホセは魅せられちゃうよねえ。人生、狂わせちゃうよねえ…と。
音楽の力、偉大なり!
カルメン、ホセ、エスカミーリョ役の歌手陣の演技力に拍手喝采!

中でもカルメン役のジョシー・ペレスには脱帽です。
カスタネット打ち鳴らしながら、テーブルの上でなまめかしく踊り、
かつ朗々たる声で歌いあげるなんて、まさに神業(かみわざ)的。

耳に馴染んでいる旋律が本来どういった歌詞で歌われている曲なのかを知った
という意味でも、とっても有意義でした。
ここ2年ほど、スペイン舞曲やら、アルベニスのピアノ曲、
最近はサラサーテの「カルメン幻想曲」の連弾版やらを弾いている私としては、
実に意義深い一夜を過ごしたといえましょう。

若手オーケストラの演奏も秀逸でした。はい。

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六本木のライブハウス

夜の六本木なんて、20+ウン年ぶり。
といっても、夜遊びをしたわけではなく、友人の同級生である歌手「綾乃ひびき」のライブに足を運んできたのでした。

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草分けのタップダンサーの一生がテーマ。
彼女がダンスを習い始めた幼少時から、挫折の思春期、立ち直っての留学時代、帰国後の活躍、そして40歳での早世までを、バンド(ギター、ベース、ドラム、シンセ、ピアノ)と歌(ソロ)、タップダンサーたちの踊りでミュージカル仕立てにしたもの。

なかなかよく練り上げられた舞台で、ライブなど滅多に行かない私にとっては
「なるほど~。確かに、大道具てんこ盛りの大劇場での舞台より、濃密な感じでいいかも~!」
といった感じで、じっくり楽しんでまいりました。

このヒロイン、綾乃ひびきさん、
なんと元高校教師(生物の先生)で、ホスピスなどで歌っていた趣味が昂じて、2003年にオリジナル曲でCDデビューを果たしたという異色の経歴の方。

しかし、昨日の舞台は「いかにもプロ!」の堂々たるものでした。
マイクを通した声でしたが、音程もぶれることなく、息も乱れることなく、
私と同年代とはとても思えない、軽やかな身のこなし。
オーラ発散しまくり、「私が主人公!私を見て!」のカリスマ性。

いやあ、「人生、折り返し点は過ぎたわよねえ…」
という年代のわたくしですが、私だって、まだまだイケルかも?…なんてね。

070617song2

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100 GOLD FINGERS

100 GOLD FINGERS
というタイトルのジャズ・コンサートへ行ってきました。

070610jazz名前のとおり、10人のジャズ・ピアニストの競演。
ジャズは全くの門外漢ですが、タイトルに惹かれ。
その10人…まごうかたなき超一流でした!

Junior Mance(1928-)
秋吉敏子(1929-)
Ceder Walton(1934-)
Joao Donato(1934-)
Don Friedman(1935-)
Hod O'Brien(1936-)
Kenny Barron(1943-)
Cyrus Chestnut(1963-)
Benny Green(1963-)
Gerald Clayton(1984-)

軽やかに鮮やかに弾き切るピアニスト達。
驚いたことをあげてみますと…

1)骨董ならぬ、ばりばり現役!
なんと、過半数が70代の方々です。
しかし、テクニックの衰えなど、微塵も感じさせませんでした。
まあ、指のよく回ること、ピアノがよく鳴ること、リズム感の見事なこと!
「鍵盤のつかみかた」などが、クラシックとは違うためなのかもしれませんが、
それにしても!
紅一点の秋吉敏子さん、その演奏技術はもとより
真紅のスレンダードレスさばきも鮮やかに、
いかにも”COOL!”なそのお姿にも敬服つかまつりました。
一番若い王子さま系の男の子との2台ピアノ演奏も、見事でした。

2)楽譜の出番なし!
2時間半のあいだ、楽譜は一度もステージに登場しませんでした。
暗譜というか、カンペキな即興演奏です。
10人分のバックを一手に引き受けていたベースも、ドラムも。
いやはや、舌を巻きました。

3)圧巻!10人入れ替わり立ち替わりの「A列車で行こう」
舞台上には2台のグランドピアノが向かい合っているのですが、
Aソロ→B加わってAとデュオ→A退場・Bそのままソロ→A新メンバー加わってBとデュオ→B退場、新Aそのままソロ→
という具合に、次々と弾き手交代。
曲は途切れず、テーマの変奏の形で、次々にアドリブ演奏が続いていくのです。。。

いやあ、
いいもの、見せて、聴かせていただきました。。。

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室内楽コンサート

070609concert_bouquet 土曜の昼下がり、室内楽トリオを楽しみました。

C.Ph.E.バッハ(1714-1788)
 トリオ ハ短調 Wq.149
モーリス・ラヴェル(1875-1937) 
編曲:高橋喜治
 亡き王女のためのパヴァーヌ
セザール・キュイ(1835-1918)
  5つの小品
ボススラフ・マルチヌー(1890-1959)
  マドリガル・ソナタ
高橋喜治(1957-)

 季節の子供たち(花の子供、海の子供、山の子供、雪の子供)
 森と海と子供たちの未来への前奏曲
【アンコール】しゃぼんだま、花の子供

室内楽アンサンブル"Bouquet de Tons(音の花束)"、前回はサロンコンサートで聴きましたが(→)、今回はすみだトリフォニー小ホールでの本格的リサイタル。
こういう空間もまた、音楽に浸りきることができていいものです。
聴衆のみなさんが「音楽に浸っている」ことが感じられるような、そんなリサイタル。
もっともっと多くの人に来てもらっていいと思うのですが、
現実は難しいのでしょうねえ…

若手演奏家のリサイタルなどでは、
「これ見よがしの技術ひけらかし」「身内による大拍手&歓声&花束etc.贈呈」で
聴き手側がしらける、なんていう構図もよく見られるものですが、
今日のコンサートは、そういったものとは全く無縁。
純粋に音楽を楽しませていただきました!

曲目は初めて聞くものばかりで(ラヴェルは有名ですが、この楽器編成では初めて)、とても新鮮&さわやか&優雅なひとときでした。

最近、うちでBGMがわりに聴くものが室内楽ばかりになっているのですが、
やはり生演奏はいいですねえ。
音楽って、文字どおり「音を楽しむ」ものなのだと、改めて納得したことでした。

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イム・ドンミン リサイタル

NHK教育TV
2007年5月11日(金) 23:53-24:40
芸術劇場 イム・ドンミン ピアノリサイタル

ショパン作曲
スケルツォ第1番 ロ短調 作品20
スケルツォ第2番 変ロ短調 作品31
スケルツォ第3番 嬰ハ短調 作品39
スケルツォ第4番 ホ長調 作品54
ノクターン ハ短調 作品48 第1

収録:2006年11月29日@カザルスホール

2005年のショパンコンクールで、弟ドンヒョクとともに3位を分けた、兄ドンミンのリサイタルです。
ドンヒョクの演奏は、生のリサイタルで2回(→)(→)、ネット中継でも聴いていたのですが、ドンミンは一度も聴いたことがなかったので、わくわくしてTVの前に陣取りました。

感想:
タッチが非常にしっかりしていて、曲と真摯に向き合う風情で弾く人でした。
もちろん、曲想によって顔をゆがめたり、上を向いたり、するのですが、
”何者かに取り憑かれたように””曲に酔って”いるのではなく、
冷静さを保ちつつ一緒に歌っている、といった感じ。

音色がクリアで、はっきり際立つ感じでした。
音量もあるのですが、”上から叩きつける”弾き方ではありません。
鍵盤をしっかりつかんで、たっぷり鳴らす、というような弾き方です。
なるほど、ドンミンの音ってこういうのか、と納得の音色。
弟ドンヒョクの、軽やかでキラキラした音色とはまるで違うのがよくわかりました。

天才肌というより、
堅実に、真面目に音楽を作っていく人なんだろうなあ、と思いました。
その豊かな音色も魅力的。

実は、この日の「芸術劇場」、
直前まで、ショパコン1位のブレハッチのリサイタルを放映していました。
私も去年、生で聴いた(→)のですが、改めてTVのアップで手元を見て、じっくり音楽を聴いて……、
唸りました!
リズム感、躍動感が、それはもう素晴らしくて。
ショパコンで、ポロネーズ賞、マズルカ賞を独占したのも、改めて納得です。
やはり、ポーランド人ならではのものって、あるのかもしれないなあと思いました。
ショパコンで、ブレハッチが1位、イム兄弟が2位なしの3位になったことについて、
当時はいろいろ取りざたされましたが、
ことショパンの曲に関して言えば、ブレハッチがずば抜けていることは明らかだなあと。

で、ドンミンについて思ったのは、
彼はショパンに限らず、ベートーヴェンを初めとして他にもいろいろなレパートリーを持ちうるピアニストではないかな、ということ。
今後が楽しみです。

でも、私個人としては、
音色キラキラ系のドンヒョクのほうに、やっぱり惹かれるかなあ…

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ダルベルトのシューベルト

070510darbelt_2 買ってしまいました。Amazonで。(画像:Amazon.co.jp)

1. 幻想曲ハ長調 D.760 作品15《さすらい人》
2. 16のドイツ舞曲と2つのエコセーズ D783 作品33
3. ワルツ ≪クッペルヴィーザー・ワルツ≫ Anh.I-14
4. ピアノ・ソナタ ハ長調 D613
5. 行進曲 ホ長調 D606

言わずと知れた、ミシェル・ダルベルトの演奏です。
3番目、5番目の曲は、「ちゃちゃちゃっと即興で弾いちゃいました」といった趣の小品。
曲想も割に単純で、深みの感じられる曲ではないというのに、
実に軽やかに、サロンの高雅な雰囲気を醸し出してしまうあたり、さすがダルベルト!

解説によると、彼は「曲はモーツァルトとシューベルトさえあれば足りる」と述べるぐらい、この二人の作曲家に傾倒しているそう。
実に軽快かつ端正なシューベルトです。
感性に任せてというよりも、理知的に、自覚的に、音楽を分析&コントロールして
曲作りをしている、ということがよくわかるCDです。

「熱狂の日」リサイタルで印象に残ったのが「ワルツ」のリズム感の素晴らしさでしたが、
それはここのドイツ舞曲でも存分に発揮されています。
一体どうすれば、このリズム感を身につけられるんでしょうね~

現在、スペイン&ハンガリーの舞曲のリズムに悩んでいる(思い切り田舎臭い!演奏しかできない…)私としては、ほんと、研究の価値ありってところです。

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クラシック・カフェvol.1

070508stage_2  平日の昼間のコンサートへ。
クラシック・カフェ vol.1 ~皐月”薫風の便り”~

ゲスト:福田進一(ギター)
マスター:山田武彦(ピアノ・編曲)
常連マダム:頼近美津子

ソル(Fernando Sor 1778-1909)
  モーツァルト『魔笛』の主題による変奏曲Op.9
アルベニス(Isaac Albeniz 1860-1909)
  アストゥーリアス(スペインの歌 Op.232より「前奏曲」)
タレガ(Francisco Tarrega 1852-1909)
  アルハンブラの思い出
アルベニス/山田武彦編曲(ピアノ)
  タンゴ
ロドリーゴ(Joaquin Rodrigo 1901-1999)
  アランフェス協奏曲 第二楽章アダージョ

ボッケリーニ(Luigi Boccherini 1743-1805)
  序奏とファンダンゴ
ソレル(Antonio Soler 1727-1783)/山田武彦編曲(ピアノ)
  ファンダンゴ
ヴィラ=ロボス(Heitor Villa-Lobos 1887-1959)
  ショーロス第一番
レイス(Dilermando Reis 1916-1977)
  ブラジルの3つのワルツより
    もしも彼女が訊ねたら・ひとつのワルツとふたつの恋
ピアソラ(Astor Piazzolla 1921-1992)

  天使の死

カフェのマスター、山田武彦氏が
常連マダムの頼近美津子氏とともにクラシック界のゲストを迎え、
トークを交えながら進めていくという形式のコンサート第一回目。

福田氏の話では、
1840年製作のイタリア製ギターを入手した経緯、
爪割れや二枚爪を防ぐ&治す方法、
CD録音にまつわるエピソード(既に50枚!100枚リリースを目指して…)
などなど、
大変興味深いお話が聴けて、楽しい時間でした。

もちろん、演奏も一流で、
スペイン、そして南米のムードを満喫。

アンコールがまた楽しくて

母の日に寄せて:
ギター&ピアノ連弾(頼近美津子&山田武彦)
「母さんの歌」ボサノバ・バージョン(山田武彦編曲)

そして最後は、ギターを言えばこの名曲、

禁じられた遊び

たまたまお仕事のない日に
豊かな時間を過ごすことができました♪

コンサートの中にカジュアル・トークを入れるという形式、
我等がアマチュア・コンサートで取り入れても楽しいかもしれません。

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「熱狂の日」音楽祭:No.414

ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン
「熱狂の日」音楽祭2007~民族のハーモニー~ より

070505halla 2007年5月5日(土)17:00
東京国際フォーラム ホールA ドストエフスキー
小菅優(ピアノ)
ビルバオ交響楽団
フアンホ・メナ(指揮)

ラフマニノフ:パガニーニの主題による狂詩曲 作品43
リムスキー=コルサコフ:スペイン奇想曲 作品34

ホールAという会場がちょっと…
5000人収容の大ホールで、おそらく本来はコンサート用ではないため、音響が良くないのです。残念でした。

左側の前寄りという良いS席だったにもかかわらず、ピアノの音がいまひとつ響いてはきませんでした。
席が隣り合わせた方も、「なんだか、隣の部屋で弾いてるのを聞いてるみたい」との感想をもらしていました。

それでも、小菅優のスケールの大きさは十分にわかりました。
タッチが正確で、音質も自在に操っている感じです。
ダルベルトのリサイタルでも感じたことですが、
音楽が、そして演奏者のからだ全体が、自然にわきあがるリズムに乗っている
というのは、観ても聴いても素晴らしいです。
今度は是非、音響のいいホールでのソロリサイタルを聴いてみたいものです。

ビルバオ管弦楽団って、名前自体初めて聴いたのですが、なかなか確かな演奏をしていました。
なんでも「熱狂の日」音楽祭にゆかりある楽団だとのこと。
この音楽祭、1995年にフランスの港町ナントに誕生し、2000年からはリスボン、そして2002年からはスペインのビルバオ、2005年には東京に上陸という歴史をもつそうです。

とても楽しそうに演奏していたのが印象的でした。
また、1曲目と2曲目の間、ピアノをひっこめる舞台替えの間、楽団員が結構おおっぴらに雑談を交わしていたところにお国柄(?)が表れていたような

私、ただいまスペインのピアノ曲に取り組んでいるのですが、
「楽しんで弾く」
をまずは念頭において、練習してみようと思います。

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「熱狂の日」音楽祭:丸ビル

本日も足を運んでまいりました。「熱狂の日」音楽祭。

070505marubiru1まずは、無料コンサートを狙って、丸ビルへ。

1Fロビーでは合唱団のコンサート。
日本の童謡が主体のしっとりした合唱でした。
吹き抜けロビーでとても音響がよく、BGMとしても良い感じでした。

070505marubiru2trim_1 お目当ては、

2台ピアノ&連弾コンサート15:30- @35F 
中井恒仁&武田美和子(ピアノデュオ)

インファンテ:アンダルシア舞曲より「リトモ」【2台】
ラヴェル:スペイン狂詩曲より「マラゲーニャ」【2台】
ストラヴィンスキー:ペトルーシュカ・3つの断章より「ロシアンダンス」【連弾】
ドヴォルザーク:スラブ舞曲作品72-2【連弾】
ミヨー:スカラムーシュより「ブラジレイラ」【2台】
グラナドス:ゴイエカスより「嘆き、またはマハとナイチンゲール」【2台】
ラフマニノフ:組曲第2番より「タランテラ」【2台】

楽しめました。
さすがはご夫婦デュオ。息もぴったり、音のバランスもぴったり。
確かな技術と音楽性をお持ちのお二人です。

ミヨーの曲は少し前に聴いたばかりだったのですが(→)、
音楽そのものを楽しむことのできる、いい演奏でした。
技術や音量のひけらかしに陥っていないのが何より。

伝えたい音楽を二人が共有し、息を合わせることの肝要さを改めて認識しました。

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「熱狂の日」音楽祭:No.256

ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン
「熱狂の日」音楽祭2007~民族のハーモニー~ より

2007年5月3日(木)19:00
東京国際フォーラム ホールD7 イプセン
ミシェル・ダルベルト(ピアノ)

フランク:前奏曲、アリアと終曲
チャイコフスキー:「四季」より1月、2月、6月、9月、10月、12月
ドビュッシー:「子供の領分」より第一曲
ラヴェル:「夜のガスパール」よりオンディーヌ

感動しました。
恍惚となってしまって、帰り道を間違えそうになったくらいです。
たぶん、一生のなかでも思い出に残るリサイタルになると思います。

音楽の流れ、音質、リズム、雰囲気…
すべてにおいて何か超越していました。
彼は「音楽の女神の祝福を受けて」生まれてきた人物なのだと表現するしかないような…

すべてが自然で、ただ体からあふれ出る音楽をそのまま奏でているだけ
というような雰囲気。
それでいて知性も隠し切れず、洗練されたムードに満ち溢れてしまう。
そんな演奏でした。

チャイコフスキーは土臭い、泥臭い、なんて誰が言った?
いやあ、それはもう、なんと洗練されていたことか!

NHK教育テレビですっかりファンになり(→)、今日のチケットは優先予約で入手したのですが、期待以上の演奏でした。
立ち居振る舞いも紳士的でお洒落でありながら、とてもフレンドリー。
2曲目の演奏前、メモを片手に登場したので何かと思えば、
にこやかに日本語で「四季」からの抜粋曲を紹介してから演奏に入ったのでした。

3曲目、4曲目はアンコール曲です。
「夜のガスパール」をアンコール曲として軽々と弾いてしまうのにも驚きましたが、
このリサイタルがなんと1500円だったというのは、もう申し訳ないよう。

【覚え書き】
ホールDは階段状でどこからでもステージがよく見え、席による差はあまりなさそう。
ただ席数が少ないので、チケット入手にはガッツがいるかも。

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「熱狂の日」音楽祭:No.223

ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン
「熱狂の日」音楽祭2007~民族のハーモニー~ より

070503_program2007年5月3日(木)13:45
東京国際フォーラム ホールB7マラルメ
マリー=ジョゼフ・ジュド(ピアノ)
ジャン=フランソワ・エッセール(ピアノ、指揮)
ポワトゥ=シャラント管弦楽団

サン=サーンス:七重奏曲 ホ単調 作品65
サン=サーンス:ウェディング・ケーキ 作品76
サン=サーンス:動物の謝肉祭

ひとことで評すれば
フランスの香り、フランスのエスプリあふれる演奏でした。

前寄りの中央という良い席で聴けたせいもあるでしょうが、
楽器それぞれが、とても柔らかくあたたかな音を奏でていて、
その響きのバランスが絶妙でした。

1曲目(トランペット、弦楽四重奏、コントラバス、ピアノという編成)では、トランペットがあんなに柔らかな音を出すんだ、と初めて知りました。
2曲目は、いかにもフランス風サロンといったお洒落なムード。

しかし、なんといっても印象深かったのは3曲目。
エッセール氏の堂々たるピアノの弾きぶり、指揮ぶりに舌を巻きました。
彼の弾き方は、まったく姿勢がぶれず、腕はするすると平行移動するだけで、指は軽々と回っているのです。
2台ピアノのプリモ。
ソフトな音なのに、しっかりとすべての和音が鳴っていて、しかもふくよかな音質。
そんな音をいとも平然と出しつつ、流れるような手の動きで指揮もしてしまう…
うう、是非是非、彼のソロ演奏も聴いてみたいものです。
(今回の彼のソロリサイタルはチケット売り切れで駄目でした…)

動物の謝肉祭、どうしても重くなってしまう箇所があると思うのに、
今日の演奏はとにかく軽やかでお洒落でありました。

さすがフランス、やはり憧れます…

【覚え書き】
ホールB7は段差のない平面にパイプ椅子を並べた会場なので、
後ろのほうの席はかなり見づらいかもしれません。

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2台ピアノのコンサート

2007年3月31日(土)@東京文化会館小ホール 

Team Alfonso Presents
2台のピアノによる The Piano Entertainment

W.A.モーツァルト 2台のピアノのためのソナタ 二長調 KV448
ラヴェル      ボレロ
           ラ・ヴァルス

ベートーヴェン  交響曲 第5番 ハ短調 「運命」 作品67
ミヨー       スカラムーシュ 作品165b
サン・サーンス  交響詩「死の舞踏」 作品40
リスト       メフィスト・ワルツ 第1番 「村の居酒屋での踊り」

(アンコール) モーツァルト ピアノソナタ
         ベートーヴェン エリーゼのために
         ハチャトゥリャン   剣の舞
         日本歌曲   わすれな草

プログラムを見ておわかりのように…
たいへんヘビーなコンサートでありました。
メロディックに歌い上げる曲、癒し系の曲は、アンコール最後の「わすれな草」のみ。
あとは、激しく、強く、速く、走り抜ける系の曲ばかり。
あ、最初にモーツァルトがあったのですが、これがテンポが速くて激情的で、驚いたのでした。

チーム・アルフォンソ。兄と妹の、きょうだいデュオ。
確かなテクニックを持ち、エンターテイニングな演奏をする二人でした。
二人そろって、まあ、よく指が回ること、回ること…
聴き手に楽しんでもらおう、という気持ちが伝わってきました。

ただ、そのサービス精神が仇となり(?)
下手をすると、音楽性よりも「曲芸性」とでもいうべきものが突出するきらいが。
特に、お兄様のほう…
全身を使い、腰を浮かし、頭を振り、鍵盤をたたきつける弾き方は彼の個性でしょうし、それをアピールしたい気持ちはわかるのですが、ちょっと、やりすぎ…
セコンド担当のときまで、プリモのときと同様にこういった弾き方をなさるとは。
メロディがかき消されてしまいます。

アンコールの最後に
「ええ、チーム・アルフォンソ恒例の」
と断って、剣の舞を披露する際には、まさに「曲芸極まれり」の感がありました。

でも、全体的に大変楽しく聴けた、いいコンサートでした。
2台ピアノの音楽の楽しさを満喫できました。
それだけに、会場の聴衆のほとんどがお身内関係者と見受けられたことに、ちょっとびっくり。
プロフェッショナルの音楽の世界って、ほんとうに厳しいのですね。

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ニコライ・トカレフ

BS2 クラシック倶楽部 (NHK BS2)
2007年 3月8日(木) 10:55~11:50

ニコライ・トカレフ ピアノ・リサイタル

1. 無伴奏バイオリン・パルティータ 第3番 ホ長調 BWV1006 から
   前奏曲 ガヴォット ジーグ ( バッハ作曲 /ラフマニノフ編曲 )
2. ピアノ・ソナタ 第21番 ハ長調 作品53 「ワルトシュタイン」 ( ベートーベン作曲 )
3. バレエ音楽「くるみ割り人形」 から
   1. 行進曲
   2. こんぺいとうの精の踊り
   3. タランテラ
   4. 情景
   5. トレパーク
   6. 中国の踊り

   7. パ・ド・ドゥー ( チャイコフスキー作曲 /プレトニョフ編曲 )
4. 剣の舞 ( ハチャトゥリヤン作曲 /ソーリン編曲 )

2005年3月、@紀尾井ホール・リサイタル録画の再放送。
端正で優美なパルティータ。
リズミカルで楽しげな「くるみ割り人形」。
編曲ものの面白さに気づかされました!

とてもとても、あんなに指は回らないので、あんな軽やかな音は出せないので、
このプログラムの曲目にトライするのは無理なのですが。
でも、他の楽器の曲をピアノで弾いてみるのも楽しそうです。
編曲ものの楽譜って、入手するのは難しいのでしょうか?
プレトニョフって、ソーリンって、どんな人なのでしょうか?

ニコライ・トカレフ君、すらりと背が高く、笑顔の可愛いナイス・ガイでありました。
いかにも人気の出そうな…

で、今検索してみたところ、納得!
この7月に来日してリサイタルを開くのですね。(→☆
それで、この再放送となったわけだ。なるほど。

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リサイタル@東京文化小ホール

momonさんからのご紹介で、久々にコンサートへ足を運びました。
リストの超絶技巧をテーマとして博士号を取得した、ハンガリー在住の若手ピアニスト・関野直樹のリサイタル@東京文化会館小ホール。

プログラム
・ベートーヴェン ピアノ・ソナタ 第8番 ハ短調 作品13 「悲愴」
・リスト: ダンテを読んで(ソナタ風幻想曲)巡礼の年 第2年「イタリア」より第7曲
・ムソルグスキー:組曲「展覧会の絵」全曲

1曲目は、どんなピアニストにとっても難しいものだと思うのですが、
ベートーヴェン、それも耳馴染みのある曲、というのはチャレンジングだと思いました。
ミス・タッチが際立ってしまって…手に汗握ってドキドキしてしまう箇所もあったりして…
また、とってもロマン派的にペダルを多用してテンポを揺らす弾き方、初めて聴きました。

リスト。
「これでもか」「これでもか」と音の洪水。
確かに、曲の解説に言う「地獄へ落ちた人々の魂」「亡者たちの泣きわめく声」「魔王」「嘲笑し、引き裂き、粉々にする」といった雰囲気を味わいました。
実は、ピアノサークルの仲間の一人が1991年にこの曲を演奏しているのですが(→)、冷静沈着な彼女の演奏は、これとは全く異なる雰囲気だったような記憶が…
ううむ。弾き手によって変わるものですね、曲って。

ムソルグスキー。
リストより格段にわかりやすい音楽で楽しめましたが、
やはり「音の洪水」を目指す方向性が、ちょっと鼻についたかもしれません。

アンコールは、
シューベルト=リスト編曲 歌曲集『白鳥の歌』より「セレナーデ」D.957-4
私にとっては、このアンコール曲が一番安心して聴けました。

全体を通しての感想をメモしておくと

・会場全体が、独特な「身内的雰囲気」に満ちあふれていた
・演奏者が手にした「赤いハンカチ」が強烈な印象を残した
・燕尾服の裾のはねあげ方、ピアノの拭き方等のアクションも目立つと認識した

久々のコンサートは、音楽に酔いしれるというよりも、
音楽の作り方や弾き方、会場などについての発見に意義があったように思います。
またリストを弾いてみようかな、という気になったことが一番の収穫かもしれません。

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年末の第九

061228minatomirai 今年最後のコンサート・レビューです(左の写真は開演20分前・2階席最前列より撮影)

12月28日 19:00開演 @横浜みなとみらいホール
日本フィルハーモニー交響楽団
「第九交響曲」特別演奏会2006

ヘンデル:オペラ《セルセ》より「オンブラ・マイ・フ」
J.S.バッハ:トッカータとフーガ ニ短調

ベートーヴェン:交響曲第九番 ニ短調《合唱》

バッハのこの曲は、やはりパイプオルガンで聴くのが圧巻ですね。最終部の導入部分が「足だけ」で弾いているというのを初めて知りました。
パイプオルガンの2曲後、休憩。開演後15分で休憩15分というのには驚き。
ただ、席に着いたままの聴衆が多くて、ロビーでゆったりコーヒー・ブレイクできたのは嬉しゅうございました。

で、ベートーヴェンの第九です。
「年末恒例」、しかも市民による「横浜第九合唱団」の協演ということで、聴衆層が、いつものクラシック・コンサートとは異なるようでした。

・1楽章終わるごとに拍手がバラバラと起きる

のは、まだご愛嬌として、

・斜め後ろの子ども(5,6歳ぐらい?)が、ずーっとヒソヒソ声で話をしている。同行の家族も止めることなく、一緒になって話している。
・後方席から、ビニール袋を「ガサガサ」と探るような音が頻繁に聞こえる。
・思いっきり船をこぎながら「爆睡」中の方々がそこそこに。(いびきまで…)

で、極め付けが

・「ぴぴぴぴぴぴ…」の電子音アラームが、複数回、鳴り響く!

要注意です、年末の第九コンサート!

ということで、残念ながら、あまり集中して聴くことができなかったのですが、コバケンさんは、いつものように熱情的に振りまくり、なかなか見事な演奏でした。
市民合唱団の皆様も熱演でしたが、ffの箇所は見事でも、ppの部分は難しいなあ~と思いました。。。それから、テンポあわせもね。

一番印象に残ったのは、ソリストの中でもバリトンの青戸知さん。
テノールの錦織健さんを凌ぐ、見事な響きの声でありました。

今年は例年になく多くのコンサートに足を運ぶことができ、また、ネット配信でのコンクールなども視聴できて、なかなか有意義な年でありました。
来年も、いい年でありますように。

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ラファウ・ブレハッチ

昨年のショパンコンクール優勝者、ブレハッチのリサイタルへ行ってまいりました。

★2006年11月23日(木・祝) 午後2時開演 東京オペラシティコンサートホール

オール・ショパン・プログラム

  1. バラード第三番
  2. 24の前奏曲 Op.28より 第1番~第12番
  3. ポロネーズ第七番 「幻想ポロネーズ」

    (休憩)
  4. 3つのマズルカ Op.50
  5. ピアノソナタ第三番

    (アンコール曲)
  6. マズルカ Op.17-2 ホ短調
  7. 小犬のワルツ
  8. マズルカ Op.17-4 イ短調
  9. ワルツ Op.34 ヘ長調

舞台に現れた雰囲気は”すくすくと真っすぐ育った、素直で穏やかな青年”といったところ。弾き方も、非常に端正でありました。
何かに”とり憑かれて”苦悩の表情を浮かべる(ドンヒョクのように)といったこともなく、”奇態なポーズ”をとる(山本貴志のように)こともなく、正統派路線。

しかし、その演奏は情感たっぷり。音が柔らかくて心地よく、決して「とんがる」ことがないのです。
前半は、ちょっと硬さが感じられ、音の響きもいまひとつ、との印象もありましたが、
後半からは、「ブレハッチ・ワールド」の魅力全開。
ソナタは圧巻でした。歌い、うねり、弾け、…その展開の見事なこと!
とっても自然、「これ見よがし」なところが皆無なのに、ここまで惹きつけ、感動させるとは…ううむ。さすがです。

そして、アンコール。
もう会場全体が「ブレハッチ・ワールド」に酔い痴れておりました。

ああ、無理して行ってよかった♪

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11月連休総括

三連休も終わって2日が過ぎました。連休初日から風邪気味となり、それをズルズルと引きずりつつも何かとイベントはこなしたなあ、と今さらのように…

061103river_1 初日は息子の小学校のマラソン大会、かつ学校公開日。
土手を走るには絶好の好天に恵まれたものの、長距離走が大の苦手の息子とあって、その写真は撮らず。
左は、マラソン大会終了後、ぶらぶらと散歩しながら撮った写真。いつもになく水鳥が多くて驚きました。鴨はもちろん、ユリカモメ、そしてカワウ。思わず川べりまで行って覗き込んでみたら、今は水も透明できれいなこと!東京も捨てたもんじゃありません。

4日は一つ前の記事に書いたとおり、ピアノの日。

そして5日。だんだんひどくなる風邪をだましつつ家の片付けに励み、夕刻からは、招待券をいただいたジャズ・コンサートへ。
大ホールのステージでのジャズ・コンサートって初めてでしたが、アーティストの力量が素晴らしかったこともあり、聴きごたえのある内容でした。061105_2342

・11月5日(日)@郵便貯金ホール 午後5時~8時
・富士通コンコード ジャズフェスティバル2006

おんとし84歳のサックス&フルート奏者にはビックリ。ステージ上に出てくるときには杖をつき、体を支えてもらっているのに、演奏しはじめるや見事にシャンとし、しっかり音が出ているのですよ!
また、60代の女性歌手にも舌を巻きました。見事なスタイル、美貌、そして美声。
また軽やかにステップを踏むことといったら!
もちろん、若手(といっても30代かな)、中堅どころの演奏も見事でした。
ソロ演奏になると、管楽器の演奏者はステージ前方のマイクまで歩み寄り、堂々と楽器を鳴らし、歌いきるのですが、それはそれは気持ちがよさそう。。。

ジャズ。私には演奏できないけれど、その「掛け合い」「駆け引き」の醍醐味っていいな、ちょっと体験してみたいな、とも思いました。

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ウィーン交響楽団と上原彩子

昨日11月2日(木)、行ってまいりました。東京芸術劇場 大ホール。午後7時開演

ウィーン交響楽団(指揮:ファビオ・ルイジ)
・モーツァルト:歌劇「フィガロの結婚」序曲
・モーツァルト:ピアノ協奏曲第22番変ホ長調K.482(ピアノ:上原彩子)
・マーラー:交響曲第1番「巨人」

ヨーロッパ・ウィーンの香りを堪能したコンサートでした。
まず、舞台上の楽団員たちの立ち姿からして、雰囲気が欧風にして貴族的。
音楽は、ますます。。。洗練、端正、華麗、洒脱。。。

前半では、期待に違わず、上原彩子さんのピアノが秀逸でした。
確かなタッチでクリアな音を紡ぎだす演奏。安心して心地よく聴けました。
また、サプライズだったのが、アンコールのソロ演奏。
「協奏曲の演奏者による、ソロのアンコール演奏」というもの、私は初めてです。
これまた素晴らしかったです。
ラフマニノフのプレリュードOp32-12。惹きこまれてしまいました。

後半のマーラーは、大編成オーケストラの迫力、そして指揮者の躍動がすごかった!
舞台真正面奥にコントラバスが8本、ずらりと横に一列に並んだのが壮観で、なんとも格好の良かったこと!演奏者揃ってみなスラリと背の高い男性陣で、ビジュアル的にもグーでした。
音楽も華麗で、よく歌っていて、気持ちよく音楽にのっている感覚。
ちょっと音がずれても気にならないのが不思議でした。
大曲を振り終えたファビオさんは、もうヨレヨレ、フラフラ。それはもう、全身で振っていましたから。でも、大汗かいて汗だくってわけではなく、はやり紳士的に見えるのでした。

で、またまた凄いアンコール。
Jシュトラウスの「南国のバラ」。
4種類のワルツのモチーフを使った、演奏時間の長い大曲ですよ。
最後にまた、ウィーンの香りの大サービス!

で、終演時間は午後9時40分。
心ゆくまで楽しませていただきました。芸術の秋到来!です。

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アルゲリッチを堪能

061020_2130 お奨めCD(3枚組)です。

MARTHA ARGERICH AND FRIENDS
Live from the Lugano Festival 2005

アルゲリッチの名前を冠したフェスティバルは、別府だけではなかったのでした!
これは、スイス・ルガーノでのフェスティバルのライブ録音。
ネット上でも、かなりの音源を公開していて、感激モノです。(聴きたい方はへ)
アルゼンチン・ブエノスアイレスでのフェスティバルもあるそうです(当然というべきか)。

CD1:
メンデルスゾーン ピアノ三重奏 第2番 ニ短調
ベートーヴェン ピアノ四重奏 ハ長調    
モーツァルト(グリーグ編曲・2台ピアノ版) ピアノソナタ 第16番 ハ長調

CD2:
ラフマニノフ チェロソナタ ト短調 Op.16
ラフマニノフ 組曲 第二番 Op.17 (2台ピアノ)
インファンテ アンダルシア舞曲(2台ピアノ)

CD3:
ブラームス ハイドンのテーマによる変奏曲(2台ピアノのための)
ブラームス ピアノ五重奏 ヘ短調 Op.34
ガスタビーノ 3つのアルゼンチン・ロマンス(2台ピアノ)

とっても息の合った、ライブの躍動感あふれる音楽に酔えます。
”室内楽っていいっ!”
と思えます。
並んでいる曲目も、どんぴしゃ、私好み♪
アルゲリッチ、最近はとんとソロを弾いてくれないなあ、なんて残念に思っていたのですが、改めて彼女の凄さを実感。ピアノでぐいぐい引っ張っていく力、すごいです!

思い起こせば、わたくしは、中学生の分際でアルゲリッチの演奏にほれこんでレコードを聴きまくり、その演奏をまねてみたりして、当時のピアノの先生に怒られていたのでした。
「アルゲリッチの真似をしてはいけません!真似るならポリーニかアシュケナージにしなさい!」

その、けっして真似てはいけなかった、彼女の若い頃の演奏に較べたら、現在ではとっても正統派な弾きかただと思うのですが、カリスマ性健在なり。
一聴の価値あり、です。
 

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梯 剛之のモーツァルト

061008_2220 2006年10月8日(日)午後3時開演 @フィリアホール
《モーツァルト生誕250周年記念》
梯 剛之 ピアノリサイタル(オールモーツァルトプログラム)

・サルティの歌劇「二人が争えば三人目が得をする」のミンゴーネのアリア「小羊のように」による8つの変奏曲イ長調K.460(454a)
・ロンド イ短調K.511
・ピアノ・ソナタ第14番ハ短調K.457
・ピアノ・ソナタ第12番ヘ長調K.332(300k)
・ピアノ・ソナタ第17番ニ長調K.576

アンコール: トルコ行進曲 幻想曲ニ短調 ロンドニ長調

初めて生で聴きました。梯 剛之のピアノ演奏。
評判どおりの音質の透明感。美しい音でした。
プログラムにはピアノ調律師の名前も記載されていて、彼の音質へのこだわりが伺えました。

とても耳に心地よい、さらさら流れる小川のような音楽。
テンポをかなり揺らし、ペダルも多用するというのは、古典派の音楽としては正統派とはいえないのかもしれません。
けれども、いくらテンポを揺らそうとも、ペダルを多用しようとも、俗っぽくならず、演歌調に流れず、透明感をたたえた音楽を紡いでいけるというのは、天性の音楽性なのでしょうか…

生後1ヶ月で小児ガンにより失明、その後もガン再発で目を手術
というプロフィールを聞くと、
「不遇のピアニスト」「困難を乗り越える精神力」
といったような言葉を連想してしまいがちですが、
今日の演奏からは
「音楽が楽しくてしかたがない」「幸せだなあ」
というメッセージを受け取った私です。

若手演奏家のコンサートなどでは、
「緊張してガチガチ」「肩に力が入りっぱなし」
といった雰囲気を感じ、それはそれで聴き手も力を入れて聴くのですが、
今日のコンサートはその対極にあるようなリラックス感でした。

音楽にも、ピアノ演奏にも、いろいろな個性があり、それがまたいいんだ、
と発見した演奏会でした。

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オラトリオ「エリア」

20060904eria サイトウキネンフェスティバル in 松本

指揮 小澤征爾
バリトン、アルト、ソプラノ、テノールのソリストを迎えて
サイトウキネンオーケストラ
東京オペラシンガーズ

9月3日(日) メンデルスゾーン作曲 オラトリオ「エリア」
 (画像はhttp://www.saito-kinen.com/j/quick_report/detail.php?view=9 より)

一泊二日で行って参りました。
演奏者、歌い手の技量に恍惚たる気分。
…声楽曲のレビューを書くには、書き手の技量が足りませんで、今回はご報告のみ。
…宗教音楽は、アルファー波に満ち満ちているということを実感、体感、したのでありました。

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江副育英会コンサート(8/25)

前の記事の続きです。
ドンヒョク登場前の第一部は、次の3名の演奏でした。

1) 田村響 (1986年生まれ)
2) 高木竜馬 (1992年生まれ)
3) 北村朋幹 (1991年生まれ)

1)ベートーヴェン ソナタ「熱情」。
一言で言えば、切れ味の鋭い演奏でした。
聴かすべき音をきちんと聴かせ、的確にリズムを刻んで進んでいく若々しい演奏。
高校生のときにピティナ・ピアノコンペ特級でグランプリをとっているのですが、
そのときにもこの曲を演奏したようです。「おはこ」の曲なのでしょうね。
オープニングにふさわしいものでした。

2)ショパン バラード1番、エチュード「革命」、
 リスト 巡礼の年第2年より「タランテラ」。

指の動く速度、音量がものすごかったです。中学生とは思えません。
ただ、曲の作りが自分のものとはなっていないように聞こえました。
「自分で歌う」というより「教えられたとおりに鳴らす」ように聞こえるといいましょうか。。。
今後に期待したいです。

3)シューベルト ソナタ第7番
この若さで、この哲学的なしぶい曲を選ぶとは!と、選曲に驚きました。
そして、しっかり自分のものとして演奏しているのに再度びっくり。
技術をひけらかす演奏に陥らず、じっくり音楽の内容を勉強しているのがわかります。
今後どういう方向に進んでいくのか、楽しみです。

まさに「新進」演奏家たちのひたむきな演奏が聴けて、至福の一夜でありました。

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イム・ドンヒョク、流麗

昨日、若手ピアニスト4人のコンサートへ足を運びました。
★ (財)江副育英会第12回コンサート

4人のうちの一人が、昨年のショパン・コンクールで兄のドンミンと共に3位となり、話題となったイム・ドンヒョクです。
昨年11月のリサイタルでは、体調不良?と思わせるような素振り、弾きぶりで、聴き手としては不完全燃焼に終わった感じだったので(05年11月23日の記事参照)、
今回は、彼のホントの音楽を確かめよう、という気分でした。

さて、その結果は…
素晴らしい! さすがでありました!

休憩後、最後の弾き手として登場。
今回、私の席は前から3列目の右より。
ピアノを弾く手元が見えないのが悔しい限りでしたが、弾き手の表情はよく見えました。
まず思ったのが、前回リサイタルに較べて表情が柔らかい、ということ。
弾いているときも、実に自然体ながら「音楽に身を任せて」いることが伝わってきました。

流麗でした。…
「体から流れ出す音楽にのって、ピアノを操っている」
「ピアノと一体化して歌い上げている」
といえばいいでしょうか。

技術がものすごい、というより、
何にせよ、ピアノの扱い方のレベルが違いました。
一段突き抜けていた印象です。

曲目は、
・ショパン 「舟歌」Op.60     ワルツ イ短調Op.34-2
・ラヴェル ラ・ヴァルス

アンコールとして
・リスト ラ・カンパネラ

アンコールで、「ラ・カンパネラ」を軽やかに弾きあげるとは。
見事な演奏でした。
あそこまで音の粒がきらきらと揃い、音が楽しげに舞い踊る、
若々しく軽やかな「ラ・カンパネラ」、初めて聴きました。

まさにロマン派弾き、という印象も。
以前も感じたことですが、ピアノの音量はさほど…。体の線も細いですからねえ。
もちろん、ピアノの音はたっぷりと鳴っていますし、さまざまな音質も出るのですが、
若手ピアニストによくある「音の洪水で聴衆を圧倒」する、といったことはありませんでした。
それでも、心底堪能できました。
音楽って素晴らしい!ピアノって素晴らしい!

今回は、演奏後のお辞儀の際にも、はにかんだような可愛らしい微笑を浮かべていましたし、
彼としても納得の出来だったのでしょう。
私としても、11月リサイタルのときの「??」疑念が晴れて、本当によかった!

さて、他の3名のピアニストについては、また改めて。



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劇団四季のキャッツ

行ってまいりました。五反田のキャッツ・シアター。
私から息子への誕生日プレゼント…実は、それにかこつけて私が行きたかったのかも。

息子は以前、友人一家と劇団四季(別のステージ)体験済みだったのですが、そのときは大ホール後方の席で「ステージの奥のほうが全然見えなかった」という印象ばかりが大きかったよう。今日も
「一階席だよね?」
と何度も繰り返しておりました。

で、その一階席。
目の前にデーンとそびえる「ゴミ捨て場」をかたどった舞台装置…というより、そそりたつ壁。
「なんだよ、これー!何にも見えないじゃん!」
とショックを隠せない息子。舞台が回るんだから!と説明しても半信半疑でブツブツ。

さて、開幕。…舞台が暗転するや、ジャジャーン♪と大音響。
はい、回りました、回りました、ステージが回りました!暗闇の中、緑色の目だけを光らせて、猫たちがステージ上へ駆け寄っていきました!…上から円盤のようなものが降りてきました…

「うおっ」「すげえ」「なんだ、あれ」
相変わらずブツブツとつぶやく息子の声に、母は隣でにんまり。

母にとっても久々のナマステージは、とっても刺激的でした。
20年前(!)と較べて、ホント、劇団四季は進化したんですねえ。感慨。。。
歌も踊りも、格段のレベルアップで、随所で魅了してくれました。
観客サービスもたっぷりで。
客席の真横を駆け抜けたり、通路上に下りてきた縄梯子を登ったり、客の顔をじっくり見ながらゆっくり猫歩きをしたり…

人間のパワーを間近に感じるって、すがすがしくって、いいですね。

ステージ終了後、「どうだった?」と聞く母に
「ははっ!最後にまた出てきて、あおった猫のヤツ、おもしれえ!ギャグっぽかったし。」

…絶句。125_2547 そ、それだけかい…
カーテンコールの拍手がなかなか止まないので、最後の最後に出てきてコミカルな動きをし、「バイバイ」と引っ込んだ猫のことでありました。
…焦らずに、もう少したってから再度聞いてみよう…

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小澤征爾音楽塾

060726program_photo 音楽への愛、音楽への献身、音楽への一途さが伝わってくる、
すがすがしくも壮大なコンサートでありました。
小澤征爾音楽塾オペラ・プロジェクトⅦ
マーラー 交響曲第二番「復活」@サントリーホール 7/26

マーラーといえば、「巨人」は耳に馴染んでいるものの、「復活」をじっくりと聴いたのは、実は初めてでした。
驚きました。とっても重層的で複雑な曲想なのですね。
あの壮大な曲を、みごとにすべて暗譜で振った小澤さんには、いつものことながらも改めて脱帽です。
これまた、いつものことながら
「自己顕示欲」「スタンドプレー」「かっこつけ」
のようなものとは全く無縁で、ただひたすらに音楽そのものに没頭されている様子でした。病み上がりとは思われぬ、軽やかな振りっぷり。安心いたしました。
オーケストラでは、そうそうたるコーチ陣とともに演奏に没頭する、若い演奏家たちのひたむきな様子は、見ていて本当にすがすがしいものでした。

それにしても、サントリーホールの舞台いっぱい、ぎゅうぎゅう詰めに並んだオーケストラのスケール大きなこと!コントラバス10本、ファゴット5本、トランペット10本(たぶん)、…といった規模!見事な迫力でした。

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管楽器の豊穣なる響き

060706hungarian久々のコンサート・レビューです。

2006年7月5日(水)@サントリーホール
ハンガリー国立フィルハーモニー
指揮:小林研一郎

コダーイ:ガランタ舞曲
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番
(ピアノ:ゾルタン・コチシュ)
チャイコフスキー:交響曲第4番

休憩後のチャイコ4番が圧巻でした。
本当によく「鳴る」オーケストラです。特に管楽器!
ホールの構造にもよるのかもしれませんが、「管の音を聴くなら2階席中央」です。
うおーっと音が下から昇ってきて響きわたり、聴衆を呑み込む、って感じでした。
個人的には、特にホルンとファゴットに感動。
息を呑んでいる間に、音楽はラストの最高潮・クライマックスを迎え、音の渦の中から~
~~~ジャジャジャジャン!!
…これは記憶に残る名演といえましょう。会場は興奮のるつぼでありました。

楽しみにしていたラフマニノフのPf協奏曲は、ちょっと不完全燃焼。
これも席の位置のせいか、コチシュのPfの音がオケにかき消されがちで。
どう見ても、感覚的にも、ピアノはしっかり鳴っているはずなのに届いてこない。
しかも、ピアノがどんどん走っていってしまう感があり、オケと一体とは言いがたく。。。

コチシュ、初めて見ましたが、体の大きなかたですね。そして仕草がお茶目。

初めの「ガランタ舞曲」、初めて聴きました。
テンポもリズムもころころと変わる曲で、なんだかちょっとあっけにとられて、今ひとつ乗れないうちに終わってしまいました。

前半は「うーん、なんだかな」という気分でしたが、ま、これは助走だったということで。
後半のチャイコだけで大満足の夕べでありました。

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コバケン&中丸三千繪

060305kobaken 《コバケン・ガラ・コンサート》第4 弾@サントリーホール。
本日、行ってまいりました。
昨年8月29日の記事にも書いたように、冠となっている「コバケン」のしゃべりorスタンドプレイをどう生かすか、苦慮しているようなこれまででしたが…。

今回は圧巻でした。
オペラ歌手の中丸三千繪さんをゲストに、プログラム本編を終えるや、
オーケストラ退場、そしてグランドピアノが舞台中央に登場。
コバケンのピアノ伴奏にて、プログラムにはない曲目独唱が始まったのです。
それも40分間にわたって!
おお、ラッキー!

その曲目は、コバケンが小学校5年生、6年生、そして中学生のときに作詞&作曲したという曲(野口雨情&中山晋平に似た、叙情的な曲でした)。
中学生でお母様を亡くしたときの歌には、ジンときました…。
そして、その後、会場からリクエストを受け付けての独唱。
コバケン、楽譜なしのアドリブで見事に伴奏していました。やっぱりプロは違います…。

これで終わり、最後のカーテンコールと思いきや、
なんとコバケン、おもむろにピアノに向かい、さらなる伴奏開始。
三千繪さん、初めはうろたえた様子ながら、伴奏が止まないと知るや、しゃっきりと立ち位置を改めて見事に歌いきり、会場には「ブラボー」の声が。
ラストの2曲は、プッチーニのオペラ《ジャンニ・スキッキ》より「私のお父さん」、そして「アメージング・グレイス」。

最後の40分間、こちらの度肝を抜くような演出で、二人の語りも満載で、
「才能ある人なればこそだなあ」と感服したのでありました。

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ショパコン入賞者ガラ・コンサート

06年1月30日(月)19:00- サントリーホール
「第15回ショパン国際ピアノ・コンクール入賞者ガラ・コンサート~ジョイント・リサイタル~」

Blechacz

pipiさんからレビューが届きましたので、許可を得て転載します。
←画像は、コンクール優勝者、ポーランドのブレハッチです。

***************************

関本昌平、山本貴志、ブレハッチの順でした。
関本さんの演奏はさすがです。曲は「葬送」とエチュードでした。
音色と曲想のつくりかたの兼ね合いがすばらしかったです。
山本さんは女の子でした。(笑)すごくちっちゃいの!立ち姿も女の子。
演奏は繊細な感じ。舟歌とスケルツォでした。でも時々嗚咽のように聞こえるうなり声が気になったなぁ。
でもとにかくよかったのはブレハッチで、これはダントツでした。舟歌、ワルツ、マズルカ、英雄ポロネーズ。
出てきた瞬間の印象は、「ほそながーい」。だけどピアノに乗せた指のきれいなこと。
彼はすごい。生で聴くまでは半信半疑なとこありました。
英雄ポロネーズはあまり好きになれない曲だったんだけど、彼の演奏は
重くない、キレがある、うるさくない。
あんなポロネーズは初めて聴きました。また聴きたいです。
もし機会があったらブレハッチの演奏はぜひ生で聴いてみてください。
コンクールのあとは、「まったくポーランドびいき」なーんて思ったのですが
そんなことないってことが実証されて、行ってよかったです。
しかし不思議だったのは、関本さんより山本さんへの拍手が大きかったことです。
ん!?女性ファンか?はたまた男のファンか?
そういえば2人置いて斜め後ろに仮屋崎省吾さんが満面の笑みで座ってました。
山本くんのファンに違いない・・

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1/22のコンサート

アプリコ大ホールでの「モーツァルト生誕250周年記念コンサート」。
N響「指揮者なし」というのが面白かったです。モーツァルトの時代には指揮者の仕事は確立されていなかったから、その時代の雰囲気を味わって…ということでした。コンサートマスターが弓を振るって息合わせ。確かにサロン的なムードが醸し出されて、演奏者がよく視界に入って、なかなかでした。
(プログラム)
・セレナード第12番ハ短調KV388
  (オーボエ、ファゴット、ホルン、クラリネット各2本)
・ピアノ協奏曲第25番ハ短調KV503
  (独奏:田部京子)
・交響曲第40番ト短調KV550

モーツァルト、「癒し系音楽」であることを改めて実感。ストレス解消になる良い時間を過ごした、という感じです。田部京子さん、おそらく40代になられたのでは?と思うのですが、若々しいのにビックリ。とっても端正な演奏でした。姿勢よく軽やかに。ミスタッチなく、優雅に。初めて生演奏を聴きましたが、安心して堪能させていただきました、はい。

ここで突然話は飛びます。
わたくし、全然知らなかったのですが、なんと同日2時よりオペラシティにて
第15回ショパン国際ピアノコンクール~入賞者によるコンサート~ with
ワルシャワ国立フィルハーモニー管弦楽団

が催されていたのですね!

誰が何を弾いたのかわかりませんが、ショパンのピアノ協奏曲2番&3番、そしてソロ曲、とのこと。
で、以前このブログで盛り上がった、同コンクール3位イム・ドンヒョクくん、なんと昨日はアンコールを演奏したそうで、その曲目が「冬ソナ」の「初めて」ときたもんだ!
ああ、聴いてみたかった!と地団太を踏むわたくしです。

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連弾コンサート

9日、都内の小さなスタジオで行なわれた「ピアノ連弾コンサート」へ足を運びました。
連弾をライフワークにされている方々による、私的な集まりといった雰囲気のコンサート。専門家(音大卒で音楽活動中)5組による演奏で、年代的には40代中心かと拝察しました。

率直な印象…聴き手を感動させるのは難しい!
「天賦の才」に恵まれた、ごく一部の演奏家はともかくとして、
他人を感動させる演奏をするっていうのはホント難しいことなんだ、と再認識してしまいました。
皆さま、とてもよく弾けていたのですよ。でも。。。

選曲も大切だなと思いました。やはり、そのペアの良さが出る曲、聴き手にアピールする曲、っていうのがあるんだな、と。
また、連弾CDを出しているペア、頻繁に連弾演奏会を開いているペアの完成度が格段に上でした。

いろいろ考えさせられました。やはりやはり、連弾は「弾きこむこと」が大切なんですね。
二人揃って「弾きこんで仕上げる」のは、並大抵のことではないのかも。
そういえば、あのラベック姉妹のコンサート、
80年代に聞きに行ったときは「まあ、こんなもんかなあ。ま、二人とも綺麗だからねえ。」ぐらいに思ったのでしたが、
90年代には「凄い!素晴らしい演奏!」と感動したのでした。
連弾って、実は、とっても奥の深いものなのかも。

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ウイーンフィル・ニューイヤーコンサート

あけましておめでとうございます。
三が日を過ぎてからの遅いご挨拶…やっとパソコン環境に復帰したところです。

今年の元日には、実家のプラズマテレビでゆっくり「ウィーンフィル・ニューイヤーコンサート2006」を見るという至福の時を過ごしました。new_year_concert_2006
2002年の小澤征爾のときは、雑音かまびすしい中で片手に布巾などを持ちつつ、チラチラと盗み見。
それ以降も同様の状況か、見逃すか。今年初めて、テレビの前にどっかりと腰を据えて、視聴することができた次第です。
今年は、教育テレビならぬ総合チャンネルでの放映でしたね。これまた、クラシックブーム反映してのことでしょうか。

new_year_concert_conductor 指揮者はマリス・ヤンソンス。知らないなあ~と思っていたのですが、なんと手持ちのCD、五嶋みどりのメンデルスゾーンバイオリン協奏曲で、ベルリン・フィルを振っていたのが彼でありました。
さて、今年のコンサート…
といっても、2002年の小澤征爾のときと比較するくらいしかできないのですが、私の印象では
★軽妙洒脱、軽やかで楽しく酔わせる「小澤」new_year_concert_dance
★勇壮華麗、たっぷり鳴らして聴かせる「ヤンソンス」
ってな具合でしょーか。
バレエの映像が例年より少なかった(たぶん)、
モーツァルト生誕250年にあたり、モーツァルト関連の曲目を入れた、
というような点も影響しての印象かもしれませんが、今年は
「すっごい聴かせてくれて、堪能! でも、ちと重かったかも。。。」new_year_concert_zentai
選曲も面白かったですね。
いろいろな作曲家の有名曲のフレーズをつなぎ合わせたものとか、モーツァルトの曲のテーマが次々に出てくるものとか、
シュトラウスに限らず、「ウィーン関連曲」といったコンセプトの選曲。
それにしても、今だったら「著作権!」で訴えられそうな曲目がたくさん。「古き良き時代」の香りですねえ。
選曲にも指揮者の好みが現れるんでしょう。。。汗だくになって指揮するヤンソンス。
彼の腕の振り方はとってもかっこよかったです。「見栄えを気にした」かっこよさでなく、真摯にオーケストラに向き合って振っているかっこよさ。
思わず踊っちゃう、ってなところがない、汗だくな真面目さも「重く」感じた理由かもしれません。でも、結論としては、気に入りましたよ、ヤンソンス。

そして…ヤンソンスの前に置かれたスコア譜の分厚さよ!
改めて、「すべての曲を暗譜」して臨む小澤征爾氏の偉大さを思ったことでありました。

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フルート、ヴァイオリン、チェンバロによるクリスマスコンサート

室内楽アンサンブル"Bouquet de Tons(音の花束)"によるクリスマス・コンサートに行ってきました。
2005年12月11日(日)午後3時ー サロン松本(市川市)にて

123_2310 私と同世代(たぶん)のプロの演奏家、
pipiさんお知り合いの方々です。
フルート、バイオリン、チェンバロ、というトリオのコンサートは初めてだったのですが、音色がしっくり合っていて大変心地よい演奏会でした。
お客様は70名程度だったでしょうか、こんなサロンコンサート会場が東京都内にあれば…と思ったことでした。

プログラム
モーツァルト モテット”アヴェ・ヴェルム・コルプス”
タネリ・クーシスト  古様式によるクリスマスのソナチネ
ヨハン=セバスチャン・バッハ  ソナタ ニ長調 B.W.V.1028

高橋喜治  ジュメル・ド・ノエル(クリスマスの双子星)
チャイコフスキー  組曲「くるみ割人形」より 行進曲、葦笛の踊り、花のワルツ
高橋喜治  日本の四季
高橋喜治  クリスマス組曲

バロックっていいな、と久々に思いました。ヴィオラ・ダ・ガンバの「ガンバ」が「脚」という意味だったとは、初めて知りました。
高橋喜治さんの曲はとても耳に優しく聴きやすくて、編曲によって曲の雰囲気も随分変わるんだな、と発見。
演奏会後、高橋さんと直接お話をして、オリジナルのピアノ連弾譜を入手できるようにお願いできたのも収穫でした。ソロ譜は2曲分その場で入手。
彩音会コンサートでも、是非演奏させていただきたいものです。

高橋さんの曲の雰囲気、"Bouquet de Tons"による演奏でちょっと味わえます。→http://homepage.mac.com/haruan37/amakane/audition/audition20.html

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ドンヒョク・デビューリサイタルCD

Dong-Hyek,Lim Debut recital イム ドンヒョク「ロン=ティボーの奇跡」
というタイトルのCDを聴きました。

donhyukCD まず、選曲が大変よろしい。(実は、とっても月並みな趣味の私)
ショパンの「スケルツォ2番」「ノクターン8番」「バラード1番」「エチュード1番Op.10-1」、シューベルトの「4つの即興曲 Op.90」、ラヴェルの「ラ・ヴァルス」

全体を通して、音色がキラキラしていて、溌剌とした印象です。とても気分よく聴けます。
ロマンティシズム一杯だけれど、決して歌いすぎず、間違っても演歌調には流れず、きちんと統制のとれた弾きっぷりです。
秀逸だと思うのは、ラヴェル。
弾き手によっては「くどい!うるさい!重い!」となりがちなところを、とっても軽やかに、楽しげにキラキラとこなしています。(聴いたあと二日間ぐらい、ずっと私の頭の中で鳴っていました…)

CDを聴く限り、音はとってもダイレクトに響いてきます。ネット中継でも思ったんだけど。
…とすると、やっぱり11月の生演奏は、ちょっと物足りなかったような気がするなあ…

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ドンヒュク体調不良?

donhyuk のっけから、ショッキングなタイトルですが…

決して、決して、内容が悪かったわけではありません。11月23日、紀尾井ホールでのイム・ドンヒュクのリサイタル。

まずは音色の美しさにびっくりしました。紀尾井ホールのピアノって、こ、こ、こんなに凄かったか??とびっくり。全体的な印象としては「繊細なるピアニシズム!」といったところ。うん、正統派ショパン弾きに間違いない!と納得いたしました。

では何故「体調不良」と思ったのか?

まず、表情がさえなかった!ニコリともしない、というか、表情がない。初めから終わりまで。

2部ではマズルカOp.59、プレリュード(Op.28 No.13―No.18)、アンダンテ・スピアナートと華麗な大ポロネーズ変ホ長調Op.22と、曲の間でも一度も立ち上がらず(拍手がおきても!)、決然と座ったままで演奏続行。大きな拍手にも表情ひとつ変えず、引っ込んだ後は機械的に3回ほど出てきてお辞儀をし、アンコールもなく演奏会終了。…え~っ!うそ~!!プログラムには、演奏曲目のあとに「ほか」って明記してあるよ~!!

1部で、曲順を入れ替えた(バラード第1番→ノクターン第8番を、ノクターン→バラードへ変更)のも、冒頭は軽めのノクターンから入らないと辛かったからなのか?

そういえば、座ったままの2部では、曲間に、左腕で右腕・右肩をさすったりもしていました。やっぱり辛かったにちがいない。かわいそうに。(と、おばさんは考える)

しかし、体調不良でこれだけの演奏が出来るなら、そりゃすごい。それとも、気難し屋で、いつも表情がないのか???……是非、表情あるドンヒュクのリサイタルを体感してみたい、と思ったのでした。……あ、すら~っと背が高く(180センチはありそう…)、弾きかたも気品があって、見栄えのする青年でありました。はい。

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11/13 ジャズコンサート報告

122_2262 122_2261

小山太郎(drums)

廣池英子(piano&作曲),藍澤エイジ(bass) ,緑川英徳(a.sax)

颯爽と格好よく、しびれるコンサートでした。(11月13日15:00-お茶大学館ホールにて)

ご自宅周りをうろうろしているというノラ猫関連の曲、同時多発テロの際のレクイエム、量子力学の専門用語の入ったタイトルの曲、などなど、多彩なプログラム。全曲、廣池さんご自身のオリジナル曲。

60代になってから始められたという作曲。「それが、やってみたらば、ダカダカ、ダカダカ出てくるのよ。」とおっしゃる廣池英子さん。

「いいじゃないか、いいよ、いい曲だよ、って言われてね。それで年下のダンディなミュージシャンも一緒についてきて、やってくれてるわけよ。いいわよお。気持ちいいわよお。一人で黙々とやるっていうのは性に合わないからね。みんなでワイワイ言いながら、作っていくわけ。私が作曲してね、コードはつけてね、あとはもう任せて、勝手にやってちょうだい、やってみようって。楽しいよお。」

演奏会後の懇親会で伺ったお話です。

才能あふれる気さくな大先輩に、なんだか私の目の前も明るく開けてくるような、素敵なパワーをいただきました。

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シェーンベルクへの認識を改めました

行ってきました「サイトウキネンフェスティバルin松本」!
聴いて、見て、きたのは
  ♪ シェーンベルク「グレの歌」(セミ・ステージ)

小澤征爾指揮、サイトウキネンオーケストラ演奏。ソリストは、海外からのオペラ歌手5人。

この「グレの歌」、オペラではないのです。(オペラ風歌曲?)
オーケストラピットにもライトを当てて演奏され、ソリストは舞台上で衣装をつけて多少演技はするものの、舞台装置はいたって簡素(今回は階段3つを様々なセットに見立てていました)。

その洗練された舞台セットでのストーリー組み立て、演出にも感嘆しましたが、
なんといっても今回の一番の驚きは…

「シェーンベルクって、ロマンチストだったんだ!!」

今までシェーンベルクといえば、「12音技法」「難解」といったイメージで「聴いても、きっとわからない」と敬遠していたのです。ところが、どっこい! 
メロディーラインはわかりやすくて美しいし、ストーリーもいたって前向き。
難解どころか、感動の嵐でありました。

♪♪♪「グレの歌」ストーリー♪♪♪
王が庶民の出の美しい乙女トーヴェを愛し、彼女の住むグレの森へと通い、心やすらかな日々を送る。
が、彼女を王妃に暗殺されてしまい、嘆き悲しみ、神をも恨む。
王自らの死後も、墓の中の家臣をたたき起こして森の中をさまよい、トーヴェを捜し求めるが叶わない。
が、森は春を迎え、自然の営みによってすべてが浄化されていく…♪♪♪

最後は、「太陽を見よ!」と混声合唱団の大合唱。
喝采!

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曲目の演奏と解説

8月28日(日)、日本フィルの「コバケン・ガラvol.3」というコンサートに行ってきました。
小林研一郎が「聴衆との距離を近くしたい」との思いをこめて、曲目解説のトークを入れながら進めるコンサート。

ところが、今年は、のっけからお詫び調。
プログラムには次のように載っていたものを急遽変更して、解説を省き、演奏のみになりました、と。
★サラサーテ カルメン幻想曲
(ビゼーの組曲「オペラ《カルメン》」と比較して)

でも、私としてはバイオリンのソロ(by小林美恵)が堪能できて大喜び!
実は、去年はサンサーンスの「動物の謝肉祭」を、曲の途中でいちいち「これが鳥の鳴き声」だの「象の足音」だの、コバケンがマイクを通して口の挟むので、それがうるさくて、演奏に集中できずに辟易したのでした。
(たしか、苦言を呈したアンケートも出してきたような…)
もしかして、今年もプログラムどおりの解説入りバージョンをやって、大ブーイングにあったのかしら?なんて邪推したりして。。。

で、今年は、その埋め合わせということか、
スメタナの「連作交響詩《わが祖国》より」の第一曲、二曲、四曲、六曲について、コバケンがピアノでテーマを弾いたりして解説してから、オケの演奏に入る、というスタイルをとっていました。
去年よりは、いいスタイルだと思ったのですが(曲の最中にしゃべるよりbetter)、
なにせ長い曲なので、その前にまた長い解説が入ると、冗長になりすぎて、聴いているほうは疲れてしまう気がしました。
演奏する側も、演奏前の集中力が途切れないのかなあ…

《結論》
曲の解説は、われらがコンサートのスタイル(10分前後の曲の前に、短いナレーションで解説する)がベストと思われる!自画自賛??

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ピアノの公開レッスン

 3月30日(水)ピティナ主催公開レッスン「徹底研究2005ドビュッシー(講師:ブルーノ・リグット、会場:王子ホール)」に行ってきました。仕事の春休み期間を貪欲に利用しようってことで、かなり前に早々と申し込んじゃったのよね。
 第一部(10:30-12:30)の「子供の領分」を聞いたのみなんですが、会場は熱気むんむん。「通訳のかた、もっとはっきり言ってください!」なんて声があがったりしてね(私にはちゃんと聞こえたんだけど)。
 第一部の演奏者は3名とも小学生。みんな見事に弾きこなしていて、まさに脱帽って感じ。小学生とはいえ、音楽にはすでに個性が表れてるってことに驚嘆しました。指導内容は「鳴っている音をよく聞いて弾く」ってことに凝縮されると思うんですが、それが出来ているかいないかで、聞いた印象がまったく違うんですね、やっぱり。プライドを持ってしまった(ように見える)子が伸び悩んで、「上手になりたい」という気持ちでいっぱい、という子がすごかった。。「素直な気持ちは成長の下地」ってことかしらね。なんか、身につまされました。いろんな意味で。
 そういえば、NHK教育でも「ピアノのレッスン」が始まりましたね。最近とんとご無沙汰気味だったピアノ練習(コンサートまであと一ヶ月というのにね!)。このへんで初心にかえって練習してみようかな。

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