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2017年2月19日 (日)

『春に散る』

20170219 沢木耕太郎 『春に散る』 朝日新聞社 2016

上質の娯楽小説でした。
朝日新聞の連載小説ですが、連載当時は全く読んでおらず。

40年ぶりにアメリカから帰国した元ボクサーが
昔の仲間を集め、4人で協力して有望な青年を育てる。
……乱暴にまとめてしまえば、そういう物語です。

なんとも都合よく物事が運びすぎるストーリー運び、
(実に見事なタイミングで、人や住家に恵まれる)
結末が見えてしまうタイトルが、ちょっと興ざめかもしれませんが、
楽しんで一気に読めてしまいます。
上下2巻、あっという間でした。

個人的には、、
亡きボクシングジムの会長が、入寮テストとして課したという
「ヘミングウェイの小説の感想文」
というのが、印象に残りました。(私自身の仕事柄sweat01
八百長試合に臨む二人のボクサーを描いた小説を読んで、

・ファイト・マネーに着目する
・負けたボクサーのその後に思いを馳せる
・あとがきの解釈に異を唱える
・ボクシングと野球の差への気づきを述べる

と、四人それぞれが全く異なる視点をとった、というところ。
「期待される答えを書く」
のではない感想文、これがあるべき姿だなあ。。。
これが、この小説冒頭の「キューバが見たい」につながっていたのだった
と、今、気づきました。洒落た仕掛けです。

主人公が心惹かれたという映画(引退した音楽家たちの共同生活ハウス)、
私も予告編で見て心惹かれており、共感しました。

ボクシングについての知識がなくても、それぞれの視点で楽しめる小説だと思います。



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