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2017年2月 5日 (日)

『Masato』

20170205 岩城けい 『Masato』 集英社 2015

前作『さようなら、オレンジ』(→)が凝った構成だったのに対し、
本作は、大変読みやすいシンプルな構成。

父親のオーストラリア転勤に伴い、
オーストラリアの現地校に転勤した小学5年生まさとが、
英語を理解できず、いじめにあう状況から、
同じような孤独感を抱く台湾人ケルヴィンや、自然児ノア、
生き生きとしたサッカー少年たち、ヘジャブを頭に巻く転入生少女、
親身になって導く教師等との交流を糧に、
仲間をつくり、
自分の人生を切り開いていく様子が描かれます。

海外生活への夢が砕け、孤立を深める母親、
その母親との関係を持て余す父親、
高校受験を控え、現地校ではなく日本人学校へ入学し
ほどなく帰国してしまった姉。

家族が悩み、ぶつかり、混迷を深める様子、
日本に残る祖父母のことも絡み、実にリアリスティック。

まっすぐ前を見つめる、健康的な青春小説であると同時に、
「母」vs「父」の異文化間コミュニケーション論としても読めます。
もちろん、日本社会vs豪州社会の比較論としても。
さくさくと読めてしまう、薄い本でありながら、中身は濃いなあと感じました。


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