無料ブログはココログ

PIOの新ブログ

« 16:50 陽が長くなりました、 | トップページ | 脱力レッスン その2 »

2017年1月27日 (金)

『遠い唇』

20170127 北村薫 『遠い唇』 KADOKAWA 2016

7篇の短編からなるアンソロジー。

珍しく、巻末に著者による「付記――ひらめきにときめき」
が附属していました。
TVドラマ用に書き下ろした作と、雑誌投稿作の2種がある
「ビスケット」についての経緯説明。
そして、最後の最後に次のようにあります。

なお、付記の付記になりますが、本短編集は、謎と解明の物語を中心にまとめてあります。その中で「ゴースト」の色合いが違います。これは、この夏、角川文庫に入った『八月の六日間』の主人公の心を描く習作――といった意味合いがあります。そのため、ここに収めるのが適切と思いました。

なるほど。
なんだか、雑纂的だなあ……という読後感を持ったわけです。
いつもは独特の雰囲気を色濃く残す北村薫の作なのですが、
本作からの印象は、拡散してしまったような。

やはり、表題作の「遠い唇」が心に響きました。
暗号にして贈らずにはいられなかった、大学時代の先輩の想い、
気づくのがあまりに遅すぎた解読、切ないです。

まるで星新一の作品のような「解読」には、びっくりしました。
新境地を開拓しようとしているのでしょうか。
また、「ビスケット」を18年前の作品『冬のオペラ』の続編として書く
というアイデアにも。

そういえば、去年も、北村薫の作品を一つ読んで、
それを契機に過去の作品に遡って読んだりしたのでした。(→
ううむ。
なかなかやるな、北村薫。

« 16:50 陽が長くなりました、 | トップページ | 脱力レッスン その2 »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 16:50 陽が長くなりました、 | トップページ | 脱力レッスン その2 »