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2017年1月

2017年1月31日 (火)

1月31日

1月31日

シューベルトの誕生日。
今日で220歳……そんなことを思っていたのに

衝撃的なことに
懐かしい教え子の訃報を知りました。

如月を目前とした、睦月最終日。
特別な色合いを持つ日となりました。

2017年1月30日 (月)

バッハ一族とその音楽 第4回

spade第4回 バッハの人生における最大の試練その2 契約違反と投獄

ワイマールの宮廷楽長の職にある身分のまま、
ケーテンの宮廷楽長職にサインしたバッハ。
(ワイマールの共同統治者二人のうち、若い方の結婚相手の兄がケーテン領主)

普通なら、経緯曖昧なまま異動できたかもしれないが、
マルシャンとの腕比べで名を挙げたことが仇になり、
ワイマール領主の片割れ(年配の叔父の方)の怒りを買い、ついに投獄される。

バッハの学友ゲルバーの息子の記録には
バッハは、楽器もなく苦しい状況におかれたときに平均律を書き始めた
という記述があり、1ヵ月にわたるこの投獄期間を指すと思われる。

30代前半という働き盛りの時期に、この苦しい状況に追い込まれて
まさに新スタイルの音楽(=平均律)を書いた。

・フレーズの息の長さは、新境地
・黒鍵が多い変ホ短調(フラット6つ)での作曲は世界初
pencilこの曲想の特徴は、後にショパンに引き継がれることになる

moneybagバッハの生活を経済的に見ると…

(1)住み込みの弟子(1日6時間のレッスン&バッハ作品の写譜を許可)から
 レッスン料として年額 80ターラー(100万円くらい)を受け取る

弟子による写譜を見ると、バッハは何度も推敲を重ねている。
pencil時間をかけて曲の完成度を高める精神は、ベートーベン、ブラームスへ。

(2)バッハの最高年収、妻と合わせて700ターラー
leftrightベートーヴェン
 作曲した曲を貴族に捧げ、
 その貴族から1曲あたり700ターラーを受け取ったうえ、
 楽譜の出版にあたっては、同額程度を出版社から貰っている。

dollarベートーヴェンの時代のウィーンは、
ナポレオン侵攻でお金が回り、貴族には金があった。
 戦争特需のバブリーな時代。それが音楽にも表れている。
 バッハの時代とは、稼ぎ方が全く違う

2017年1月28日 (土)

脱力レッスン その2

20170128_3 脱力レッスン、9月に続けての2回目です。

9月に比べて脱力できるようになった
ということが確認できて、まずはよかった!

今回、初めて合流した妹のレッスンを見ながら、
私も1回目の内容が復習できて、ラッキーでした。
(1回目の記録→)。

本日のメモ。

ポップスっぽい曲、ジャズっぽい曲想には
メトロノームを裏拍でとる」練習がよい。
ほんとは、ジャズは2拍ではなく3拍目の裏拍なのですが、
私にはちょい高度すぎるので、まずは2拍から。

拍を感じるのは、体幹、丹田で。
間違っても頭を振ってはいけない!
頭がふらふら動かないように、
頭の上にパンフレットなど載せて練習するのもアリ。

丹田は、意識を下におろすつもりで感じるべし。
地球の中心に自分の丹田を下ろす!といったイメージ。

そして、
アンサンブルをするときには、
相手と❤を、心臓の鼓動を合わせる意識を持つとよい。
ステージ演奏では、観客と❤を合わせようとする場合もある。

イメージ・トレーニング、大事なんですね。
スポーツ科学と同じように、演奏科学も学問分野になりそうです。

2017年1月27日 (金)

『遠い唇』

20170127 北村薫 『遠い唇』 KADOKAWA 2016

7篇の短編からなるアンソロジー。

珍しく、巻末に著者による「付記――ひらめきにときめき」
が附属していました。
TVドラマ用に書き下ろした作と、雑誌投稿作の2種がある
「ビスケット」についての経緯説明。
そして、最後の最後に次のようにあります。

なお、付記の付記になりますが、本短編集は、謎と解明の物語を中心にまとめてあります。その中で「ゴースト」の色合いが違います。これは、この夏、角川文庫に入った『八月の六日間』の主人公の心を描く習作――といった意味合いがあります。そのため、ここに収めるのが適切と思いました。

なるほど。
なんだか、雑纂的だなあ……という読後感を持ったわけです。
いつもは独特の雰囲気を色濃く残す北村薫の作なのですが、
本作からの印象は、拡散してしまったような。

やはり、表題作の「遠い唇」が心に響きました。
暗号にして贈らずにはいられなかった、大学時代の先輩の想い、
気づくのがあまりに遅すぎた解読、切ないです。

まるで星新一の作品のような「解読」には、びっくりしました。
新境地を開拓しようとしているのでしょうか。
また、「ビスケット」を18年前の作品『冬のオペラ』の続編として書く
というアイデアにも。

そういえば、去年も、北村薫の作品を一つ読んで、
それを契機に過去の作品に遡って読んだりしたのでした。(→
ううむ。
なかなかやるな、北村薫。

2017年1月26日 (木)

16:50 陽が長くなりました、

この時間、ちょっと前までは夜の始まりでしたが、
今は、昼の名残りのあかね空てす。
今日は寒さも緩んで、ホッと一息。








2017年1月25日 (水)

すわ乗っ取り!問題2件

この1週間ほどの間に、なんとも物騒なことがあったので
備忘録&注意喚起として。

(1)SNSアカウント乗っ取り?

私、SNSについては
ほとんど見るだけで、アクションは起こしていないのですが、
突如、私のアカウントから無関係な宣伝が友人宛に送信されている
という指摘が、複数の友人から。
同様の被害を受けた知り合いも複数名いて、
どうやら、一時的に乗っ取られた状態になっていたということらしく
パスワードを変更しさえすればOKだよ~とのこと。

ただ、この連絡を受けたのが出先、それも
「これからコンサートホールへ音楽を聴きに行くのだ!」
という状況で、焦ったわたくし、
SNSについての操作はあまりしないスマホから
何とかしようと試行錯誤してしまった結果、いろいろぐちゃぐちゃになり、

「あなたのアカウントが外部から攻撃を受けました」

と見なされる結果に。
一時はアカウント停止状態と相成りました。

ま、帰宅後、PCに向かって対処した結果、ちゃんと戻りましたが。。。
でも、本当に外部からぐちゃぐちゃされた場合は、ちゃんと警告されるんだ~
ということがわかって、ある意味、安心もしました。

(2)Googleアカウント流出?

これはつい先ほど。
突然、「新しいログイン」という件名でGoogleからメールが届き、

「お使いの Google アカウント○○○○が、ログインに使用されました。
このアクティビティに心当たりがありますか?
最近使用した端末を今すぐ確認してください。
(中略)
以前にこのブラウザまたは端末で、このアカウントを使用したかどうかを

確認できませんでした。」

とのこと。
ええええっ? 誰かにアカウント乗っ取られたの??
と、ものすごく焦りましたが、レポートされた
「最近使用した端末」
で、IPアドレスを確認したところ、現在のこのPCのアドレスであると判明。
ほっと胸をなでおろしたのでした。
clipgoogle.com で「what is my ip」を検索すると、
検索したデバイスの IP アドレスが表示されます。

いつもは使わない頁から、とあるサイトにログインしたのが原因らしいです。

しかし、こういうのって
ほんと、心臓に悪いです。
気をつけなくては!

2017年1月24日 (火)

バッハ一族とその音楽 第3回

spade第3回 バッハの人生における最大の試練1 マルシャンとの腕比べ

・一般論「バッハをロ短調で語ってはいけない」
 =バッハは"B minor"、つまりB面のマイナーな音楽ではない

・ニーチェのバッハ評は辛辣
 バッハは
 生半可なキリスト教信仰(実際、?な歌詞をカンタータ化したりする)
 常に中世を振り返っている(確かに記譜法など、ちょっと古い)

・経済的に見てみると…
 バッハの年俸は
 活躍期・ライプツィヒの頃に700ターラー(≒700万円)。
   cf. 1万ターラー(≒1億円)もらう同時代の音楽家もいた。

 若い頃、17~8歳のときは、年俸35ターラー。
  1708年、23歳でワイマール公国の宮廷オルガニストに。
 数年で、年俸215ターラーとなるが、
   これは30年来宮廷楽長だったドレーゼの200ターラーを抜き、波紋。

 ドレーゼの死後、自分が宮廷楽長になれると思っていたバッハだが、
 ドレーゼの子が就任してしまい、がっくり。ワイマールに希望を失う。
 (背後には、ワイマール公国を共同支配する叔父と甥の争いが…)

 そんな折の1717年、
 バッハはドレスデンの宮廷から
 フランスの有名な宮廷オルガニスト、ルイ・マルシャンとの腕比べの話が。
 マルシャンは、当日この腕比べをすっぽかし、
 バッハは更に有名になっていく。
 

バッハは世渡り上手とは言えず、
相手がカチンと来ることを平気で言ったりやったりした、とか、
子ども20人プラス親戚も養おうとしていたから、経済的に大変だった、とか、
生活者・バッハという視点が面白く、楽しく聞きました。

2017年1月23日 (月)

『家康、江戸を建てる』

20170123 門井慶喜 『家康、江戸を建てる』 祥伝社 2016

面白かったです。
そうなのか、江戸って、そういう始まりだったのか、
と実感と共に納得しました。

駿府を居城としていた家康。
関白秀吉に
――家康殿には、関八州を進呈する
――そのかわり現在の領国である東海五か国はぜんぶ差し出っしゃれ。と言われたことは

美田と泥沼を交換しろというようなもの」で、
家臣たちには猛反対されたものだった、とのこと。
しかし、家康は、
(関東には、手つかずの未来がある)
と直感して、この国替えを受け入れたのでした。(p.389)

泥沼ゆえ、
利根川の流れを東遷させて治水を盤石とし(第一章 流れを変える)、

京とのせめぎ合いを制して
日本史上初の貨幣面での天下統一を果たし(第二章 金貨を延べる)、

治水の上に利水でも適材適所の人材を登用し(第三章 飲み水を引く)、

江戸城の石垣建築で大名、石工を懐に取り込み(第四章、石垣を積む)、

白壁で江戸の独自性を全国に知らしめる(第五章、天守を起こす)。


やはり、世の中を建てるのは
人材活用、人心掌握、そして、未来を見通す眼だよなあ、、と思いました。

2017年1月22日 (日)

レッスン・ウィーク・冬

先週は、特別にレッスンを3回も受けました。

notes 毎月1回の定例レッスン 
notes チェロの先生宅でのアンサンブル・レッスン 
notes 公開レッスンのご縁によるピアノ・レッスン

お仕事の方も学年末にさしかかり、あれこれ慌ただしい中、
仕事を終えて駆けつけたレッスンも。 頑張ったワタシ。

pencil今回の教訓……
 演奏している「つもり」の音と、実際に「聴こえている」音は異なる!
 追うべきラインは、最後まで、自分の耳で追い続けるべし。 
 腕、指、目は「脱力」で省エネを図るとしても、耳は常に鋭敏に。
 自分の耳でしっかり追え、しっかり歌えるテンポで演奏せよ。

冬の陽射しが心地よい午後のレッスン、
ビデオから切り出した画像にフィルタをかけて遊んでみました。

20170121piano_lesson

2017年1月21日 (土)

『蜜蜂と遠雷』

20170121mit 恩田陸 『蜜蜂と遠雷』 幻冬舎 2016

そうです。
今回の直木賞受賞作。
国際ピアノコンクールが舞台とあって、友人からも薦められ、
本も買ってあったのですが、そのボリュームにちょっと怖気づき、
今まで積んでありました。
今回の直木賞受賞を機に、さあ、読んでみようか…
と腰を上げたところ……あっという間に読了です!

お見事でした。

コンテスタントのうち、核となる4名
(風間塵、栄伝亜矢、マサル・カルロス・レヴィ・アナトール、高島明石)の

・各キャラクターの立て方
・4人それぞれの絡ませ方
・音楽とどう向き合うのか、という葛藤
・コンクール期間を通しての変化、成長
・コンクール後についての見通し

それぞれが、かっちり書き分けられていて、
かつ、未来志向の展開で、希望に満ちています。
それでいながら、夢物語という印象、嘘っぽさは感じません。
地に足をつけて生きていく健康的な若さ、伸び伸びとした生命力を感じます。

国際ピアノコンクールそのものを正面から扱う、その潔さもお見事。
目次の大見出しが
・エントリー
・第一次予選
・第二次予選
・第三次予選
・本選
で、その次のページには、コンクール課題曲の一覧があり、
次には、4名それぞれの演奏曲目(第一次から本選までの全曲リスト)
が掲げられているのです。

ふうん。本選まで残る4名のストーリーなのか……と読み始めたのですが、
実はそうではないところも、ミソ。
本選までは残れなかった人物も、最後までその存在が光ります。

電車の中で読んでいて、涙が出そうになって焦った箇所も多々。

ピアノコンクール・フリークsweat01ともいえる私自身にとって、
なじみのある曲が次から次へと登場するのですが、
コンテスタントによって異なる解釈が説明されていたりするのも、
大変興味深く、夢中になって読みました。

ブラボー。

2017年1月19日 (木)

『世界一ありふれた答え』

20170119book 谷川直子『世界一ありふれた答え』
河出書房新社 2016

通勤の行き帰り一日で読み終えたほどの、薄い本。165頁。
離婚後、ウツ病でカウンセリングに通う40歳女性、積み木まゆこ。
そして
彼女に声をかけた、自分もウツだという若い男性、雨宮トキオ。
この二人を軸に物語は進みます。

実はトキオはジストニアのため、ピアノが弾けなくなったピアニスト。
弾けなくなった自分は、もう終わりだ、と言い続ける彼。
おそらく、このトキオについて書いた書評を読んで
この本を借り出したのだと思うのですが、
読んでみると、まゆこの想念、カウンセリングの実態の方に
注意をひかれました。

pencilカウンセラーの出した宿題
怒りを感じる理由と、それから引き出される結論を、
なるべく具体的にレポートに書くこと

まゆこの書いた結論
downwardright私は人生をムダにした
downwardright私自身に価値はない
downwardright私はバカだ

ここから出発して、発想を切り替えていく様子が描かれるのですが、
このまゆこの出発点に共感を覚えてしまった次第。

「承認欲求が強いと、批判されたときに、自分がダメだと思ってしまう」
「承認欲求に依存している」
「後悔しない人はいない」
「失敗することはいけないことなのか」

カウンセラーがまゆこに投げかけたというこれらの言葉、
自分で自分に投げかけてみることにします。

2017年1月17日 (火)

チョ・ソンジン ピアノ・リサイタル2017

20170117_132807218_ios SEONG - JIN CHO
PIANO RECITAL Japan Tour 2017

2017年1月17日(火)19:00開演 21:25終演
@サントリーホール

<プログラム>

ベルク:ピアノ・ソナタ ロ短調 Op.1

シューベルト:ピアノ・ソナタ 第19番 ハ短調 D958

~休憩課~

ショパン:24の前奏曲 Op.28

アンコール
ドビュッシー:月の光
ショパン:  バラード第1番
ショパン:  英雄ポロネーズ

**********************

衝撃的な演奏会でした。
素晴らしさを超えて。

一点の迷いもない、完成された美。
一音たりとも無駄のない音。
すべての音が存在意義をもち、心に届く。
そんな音楽が奏でられました。


昨日、ネットで聴いたときには「難解なり~」という感想だった
ベルクのソナタでは、クリアな音の粒、新鮮な和音の響きの美に打たれ、

シューベルトのソナタでは、深淵なる世界に沈潜し、

ショパンでは、
雄弁に語りつづけるピアノに衝撃を受け、
テンポの揺れ、とくにスローテンポの美に涙が出そうになり。。。

前奏曲集が、ここまで統合性を持った構築の美の世界だったとは
不覚にも今まで気づきませんでした。
2015年のショパンコンクールでの演奏をネットで聴いたときとは違う、
さらに進化した世界でした。

24曲、非凡なる集中力を保って緊密な演奏をした後に、
アンコールを3曲も演奏してもらえるなんて、なんたる至福!
でも、
ソンジン君、どうぞあまり無理はしないで……と心配になってしまいました。
もう、どこから見ても、とっちゃん坊やではありません。
真のジェントルマンでした。お見事。

サントリーホールに、聴衆の大きな唸り声が響き、
スタンディングオベーションの嵐というのは、めったに見られないのでは。
それだけの価値のあるリサイタルでした。

2017年1月16日 (月)

バッハ一族とその音楽 第2回

spade第2回 ピアノの発明~クリストフォリとジルバーマン

ピアノが初めて制作された18世紀初頭のころ、
バッハは「ピアノは弾きにくい」と言って、ピアノを評価しなかった
というのが定説のように語られているが、これは誤り

この出典は、
ピアノ、チェンバロ等々、鍵盤楽器製作者として一世を風靡した
ジルバーマンの制作によるジルバーマン・ピアノについて、
バッハもジルバーマンも死去した後、
バッハの弟子のアグリーコラという人物が書き残したもの。
その真意は

「バッハ先生は、あの偉大なジルバーマンにも臆せず
意見できるほどの大人物であった!」


ということを言いたいところにある。
バッハがピアノを評価しなかったというのは誤った読みであって、
実際この後、バッハの意見を取り入れて改良したピアノについては
バッハも賞賛した、とアグリーコラ自身が後の方で書いてもいる。

この講座の講師・武久源造氏が長年研究してきたジルバーマン・ピアノは、
なかなかに素晴らしい楽器であって、バッハが弾かなかったわけがない。
ただ、いつ、どう弾いたという記録が残っていない。
バッハはそのような記録を残すような人物ではなかったので、それも当然。

実際の音色を聴くと、
「ピアノ」と言っていても、初期のピアノ・フォルテは、
チェンバロのような音色がするのですね。

実は、ピアノのアクションの発明者はジルバーマンではなく、
イタリア人のクリストフォリだったにも関わらず、
ジルバーマンのほうが著名になってしまった、とか、
新楽器ピアノ・フォルテは、歌曲の伴奏用として人気を博したため、
ヨーロッパ中を演奏旅行する歌手によって広められた、とか
なるほど~と思ったことでした。

2017年1月15日 (日)

寒い日曜のティータイム

寒い一日でした。
東京では雪は降らなかったものの、最高5度とか。
日差しはあっても、空気が冷たい、冷たい。

そんな中、今日は月に一度のピアノレッスンでした。
終えてからのティータイム。甘いケーキに癒しのひととき。

さて、
今週は仕事も年度末の山場を迎えるうえ、怒涛のレッスン・ウイーク。
正念場です。
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2017年1月14日 (土)

 『村上春樹と私』

2017114book ジェイ・ルービン
『村上春樹と私 日本の文学と文化に心を奪われた理由』
東洋経済新報社 2016

NHKラジオ第2

「英語で読む村上春樹」という番組をここ数年聞いていて、
ジェイ・ルービン訳
というフレーズを何度も何度も聞いていたこともあって、
この本を手に取りました。

1941年ワシントンDC生まれというルービン氏、
シカゴ大学在学中、漱石の専門家である恩師の熱意ある講義に触れ、
「日本語で読めたらどんなに楽しいだろう」
と、日本文学を専攻し、明治期の文学の研究を始めたとのこと。
博士論文は国木田独歩!

明治の作家たち、つまり「死んだ人」を研究していた氏、
1989年に、アルフレッド・バーンバイム氏による翻訳で
村上春樹の『羊をめぐる冒険』がアメリカにおいて大人気となって、
春樹を知ったとのこと。
出版社から、翻訳の価値判断を頼まれ、
『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』を読んで仰天。
春樹ワールドにすっかり魅せられ、ぜひ翻訳すべき、自分が手掛けたい
と猛アピールするも、当初はかなわず。
それでも手あたり次第に村上作品を読んで、授業でも取り上げたとか。

私は完全に村上作品に魅了されたのだ。わざわざ私のために書かれたかのようだった。村上さんのユーモアのセンスが気に入った。時間の経過や記憶の頼りなさのテーマの書き方が好きだった。

一番好きな作品『パン屋再襲撃』『象の消滅』の訳文を書いて
村上春樹本人の住所を調べて郵送したところ、春樹自身から電話がかかってきて…

まるで小説そのものの展開です。
また、翻訳したいと取り上げる村上作品が、
バーンバイム氏ルービン氏で、きれいに分かれる、重ならない、
というのが大変面白く思いました。

春樹との交流のほかにも、
漱石作品との関わりや、三島由紀夫の割腹の衝撃、
誤訳を指摘されての経緯、翻訳というプロジェクトの進め方、支援体制
などについても綴られていて、大変興味深かったです。
ルービン氏、真摯に仕事に取り組まれるかたであり、
家族、周囲の人々に対して常に誠実であることが、随所から読み取れました。

2017年1月12日 (木)

『セカンドハンドの時代』

20170112book スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ著 (松本妙子・訳)
『セカンドハンドの時代 「赤い国」を生きた人々』
岩波書店 2016 
(モスクワでの出版は2013年)

著者は、2015年ノーベル文学賞受賞、
1948年ウクライナ生まれの女性作家。
本書、膨大なインタビュー記録の集積で、600ページに及びます。

語り手たちの背景を、訳者あとがきから抜粋します。

1991年8月の「窓の下にはほんものの戦車がとまっていた」クーデターは、改革派のゴルバチョフ大統領にたいして保守派のヤナーエフ副大統領がらが起こしたが、エリツィン・ロシア共和国大統領を中心とする市民の抵抗にあい失敗、三日間で終わった。その結果、ソヴィエト連邦は同年12月に解体、エリツィンが指導するロシア連邦と他の独立した国々にわかれ、ロシアは資本主義に舵をきり市場経済への移行が急速にすすめられた。しかし、ガイダール経済担当副首相(92年1月当時)の主導による「ショック療法」と呼ばれる市場価格の自由化は、国を大混乱におとしいれた。

立場が違えば、ものの見方もまったく違います。
旧ソ連・共産党の中枢にいた人物と、政府による盗聴を恐れて声を潜めて生活していた庶民と…。

第一部「黙示録による慰め」が、1990年代
第二部「空(くう)の魅力」が、2000年代についての記録ですが、
実はまだ第一部を読んだのみ。

とにかく、知らなかったことがたくさん…。
ゴルバチョフ失脚の際に、
ソ連邦大統領顧問、「赤い元帥」アフロメーエフが自殺していた、とか、

19世紀には貴族の屋敷にロシア文化のすべてがありましたが、
20世紀には台所にあったのです。

と述べるように、ソ連時代の国民たちは
政府側の盗聴をさまざまな方略で封じ込めつつ、
本を読み、日々台所に集まっては、親密にあれこれ語り合い、
アカデミックな議論も交わしていた、とか。

ロシア国家となった今、ソ連時代を振り返って、
ゴルバチョフ登場の頃の若いインテリ層、教養人は無邪気すぎて、
解散するのが早すぎた。
気づかぬうちに、ヤミ屋や両替商が政権を取ってしまっていた。
カネ、カネ、カネがすべてになり、インテリ層が没落した今、
共産時代の自由な息吹を忘れない。(p.23)
……という独白に、ハッとさせられました。

そして、
ロシアはなにか並はずれたものを創造し、
それを世界に示さなければならない、そんな気分がいつも漂っている。
神に選ばれし民ということだ。
」(p.16)

という発言に、日本に漂う気分との大きな差を感じました。
こういう土壌があるからこそ、
クラシック音楽界でも、若手演奏家たちの抜きん出た個性が培われ、
ロシアの芸術は豊穣なのだなあ…とも思ったのでした。

2017年1月10日 (火)

バッハ一族とその音楽 第1回

20170110_080908946_ios カルチャーラジオ 芸術その魅力
(水曜20時~20時半 ラジオ第二)

1月4日から新シリーズ開始です。
題して「バッハ一族とその音楽」全13回。
ストリーミングをiPhoneで聴いてみました。

spade第1回 バッハとは何者だったか?

私、バッハの時代にはとんと疎くて、
平均律って何?というレベルなのですが、
この番組、そんな私にドンピシャ!13回連続受講を目指したいです。

講師(鍵盤楽器奏者・武久源造氏)いわく、
平均律という訳語がそもそも良くないのだそうです。
この訳語が生まれた明治時代であれば、

邦楽の音律とは異なり、12音の音階を平均的に割り振った音律」

という理解でも、まあ良かったのでしょうが、
そもそもバッハの時代の音律は、「平均的」に割り振ったとは言えないとか。
原語には「平均」の意味はまったくなく、
「遊び心を持って、うまく調整・調律した」
「うまいあんばいに、いいころ加減に調整した
という意味である、とのこと。
おお!なんだか親近感を覚えます。

バッハの生きた時代(1685-1750  活躍は18世紀)についても

・生前から「音楽界のニュートン」と呼ばれたバッハ
・実は、ニュートンは一世代前の人。「発見して終わり」
・バッハの時代はニュートンではなく、フランクリン。
・フランクリンは発見の応用、ビジネスまで考えた。(雷→避雷針)
・ここに近代科学の萌芽がある。大航海のマゼランしかり。
・バッハもこの時代の申し子。それゆえ近代音楽の父

例えば「平均律クラヴィーア曲集 第1巻第1番 フーガ
この曲集は、
12の短調、12の長調、合計24の調性で書かれた、世界初の曲集
まだだれも「やってみていない」ことを実際にやってしまう。
ここに近代科学あり。
第1番のテーマは14の音(BACHのアルファベット順2+1+3+8=14)からなる。
14にこだわったバッハの署名のようなもの。

ううむ。面白いです。歴史もつながって。
次回のテーマは「ピアノの発明」だとか。
あ、画像は、
ストリームを聴きながら歩いた道すがら、桜並木の夕暮れです。

2017年1月 9日 (月)

大河ドラマの音楽

去年の『真田丸』のテーマ曲演奏者として、
ヴァイオリニスト・三浦文彰くん
メディア露出がずいぶん目立ったように思ったので、
(エンディング・テーマのピアニスト、辻井伸行くんも同様)

今年の『おんな城主 直虎』のテーマ曲は……
と、昨日注目してみていたところ、ピアノ演奏は

ラン・ラン

でした。で、エンディングテーマの演奏(ヴァイオリン)は

五嶋みど

今年はメジャーどころ、海外の大物の演奏なのですね。
両者ともに、さすがの達者ぶりですけれども。
なんとラン・ラン!と、驚嘆しました…百面相はナシですが…sweat02

音楽の担当が
復興ソング「花は咲く」の菅野よう子さん、というのも初めて知りました。
女性にスポットライトを、ということでしょうか。
脚本も、制作統括も、女性のようです。

ドラマそのものについては、毎年ちょっとだけのつまみ食いで、
昨日の第1回もしかり。ということで、
語るものを持ち合わせていません。。。sweat01失礼sweat01

2017年1月 8日 (日)

『ピアニストは語る』

20170108book ヴァレリー・アファナシエフ 『ピアニストは語る』
講談社現代新書 2016

世界的に「鬼才」と呼ばれているピアニストとのことですが、
私は今までよく知りませんでした。
インタビューに答える、という形式で、
率直に、真摯に、時に哲学的に
アファナシエフ氏が論が展開していきます。

第一部「人生」では、
モスクワに生まれ、27歳でベルギーに亡命し、フランスへ移住し、
またベルギーへ戻ってきた人生について、
その葛藤、決断、経緯を。

第二部「音楽」では、
1947年生まれの氏が、音楽に対する解釈を、
どのように発展、変化させ、現在に至ったかを。

「はじめに」では、まず、
氏の抱く、日本に対する賞賛の念が語られます。

日本では人生のハーモニーは、ほんの些細な礼儀正しさから始まります。このことが、本当にファンタスティックだと思います。生活を共にすること、人に会うこと、互いに挨拶を交わすこと、こういったすべてのことが日本では、言うなれば、細かく決められています。(中略)日本にはこの厳密な決まり事が存在し、みながこの決まり事に則って行動している。このことが、素晴らしいと思います。

読み始めは、「ええっ?本当??」なんて思っていましたが、
読み終えて、改めてこの箇所に戻ってみると、
アファナシエフ氏の基本姿勢
~ポピュリズム、自己顕示といったものと距離をおき、深く思索する姿勢~
の現れだったのだなあ、と思います。

ソ連から亡命した多くの芸術家が、ソ連体制について声高に語り、
それによって世の注目を浴び、芸術活動を軌道に載せていったのに対し、
アファナシエフ氏は口を閉ざし、それゆえに世に認められるのが遅れた
とのことですが、
それは、「西側」は実力そのものだけで認められる世界であると信じ、
実力だけで勝負しようという矜持があったから。
もし亡命前に「西側」の現実~ポピュリズムの威力~を知っていたら、
亡命への意識も違っただろう…と語る氏。

人生を振り返って、
自身がゆっくり成長してきた、その長い学びのプロセスは幸運であり、
絶えず発展し、精神と自由を拡げていることが人生から得られる最高の贈り物
と述べる氏は

ある意味では、人は自分の運命をよく聴くべきなのでしょう。タオイズム(道教)の流儀ですね。
人生とは絶え間なくハーモニーを探求すること。そして完全なるハーモニーとは死だけです。(p.168)


ステージに上がるとき、こちらが静寂、そちらが音楽というふうに考えたりはしないものです。ある意味では、静寂と音楽はひとつになっています。ときに静寂は聞こえてくるし、ときに音楽が静寂となる。自分がしていることを聴けば、自然とそのようになります。自分の演奏を聴く、すると音楽は静寂へと育っていくでしょう。音楽は自ずと静けさに向かうのです。(p.154)

と、音楽を語るのです。
著作でも活躍しているという氏の深い思索ぶりが伝わってきます。

今まで何も知らずに来ましたが、
その演奏にも、そして著作にも触れてみたいなあと思いました。

2017年1月 7日 (土)

新年・盛りだくさん

4日:チェロ合わせnote3時間@都内某所A & 同窓会restaurant
5日:コンサート鑑賞notes
6日:仕事はじめpencil & チェロ合わせnote3時間@都内某所B

これに平行して、年末以来、
この4日提出〆切の仕事にも追われ、夜更かし多々。
(一応かっこだけの大掃除とおせち料理づくりも…)

といった日々を送っていたところ、
本日、突如の頭痛と吐き気と寒気に襲われ、
午前中はぐったり臥せっておりました。。。

が、午後になって復活!
行こうと思っていた、友人の歌の発表会があったのですが、
公共交通では間に合わない……とそのとき、
自転車bicycleなら片道30分以内sign01
と判明し、一念発起。
ちゃりちゃりと行ってまいりました。

「オペラアンサンブル・ワークショップ」と題するプロジェクトの
第一期修了生による発表会

みなさん、ちゃんとオペラの衣装をまとい、
演技までこなしながらの堂々たる歌唱ぶりにびっくり。
現在第二期生募集中とのことで、そのチラシにも

近年の国内におけるオペラ・声楽愛好者の増加によって、
オペラやコンサートを鑑賞するだけでなく、
ご自身で演奏される方も多くなりました


とありましたが、ほんと、大人の音楽愛好者のパワーって、
ピアノに限らず凄いのだなあ、と感じ入りました。
がんばって行ってよかったです。
パワーをいただいて帰って来ました。

2017年1月 6日 (金)

Sound of the sky 早川りさこ&植草ひろみ

20170105_043239930_ios Sound of the sky 早川りさこ&植草ひろみ
~幼なじみの二人が紡ぐ天空の調べ~

早川りさこ(ハープ) 植草ひろみ(チェロ)

2017年1月5日(木)14時開演 16時終演
@東京文化会館 小ホール

≪プログラム≫

フランツ・フォン・スッペ/ 喜歌劇「詩人と農夫」序曲より20170105_070847699_ios

メンデルスゾーン(シュテックメスト編曲)/
                        「歌の翼」による幻想曲

サン=サーンス/  白鳥  「動物の謝肉祭」より

早川正昭/ 追憶
       牧歌

マルセル・トゥルニエ/ ノクターン 作品21

~休憩~

フレデリック・ショパン/ ノクターン 作品9-2

新年おたのしみコーナー
   春の海  エーデルワイス  

アストル・ピアソラ/ カフェ1930

アリエル・ラミレス/ アルフォンシーナと海

ガスパール・カサド/ 愛の言葉

アンコール
ギャニオン/ 明日
アストル・ピアソラ/ アヴェ・マリア

**********************

チェロとハープというアンサンブル、初めて聴きました。
美しく溶け合う音色にうっとり。

演奏だけでなく、お二人の軽妙なトーク、
福引(一等は「無料出張演奏」!)まで登場する演出もお見事。
会場も大入りだったのは、その楽しさを知るリピーターの方々?

世界初演になるという、
早川氏(演奏者りさこさんの父上。会場にいらしていました)
の曲が、プログラムをきりりと引き締めていて、とてもいいバランス。

大変楽しい、充実の時間を過ごしました。

2017年1月 5日 (木)

小澤征爾 若き才能とつむぐ四重奏

Ozawa_quartette_main 昨年の9月にBSで放送された番組、
やっと録画したおいたものを視聴しました。

小沢征爾が2005年に立ち上げたスイス国際音楽アカデミー、
2015年の記録です。

選抜された若い音楽家の精鋭24人が、6組のカルテットを組んで
2週間にわたって練習を重ね、曲をつくりあげていきます。

講師(原田禎夫、今井信子、パメラ・フランク)の
的確でインスピレーションにあふれる指導ぶり、
その指導のなかで、ときに全く異なる解釈を提示された受講生たちが
意見を述べ、音を聴きあいながら、自分たちのスタンスを決めていく様子は、
なんだか見ているだけで、涙が出てきそうになりました。

才能ある人たちが真剣に取り組む姿、
お互いを尊重しあい、場を共有できる幸運を自覚しつつ励む姿は、
それだけで感動的なのだなあ、と思いました。

「若い優秀な人たちは、一緒に呼吸するだけで通じる」

と述べ、「教える」という言葉を使わない小澤征爾の姿もまた印象的でした。
受講生の側からは、
「ソロのためのどんなレッスンよりも貴重な機会」
「セイジの指の動き一つですべてが伝わる」
「セイジのおかげで、演奏家としての道に迷わなくなった」
「ここでの経験は、私のアイデンティティ―の琴線に触れた」
等々の発言が。

インタビューは、英語、ときにフランス語で、
日本語字幕がつく番組。世界中に発信されたのでしょう。
オーバーなBGM、特殊効果などは全くなく、淡々と伝える番組の力を感じました。

2017年1月 4日 (水)

三が日も過ぎました

2017年、あっという間に三が日終了です。

元旦は一人で実家へ移動。
夜は恒例のニューイヤーコンサートをTVで鑑賞しました。
ドュダメル君、生き生きと楽しそうで、実によかった!
2015年に生演奏を聴いたタマーシュ・ヴァルガ氏が
ステージ真ん中でチェロを弾いていたのも、懐かしく拝見。
いい幕開けでした。

二日はまた恒例の実家4人での福袋ゲットツアー。
今年は朝の道路がすいていて、早めに到着。
今まで買ったこともないものもゲットできました。

三日は夫の妹宅にて、夫方の親族大集合。
いつも大人数をサラリとおもてなしくださる家族、
さすがです。

さて、今日もいろいろ祝祭的な一日となる予定。
同時進行で進めているお仕事の目途も立つかな。
がんばります。

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2017年1月 1日 (日)

謹賀新年2017

あけましておめでとうございます。
快晴の元旦です。

昨年末は、急な仕事に追われ、
新年準備は大晦日一日(いや、半日…)での真剣勝負!
なんとかお正月らしさは醸し出せたかな、というところです。

これから私は一人で実家へ移動します。
男どもは二人でスポーツ観戦三昧の元旦を過ごす計画とか。

新たな進展の見える一年としたいものです。
皆様にとって、よい一年となりますように。
今年もよろしくお願いいたします。

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