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2016年7月

2016年7月31日 (日)

クリーブランド国際ピアノコン:セミファイナリスト発表

6日間にわたる予選、リサイタル2回(30分以内&35分以内)が終了し、
コンテスタント31人が8人に絞られました。

clover Alexei Tartakovsky (27歳 米国)

clover Georgy Tchaidze (28歳 ロシア)

clover Nikita Mndoyants (27歳 ロシア)

clover Yuanfan Yang (19歳 英国)

clover Leonardo Colafelice (20歳 イタリア)

cherry Dinara Klinton (27歳 ウクライナ)

clover Jong Hai Park (25歳 韓国)

clover 阪田 知樹 (22歳 日本)

*****************

阪田くん、残りました!快挙です。
第1ラウンドだけ聴きましたが、スカルラッティ、武満、ブラームスと
まさに、さまざまな色が楽しめる魅力的なリサイタルでした。

他はちらり、ちらりと聴いただけではありますが、
残ったコンテスタントでは、いずれも第2ラウンドで、
レオナルド君のチャイコフスキー=プレトニョフの「くるみ割り人形」、
パク君のベートーヴェンソナタ「熱情」が生き生きとした演奏で印象的でした。

セミファイナルは、
現地時間7月31日、8月1日の二日間で、
60分以内の自由選曲によるリサイタル。
様式的に多様なプログラムで、演奏者の実力を示すこと
(The program should demonstrate the candidate’s ability to present a stylistically diverse program.)
という指示があり、これまで以上に楽しめそうです。

演奏は、上で名前を挙げた順で行われ、スケジュールはこちら↓
https://www.clevelandpiano.org/competitions/2016-cleveland-international-piano-competition-and-festival/daily-competition-schedule/

阪田くんは、
日本時間8/2火曜日の朝9:20からの演奏となります。

曲目は、モーツァルト、リスト、ドビュッシー、スクリャービン。
ドビュッシーを弾くのはただ一人ですし、
前の5人がいずれもプロコフィエフを演奏するのに比べて色が異なり、
プログラム的には行けるのでは……なんて思ったりしている私です。

2016年7月30日 (土)

大学病院の受診

私、おそらく40年ぶり(?)ぐらいに大学病院を受診しました。
この病院には、
子育て中、息子を連れて行ったことは何度かあるのですが、
自分が患者になったのは初めて。

「この前行ったときには、近代的に生まれかわってたよなぁ。」

と思って確認していたら、「この前」は10年前でした!(→
いやはや、寄る年波実感であります。

今回受診した理由は、「お岩さん」状態。
昨日朝から、右目瞼がポンポンに腫れあがり、
まったく目が開かない状態に陥ったのでした。
かなりニブイ私、
あれ?眉の上に出来たニキビ状のものの影響かな?
朝方は瞼が重いこともあるよね~という程度の認識で出勤したところ、
どんどん症状は重くなり、会う同僚、同僚、全員をギョッとさせる結果に。

「まずいよ。脳外科あたり行った方がいいと思うよ!」

という助言までされて、さすがに帰り道、かかりつけ医を受診。
結果、
ここまで腫れあがるのは帯状疱疹の疑いがあるが、
今の時点では病名の確定は難しい。
しかし、顔の帯状疱疹は大変危険なので(髄膜炎を起こすこともあるとか)、
大学病院への紹介状を書きますから、明日受診してください!
ということに。
実はこの時点で、かなりの頭痛と、眉の上の痛みが襲ってきておりました。

で、本日です。
実は、診断結果は昨日と全く同じ。
血液検査結果の出るのは4日後なのです。
かかりつけ医の話では「大学病院に行けば、即日で検査結果が出る」
とのことでしたが、その検査は日本では未承認なのだとか。

内科→皮膚科→検査部、とまわって、
2度問診を受け、2度診察していただいた結果の感想。

「お医者さまがソフトになった!笑顔が増えた!」
「若手インターン(?)はイケメン揃い!」
そして、会計の早業に驚嘆!(銀行ATMと同様。待ち時間ほぼゼロ)

ですが、受付時には元気いっぱいだった私、
だんだん頭痛と吐き気が増してきて、帰宅する頃には大変な状況に。
意地でもってなんとか自力で帰宅し、そのまま布団に倒れ込みました。
その後、数時間の睡眠を経て気分回復。いま、こうして書いています。
薬の効果か、目の腫れも改善傾向。
自己診断としては、帯状疱疹ではなく、ストレスと疲れの結果かな、と思っています。

(画像は「入院専用」ですが、私が使用したのはもちろん「外来専用」です)coldsweats01

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2016年7月29日 (金)

中村紘子さんの訃報

今朝、このニュースを知って本当に驚きました。

つい先日の3月には、その美のオーラを間近に拝見していただけに(→)。
そして2月には、
浜松国際アカデミー20周年記念に、
ずっと主宰されて来た紘子氏の深~い話を聞いていただけに(→)。

紘子氏いわく、
20年前には、
ウクライナからの受講生が、演奏最中に演奏を止めて涙していた。
指導者としての自分が威圧したのかと危惧して問うと、
「ピアノの音色がこんなに美しいことに感動して」
と受講生。私の国には音程も音色も狂ったピアノしかないのです、と。
また、東南アジアからの受講生は
「全部の鍵盤がそろったピアノを生まれて初めて見た」と目を輝かせたとか。

紘子氏、こうしたスピーチ、そして著作のセンスも際立っていたと思います。
拙ブログでも、こうした形での紘子氏の発信について度々触れています。
  • 2007年チャイコフスキー国際コンクールへの苦言(→
  • 著書『ピアニストという蛮族がいる』(→
  • 1990年のショパンコンクールでは審査委員長(→
紘子氏の素敵な言葉、活動に、ただ感謝。
大輪の花が散って、
一つの時代が終わったかのような淋しさを覚えます。
浜松国際ピアノアカデミー、そしてコンクールが、
紘子氏の心を受け継いで、今後も発展していきますように。

ご冥福をお祈り申し上げます。
 

2016年7月26日 (火)

クリーブランド国際ピアノコン(概要)

シドニーが終わったばかりですが、
今度はアメリカで、クリーブランド国際ピアノコンクールが開幕しました。
Cleveland International Piano Competition and Festival

スケジュールはこちら(Daily Competition Schedule)。

日本時間は現地時間プラス13hです。
早起き鳥の私、たまたま ラウンド1から二人聴けました。

Yunqing Zhou (中国) 
Haydn/ Sonata in E-flat Major, Hob. XVI: 49
Chopin/ Etude in E Minor, Op. 25, No. 5
Ligeti/Musica Ricercata, Nos. 3, 4, 6, 10 (1951-53)

Shen Lu (中国)
Beethoven/ Sonata No. 2 in A Major, Op. 2, No. 2
Chopin/ Etude in A-flat Major, Op. 10, No. 10
Babajanian/ Poem for Piano (1966)

二人とも魅力たっぷりで、びっくりです。
シェン君は見たことがあると思ったら、去年の浜コン・セミファイナリストでした。
コンテスタントのメンバーをチェックしてみたら、
見たことのある参加者、目白押しで、またビックリ。
なんと、シドニー国際第5位のオクサナ・シェフチェンコさんの名前も!

Contestants (写真をクリックすると、名前、経歴が出ます)

さらに特筆すべきは、動画サイトの見やすさです。
次の演奏開始時間も一目瞭然なら、アーカイブも速攻アップ(ページ下のほう)。
Session1最終演奏後、1時間もしないうちにアップされてました。
初日第一セッション、第一演奏者は日本の矢野雄太 くんです。

Livestream.com/CIPC

出場者31人全員が、1st&2ndラウンド双方を演奏し、
セミファイナリスト8人、ファイナリスト4人に絞られます。

日本からは、阪田知樹 くんも出場しています。
ちなみに、彼の演奏予定曲目は以下のとおり。
こうやって見ると、ほんと、準備の大変さに頭が下がります。

FIRST ROUND  (日本時間7/28木 4:50am~5:20am)
Scarlatti/Sonata in C Minor, K. 99
             Sonata in G Major, K. 201
Takemitsu/ Les yeux clos (1979)
Brahms/ Variations on a Theme by Paganini, Op. 35, Book 1

SECOND ROUND
Beethoven/ Sonata No. 15 in D Major, Op. 28 (“Pastoral”)
Chopin/ Etude in G-sharp Minor, Op. 25, No. 6
Rachmaninoff/ Moments musicaux, Op. 16, Nos. 2-4

SEMI-FINAL ROUND
Mozart/ Nine Variations on a Minuet by Duport, K. 573
Liszt/ Sonata in B Minor, S. 178
Debussy/ Etude Nos. 2-3 from Twelve Etudes, Vol. I
Scriabin/ Sonata No. 5, Op. 53

FINAL ROUND
Schumann/ Piano Quintet in E-flat Major, Op. 44
Rachmaninoff / Concerto No. 3 in D Minor, Op. 30

2016年7月23日 (土)

シドニー国際コン:結果発表

1位 アンドレイ・ググニン(ロシア)

2位 アーセニイ・タラセヴィッチ=ニコライエフ(ロシア)

3位 モエ・チェン(中国)

4位 ケネス・ブロバーグ(USA)

5位 オクサナ・シェフチェンコ(カザフスタン)

6位 ジャニン・コン(中国)

*************

現地時間21時発表の予定が、21時半に延期されていました。
選考方法は、話し合い一切なしで、
審査員過半数の票を得るまで
最下位のコンテスタントをはずして投票を繰り返すのだそうです。

ググニン君の優勝は予想どおり。
セミファイナルの、ベスト・ヴァイオリンソナタ賞、
ファイナルの、ベスト19-20世紀協奏曲賞、というのも納得です。
(併せてBest Overall Concerto、Best Preliminaries Round 1 Recitalも受賞)

2位のアーセニイ君は、
予選第2ラウンドのベスト・リサイタル賞も併せて受賞。
彼の演奏は、ファイナルのラフマニノフしか聴けなかったので、
コメントあまりできません。

お気に入りのチェン君は3位。

そして、もう一人お気に入り、セミファイナルで姿を消したミン・シエ君は
今日の表彰式で誰よりも早く一番に名前を呼ばれました。
聴衆賞、受賞です。ステージに姿を見せた彼に、会場からも盛大な拍手が。

たくさんの素敵な曲が聴けて、幸せな開催期間でした。
LIVE動画、ラジオ音声の公開に尽力くださった方々に感謝です。

シドニー国際コン:ファイナル第2ラウンド(2)

noteオクサナ・シェフチェンコさん(スタインウエイ)

Prokofiev: Concerto No.3 in C Major Op.26
noteモエ・チェンくん(カワイ)
Rachmaninoff: Concerto No.2 in C minor Op.18

noteジャニン・コンくん(ファツィオリ)
Brahms: Concerto No.2 in B♭ Major Op.83


オクサナさんは昨日のググニン君と、
チェンくんは昨日のアーセニイ君と同じ曲とあって、興味津々。

昨日のググニン君があまりに素晴らしかったので、
オクサナさん、お気の毒…とか思っていましたが、なんのなんの。
彼女も立派でした。
アグレッシブに、歯切れよい演奏で魅せたググニン君に対して、
オクサナさんのプロコフィエフはエレガント。
なるほど、同じオーケストラ、同じピアノでもここまで変わるのか、
と驚きました。


チェンくんのラフマニノフはスケールの大きい、豊饒な音楽でした。
ゆったりとした気分で、あふれる響きに身をゆだねる幸福感。
いいですねえ。ラフマニノフ。
安定感たっぷり、ゆとりが感じられます。
ピアノについて言えば、
なるほど、「ロシア音楽の暗さを表現するならスタインウエイ」というのは
理解できるような気がします。
チェンくんの音楽は、暗さというより、豊かさでした。
彼の柔らかい音色には、カワイが合っているのでしょう。


ここまでで、タイムリミット。
今、コンくんのブラームスが始まりましたが、LIVE視聴はここで諦めます。
ファツィオリ、音量豊かですが、
ちょっとワンワン響きすぎているようにも聞こえます。
今日は、3つのピアノの音色の差がわかって、大変面白く感じました。

シドニー国際コン:ファイナル第2ラウンド(1)

早いもので、もう本日夜には結果発表の予定。
今日はLIVEで聴けるかどうか微妙でもありますし、
(日本時間本日16時~ こちら→SIPCA
昨日の3人を聴いたところでのメモを残しておこうと思います。

noteケネス・ブロバーグ君 (ファツィオリ)
Camille Saint-Saens: Concerto No.2 in G minor Op.22

  • noteアーセニイ・タラセヴィッチ=ニコライエフ君(スタインウエイ)
    Sergei Rachmaninoff: Concerto No.2 in C minor Op.18

    noteアンドレイ・ググニン君(スタインウエイ)
    Sergei Prokofiev: Concerto No.3 in C Major Op.26


    ググニン君だけ、LIVEで聴けました。
    圧倒的な演奏でした。ただもうお見事!
    実にヴィヴィッドな、生き生きとした演奏でありながら、
    興奮して走るということがなく、きちんとコントロールを利かせていて、
    聴いていて引き込まれ、ゾクゾクしました。

    彼は、セミファイナルの室内楽~ベートーヴェンのクロイツェルソナタ~でも
    ソリストと丁々発止でやりとりするような、鮮烈な演奏をしていましたが、
    ほんと、只者ではない感に満ちています。
    ラジオ解説者も"Fabulously successful performance"と表現していました。
    会場も大盛り上がり、オーケストラ団員にも賞賛の表情が。
    彼のソロリサイタル、そしてモーツァルト協奏曲は聴いていないものの…
    きっと上位に入ってくるのでは……と予測しておきます。^^;



    ケネス君のサンサーンスは、曲自体が新鮮に響くもので、
  • 指さばきも見事な、爽やかな演奏でした。
    ファツィオリのきらびやかな響きに合っていたと思います。
    演奏後のインタビューでは、この曲を選んだ意図について興味深い発言が。
    実はガーシュインの協奏曲にほとんど決めていたのだけれど、
    コンクールは他と比べるものなので、どんな曲の前後になっても
    アンフェアにならない曲にしようと思って、サンサーンスに変えたのだとか。
    (聞き間違いもあるかもしれませんが…(^^;)


    アーセニイ君のラフマニノフは、あまりにも著名な曲。
  • もちろん素晴らしい演奏ではあったのですが、
    名演をあれこれ聴いてしまっていることもあって、ちょっとしたミスタッチが気になったり、ちょっと流れが淀んだように感じた箇所があったり…。
    解説者も同じようなことを述べていました。
    このコンクール、ラジオの解説者が、個人的な感想を率直に述べていることにもびっくり。
    選定ピアノについても「ロシア音楽の暗い響きにはスタインウエイ」と明言してました。
    あれ?同じ曲を演奏予定のチェン君はカワイを選んでいますが…どうなのでしょうね。


    さて、上記の演奏が聴けるラジオのアーカイブ(28日間の期間限定)はこちら。 
  • SIPCA Finals on Evening  ("Listen Again" をクリック!)
    注目のググニン君は、1時間37分ごろからです。

2016年7月22日 (金)

シドニー国際コン:ファイナル第1ラウンド

6人全員がモーツァルトの協奏曲を選んだ

ファイナル第1ラウンド、
日本時間夜7時からのLIVE視聴は、無理でございました~。
(夕食準備中の台所は騒音だらけ、食事中の視聴も家族の手前できず)

で、ABCラジオのアーカイブで聴こうとしたのですが、
何かトラブルがあったのか、
初日19日のアーカイブは初めの十数分だけで無音状態。

20日のアーカイブだけ、聴きました。


noteオクサナ・シェフチェンコさん
Mozart: Concerto No.26 in D Major K.537
noteチェン・モエくん
Mozart: Concerto No.27 in B♭ Major K.595
noteコン・ジャニンくん
Mozart: Concerto No.21 in C Major K.467


個人的には、第2ラウンドで注目したチェン君の演奏が
やはり好みでした。
モーツァルトの楽し気な軽妙洒脱さを、とてもリリカルに表現していたと思います。
ラジオからも、聴衆の指笛や歓声が聞こえてきました。
チェン君自身も「Big Smile」をたたえていたとのことで、会心の演奏だったのでは。

特筆すべきは、ファイナルで自由に選択できるようになったピアノ。
コンテスタント6人中5人が、ファツィオリを選択していました。
上記のチェン君だけがカワイ。

ネットで聴き比べてみて、
ファツィオリが朗々と鳴る、響きのよいピアノだという世評に納得。
ピアノの音色がブリリアントに、クリアに響いていました。
それに比べると、カワイはちょっと繊細な面も。
会場ではどう聴こえているのだろう……と思いました。

2016年7月20日 (水)

チェロ合わせ(3)

高校時代の同級生との合わせ練習3回目。
今回は、初めての会場へ。
チェリストの方がオーナーという、プライベートのサロンホールです。

さすが、チェロの音が美しく響くことにびっくり。

チェロを立てるピンを床に直接刺していいなんて♪
と喜ぶ友人。
ホールの方のお話によると、
ちょうどピンを刺す床のところは下が空洞になっていて、
チェロの音がよく響くように設計されているのだそうです。

なるほど~。
オーナーさんの意図が反映されているのですね~。

ピアノは1936年製・木目のニューヨークスタインウエイ。
譜面台が透かし状になっているのは、音が通るように、ということなのだとか。

素敵な空間での2時間を楽しみました。

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2016年7月19日 (火)

音楽白熱教室(2)

第2回 社交の時代の音楽 モーツァルト

今回のイントロは、
「なぜ巨大コーヒーチェーン店のBGMにモーツァルトの室内楽が選ばれるのか」
これが結論につながります。前回と同様。お見事。
<幼少期>
旅を通して優れた音楽家と交流し、音楽世界に生きるなかで、
どうすれば音楽家として成功するか熟知する人となる。

<ザルツブルク大司教に雇われていた時代>
旅する自由を与えられ、続々と名作を生むが、
「縛られる」ことに嫌気がさし、辞職またはクビに。

<失職後の活躍>
ウイーンでの生活を正当化する父への手紙が当時の状況を物語る。

・ピアノの人気がアップしている
・お金持ちが多く、演奏や指導で生活費が稼げる
・劇場があり、オペラ作曲による報酬が期待できる
・オーケストラ音楽の演奏や出版のチャンスがある
・パーティーにともなう室内音楽の演奏や出版のチャンスがある

「フリーの音楽家として成功する鍵」をつかんでいるモーツァルト。
聞き手を楽しませること 
(実演と解説;ピアノ協奏曲第5番)
  初演版:
演奏法を細かく書きとったもの
  再演訂正版(1787年):
枠組みだけの提示
聴衆を楽しませるためには、1回きりのライブであることが必要
18世紀の哲学的考えとして「社交性と共同作業こそが大事」という思想が。
社交的な、ウィットに富んだ音楽が好まれた。
        vs 説教的な、大きな空間での大きな音楽(バッハ)
(実演と解説:ピアノ協奏曲第14番 ピアノと弦楽五重奏版)

重要なのは、社交性であり、楽しむこと。(リハーサル無しが普通の時代)
モーツァルトは想像力豊かで、どのパートもいつも面白いことを演奏できる
当時、品があっていいと考えられていたのは、センスの問題
他者が何を感じているのか共感できることが大事  vs 出自・家柄
(実演と解説:フィガロの結婚 
~スザンナ・伯爵・ケルビーノ・音楽教師の4人の人間模様と音楽~)

<人気の凋落>
理由1 父レオポルトの死(1787年)
「音楽を難しくしすぎるな。聞き手が簡単に追っていける強い糸を音楽に持たせておくように。」と忠告し続けた人がいなくなり、
モーツァルトは、プロの音楽家しか理解できない音楽を書くようになる。
→出版社は「売れない」と判断し、出版拒否。生活困窮。

理由2 ウイーンの経済の悪化
1789年フランス革命
東からのオスマントルコの脅威
→政府も市民も財布のひもを締めはじめる

理由3 演奏旅行の取りやめ(作曲活動への没頭)
ウイーンの同じ聞き手だけに演奏しつづけていては飽きられる
聞き手をひきつけ続けるには、演奏旅行による新しい聴衆開拓が必須

<まとめ>
モーツァルトの「後期様式」は、
一般大衆向けではなく、プロ向けの内面性の深い曲。
これに打ち込もうとし始めたとき、突如、死去してしまった。
彼の穴を埋めたのがベートーヴェン。
コーヒーチェーン店のBGMは、初期・中期のウィットに富む室内楽。
これもプロの目で深く突き詰めることが可能な曲だが、一般受けするわかりやすさも兼ね備えている。

2016年7月18日 (月)

音楽白熱教室(1)

音楽白熱教室・後半を記事にした(→)のは、もう4か月も前。
その後、知人から、ありがたくも前半部の録画DVDをいただきました。happy01
遅ればせながら、そのメモを残しておこうと思います。

第1回 神と王に使える音楽 バッハ

バッハの時代の音楽と社会の関係を理解するために、
トマス・ホッブズの『リバイアサン』挿絵が登場して、びっくり。
・王が右手に持つ剣=世俗的権力
・王が左手に持つ司教の杖=教会の権力
でもって、
・王様の体が、王を見上げる民衆の顔でできているのは、
「自分が構成要因であるコミュニティー」こそが自分の存在意義だ
という当時の社会通念を表しているのです。

Leviathan_by_thomas_hobbes 納得。

公爵に仕えた若い頃のバッハは、「王に仕える」音楽、
パトロンの富と力を反映させた音楽を作曲。
ヴァイオリンを弾きこなす主君の下で作った無伴奏ヴァイオリン・パルティ―タは、曲の規模を縮小するのではなく、「弦4本でのコミュニティ」世界を築き上げ、そこにない音を想像させるという意味で、かえって大きな規模の音楽世界を提示したのです。
(実演と解説:ジーグ&シャコンヌ)

聖トーマス教会の音楽監督となった38歳以降は
宗教的コミュニティーの一員として教会カンタータを毎週作曲。
その意義を本当に理解するには、朝7時から3時間にわたる礼拝の中で歌われたこと、関連するその日の説教の内容、礼拝者たちがどう読み解いたかも考えるべき。
(実演と解説:「私は満ちたりて」BWV82)

しかし、最晩年のミサ曲は、性格が異なります。
プロテスタント教会に属していたバッハが、カトリックのミサ曲を書いたのは、
教会で演奏するためではなく、作曲家としての集大成の音楽を書きたかったから。
バッハの頭の中でだけ演奏されていた音楽…心のヘッドホンをかけて自分一人で聴いていた最新の音楽…という意味で、現代の状況につながるものであり、彼から私たちへの遺産となった音楽なのです。

************

すごいなあ。
講義の内容といい、構成といい、お見事でございました。
古典に疎い私には、新情報満載。
(具体的な楽曲解説は割愛しちゃいましたが…)
ジョーンズ先生に敬礼。

***********

でも、ですね。
実は…やっと時間のできた祝日の朝、
本当は、録画予約したはずの、
これを見るつもりだったのでした。(2016年7月11日プレミアムシアター)
知られざるピアニスト シュ・シャオメイの音楽と素顔(2016年 ドイツ)

ところが、家人の暴挙(?)により録画ならず!crying
再放送、ないかなあ。
どなたか、録画したかた、いらっしゃいませんか??

2016年7月16日 (土)

シドニー国際コン:ファイナリスト発表

さきほど、ファイナリストが発表されました。
ホールロビーのバルコニーでアナウンスされるのですね。
演奏者12名全員、バルコニー横に固まって待機してました。

**********

Broberg, Kenneth (米国)

Tarasevich-Nikolaev, Arseny (ロシア)

Gugnin, Andrey (ロシア)

Shevchenko, Oxana (カザフスタン) 

Chen, Moye (中国)

Kong, Jianing (中国)

***********

私のお気に入り、Xie, Ming 君、残念ながら通過ならず。
でも、会場からは、特に大きな拍手を浴びていました。
なかなか個性派キャラらしく、記念品と賞金を受け取る際、
「審査員全員と握手したい」と言って、一人、バルコニーを周ってました。^^
あ、審査員には日本の小川典子さんの姿も。

もう一人の注目株、Chen, Moye 氏は通過です。
彼のモーツァルトがまた聴けるのは、嬉しい限り。

ただ一人の女性、オクサナさんは人気のようですね。
彼女、私が予選からずっと聴けている唯一のコンテスタントでもあります。
応援してます!

今日のLIVEは聴けなかったのですが、
ラジオのアーカイブで聴いた、セミファイナル演奏の一部のうち、
ケネス君のリサイタルは、曲目のバランスも良く聴かせてましたし、
ググニン君の室内楽、ヴァイオリン・ソナタは、ソリストとの丁々発止も印象的でした。

ファイナルは協奏曲を二曲。
次のようなスケジュールとなります。楽しみです。

notesラウンド1:18世紀の協奏曲 (7月19日, 20日 ともに日本時間19:00-)
notesラウンド2:19~20世紀の協奏曲  (7月22日 同19:00-   23日 同16:00-)
→7/23(土)夜、受賞者発表 


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2016年7月15日 (金)

シドニー国際コン:セミファイナル三日目

本日、明日と室内楽の演奏です。

前半3人目の途中から、
休憩をはさんで、
後半1人目、2人目と聴いたのですが、
2人目の

note Xie, Ming (中国)

シューマン/ ピアノ五重奏 変ホ長調 Op.44

の演奏に聴き入り、見入ってしまいました。
素晴らしかったです。名演でした。
音色、リズム感、見事に弦楽器と一体となり、軽やかに駆け抜けました。

ほんと、聴いている方がすっかり演奏に惹きつけられて、
心臓バクバクものになるって、めったにないことです。
もちろん、私個人としてこの曲が好きだということもあるでしょうけれども。

白鍵の高速単音スケールは、なんと右手の人差し指一本での演奏も多々。
只者ではない感に満ち満ちた演奏でした。

実は、彼の第一次予選の演奏もアーカイブ動画で見て驚嘆した私。
まだ22歳。おそるべし。

一次予選ラウンド2ラジオのアーカイブ 

2時間24分ごろからの演奏、必聴です。
・Percy Grainger: Ramble on Love after Richard Strauss' ‘Der Rosenkavalier’ (1927)

ぜひファイナルに進んでほしい!

シドニー国際コン:セミファイナル二日目後半

後半は聴くつもりもなかったのですが…
たまたま、ほんとに偶然、
1番目のChen, Moye氏がモーツァルトを弾き始めるタイミングで動画を開き……
そのまま釘付けになってしまいました。

noteChen, Moye (中国)

・スクリャービン/ 詩曲 第1番 嬰へ長調 Op.32
・スクリャービン/ ピアノ・ソナタ 第10番 Op.70
・モーツァルト/  ピアノ・ソナタ 第10番 ハ長調 K.330
・リスト / ピアノ・ソナタ ロ短調 S.178

上述のようなことで、
スクリャービンは全く聴いていないのですが、
彼のモーツァルトには、しびれました。
実に色彩豊か、生き生きと、時にコケティッシュで、魅力たっぷり。

見かけは「もっさり系おじさん」で、ステージマナーも不器用な彼、
ところが、弾き始めるや!
表情豊かに一変。まさに百面相。……ランランを彷彿とさせます。

でも、決してテクニック披露に走るのではありません。
ほんとに、音楽性豊か。

リストは、台所仕事をしながらのスマホ視聴となってしまったため、
よくわかりません。。。が、冒頭の一音から唸らされました。見事。
今日聴いた中で、一番印象に残ったのが、彼です。
ぜひファイナルのモーツァルト協奏曲を聴いてみたいものです!


で、2番目のKong, Jianing (中国) くんは、
残念ながら、夕食づくり & 夕飯時 と重なり視聴不能でした。


noteLee, Tony (豪州) くん

・シューベルト / 3つのピアノ曲 D.946
・ショパン / ワルツ ホ長調 Op. Posthumous
      / マズルカ 嬰ハ短調 Op.50-3
            /  マズルカ ロ短調 Op.30-2
      /  ワルツ 変イ長調 Op.42
・プロコフィエフ / ピアノ・ソナタ 第7番 Op.83

なぜかストリーム状況が悪く(すぐにフリーズ)、ちょいストレスフル。
夜の時間帯、自宅マンションのWeb混雑のせいなのか、
はたまた、オーストラリアで同国人を応援する視聴者が殺到したのか?

プログラムは楽しめる内容でした。
自然体の人で、表情も柔らかく、音色も耳に心地よく。
シューベルトの歌心、すてきでした。ところどころのミスタッチが残念。
プロコフィエフ「戦争ソナタ」も、悲劇性と切れ味の伝わる、しかし暴力的ではない、好感のもてる演奏でした。

2016年7月14日 (木)

シドニー国際コン:セミファイナル二日目前半

本日、お仕事が特別にお休みだったので、
12:30からのリサイタル65分をLIVEで聴いてみました。

note アレクセイ・メリニコフ君 (ロシア)

・フランク/ プレリュード、コラールとフーガ
・リスト/ スペイン狂詩曲
・ムソルグスキー/ 展覧会の絵

外見もそうですが、
演奏そのものも、とてもハンサムです。
音色が美しく、弱音と強音のレンジが広くて豊か。
それを生かした音楽のつくり方も端正。
(去年の浜コンでも好印象でした→ ☆☆

ただ、今日のプログラムは、
なんだか「メインディッシュ」が3つ連続するようなボリュームで、
疲れてしまいました……

ということもあり、次の
プーム・プロムチャート君 (タイ)の演奏はパス。
でも、YouTubeの第一次予選アーカイブを見ると、彼だけ群を抜いて再生回数が多かったりして、注目株のようです。
LIVE動画の右側に流れてくるチャットを見ても、高評価でした。


noteオクサナ・シェフチェンコさん (ロシア)

・モーツァルト/ アレグロ 変ロ長調 K.400
・モーツァルト=リスト=ブゾーニ/
    モーツァルト「フィガロの結婚」の2つのテーマの幻想曲
・シューマン/ ダヴィッド同盟舞曲集
・ラヴェル/ ラ・ヴァルス

冒頭2曲は初めて聴く曲。
彼女の軽やかな音色が曲によく合っていて、いい出だしでした。
2曲目は「超絶技巧」をこれ見よがしに披露する編曲。
耳なじみのあるメロディーが次々出て来て楽しいのですが、ちょっとしたミスが悪目立ちするのが、ちょっと気になりました。

おそらく、彼女らしさを出そうという意欲的なプログラム。
可愛らしく始めた後に、編曲ものの楽しさの中で超絶技巧を披露し、
メインは舞曲として、シューマンで精神性も打ち出し、華々しくラヴェルで〆る……

でも、やはり65分にわたって集中し続けるのは、体力的にも大変なのでは。
ラヴェル、ちょっとつらそうな箇所もあり、
第一次予選で感じた「圧倒的」な印象までには至らなかったかも。

コンクールって、ほんとに過酷な世界ですね。

2016年7月13日 (水)

アレクサンダー・ガヴリリュク ピアノ・リサイタル

アレクサンダー・ガヴリリュク ピアノ・リサイタル

2016年7月12日(火)19:10開演 21:25終演
@ヤマハホール

<プログラム>

F.シューベルト/ ピアノ・ソナタ 第13番 イ長調 Op.120, D664

F.ショパン  /   幻想曲 ヘ短調 Op.49
                    /   夜想曲 第8番 変二長調 Op.27-2
                    /   ポロネーズ 第6番 変イ長調「英雄」 Op.53

~休憩~

S.プロコフィエフ /  ピアノ・ソナタ 第3番 イ短調 Op.28

S.ラフマニノフ / 練習曲集「音の絵」 Op.39より
          第1番、第2番、第5番、第7番、第9番

M.バラキレフ /  東洋風幻想曲「イスラメイ」


♪アンコール♪

シューマン / 子供の情景Op.15-1 第1曲 見知らぬ国と人々について

フィリペンコ / トッカータ

シューマン / 子供の情景Op.15-7 第7曲 トロイメライ

メンデルスゾーン=リスト=ホロヴィッツ / 結婚行進曲と変奏曲

ラフマニノフ / 楽曲の時Op.16より 第3番

********************

圧倒されました。
まるで魔術でした。
このところ、ネット中継のピアノで満足した気になってましたが、
わたくし、間違っておりました。
生演奏の迫力、威力を痛感いたしました。

”響き”の魔術師です。
すごいテクニック、音色の豊かさ。

冒頭シューベルトは、可憐な少女が舞っているかのような美しさ。
こんなに美しい響きが醸し出せるのか、と、うっとり夢見心地に。

ショパン、
悲哀が胸に突き刺さりました。
ショパコンなどで耳タコになっているはずの曲なのに、
まったく新しい曲として響きました。
ここまでスケールの大きい曲だったことに、初めて気づきました。

後半に至っては、
もはやガブリリュクだけの世界、彼ならではの異界でした。
感服。

他のピアニストとはくらべものにならない、特別な人だと思います。
ビックリ仰天、お口あんぐり、茫然。
私には珍しく、CDまで買ってしまいました。
サイン会にも心惹かれましたが、すごい行列に恐れをなして帰路へ。

個人的には、アンコールのシューマンや、冒頭シューベルトのような
超絶技巧曲ではない曲における
彼独自のリリシズムを、もっと聴きたいなあと思いました。

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2016年7月11日 (月)

シドニー国際コン:セミファイナリスト発表

セミファイナル進出者が発表されました。

*********
Broberg, Kenneth (米国)
Ha, Gyu Tae (韓国)
Belyavskiy, Sergey (ロシア)
Xie, Ming (中国)
Gugnin, Andrey (ロシア)
Melnikov, Alexei (ロシア)
Prommachart, Poom (タイ)
Shevchenko, Oxana (カザフスタン) 
Chen, Moye (中国)
Kong, Jianing (中国)
Lee, Tony (豪州)
**********

前回の記事(→)で紹介した、著名コンクール入賞実績者5名中、
残ったのはメリニコフ君のみ。
たまたま聴けた、
ラシュコフスキー君も、ロパティンスキー君も、素晴らしかった
と思うだけに、なんだかビックリです。
(ユリニッチ君は、本調子ではなかったように感じましたが…)

確かに、セミファイナル進出者が、どこかで見た受賞者ばかり
というのでは、このコンクール自体が何かの二番煎じのようで、
存在価値も薄れるのかもしれませんね。
こういう実績者には、暗黙のハンディがついてしまうのかも?
たしか、ラシュコフスキー君はチャイコンでも予選落ちしていた記憶が…
彼などは、もう立派なコンサートピアニストの実績があるのですし
コンクールは卒業してもいいのでは。。。

セミファイナリストのうち、私がちゃんと聴けたのはオクサナさんだけ。
ただ一人の女性なのですが、彼女はほんと、光っていました。
国籍はカザフスタンですが、モスクワ音楽院卒業後、
ロンドン、ローマで研鑽を積まれている模様。
ロシア、強いですねえ。

さて、セミファイナルは、

note第1ラウンドの65分リサイタルが
7/13(水)14(木)の1:30pm(日本時間12:30)~、6:30pm(日本時間5:30)~、
note第2ラウンドの室内楽が
7/15(金)16(土)の2:30pm(日本時間1:30)~、7:00pm(日本時間6:00)~

ライブ(→Sydney International Piano Competition LIVE)
の動画は画像も音声もきれいなのですが、
どうやら本当にライブのみで、アーカイブはされていない模様です。
ううむ。あまり聴けそうにないのが残念。

2016年7月10日 (日)

シドニー国際ピアノコンクール概要

シドニー国際ピアノコンクール、
今まで名前を聞いてはいましたが(北村朋幹くんが2008年に入賞など)、
どんなものなのか具体的には知りませんでした。
が!
今年はなんと、ネットでライブ中継されています。
Sydney International Piano Competition of Australia

コンテスタントの顔ぶれを見てびっくり!

イリヤ・ラシュコフスキー(前々回の浜コン優勝)、
アリョーシャ・ユリニッチ(ショパコンファイナリスト、エリコン5位)、
ロマン・ロパティンスキー(エリコン2位)
ラリー・ウェン(エリコンファイナリスト)
アレクセイ・メルニコフ(浜コン第3位)

などなど、見覚えのあるお名前がずらり!

昨日、今日は第1次予選の第2ラウンド(30分のリサイタル)で、
可能な範囲で何人か聴いていますが、レベル高くてびっくり。
また、ユニークな経歴の方々も。

ジャズ・フォーク音楽を、15年以上レストランや路上で演奏してきたという
スウェーデンのMalmgren, Martinさん(長髪の男性)とか、
すでに作曲家として実績を積んでいるという
オーストラリアのde Jager, Peterさん(これまた長髪の男性)とか。
ベトナム、タイからの参加者も。
日本からは伏木 唯さん、お一人。

ユニークといえば、コンクールの運営方式も面白い。
第1次予選ではオーストラリア人作曲家の曲目を必ず入れるという縛りが。

また、コンテスタント32人を8人ずつの4グループに分け、
同グループの8人は同じピアノを使用
(ヤマハ、ファツィオリ、カワイ、スタインウエイから、くじで決まったもの)
昨日はファツィオリ、今日は前半がカワイ、後半がスタインウエイです。
自分で好みのピアノが選べるのは、ファイナルのみの模様。

<日程>

note第1次予選:7/7(木)~7/11(月)
 ラウンド1:リサイタル20分、ラウンド2:リサイタル30分
→7/11夜、セミファイナリスト12名発表

noteセミファイナル:7/13(水)~7/16(土)
 ラウンド1:リサイタル65分 (7/13, 14)
 ラウンド2:室内楽             (7/15, 16)
→7/16夜、ファイナリスト6名発表

noteファイナル:7/19(火)~7/23(土)
 ラウンド1:18世紀の協奏曲 (7/19, 20)
 ラウンド2:19~20世紀の協奏曲  (7/22, 23)
→7/23夜、受賞者発表 
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『世界地図の下書き』

0710sekaichizu 朝井リョウ 『世界地図の下書き』 集英社 2013

児童養護施設が舞台。
あれ?この設定は既視感があるな……と思ったのは、
3か月前に読んだ
有川浩『明日の子供たち』2014(→
でした。
刊行は、朝井リョウの本作のほうが早かったのですね。

両親の事故死後、叔母夫婦との短い生活を経て
入所してきた小学3年生・大輔の視点から語る、三年間の物語。

中盤までは、
大輔の属する「一班」の小学生~高校生の生活が淡々と描かれます。
この静かなタッチで進んでいくのかな…と思ったら、
後半は、子どもたちがある目的をもって結託し、
周囲の大人たちを説得し、あるいは協力をとりつけ、遂に実現させる
という展開に。
盗みが絡むのは、ちょっとアレですが、
地域の大人や、学校の先生、施設職員、そして大輔の叔母、
大人の描き方も秀逸だと思いました。
そして、どんなに頑張っても変えられない、同級生の残酷さも。

朝井リョウ、
『桐島、部活やめるってよ』『何者』と二作読んだものの、
いまひとつ読後感をまとめられずに来ましたが、
これは佳作だと思います。

2016年7月 9日 (土)

「同じ釜の飯」仲間との再会

昨日、あまりにも懐かしい4人が集合いたしました。

今から遡ること、はるか遠く、
うらわかき18~19歳の乙女(?)として初めて会ったのは、
大学の学生寮への入寮時。
九州、関西、中部から上京し、
3つの棟、各4階、各階6室(だったかな?)という寮で、
縁あって

ある棟でルームメイトとなった私、Aさん、
隣の棟でルームメイトとなったBさん、Cさん。

AさんとBさんは、同じ高校の元同級生。
私とCさんは、大学同学科の同級生。
意気投合した4人、
寮食という「同じ釜の飯」を食べつつ、
機会を見つけては、つるんであちこち出かけたものでした…。

卒業後は、
就職、結婚、出産、夫の転勤、あれやこれやで、
今まで集合しようなんて考えもしなかったのですが、
今年度、めぐりめぐって
東京、神奈川、千葉、埼玉在住の4人となったことがわかり、

「会おう!」

……いやあ、ものすごく久しぶりの再会だったにもかかわらず、
一目会うなり、まるで今まで毎日顔を合わせていたかのような親密感!
もちろん、あれこれ今までのエピソード交換満載でしたが、
何の気負いも、衒いもなく、自然体で何でも話せる関係性、
ほんとに楽しい時間でした。

スペイン料理店で3時間半。
逼迫した用事で新幹線で帰郷する一人を見送ってから、
残る三人、近くのビアホールに場を移して2時間。
こんな時間が過ごせるようになったなんて、感慨もひとしお。
またの機会を楽しみに。

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2016年7月 8日 (金)

『空飛ぶ馬』

0708soratobu 北村薫 『空飛ぶ馬』 創元推理文庫 1994

円紫師匠と「私」のシリーズ、その第1作。
北村薫のデビュー作ともなるようです。

これは、若かりし日に読んだ記憶がありました。
そうでした。
この作の円紫師匠、「名探偵ホームズ」級の存在感でした。
最新作『太宰治の辞書』では、かなり存在感が希薄になっていましたが…。
日常の小さな謎に挑む……という構図、
近年では一般的になっているようですが、この作品を嚆矢とするものではないかと。

「織部の霊」
「砂糖合戦」
「胡桃の中の鳥」
「赤頭巾」

「空飛ぶ馬」


個人的には、冒頭の「織部の霊」が一番説得力があったと感じます。
2,3,4番目の作は、決して暗い調子で語られるわけではないものの、
謎に込められた人間の暗い感情に、陰鬱な読後感となりました。
ううむ。若い頃にはスル―していた部分なのかも…。

2016年7月 7日 (木)

七夕2016

最近、七夕の笹の葉飾りを目にする機会が増えた気がします。
昨日、所用でJR大崎駅を訪れたところ、
駅のコンコース、そして駅ビルレストラン街のあちこちに、
たんざくがいっぱい飾られた笹が……。

本日、留学生たち(4月に来日したばかりの初級生)に
七夕ストーリーを紹介し、
みんなで短冊に願いを書き、
「ささのはさらさら」を大合唱。

学生たちとともにストレス発散いたしました~。
職場にリアル笹を準備するのは無理だったため、
ホワイトボードに描いた笹の絵で我慢。
それでも学生たち、
大盛り上がりで「絵の笹飾り」をバックに写真を撮り合っていました♪

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2016年7月 5日 (火)

ユッセン兄弟ピアノリサイタル

▽アルトゥール・ユッセン、ルーカス・ユッセン
(クラシック倶楽部 2016年7月4日放映)

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・ピアノ・ソナタ ニ長調 作品6(ベートーベン)連弾

 

・ノクターン 作品9(ショパン)Op.9-1ルーカス、2アルトゥール、3ルーカス

 

・幻想ポロネーズ 作品61(ショパン)アルトゥール

 

・ラ・ヴァルス(ラヴェル) 2台ピアノ

 

20151024日すみだトリフォニーホール

 

兄弟デュオと聞いて、外連味(けれんみ)たっぷりの曲芸師的演奏

と思い浮かべてしまったのですが、とんでもございませんでした。

正統派の端正なる演奏。

連弾も2台ピアノも暗譜。
丁寧な音作り、美しい音楽の流れに感服です。

インタビューでも

いい音楽を作りたい、届けたい、

10年後にまで聴衆の記憶に残る演奏会となるよう心を尽くしたい

といった言葉が。

このとき、兄のルーカス22歳、弟アルトゥール19歳と思われますが、
音楽に対する、まっすぐで真摯な姿勢が伝わってきました。

オランダのイケメン二人、あっぱれ。

お見事な芸術世界に圧倒されました。
次回の来日時には、ぜひ生演奏を聴いてみたいです。



2016年7月 2日 (土)

『朝霧』

0702sagiri 北村薫 『朝霧』 創元推理文庫 2004

( MORNING MIST by Kaoru Kitamura 1998 )

前作『六の宮の姫君』で、無事卒業論文を提出した「私」が
内定が決まった出版社で研修を受けるかたわら、
最後の大学生活に名残を惜しみつつ、
幼少期の記憶につながる人間関係のミステリーを描く
「山眠る」

出版社勤務での新しい人間関係を縁として
新たに提出された小さなミステリー解決を描く
「走り来るもの」

職場の先輩同士のおめでたい結婚と
前作『六の宮の姫君』で出会っていた人とをつなぎ
今後への展開も予測させる
「朝霧」

以上、3篇の中短編です。着実に、誠実に、一歩一歩階段を上って
成長していく「私」が、とてつもなく、まぶしく輝いて見えます。
私PIOの、
リアル世界と、どうしてもひきくらべてしまって…(p_q*)

さてさて、
この作の次が、2015年刊の『太宰治の辞書』なのですね。
あらら。
「朝霧」の次は「私」の恋愛模様…と予測したのですけれども、
実際にはそれはすっ飛ばされていました。
振り返る形で、どこかで出て来るのかな。。。

2016年7月 1日 (金)

『六の宮の姫君』

0701rokunomiya 北村薫 『六の宮の姫君』 創元推理文庫 1999

文庫版は1999年刊ですが、初出は1992年のよう。
文庫の扉裏に

"A GATEWAY TO LIFE" by Kaoru Kitamura 1992

とあります。
創元推理文庫って、英文タイトルをつけるお約束なのだとか。
確かにこの日本語タイトルの英訳って、意味不明になるでしょうが、
意訳中の意訳、といった感じですね。
もちろん、この本の内容とも深くかかわる訳なのですが、
北村氏自身のデビュー後まもないころ、
それも氏自身の卒論にまつわる作、との背景も汲んだものかと。

さて、前回の記事で
「これは昔読んだ」と書きましたが、これ、記憶違いでした。
読んだ記憶、まったくありません。
本作、近代文学にまつわる累々たる知識のなせる技、
国文学専攻の女子大生「私」の書く卒論~テーマは芥川龍之介~
にまつわる謎解きです。
「六の宮の姫君」は、芥川が書いた短編。それを評して、芥川本人
「あれは玉突きだね。……いや、キャッチボールだ」と表現したという、
その言葉の意味を探るものです。
そこにたどりつくまでに、
「私」が円紫師匠からどのような助言を得、
アルバイト先の出版社で、はたまた国会図書館で、地元の図書館で、
いかなる調査を行ったのか、丁寧に描かれていきます。

実は、この私PIOも昔は国文を専攻していましたので、
なんだか身につまされるような、
忘却の彼方だった知識を呼び戻されるような、
はたまた全然知らなかった知識を得るような、
不思議な懐かしい感覚で読みました。

ちょうどジャスト・オン・タイムの仕事関連でも、
漱石、有島、志賀、芥川、川端、太宰、三島と扱ったところで、
この本で芥川の文壇交友関係などを知り、
そのまま授業に使えるぞ!
と嬉しかったりもして。

7月24日、35歳で逝った芥川をしみじみ偲ぶ気分となりました。

今もなお、というか、今ますます話題となっている芥川賞、直木賞、
菊池寛が創設したものでしたね。
大衆文学、純文学、という構図などにも改めて思いを馳せました。

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