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2016年2月17日 (水)

書く女

二兎社公演40
20160216_145045529_ios 「書く女」 作・演出 永井愛

2016年2月16日(火)18時半開演 21時終演
大田区民プラザ 大ホール

≪キャスト≫

黒木 華  ……樋口奈津子〈一葉〉

平 岳大  ……半井桃水

朝倉あき  ……樋口くに〈一葉の妹〉
清水葉月  ……い夏〈伊東夏子〉
森岡 光  ……野々宮菊子
早瀬英里奈……半井幸子
長尾純子 ……田辺龍子〈花圃〉
橋本 淳  ……平田禿木
兼崎健太郎……川上眉山
山崎 彬   ……馬場孤蝶
古河耕史 ……斎藤緑雨

木野 花   ……樋口たき〈一葉の母〉

作曲・ピアノ演奏 = 林 正樹

**********************

めったに見ない、お芝居の公演。
今回は、樋口一葉の人生を描くというテーマと、
主演女優さん、そして会場の近さに惹かれてチケットゲット。
素晴らしい舞台でした。

まず、印象的だったのが、洗練された舞台美術と効果です。

舞台上、左寄りにずっしりと据えられた変形階段が、
あるときは、俳優の出入りを盛り上げる花道に、
あるときは、背景となる人々が行き交う大通りに、
また、あるときは場面転換のきっかけに、
はたまた、現在と過去をつなぐ時間軸に、
と変幻自在に利用されていました。
併せて、
大きな屏風数種の出し入れで、舞台変換が自在になされ、
雪、月、星などを示す照明もまた、美しく幻想的な雰囲気を盛り上げます。

ピアノ(キーボード)の生演奏もまた、BGMとしても、
効果音(車の行き交う音、筆を走らす音、紙をめくる音)としても、
舞台や時間の転換としても力を発揮。サウンドの重みを実感しました。
ピアニストの方も、ときおり芝居の中の人物として動いたりして、
なんとも小粋でした。

日本の舞台芸術も洗練されてきたんだなあ~と思いました。

俳優さんたちの演技力にも驚きました。
滑舌がいいのはもちろん、動きがたいへんしなやか。
ユーモアとシリアスさとのメリハリもお見事。

やはり脚本、演出の力でしょうか。
樋口一葉が生きた時代背景が、非常に生き生きと伝わりました。
朝鮮民族、女性、といったマイノリティーに対する偏見、
軍国主義へと突き進む世の動きと、文壇の葛藤…。
歴史の授業で学んだことと、文学史とが、かちりと合わさったようで
たいへん勉強にもなりました。

実は、
樋口一葉の研究者として注目され、まさにこれから…という
研究会の綺羅星だった友人が急逝して、もうすぐ5年になります。
彼女にぜひこの舞台を見てほしかった、語り合いたかった…と、
終演後、何とも切ない気持ちに襲われました。

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コメント

ああ、もう五年になるのですね・・・
恩師の葬儀でちらっとお会いしたのが最後となりました。

このお芝居、こちらでは明日18日(木)にさくらぴあ文化ホールというところであるのです。
近いので行きたいと思っていたのですが、木曜日夜は基本的には用事があり、実に残念です。二兎社ということもあり、行ってみたかったのですが。
せめてこちらのレビューを拝見できてよかったです。

いぞるで様

そうなのです。今年の5月で5年です。
なにも恩師A先生にすぐ続かなくとも、一葉のごとく早々とあちらへ渡らなくとも…
と、同級生みな、口惜しい思いでいっぱいになりました。

昨日のパンフを見ると、
「書く女」、2006年にも寺島しのぶ主演で上演されているのですね。
2016年スケジュールについては2月21日が最終公演のようですが、
また再演されればいいなあ、と思います。

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