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2015年12月19日 (土)

『まるで天使のような』

20151219 マーガレット・ミラー著 黒原敏行訳
『まるで天使のような』 創元推理文庫 2015

文庫本の刊行は最近ですが、
原著"How Like an Angel"が発表されたのは1962年。
この時点で、
何やら胡散臭い新興宗教の匂いの団体が<塔>で生活する
…という舞台設定がなされていることに、ちょっとびっくり。

主人公は、賭博ですっからかんになってしまった
アマチュア・ギャンブラー、賭博場の元保安官、クイン。

彼が止むに止まれず、助けを求めて入り込んだのが<塔>。
そこで暮らす「救済の祝福の修道女」から人探しの依頼を受けて、
探偵免許も持つクインが真相解明に乗り出す…
という筋書きです。

修道女との関係も不明なまま、調査対象として依頼された人物
「オゴーマン」は、結局、謎の死を遂げたとされていることが判明。
オゴーマンが暮らしていた田舎町・チコーテを歩き回り、
住民に話を聞き、調査を開始するクイン。
<塔>に戻って調査結果を知らせようとすると、そこでもまた事件が…。

ストーリーの展開、語り口は淡々としていて、
「血沸き肉躍る」スピード感は全くないのですが、
実際には、そこここで真相に結びつく新事実の種あかしがなされている
という仕掛けになっています。
でも、最後のどんでん返しまで予想できる人は、あまりいないのでは…。

最後の一行まで読んで、ううむと唸らされ、
もう一遍読み返さなくては…と思わせられるような本でした。

ご都合主義のトリック、タネではありません。
「いい人」に見える人物が実は…という怖さはとても現実的。
この小説、地味に見えて、実はとっても深い本なのでは…。

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書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

こんにちは。
先日読んだばかりです。
でも、最後の1行に行き着く前に真相の想像が付いてしまったので
衝撃はありませんでした。
ミステリーの読み過ぎでしょうか。(⌒-⌒; )snow

usamimiさま

わお!
さすがですね~。途中で真相がおわかりに!
私はさっぱりでしたよ。
翻訳小説はあまり読まないので、初めは「○○の修道士」とかの表現も
すんなり頭に入らなくって、悪戦苦闘しちゃいました。(;´▽`A``

ところで、正直言ってわたくし、
この本のタイトルの指す意味が、いまひとつ腑に落ちないんですが、
usamimiさんは、どう解釈されますか~??

翻訳小説(主にミステリ、SF、ファンタジー)はたくさん読みますけど
誰が誰だったか混乱することはけっこうあります。

タイトルの意味は私もよくわかりません。
深い意味があるんでしょうか。

usamimiさま

返信ありがとうございます。(o^-^o)
How Like an Angel
っていうフレーズでググってみたら、他の作家の本や舞台芸術(?)もヒットしました。
何か古い出典を持つフレーズだったりするのでしょうか。
……と思っていたら、この本自身の前書きに『ハムレット』が引用されていて、

人間というのは、たしかに傑作だ
……その行動はまるで天使のよう
その知力はまさに神のようだ

とあるのですね。おそらく、これでしょう。
人間の業のようなものを暗喩しているフレーズなのかな。
やはり深かった!

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