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2015年9月20日 (日)

『永遠のピアノ』前半

20150919 シュ・シャオメイ
『永遠のピアノ ~毛沢東の収容所からバッハの演奏家へ
     ある女性の壮絶な運命~』
芸術新聞社2015

シュ・シャオメイといえば、
私が聴いた演奏家の中で、最も鮮烈な印象を残した人。
(→2008年5月 熱狂の日

これは読まねば!と、手に取りました。
圧巻でした。

まず、前半部。
これまで、いろいろ読んでみながらもわからずにいた
文化大革命というもののの姿、
今回、はじめて、すとんと腑に落ちました。

まさに壮絶な体験を、
お涙頂戴でも、何者かへの非難糾弾でも、自己卑下でもなく
見事にクリアに切り取り、描き切る手腕、
只者ではないと思います。

彼女は、政府に虐げられ、権力に屈した弱者ではありません。

若い音大生(そうなるまでの道程も波乱万丈ですが…)の彼女は毛沢東に熱狂し、
「人と会い、そして革命の炎をかきたてる」ため
自ら進んで、政府お墨付きの「模範劇」伴奏譜を作り、
演奏者として地方巡業に励んでいたのです。

収容所、というのも、
「若い知識人」を送り込んだ「労働による再教育収容所」で、

当初は、新たな使命に意欲を燃やす若者も多かったと言います。
しかし、徐々に「再教育」とは名ばかりで、
愚民化を狙っていることが露呈されていきます。
虐げられた罪人というイメージだけではつかめない現実。
読んでいて辛い箇所がずいぶんありました。

驚いたのは、4番目の収容所、大監獄において、
音楽への渇望抑えきれず、画策の末に、
北京の家のアップライトピアノ(ピアノを所持し続けたこと自体、努力と工夫の賜物)
モンゴルとの国境近くの張家口まで運ばせしまったということ。
彼女の計画力、実行力、意志の力のすさまじさがわかります。

後半は、また改めて。

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