無料ブログはココログ

PIOの新ブログ

« ボッティチェリとルネサンス | トップページ | 春バラの季節 »

2015年5月17日 (日)

『サラバ』

西 加奈子 『サラバ(上)(下)』 小学館 2014

今年の直木賞受賞作です。

西加奈子の本は、『円卓』『漁港の肉子ちゃん』と読んだものの、
関西弁、お笑い路線的ストーリー展開(?)にいまひとつ馴染めず、
こちらに記録も残していません。

で、本作です。
これは、お笑い路線とは一線を画す、正統派ストーリーでした。
「圷歩(あくつ あゆむ)」が、幼児から青年、そして大人になっていく
その道程を描きます。

上巻は、姉・貴子が巻き起こすさまざまな騒動、
それに振り回され疲弊する家族の姿と、
姉からの影響を最小限に抑えようと努力を重ねる「僕」の姿を、
カイロ、エジプトという舞台、そこで出会う魅力的な人々の姿とともに描きだします。

そして、下巻は、
日本に戻ってからの家族のその後が、
上巻での謎解きともなるような形で描きだされ、
この小説全体が生み出された訳へとつながっていきます。

読み終えての感想。
 人生万事、塞翁が馬

成長期の子供に与える家族の影響は、はかりしれないけれど、
結局は、その人本人が「落とし前をつける」しかないんだなあ、と。

本作での「サラバ」という言葉の使われ方、お見事でした。

« ボッティチェリとルネサンス | トップページ | 春バラの季節 »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« ボッティチェリとルネサンス | トップページ | 春バラの季節 »