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2015年2月18日 (水)

『あなたの本当の人生は』

大島真寿美 『あなたの本当の人生は』 文藝春秋 2014

なんか見覚えのある作家だなあ…と、借りてみました。
そうでした。以前、『ピエタ』という、ヴィヴァルディの人生を描いた小説を手に取ったものの、いまひとつ世界に入り込めずに終わったのでした。

今回の物語の軸は、
ベストセラーのファンタジーを世に出した小説家・森和木ホリーと、
晩年を迎えた彼女の、秘書二人。
ホリーさんの一声で地方公務員の職を辞して来た古株の宇城(50代)、
そして、森和木家に新たにやって来た、
駆け出しの小説家でホリーさんの熱烈なファン國崎真実(20代)。
そこに、
ホリーさん、國崎真実の二人を担当する編集者、鏡味氏、
ホリーさんの元夫、簑島氏が絡んで…。

老年期に入って、書けなくなっているとはいえ、
ベストセラ―小説で建てた豪邸に住むホリーさんには、
名前のとおり、なにやら巫女さん的な香りが。
彼女と宇城の、ある意味静謐な生活の中に國崎真実が入り、
いろんなことが動き出します。

キーとなるのが、コロッケ。
真実がアルバイトの肉屋で揚げつづけた結果、
コロッケづくりの名手となっていて…。

なんだか昭和チックな香りの中に、
登場人物それぞれが自らの人生を振り返り、前に進み、
ファンタジックな余韻を残して幕がひかれる…
そんな小説でした。
小説家と担当者の関係、
神に魅入られたかのように書かずにはいられない小説家の姿、
小説家のリアル生活と、執筆する空想世界との関わり、等々
なるほど~と思うこと多々。

ほわわんとした雰囲気の、佳作でございました。
この作家、私と同年代。…ううむ、そんな匂いを感じました。

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コメント

「ピエタ」というワードに反応しました^^
ヴィヴァルディがバスーン協奏曲を37(諸説あり)も作曲したのは
身近(ピエタ慈善院)にバスーンの名手がいてその奏者のための
作曲されたという説があります。とても興味深いです。
バスーンコンチェルトに耳を傾け当時の情景を思い浮かべる…。
ささやかな時間旅行が楽しみです^^
本文に関係ないコメですみません(^^♪

オペラさま

そうでした!バスーン協奏曲!
以前、オペラさんに教えていただきましたよ。
『ピエタ』、もう忘却の彼方なのですが、オペラさんなら楽しく読めるかもしれませんね~。
コメ、ありがとうございました。happy01

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