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2014年12月12日 (金)

『水声』

川上弘美 『水声』 文藝春秋 2014

川上弘美の作品って、いくつか読んでいるのですが、
振り返ってみたら、ここに記録したものは一つもありません。
単に、印象を書き残しにくい、ということなのですが。
捉えどころないような、するりとすり抜けていくような。

この作品もそうでした。

「ママ」が生きていたころ、
私と陵が幼かったころ…
という枠組みでの回想が語られていく中で

「パパ」「ママ」と呼び、自分の両親だと思って暮らしてきた
その二人が、実は夫婦ではなく兄妹だった、ということや、
主人公「都」と、弟「陵」の微妙な関係などが、
独特の幻想的なムードの中で、するすると描写されます。

思わせぶりなシーン、名称、言葉づかい、
いろんな伏線がはりめぐらされているのだろうなあ…
その中にテーマが忍ばされているのだろうなあ…
と思うのですが、
読み手の私側としては、
そこに鋭く切り込もう、という情熱はわかぬまま読了。

都と陵の人生の節目に
御巣鷹の飛行機事故、地下鉄サリン事件などが描かれ、
人生の下り坂に思いを馳せるところなどには、
同世代の共感を覚えました。

よくも悪くも「純文学」路線であることは確か。
川上ワールド、なるほど、こんな感じだなあと納得です。

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