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2014年11月15日 (土)

『アンリ・バルダ 神秘のピアニスト』

青柳いづみこ『アンリ・バルダ 神秘のピアニスト』
白水社2013

アンリ・バルダといえば、2012年にTV放映で演奏を見て
その見事さにびっくり仰天し(→)、
行こうとした今年の来日演奏会が中止になった(→)、
私にとっては、ただいまホットなピアニストです。

本書は、
著者の青柳氏とバルダ氏との個人的な交流記ともいえる
読みやすい書きぶりの本でした。

バルダ氏、1941年6月生まれといいますから、
アルゲリッチとまったく同じです。
バルダ氏、エジプトのカイロ生まれ。
アルゲリッチ、アルゼンチンのブエノスアイレス生まれ。
カイロ、ブエノスアイレスが、
1950年代まで世界有数の音楽マーケットで、
超一流の音楽家がたくさん立ち寄っていた都市だった
ということ、初めて知りました。

アルゲリッチとは対照的に
バルダ氏が世界の注目を浴びるようになったのは
2000年代になってからのようです。
もちろん、若い頃から数々の賞を受賞するなど、
その実力は認められていたのですが、
自虐的といえるほどペシミスティックな性格や
気難しさから、滅多に演奏会が開かれてこなかったとのこと。

バルダ氏の経歴を辿る青柳氏の分析により、
楽譜、作曲家の記譜どおり忠実に弾くという解釈と、
演奏者の解釈も加えて自由に弾くという解釈が
どういった歴史的背景のもとでせめぎあって来たのかが
納得できました。
個人的には、バルダ氏の主張に共感を覚えます。

楽譜に記号で書いてあるから、こう弾く
のではなく、
音符がこう弾くように求めているから、こう弾く。
実際に記号で指示されているか否かは、参考にすぎない。
という考え方。

やはり、一度生で聴いてみたいなあ、と改めて思いました。
来日演奏会は中止ではなく延期のようですので、
その日を楽しみに待ちたいと思います。

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書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

こんばんは(*^^)v
私、音楽には全く詳しくなく、PTAコーラスの延長と、いろいろ軽~く聞くだけなので、
演奏家の方の名前も、曲目も演奏の良い悪いもさっぱりですが、
“音符がこう弾くように求めているから、こう弾く”っていいですね。
ブログでいろいろ書かれていること、良くわからないことの方が多いのですが、
そうなのか~(゜o゜)と興味深く読ませてもらってます(*^^)v
わかったら、もっと楽しいのでしょうね。これからも、よろしくお願いいたします。

はる0326さま

いつもコメントありがとうございます。
実は“音符がこう弾くように求めている”って読み取れるか否か
が問題なのですよね。
知識も必要だし、センスも必要だし。。。

例えば、「フォルテって書いてあるから大音量で弾く」っていうのが
いかに無神経な演奏であるか、最近とことん身に染みてます。
どう弾いてほしい箇所なのか、フォルテという記号そのものではなく
音符の並びから読みとる必要があるのですよ。

あ、いかん。また訳のわからん文になってきたかも。
これに懲りず、今後ともよろしくおつきあいくださいませ。

青柳いずみこさん、友人からさんざん薦められているのですが、
まだ本も読んだことなく、ピアノも聞いたことがないのです。
この本は読んでみたいです。
ご紹介ありがとうございます。

ananさま

青柳いずみこさんの著作、私、何冊か読んでいますが、
この本が一番読みやすいと感じました。

青柳氏自身の演奏も、一度生で聴きましたけれど、
講演会の一部という趣向だったせいもあり、演奏そのものへの印象はあまり…^^;

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