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2014年8月18日 (月)

『私に似た人』

貫井徳郎 『私に似た人』 朝日新聞出版 2014

週刊朝日に連載されていたものをまとめた、直木賞候補作。
一気に読んでしまいました。

日本社会で、就職難にあえいだ若い世代が、
社会への不満を募らせ、「小口テロ」が相次ぐようになる。
その背後には、ネット上でテロを唆す首謀者がいるのでは…

という枠組みの中、
10人の人物の名前で、全10章が構成されています。
小口テロの犠牲者の元カレ、テロ犯となる一人、
テロ犯を追う警察官、夫のテロ関与を疑う妻、…等々。

それぞれの人物の描き方がうまいです。
いかにも、今の世に、すぐ近所に、いそうな感じ。
そして、最後の章まで読んでみて初めて知るのが、
プロットの巧みさ。

それぞれの章に
小口テロとの関連性が織り込まれているのですが、
実は、ある章のみ、その事件はテロではないのです。
そのことが最後に明らかになり、
そのまま首謀者の正体へとつながっていきます。
これは予測がつきませんでした。

タイトルの意味は…
10章の中に必ず「私(読者)と似た人」がいる…でしょうか。
ある意味、怖い小説です。
そして、今の日本の閉塞感をとらえているという意味でも怖いと感じました。

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