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2014年7月20日 (日)

『蛇行する月』

桜木紫乃 『蛇行する月』 双葉社 2013

昨年、『ホテルローヤル』で直木賞を受賞して
話題になった作家さんの本です。
『ホテルローヤル』は、ちょっと内容がどぎつすぎて、
私は読み終えるのに一苦労。
レビューを書く気持ちになれませんでしたが。

で、本作『蛇行する月』。
たまたま図書館で見かけて、手に取ってみました。
これは、ずしんと胸に響きました。
目次をみると、次のようにあります。

1984 清美
1990 桃子
1993 弥生
2000 美菜恵
2005 静江
2009 直子

それぞれが独立した短編かと思ったのですが、
実は、それぞれが最終章の「直子」とつながる人々。
釧路の高校を卒業後、
20歳も年上の和菓子職人と駆け落ちして郷里を離れた直子。

目次冒頭の数字は、もちろん、年度(年)を表します。
各章の主人公、その時点における悪戦苦闘ぶりを描く中に、
直子とのやりとり、直子への複雑な心境等が挟みこまれ、
年を追うごとに直子の境遇の変化も見えてくる、という仕組み。

一般常識の目で考えれば、とても幸せとはいえない直子が
「わたし今、すごくしあわせ」
と言葉にし、精一杯生きているのを見ると、
小説の中の人々とともに、私自身の生活の振り返らされて
ずしん、ときてしまう……といった感じです。

読み進めるうちに、だんだん惹きつけられていく
そんな小説でした。

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