無料ブログはココログ

PIOの新ブログ

« 2014年1月 | トップページ | 2014年3月 »

2014年2月

2014年2月28日 (金)

『さようなら、オレンジ』

岩城けい『さようなら、オレンジ』筑摩書房2013

太宰治賞受賞作で、芥川賞候補作。
例のごとく、図書館予約で数か月待って手元に届きました。

小説は、一人の女性の描写から始まります。
難民として夫に従って異国にやってきたサリマ。
異国は「人種のるつぼといわれる場所」ではない「大きい島」。
彼女は面接で「朝3時に職場に来い」と言い渡され、
渡された「膝丈のたっぷりした前開きの作業着」を着て働きます。

固有名詞は「サリマ」だけ、
まるで推理小説を読むような感覚で読み進むうち、
サリマは、もう一人の主人公
…彼女が「ハリネズミ」と呼ぶ黒髪のインテリアジア女性…
と出会います。

小説の途中に、文字のフォントを変えてはさみこまれる
「ジョーンズ先生」宛てへの丁寧な手紙。
差出人は「S」。

そして、突然英文で登場する「Personal Nortice」。

これらがすべて納得され、結び合わさったとき、
やっと女性二人の置かれた状況がくっきりと浮かび上がります。
これが59ページ目。
そして、最終頁まで読了するに至って、
この構成の意味するところが、なるほど!と得心されます。

内容はとても深いです。

久々に、がっしりした大きいものを読んだ、という読後感。
けっして長くはない、薄い本なのですが。

海外で生き抜くということは
母語以外の言語をわがものにするということは
その人にとってどのような意味を持つのか。
その人のアイデンティティとは。
「文盲の難民」「挫折を抱えるインテリ」という二人が
立ち向かったものとは。得たものとは。
家族とは。隣人とは。学校とは。

異文化理解、語学教育などに興味を持つ方に、
自信をもってお奨めします。

2014年2月27日 (木)

中学合格が堕落を導く?

息子、やっと自分で宣言し、進路を決定いたしました。
合格をいただいた大学に進学します。

「浪人する意気がないだけだ。楽な道を選んだだけだ。」
と、父親は大反対のままですが。(→2/23の記事

たしかに、覇気、意欲といったものが著しく低い息子。
…「悔しい」「…したい」と思う心がなければ、成長は見込めません。
常にニコニコ、精神的に安定しているのは美点かもしれませんが。

こういう性格は生来のものでしょう。
なにしろ、3歳時の口癖が 「危ないから僕はやめておこう」、
10歳時の口癖が 「無~理~♪」 という子どもでしたから。

ただ、振り返ってみれば、
こういった傾向をさらに助長した一つの要因に
自覚なく参加してしまった中学受験があると思います。
息子のケースは、あくまでも特殊例でしょうけれども。

◆中学受験塾は、小学生に多大な勉強量を強いる。
100%こなせる者はごく一握り。
多くの者は「全部はできなくてあたり前。できなくても平気。」
という感覚に陥り、それに慣れてしまう。
「ま、いいか、できなくても。」

◆中学受験を乗り切るには、
出来あいのマニュアル問題集をひたすら解くのが一般的。
「自分で工夫してまとめる」ことの重要性に気づかず、
マニュアル人間の素地ができる。
「もらったもの見れば、努力しなくてもなんとかなるよ~。」

息子は、小学校時代、いい加減な勉強のしかたで
第3志望の中学に合格をいただきました。
中学入学時には成績上位にいたこともあって、
上記の発想をますます強くし、堕落していったのだと思います。

中学受験をお考えの皆様、
お子さんが上記の発想に陥らないと断言できるタイプかどうか、
「上を目指そう」という覇気のあるタイプかどうか、
受験を決める前に、よーく見極めることをお勧めいたします。

********
最後に、息子の名誉のために。
彼、大学が公開している就職状況には目を開かされたようで、

「最低の成績で卒業さえできればいい、という考えは捨てる。
さすがに、就職できないのはヤバい。
受験勉強をやり直すより、大学に行くほうがやる気が出る。」

と言っております。
親としては、彼が大学という新しい環境の中で目覚め、
精神的に成長してくれるよう祈るばかりです。

2014年2月26日 (水)

第15回ホテルオークラ音楽賞

第15回ホテルオークラ音楽賞
授賞式・記念演奏

日程:2014年2月26日(水)
時間:18:00~19:00 (開場:17:15~)
場所:ホテルオークラ東京 「曙の間」(本館1階)

<演奏曲目>
成田達輝(ヴァイオリン)
テオ・フシュヌレ(ピアノ)

ショパン/サラサーテ編曲  ノクターン第2番

アルベニス/クライスラー編曲  タンゴ
サン・サーンス       序奏とロンド・カプリチオーソ

三浦文彰(ヴァイオリン)
小森谷裕子(ピアノ)

ヴィエニアフスキ 華麗なるポロネーズ第1番
チャイコフスキー  メロディ
            ワルツ・スケルツォ

成田達輝・三浦文彰(ヴァイオリン)
小森谷裕子(ピアノ)

ショスタコーヴィチ 5つの小品

********************
招待券に応募しつづけて、3年目(4年目?)にして
やっと当たりました。(感涙)
ホテルオークラ音楽賞。

いやあ、まさに新進気鋭の受賞者お二人。
二人のアンサンブル、
ショスタコーヴィチの素晴らしかったこと!
ショスタコーヴィチが
こんなに洒落た、きらきら輝く愛らしい曲を作る人だっとは。
ある時はロマンティックに、ある時はむせび泣くように、
また、若々しく躍動して、あるいはコケティッシュに、
5曲それぞれの魅力がはじけていました。
聴いていてわくわくしました。

成田くんのヴァイオリンは、
音の作り、流れに独特のセンスがあって、聴かせます。
特にアルベニスが秀逸だったと感じました。

三浦くんのヴァイオリンは、
骨太で、音程がしっかりしていて安定感抜群。
楽器そのものの特質もあるのかもしれませんが、
たっぷりした音量が魅力的でした。

二人の個性がお互いを引き立てあって
たった40分程度のリサイタルでしたが(授賞式が20分間)、
とても強い印象を残しました。

さすがはホテルオークラ、おハイソムード全開の会場で、
審査員の堤剛氏、大友直人氏をはじめ、
受賞者お二人の恩師、大御所の指導者の方々も
勢ぞろいされていた模様。

成田くん、3年間のフランス留学を終えて、近々ベルリンに居を移すとか。
三浦くんはウィーン私立大学で研鑽中…ということは郷古くんと同窓生?
受賞スピーチの印象では、
成田くんはマイペース派、三浦くんは常識派かと。
……こんなところが見えるのも楽しい、素敵なイベントでした。

2014年2月25日 (火)

一分咲き(?)の梅

所用ついでに近くの公園まで足をのばしてみました。
ストレスフルな日々に、少しの癒しを求めて。

14_0225_1_3  14_0225_4_3   14_0225_3_2  14_0225_2_5

2014年2月23日 (日)

中高一貫校の落とし穴

息子の大学受験、終了いたしました。
すべり止め一校から合格をいただきましたが、
そんな大学に行っても将来はないと進学に反対する者もいて、
身の振り方については結論が出ていません。
「入学手続き期限まで考える」と、結論を先延ばしにしている息子です。

その息子、中学受験を経て入学した中高一貫校を卒業します。
今、親として、中学受験をしたこと自体に疑問を覚えています。
(合格当時、得々と体験記を書いたりしていたのが、今にして思えば赤面の至りです)

息子のプライバシーもありますので、具体的な記述は避けつつ、
中高一貫校という選択について思うところを記しておきます。

(1)高校受験という「成長の機会」を奪う

12歳での中学受験というのは、子ども本人の選択というより周囲のお膳立てによる受験です。
それに対し、
15歳での高校受験は、本人が自覚し、自ら選び取る受験です。

私自身を振り返っても、高校受験という体験により、
受験勉強を乗り切ったという達成感や、
高校入学後に世界が広がったという実感を得ました。

精神年齢が幼い息子、その要因の一つに
自らが選び取ったという自覚なく、何となく入学した環境で、6年間をノホホンと過ごしてしまった……ということがあると思います。

(2)等質な仲間同士で、ぬるま湯的になる

私自身の中学時代には、背景が異なるクラスメイトが大勢いて、
社会的階層や価値観の多様性に、自然に気づいていきました。
その分、いろいろな衝突、葛藤もありました。
(その後進学した高校で、仲間の等質性に感激しました)

中高一貫校の場合、こういう葛藤はありません。
勉学に集中できる、いい環境だともいえるでしょうが、
ある意味、精神的な幼さを助長する環境ともいえます。

(3)速い授業進度への対応力が必要

中高一貫の進学校というのは、
「粒ぞろいの学力の生徒を集め、効率的に教育を行い、大学進学で実績を上げる」
ことを目指しています。
公立校なら、落ちこぼれを出さないように丁寧に進めるところも
「これくらいのことは理解できますね」
というスタンスでさっさと通り過ぎることも多いようです。
成績上位の生徒から「くだらない」「退屈だ」などの声が上がることも避けたいでしょうし。

効率的に進む授業に食いついていく覇気がないと、
「わからないのが普通」という感覚に陥り、どんどん遅れていきます。

**********
簡単に(乱暴に?)まとめてしまうと、

◆アグレッシブに立ち向かっていくタイプの子ども
◆頭がよすぎて、普通の授業には飽き足らない子ども
◆負けず嫌いの子ども
小学生のころからこういった特性を発揮する子どもなら、
中高一貫の進学校は、能力を発揮できる素晴らしい環境となるでしょう。

逆に、そうでないタイプの子どもなら、
公立校に行かせたほうが、いろいろな意味で成長できるのでは…
と思う次第です。

我が家にとっては、あとのまつりとなりましたが(汗)。

2014年2月21日 (金)

ソチ五輪:フィギュア女子

とても印象に残る、一連の演技でした。

浅田真央選手、前日の信じられない結果から
たった一日で見事に持ち直し、納得の演技を見せ、
自己ベストを更新するなんて、本当にお見事。
6位入賞、おめでとうございます。

NHK朝のニュースの解説が、とてもよかったです。

「6種類の3回転ジャンプを入れ込んだプログラムを
見事に成功させたのは、歴史に残ること」

「順位ではない。その人のありようが歴史に残る。
世界選手権、Gファイナルで何度も世界を制し、
オリンピックの金は確実と言われたスルツカヤも、
結局オリンピックでは優勝できなかった。
それでも彼女は、人々の記憶に鮮やかに残っている」

しっとりした雰囲気で魅了した鈴木明子選手、
緊張の中で滑り切るや、すぐに次への意気込みを示した
村上加奈子選手も、
みな、笑顔で演技を終えられて、よかったです。

ロシア女子が、今まで金メダルをとったことがなかったとは
知りませんでした。
ソトニコワ選手、溌剌としていて輝きがありました。

素晴らしい演技がたくさん見られて幸せでした。

2014年2月20日 (木)

カルテットという名の青春

昨年のお正月に放映された番組、
友人からDVDを借りて見ました。(→BS朝日

音楽を学ぶ若者が、ヨーロッパに学ぶ
ということの意味が、すっと腑に落ちました。

カルテットを組む日本人留学生の若者を支援して、
合わせ練習をする4人に
食事、ベッド、練習場所を提供する一般家庭がある
という環境。

指導者に限らず多くの人々が
「自由に」
「楽しんで」
「虹を作って」
といった言葉で音楽を語っているのを見て、
まさに生活の中で「音を楽しむ」ことが音楽なんだなあ
と思いました。

心に残ったのは、
「上手に弾こう、美しく弾こう、という意気込みは要らない。
美しい音楽は、ちゃんとここにあるのだから、
ただそれを人々に差し出しさえすればいい。Give it!」
という言葉。

若者4人、それぞれトラブルや葛藤を抱えながら、
それを乗り越え、しっかり成長していることが見てとれて、
プロの音楽家という道の厳しさも改めて実感。
いろいろ感じるところの多い番組でありました。

2014年2月19日 (水)

恒例の女子会

さあ、お仕事は一区切り。
春休みに入りました。
となれば……そうです、恒例の女子会(前回→)!
同業の(でも職場はまったく違う)3人、
自由が丘に集いましたよ。

私は郷古くんのリサイタル後に馳せ参じました。

タイレストランにて、ランチセットを3人前注文し、
3人で3種しっかりシェアして大満足。

そして、自由が丘の雑貨屋めぐりに出発。
私以外のお二人は、生活雑貨に一家言ある趣味人なのです。
陶芸作家さんとお友達だったり、アンティークに詳しかったり。
当然、お店ににも詳しいのです。
センスに欠ける私は、ひょこひょことついて歩いては

ほほう、うおお、なるほど~
と、楽しませていただきました~。

朝5時起きの私は、夕方になると頭がぼおおっ
としてくるのが常でして、散策中などは写真撮影をまったく失念。
ということで、
この日の詳細については、こちらをご参照(→趣味の小部屋
はい、友人のホームページです♪(2月18日の「ニッキ」を見てね)

例のごとくプレゼント交換もしたので、
いただいた品だけ写真に撮って、アップします。

14_0219
りす柄のかわいい西光亭のクッキー。
そして、世田谷の有名パン店のデコポンジャムに
幸せの四葉のクローバークッキー。
あ、奥のケーキは友人へ進呈済み(リンゴ&生姜入り)ですが、
今朝、うちの家族用にまた焼いたのでした。^^;

2014年2月18日 (火)

ランチにいい音楽vol.30郷古廉

ウイークデーコンサートシリーズ2014
らん・らん・ランチにいい音楽 vol.30
郷古廉

2014年2月18日(火)11:30開演 12:40終演
@フィリアホール

ヴァイオリン:郷古廉
ピアノ:加藤洋之

≪プログラム≫
バルトーク 無伴奏ヴァイオリン・ソナタ
 第1楽章 シャコンヌのテンポで
 第2楽章 フーガ リゾルート・ノン・トロッポ・ヴィーヴォ
 第3楽章 メロディア アダージョ
 第4楽章 プレスト


ベートーヴェン ヴァイオリン・ソナタ第10番 ト長調Op.96
 第1楽章 アレグロ・モデラート
 第2楽章 アダージョ・エスプレッシーヴォ
 第3楽章 スケルツォ アレグロ
 第4楽章 ポコ・アレグレット


♪アンコール
シューベルト ヴァイオリンとピアノのためのソナチネ第1番
           第2楽章

***********************************

数日前に偶然知ったリサイタル、
妙に柔らかい、浮かれたタイトルとは、かけ離れた
見事に本格的な内容でした。

無伴奏のバルトーク、ものすごい集中力でした。
昨年の3月にも聴いていますが(→)、
前回は「バルトークって、ちょっとお茶目」といった感想を持ったのに対し、
今回は、音楽のすさまじさ…凄惨さ…を感じました。
弦をたたく、はじく、こする、etc.
といった様々な演奏技法が登場するのですが、
技巧性よりも、その音にたどりつく精神性といったものが滲み出ていました。

郷古くん、どんどん大人になっているんだなあ。。。

ベートーヴェンは、一転して非常にほがらか、軽やか。
ピアノとの掛け合いも絶妙でした。
集中力はそのままに、おおらかに音楽を楽しんでいるように見えました。
ピアニストが特に楽しそうだったかも。

アンコールがまた秀逸。
「素朴な旋律も、こんなに美しい音楽になるんです。
技術的に易しい曲も、僕は大事に思っているんです。
ちょっと難解なメインプログラムで疲れちゃったであろう皆さん、
これでちょっとリラックスしてからお帰りくださいね。」
とでもいうメッセージを受け取りました。

実に内容の濃い1時間でした。

スキージャンプ日本お見事

ジャンプ団体、銅メダル。

競技後インタビューでの葛西選手の「よかったです」という涙声に
ラジオを聞いていた私もうるうるきてしまいました。

個人ラージヒル、葛西選手の銀メダルで、
団体は金メダルだ!……と大いに盛り上がっていた日本ですが、
世界大会での実績順に飛ぶ(最上位が最後)という順番で、
日本は最後から5番目。
実績からみると、日本は世界5位という位置づけだったのですね。
(1オーストリア 2ドイツ 3スロベニア 4ポーランド 5日本)

そんな中で、

1回目:2位→4位→3位→3位
2回目に全員が130mを超えて3位をキープというのですから、
お見事です。

20歳から41歳という世代差を超えて、
とっても仲がよさそうなメンバーの様子も気持ちのよいものでした。

おめでとうございます。

ジャンプといえば、
女子の高梨紗羅ちゃんの4位も話題になりましたが、
まだまだ若い彼女にとっては、今回の残念な思い、
今後のために金メダルに匹敵する経験になることでしょう。

思い起こせば、札幌オリンピックの日の丸飛行隊を
小学校の授業中にクラス全員と生観戦した私。
(担任の先生が、我慢できずにテレビをつけたのだと思う…)
スキージャンプは、はずせない競技なのでありました。^^

2014年2月17日 (月)

朝6時半の空

朝6時半の空

朝6時半の空

夜明けも早くなってきました。
建物の上の雪は消えましたね〜。
路上には、まだまだ残っていますので、注意は怠らずに!

2014年2月16日 (日)

久々の青空

久々の青空
大雪も随分溶けました。
久々の陽射しが、とっても嬉しい(*^^*)

2014年2月15日 (土)

一日遅れのバレンタイン

いつもの手作りチョコレートケーキと、
友人からもらった
てんとうむしのオーガニックチョコ。

一日遅れとなりましたが、
これからお茶の時間にいただこうと思います。

14_0215

ソチ五輪:フィギュア男子

羽生くんの金メダルで盛り上がってますね。

ショート、フリーともに第1位の点数を上げてますから、
いわゆる完全優勝と言えましょう。

それでも、インタビューでは
「すみません」
なんて言葉が出るところ、
上を、上を、と目指している彼らしいなあと思いました。

5位町田くん、6位高橋くんも、立派だと思います。
たられば、ですが、
町田くん、世界大会の滑りなら、銅がとれましたね。
高橋くん、「魅せる」演技は、さすがでした~。
……前回五輪のときも同じようなことを書いてました(→coldsweats01
3人それぞれ、とてもすがすがしい表情で
インタビューに答えているのを見て、よかったなあと思いました。

個人的に「これは、すごいことでは?」と思ったのは、
金・銀・銅
3人全員が非白人、アジア系だったことです。
国籍は日本、カナダ、カザフスタンですが。

とはいえ、
人種、国籍などにこだわりなく、楽しみたいオリンピック。
素晴らしい演技、技術、スポーツ精神を見せてくれる選手たちに
感謝、感謝です。

2014年2月14日 (金)

JOY of Music 40プラス vol.3

田崎悦子 大人のためのピアノ・マスタークラス
JOY of Music 40プラス vol.3

2014年2月14日(金)10:30-12:35
@カワイ表参道コンサートサロンパウゼ

★ショパン:舟歌 Op.60

★ラフマニノフ:楽興の時 Op.16より 第1番、第4番

**********************

雪の中、行ってまいりました。
昨年9月に引き続き(→)、2回目の聴講です。

例のごとく、学んだことをメモ書きで。
目からウロコの表現の数々、
心にインプットしておきたいと思います。

◆大事なのは、楽譜をよく読み取ること。
「音が抜ける」のは、あってはならないこと。
音の抜けた演奏を、自分の耳が許してはいけない。
崇高な音の響きを、すべてキャッチして耳に入れるべし。

◆弱い音ほど、はっきり発音しなくてはいけない。
鍵盤の一番下、フェルトを感じる場所(デッド)までタッチして、
音がちゃんと話していることを耳で確認する。

◆すべての音を同じように出すのではない。
力の抜きどころ、エネルギーを使わないところを見つけること。
響かせる音と、力を抜く音との区別をつける。

◆クレッシェンド、ディミヌエンドは
弱音から強音までの段階的な変化を事前に計算し、
フレーズごとに耳で確認しながら演奏する。
感覚的に、適当に…は、ダメ。
弾き始めを誤らない。cresc.を見たら弱く。dim.を見たら大きく。

◆ffffの「ガツン」の前には、しっかり準備の時間をとって、
遠くまで飛んでいく響きをよく聴く。
響かせるために、早めに指を鍵盤から離し、
離した後で音がクレッシェンドしていくというイメージを持つ。

◆大きい音を弾くたびに頭を上下させるのは逆効果。
体を楽にしてしっかり音をつかみ、響きを確認してから次へ行く。

◆pppに落とすときには、テンポも自然に落として。
弱音のなかでも大事な音を耳でよく追う。

◆練習でやっていることがステージに如実に表れる。
どんなときも、一つのフレーズは弾ききる癖をつけること。
むやみに止まったり、弾きなおしたりする癖はご法度。

◆各フレーズにはシェイプがある。
cres. dim.できちんとシェイプを作っていくことを怠ってはいけない。

◆部分練習も、機械的にやってはいけない。
譜読みができたら、
常に「理想形」に近づけることを意識して音を出すべし。
音楽全体を見渡した上で、集中力を保って。
できない場合は、できるテンポまで落として。
「魔法の80%」のテンポで、音楽が運ばれていく方向を見つめて。

◆音を作る、キープするということは、手先や指先の作業ではない。
頭で考え、耳で聴き、自分の体の幹で指令を出すこと。
指先だけの機械的な練習などありえない。

◆音がはずれる場合は、
正しい鍵盤上に指を置き、それを目で確認してから音を出す練習を。

◆走ってしまうのは、怖がっているから。
ぎゅっと手綱を握って、体の幹でコントロールすることを学ぶべし。
   

2014年2月13日 (木)

『ハピネス』

桐野夏生『ハピネス』光文社2013

東京ベイエリアのタワーマンションに住むママ友たちの物語。
ファッション誌『Very』に連載されていたとのことで、
なるほどな設定ではあります。

主人公のママの名前が有紗(ありさ)、娘が花奈(かな)。
ママ友の娘たちの名前が、
美雨(みう)、芽玖(めぐ)、真恋(まこ)、いぶき。
「かなちゃんまま」「いぶちゃんまま」と呼び合う関係で、
元キャビン・アテンダントで美人の「いぶちゃんまま」が
グループのリーダー。

見栄の張りあい、微妙な上下関係、幼稚園選び、
はたまた不倫が絡んで…というストーリー展開です。

有紗の抱える過去の秘密、夫や義父母とのトラブルが
ミステリアスに徐々に明かされ、
非タワーマンション住人で下町出身の美雨ママとの
個人的なつきあいが深まっていくと、
その後の展開が気になって、つい一気読みしてしまいました。

でも、ストーリーの大きなうねり、盛り上がりなどはなく、
なんだか淡々と、お決まりの筋をたどって、
あれれなうちに大団円、といった印象です。

一種のライトノベルでありました。

2014年2月12日 (水)

2月半ばの空 17時

日が長くなりました。
この春の別れを惜しむランチ会を終えての帰途にパチリ。

ちょっぴり春の気配が感じられるかな?

140212_1
 
140212_2

2014年2月10日 (月)

話題のニュースに寄せて

あの話題の作曲家S氏が、実は……
という衝撃ニュースが駆け巡って5日が経ちました。

たぶん今後、この問題についていろいろと検証され、
掘り下げられていくのでしょうが、
今のところ私の感じることを記しておこうと思います。

私、彼の(と言われていた)曲を聴く前、2年以上前に
彼の自伝を読んでいますし、
交響曲の東京初演も、友人に誘われて聴きに行っています。
自伝のレビューを書かなかったのは、書きたくなかったから
……備忘録として残す価値はない、と判断したからですし、
初演の演奏は、
話題になったCDを録音した交響楽団によるものではなかったためか、
あまり良い印象を残しませんでした。(→

というわけで、今回のニュース、
私個人としては、別に大ショックを受けたわけではありません。
けれども、いろいろ考えることはありました。

まず、「書く」ということについての契約です。
実作者N氏は、現代音楽の正真正銘の作曲家ということで、
商業ベースに載せようと目論む曲を、一職人、請負人として書き、
その請負労働について報酬を受ける
ということは、ある意味、当たり前の契約だったのだろうと思います。
最初の依頼は映画音楽だったとのことですし。

例えば、教育現場にいる人間が、出版社からの依頼を受けて
かっちり指定された枠組みに合わせて「ドリル問題」を作る
というようなケースと似ていると思うわけです。

このような場合、
出された条件で「作る」には専門性が要求されるとはいえ、
著作権が発生するレベルには至らないだろう、と。

そういう意味で、私はN氏の行動はよく理解できます。
まして、出会いの初期において、S氏の情熱に深く共感したり、
共同作業で作り上げていく喜びを感じたりしていたのであれば、
「S氏の指示により職人的に曲を書く」
ということを罪と感じることはなかったでしょう。
普通はなかなか売れない交響曲、室内楽曲などが話題になり、
売れていく……それだけで嬉しい、というのもわかります。

その後、自分の意図しなかった大きな力が働いて、
とんでもない方向に物事が動くのを茫然と見つめていたN氏が、
「この図式の拡散が世界規模になる」ことに慄然として…
というのが、今回のカミングアウトの真相では、と思います。

それから、報道の正確さ。

5日早朝に聞いた、私にとっての第一報は
「S氏の弁護士が、……と発表した。実作者とされる人物に連絡を取っているが、今のところまだ返事がない」
という、NHKラジオの報道でした。

それで私、この時点では
「S氏が腹を括って真実を公表したが、驚いた実作者が逃げている」
と理解したのでした。……事実は全然違いました。

情報に対するリテラシー、大事ですね。

2014年2月 9日 (日)

レッスンいろいろ

本日、著名な外国人ピアニストによる公開レッスンを、
ちょっとだけ聴講してみました。
生徒さんは、ミスタッチ皆無でばりばり弾かれる若い方。

レッスンは、次のような手順で行われました。
・生徒さん、暗譜で通して演奏
・講師、全体的な講評
・生徒さん、再度演奏開始。講師がところどころで止めながら解説
オーソドックスな手順ですね。

でも、実際の演奏に即して、というよりは、
生徒さんの演奏はさておいて、その曲についての一般的な解説
とでもいうものが多くて、ちょっと抽象的、観念的な印象。

高~い受講料を出しているらしい生徒さんにとって、
得るものは多かったのかなあ、と気になりました。
また、聴講者としては、もっと講師自身の音が聴きたかったなあ、と。
私自身は「先生の音を聞いて目からウロコ」ということが多いので。

今日も、ごくわずかながら聴いた講師の音は
単なる和音、単純なパッセージながら、明らかに別物の音でしたし。
その音色の差がどこから生まれるのか知りたい!と思いました。

2014年2月 8日 (土)

朝6時半の雪景色

朝6時半の雪景色
うっすら雪化粧といった景色です。
今は何も降っていないようです。
これから大荒れとの予報ですが、どうなるのでしょう。
今のところ、電車も通常どおりの運行とのこと。
大学入試は予定どおり実施できるところが多そうです。

【追記@18時半】
息子と私は予定通り、朝から外出。
私は17時に、息子は18時に無事帰宅。
外はすごい雪模様。まさに積もってます。そして降り続けてます。
電車のダイヤも大幅に乱れてました。

既に風が強くなってきていて、これから嵐になるとの予報。
ひえええ~

2014年2月 7日 (金)

ブレンデルの演奏

いまさらですが、ブレンデルって、すごいなあ。
実は、今年に入ってから「次に弾く曲を決めよう」と
あれこれネットサーフィンすることが多いのですが、
ブレンデルの演奏を聞いて
「これ、いい!!」
と開眼することが多々。

シューベルト 3つのピアノ曲D.946 No.2

何を隠そう、お正月からハマって弾いてたのは、この曲です。
以前、小菅優の演奏で惚れ込んだのですが、
今回はこのブレンデルで、またやる気スイッチが入りました。

しかし、やっぱりシューベルトは曲が長いですねえ。
上記演奏では10.5分以上。
繰り返しを全部省いても8分近くかかります。
繰り返しを無視しても、やはり同じ曲想が続きます。
ううむ…

そして次には、やはりブレンデルの演奏で
リストの「巡礼の年」シリーズに心動かされました。
曲の最初の解説がまた、すんばらすぃ!

巡礼の年第2年「イタリア」第1曲 婚礼

たしかに実に洗練されたハーモニーです。
ドビュッシー、R.シュトラウスへの流れを思わせるような。
響きを聴いているうちに、敬虔な気持ちになってきます。
婚礼に臨む花嫁の未来よ、幸いなれ!
と祈りたくなるような。
ラファエロの絵にインスピレーションを得て…という説明に納得。

リストの曲、
超絶技巧だけでは終わらない、深いものを持っているんですね。

2014年2月 6日 (木)

一段落というか、渦中というか…

私のお仕事のほうは、
今年度の授業をすべて終え、成績もすべて出し、
PC入力、あるいは書留郵送の手続き、すべて終えました。

一段落といえましょう。

が、しかし、息子のほうは今まさに渦中です。
締め切りギリギリに大騒ぎして出願した大学受験、真っ最中。
「ううむ。今までのところ、不本意な結果」
と言いつつ、本人にこにこしております。
…相変わらず、私には理解不能…

そういう私のほうも、実は来年度へ向けての準備とか
(PC入力締切が明日という仕事も)、
数か月も前に提出したものの校正とかが押し寄せていて、
まだまだ、ゆっくり春休みの気分にはなれません。

あ、でも、還付申告だけは済ませました。
これが終わると、ちょっと一段落の気分になることは確か。

…ってことで、またケーキを焼きました。
今回は、圧力鍋で蒸しすぎてしまった柔らか人参入り。
バナナ、ヨーグルト、シナモンも入れて。
さて、お茶にしましょうかね。

あ、先週末に引き込んだ風邪、峠は越えたようです。やれやれ。

14_0206

2014年2月 4日 (火)

クン・ウー・パイク ピアノ・リサイタル

クラシック倶楽部 
クン・ウー・パイク ピアノ・リサイタル
(2014年1月7日放送)

シューベルト
 即興曲D.899から第1番ハ短調
 3つのピアノ曲D.946から第3番ハ長調
 楽興の時D.780から第2番変イ長調
 3つのピアノ曲D.946から第2番変ホ長調
 即興曲D.899から第4番変イ長調
 楽興の時D.780から第6番変イ長調

(録音:2013年11月8日 トッパンホール)
*********************

上記6曲、
演奏者は一度も立ち上がることなく、
集中力を保ったまま、弾ききっていました。
45分ほどの時間をかけて。
録画鑑賞者としては、
濃密なるシューベルトの世界に浸り切ることのできた、
幸せな時間でした。

演奏者パイク氏、インタビューで

「私は韓国人、アジア人だから、感情は内に込めておきたい。
感情を外に表出できるようになるまでに、かなりの努力を要した」

といったことを述べていたのが、驚きでした。
韓国の方は、日本人よりずっとストレートに感情を表に出すものだ
と思っていたので。

氏は若い頃からシューベルトの歌曲が大好きで、
彼のピアノ曲も、長大なソナタよりは小品のほうが魅力的だ
と感じていたのだとか。
今回、”歌曲のリサイタルのような”ピアノ・リサイタルを
という目論見で、このようにプログラムを組んだのだそうです。
とっても素敵な音楽空間が生まれていました。

トッパンホール主催の
≪アジアの感性ー多彩な才能とその多様な可能性≫
という公演シリーズの5回目だったようですが、
他の出演者は、河村尚子、シュ・シャオメイ、ユジャ・ワン
とのこと。
いずれも生演奏を聴いて、私が衝撃を受けたピアニストたち。

ううむ。
今まで気づかなかったことが残念。。。生で聴いてみたかったなあ。
このシリーズ、これで終わりなのでしょうか。

2014年2月 3日 (月)

冬枯れの公園

冬枯れの公園
都立図書館へ行く途中、春めいた陽気の中ででパチリ。
気温は高いけれど、まだまだ冬枯れの様相です。

明日からまた真冬の寒さに戻るとか。
案の定、風邪をひいてしまった私、早く帰って休みます。

2014年2月 2日 (日)

上原彩子ピアノ・リサイタル2014

上原彩子ピアノ・リサイタル

2014年2月2日(日)午後2時開演 午後4時終演
@サントリーホール
ゲスト:遠藤真理(チェロ)

≪プログラム≫
ラフマニノフ
 「幻想的小品集」Op.3より第3番 ホ長調”メロディー”
 「サロン小品集」Op.10より第2番 イ長調”ワルツ”
 「幻想的小品集」Op.3より第1番 変ホ短調”エレジー”
 「幻想的小品集」Op.3より第4番 嬰ヘ短調”道化師”

バッハ/ラフマニノフ
 無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第3番 ホ長調BWV1006より
   プレリュード
   ガボット
   ジーグ

ラフマニノフ  コレルリの主題による変奏曲Op.42

ラフマニノフ/アール・ワイルド
 ここはすばらしい場所Op.21-7,
 春の悲しみOp.21-12

ラフマニノフ チェロ・ソナタ ト短調Op.19 (チェロ:遠藤真理)

(アンコール)
クライスラー/ラフマニノフ  愛の悲しみ (ピアノソロ)
ラフマニノフ 
  パガニーニの主題による狂詩曲 第18変奏(チェロ&ピアノ)

*************************

上原彩子さん、生演奏を初めて聴きましたが…
巨匠でございました。

ささやくような柔らかく甘い音から、
ピリリと引き締まった鋭い音まで、
繰り出す音色の幅の広さと言ったら!

ALLラフマニノフのプログラム、
まさに堪能。

自然体、かつ凛とした弾きっぷり。
お見事でした。
アンサンブルにも引き込まれ、感動しました。

(備忘録として)
サントリーホール、1階席前方、左側の座席は
音響もよく、ピアニストの腕づかい、体づかいがよく見えて
1階中央の席よりも満足できるように感じました。

2014年2月 1日 (土)

『まほろ駅前狂騒曲』

三浦しをん 『まほろ駅前狂騒曲』 文藝春秋 2013

『まほろ駅前多田便利軒』(2009)
『まほろ駅前番外地』(2012)
に続く、多田&行天、便利屋コンビの面白日常を描く作。

第1作は震災直後に読んだので、もう2年も前。
当時、ブックレビューを書かなかったのですが、
たいへん面白く読んだことは覚えています。
(細かな筋は忘却の彼方…汗)

今回は、行天の過去、暗い子供時代のことが
徐々に明らかになります。
HHFA(Home and Healthy Food Association)
という、野菜生産&販売会社とのかかわりの中で。

行天のことばが胸に残りました。

■入院中の曽根田のばあちゃんへ言い放ったことば。
「あの世なんてないよ」
「でも、俺はあんたのこと、なるべく覚えているようにする。あんたが死んじゃっても、俺が死ぬまで。それじゃだめ?」

■HHFAの活動にのめりこむ親のことで悩む少年へのことば。
「大事なのはさ、正気でいるってことだ。おかしいと思ったら引きずられず、期待しすぎず、常に自分の正気を疑うってことだ」
「正しいと感じることをする。でも、正しいと感じる自分が本当に正しいのか疑う」

そして、少年はその後、この行天の言葉を一生忘れないと
つぶやくのです。曽根田のばあちゃんへの言葉とリンクするように。

多田のほうはというと、彼の恋愛が大きく動き出すのですが、
……こちらにはあまり心動かされなかったかも。

楽しく読めましたが、わくわく感は第1作のほうが大きかったかな。
ま、読み手の精神状態が大きく作用しているのかもしれませんが。coldsweats01

« 2014年1月 | トップページ | 2014年3月 »