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2014年1月11日 (土)

『だから荒野』

桐野 夏生 『だから荒野』 毎日新聞社 2013

46歳の専業主婦・朋美。
自分の誕生日を祝おうと自ら予約したレストランで、

家族から自分がいかに見下されているかを実感した彼女は、
食事の最中に一人で席を立ち、
家族を乗せてきた車で出奔しようと決意。そして…
というお話です。

桐野夏生というと、
社会の暗部を鋭く切り取り、切迫感とスピード感に満ちた展開で読ませた「OUT」の印象が強く、
今回も、この冒頭からどのような展開が…と期待したのですが、
どうも予想とは異なる筆致、異なるムード。

まるで、ドタバタの入った軽いドラマが連続していくような、
「ほら、こんな展開になっちゃうのも面白いでしょ?」
という筆者のつぶやきが聞こえてくるような、
そんな筋の物語でした。

その場しのぎの対応がうまく、保身の術にたけた、自分勝手な夫。
気弱ながら空気を読み、要領よく生きる長男。
ネットゲームにはまり、「うざい」「死ね」としか言わない次男。

彼らと、朋美、姑、ご近所さんなどとの関わり方から
社会の縮図を見る、といった側面はありますが、
朋美の出奔道中で出会う人たちについては、
「ほんとに、こんな人が偶然現れたりするわけ?」
とツッコミたくなるような展開。
詐欺、原爆、痴呆症、介護問題なども織り込まれますが、
どれも必然性がいまひとつで消化不良の感が。
ま、面白い展開ではあるので、一気に読みはしましたが。

面白いといえば、料理下手な朋美が息子に作ったお弁当は、
「メシの上に薩摩揚げ二枚、どんと載せて」あったり、
「タコ焼きがおかずに入っていた」り、というのは、ウケました。

娯楽小説と割り切って読めば楽しいです。

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コメント

PIOさん、いつもよく本を読んでいますよね。
真似しなくちゃ。
ところでたこ焼き弁当、我が家ではよくやります。
冷凍タコ焼きは弁当の隙間を埋めるのに便利ですよ。
たこ焼きだけ詰めてやることもあります。冷たくても結構いける!

コミクッチさん

私、活字中毒みたいなものなので…sweat02
ほんとは、小説より専門書をもっと読むべきなんだけどね。sweat01

へええ。冷凍たこ焼きって、便利なんですね。
使ったことなかったですぅ。
小説でも「クラスメイトにからかわれた、ひどすぎる弁当例」として
「おかずがたこ焼き」が出てきてたくらいだから、
一般には、あんまり知られてないんじゃないかなあ。

「お弁当のすきま埋め」って必要ですものね。
以前、「冷凍大学芋」が便利だよ~って友人に言われたんだけど、
息子には不評でした。
「たこ焼き」なら、息子は大喜びしただろうな。

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