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2013年9月14日 (土)

『古書の来歴』

ジェラルディン・ブルックス『古書の来歴』(森嶋マリ訳)
ランダムハウスジャパン2010

『忘れられた花園』が面白かったので、
同じく翻訳ミステリー大賞を受賞したという本作を読んでみました。
これもまた、歴史の絡む壮大なストーリー。

1996年、戦火のサラエボで、思いがけなく見つかった、
長らく行方不明となっていたユダヤ教の古書ハガダー。

その修復を任されたハンナは、修復を終えた後、
古書のページに挟まっていた小さな痕跡…虫の羽、塩、白い毛…
また、ワインの染み、古書に残る留め金の痕跡、
といった手がかりの由来を、研究仲間や警察の力を借りつつ、
明らかにしていきます。

ハンナの行動を描く章のあとには、
その手がかりが古書に残るに至ったエピソードが。
目次に章のタイトルとともに記されるのは、下記のような記述。

1996年春サラエボ、1940年サラエボ、
1996年春ウィーン、1894年ウィーン、
1996年春ウィーン、1609年ヴェネチア、
1996年春ボストン、1492年スペイン、タラゴナ、
1996年春ロンドン、1480年セビリア、
1996年春サラエボ、
2002年エルサレム、2002年グヌメレン、オーストリア、アーネムラント

まさに、古書の来歴。
さらに、ハンナ自身の抱えるストレス、ジレンマも描かれ、
そのベールも徐々にはがされていくのですが、
それもまた、まさに「ハンナの来歴」と言えるストーリー。

偶然でしょうか、本作もまた、オーストラリアの著者によるもの。
主人公ハンナもオーストラリア人です。

私の友人のオーストラリア人も、
昨年、定年まで長い年月を残して退職したのですが、
それで、何をするの?という私の問いに
「ファミリー・ヒストリーを書く。
ヨーロッパに行って、自分のルーツを明らかにする。」
と答えていました。

『忘れられた花園』『古書の来歴』と続けて読んで、
友人の気持ちがちょっとわかったような気がしました。

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書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

面白そうですね。
読んでない本が溜まっているのに心を動かされます。

ひつじさん

はい、面白かったですよ。
読んでない本が溜まっているのは、私も同じです。^^;

面白そうな本を見つけると、とりあえず図書館に予約して、
届いた順に濫読してます。
この本は、今話題になっているわけではないので、すぐに届きました。^^

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