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2013年8月 7日 (水)

『工学部ヒラノ教授』

今野浩 『工学部ヒラノ教授』 新潮社 2011

題名から類推されるのは、筒井康隆『文学部唯野教授』。
本書は、それに対抗して工学部の実態を世に知らしめよう
とした本……ではありますが、様相はかなり異なります。

こちらは、喜劇性やドタバタ性は皆無。
大学名(「筑波大学」「東京工業大学」「中央大学」)、
そして大学の学長名なども、すべて実名で登場。
80年代後半からの、文科省による政策、いわゆる大学改革の波
(大学設置基準の大綱化、大学院重点化、大学独立法人化)が
いかなるものであり、
それが大学をどう襲い、大学教員がいかに戦い抜いたのか……
という軌跡が、克明に語られています。

印象に残ったのは、
エンジニア集団たる工学部集団と、
「エンジニアには窺い知ることのできない、文系エイリアン」
と称される、人文・社会学集団との確執や、
いわゆる「科研費」と呼ばれる、研究費獲得のためのノウハウ、
など。
私にとっては、身近でありながら、今ひとつベールの向こう…
といった感覚だったことが、ことごとく腑に落ちました。

私、文学部系を専攻した正真正銘の文系人間ですが、
「工学部の教え7ヶ条」の第1に挙げられる
「納期を守る」
は、守らずにはいられないタチだったりと、
どうも文系人間の中では、異質なのか…と感じることが多々。

今回、この本を読んで、
バリバリの理系エンジニアだった父親の影響が大きいのかも?
と、思い至ったりもしました。^^;

大学について知りたい人に、
理系と文系の、また、日本とアメリカの違いを考えてみたい人に、
おすすめです!

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