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2013年5月21日 (火)

『天地明察』

冲方 丁 『天地明察』 角川書店 2009

本屋大賞をとった作品、

冲方 丁(うぶかた とう)の名を広めた作品といえるでしょう。

先日読んだ『光圀伝』の中にも、この作品の主人公である
渋川春海が顔を出したりしていたことと、
家人にも勧められたりしたこともあって、読んでみました。

よかったです。

渋川春海の立ち位置、人柄が、まずもって魅力的。
碁打ちの家柄に生まれ、その才能にも恵まれながら、
碁以上に数学に惹かれ、夢中になり、
彼の才能を認める年長者たちによる引き立てを感謝しつつ、
真理を見つけたいと熱望し、
暦を正す、という作業に邁進していく。

何度も挫折を繰り返しながら、
その度に、彼に「頼むぞ」と告げては去っていった先人達の思いに
突き動かされるように、また励む。

40代になって、会心の暦を作り上げた際には
自分の名誉云々はまったく顧みず、
世の動きをしっかりと見つめ、どうすれば暦の採用に至るかを計算し、
それに向けて次々と布石を打っていく。。。

数学のことだけで頭がいっぱいになり、他のことには手が回らなかった
そんな若かりし頃とは、まったく異なる、一回りも二回りも大きくなった姿。
すごいなあ、と舌を巻きました。

今、amazonで、
冲方 丁氏自身が「執筆の動機」を語っている動画を見てきたら、
なんと、高校のときレポートの題材に選んだのが渋川春海だったのだとか。
……すごい高校生だったのですね。

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書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

囲碁の映画だと思っていたのですが、暦だったのですね
(NHK囲碁ジャーナルのMC きたろう さんが、碁打ちの役で登場していたとの事で)

暦は、天文方・陰陽方という役所もあるし、織田信長が、暦を変えようとして、
猛反発を受けた事もあります。

うちでは、高島暦をよく読んでいますが、エスカレートして

「**の○○が死んだのは、玄関を工事したからだ。 
今年は、あの場所(方角)は、触ってはいけなかったんだ」

と、親父が言ったのには、ハッキリ言って、閉口しました
(その人の家の事情もあるし、そんな事を溯上に上げる物ではない)

私も去年、読みました(映画は未見) 歴史には疎いもので、登場人物がどういう人かとか、幕府の仕組みとか、まったくわからず読みましたが、春海の清々しい成長物語として楽しめました。

友人から「数学とかに関係がある小説で・・・」と聞いていたので、理系の私としてはもっと数学数学した話を期待して読んだんですけどね(笑) 事前の予想とは違ったタイプの面白さの話でした。

うっかりして、コメント返信が遅れてしまいました。m(__)m

R.Ptarmiganさん

おお。さすが歴史にお詳しいことがよくわかるコメントですねえ。

暦を変えるということは、権力のありかたを変えるということ、
世の動きに物申すということであり、
世の中のお金の動きも大きく変えることになるのだ、
と気づいてからの渋川春海は、
それまでの「数学おたく」のような生き方から大きく舵を切ったように思います。

西洋でも東洋でも、
占いといえば天体が関わるというのは、考えてみれば不思議なものですね。


ネリノさん

私も映画は未見です。
エンジニアの方とすれば、「もっと数学数学した話を期待」ということになるでしょうね。
私は、数学数学したところは、結構すっ飛ばして読んだという気(け)があったかも。(^^;)
でも、春海の清々しい成長物語として読んだというのは、まさに同じです。
「おお、読んだぞ。よかったぞ。」という手応えのある本でした。

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