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2013年5月 3日 (金)

『光圀伝』

冲方 丁『光圀伝』角川書店 2012

ずっと友人に薦められていた、800ページに及ぶ本。
図書館に予約を入れて半年。
この連休に合わせるかのように順番が回ってきました。

壮大なスケールの、偉人一代記。
その合間に、光圀その人が記す回想記の断章が挟み込まれる、
ミステリーのような凝ったつくり。

この時代の「大義」「義」というものの重さ、
長子でなくして家を継ぐ運命を担った者の葛藤、
ぐぐっときました。

史実に沿った大きな物語でありながら、
上から見下ろすのではなく、
光圀その人の葛藤に寄り添い、書き進めていく物語は
推進力のある、読ませるものでした。

実の父、兄、
京から迎えた妻と、その侍女、
学問上の好敵手、
師と仰ぐ人、
将来を託して育て上げるべき若き人材。

光圀と深く関わるこういった人物も、
実に生き生きと描かれます。
読み手のほうも、光圀とともに嘆き、喜び、感動する
そんな胸に迫る場面がたくさん。

儒学や詩歌の説明もかなり書き込まれていて、
まさに本格派の香りがします。

骨太の、いい本を読みました。

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書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

水戸光圀は、嫡男でないにも関わらず、水戸徳川家の当主となったんですよね。

後年、光圀は、実子を兄のもとに、養子として差し出し、
兄の子を養子として迎え入れて、家督を継がせました。

武家社会は、男子が根本ですから、兄弟であっても、
養子縁組する事は珍しくなかったし、当主(兄)に子がなく、弟が後を継いだ場合、
兄嫁と夫婦になる事もありましたしthink

商家だと、女子の方が逆に強かったです
(跡取りは、婿を取れば済む事だし、
主人よりも、奥方や大番頭が、大きな力を持つ事も珍しくなかったです)

あと、武家の場合、次男坊以下は、いわゆる「部屋住み」という扱いになる為、
跡取りの居ない、他の武家の養子として、潜り込めればいいけど、
そうでない場合、兄の子供の代になっても、部屋住みのままという、
惨めな境遇に陥る事もあります

(藤沢周平だったかな? そういう人の事を、厄介叔父という言葉で表現しています)

徳川吉宗は、三男坊だったけど、長兄2人が相次いで、急死(暗殺説もある)した為、
紀州藩主 → 八代将軍となりました

R.Ptarmiganさま

おお。歴史にお詳しいんですねえ。
丁寧な解説、ありがとうございました。happy01

ちなみに、ラーメンを初めて食べたのが光圀だったとか。
すぐにラーメンネタにする私。(^.^)

ろうたん様

そうそう、ラーメンを食するシーンもこの本に出てきますよ。
光圀が自ら作ってふるまった「うどん」に対する返礼に、
朱 舜水が作った中国の食べ物として。

必要な材料が手に入らず、四苦八苦して数日かかり、
レンコンの粉などを使ったのだとか。
光圀、「美味い」といって感動し、名前を聞いたら
ラーミェン
と答えた、とありました。delicious

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