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2013年2月19日 (火)

『彗星物語』

宮本輝『彗星物語 上下』角川文庫1995

先日の『草原の椅子』がよかったので、
続けて宮本輝が読みたくなり、手に取りました。
総勢13人と1匹という大家族で暮らす、城田家の物語。

当主の事業失敗で経済的に傾いた、関西の旧家、城田家。
そんななか、
「この子は日本へ留学させなさい。私が責任を持って面倒を見る」
という、羽振りがよかったころの約束どおり、
ハンガリーから留学生ポラーニ・ボラージュがやってきたところから
物語は始まります。

旧ソ連に仕切られてしまう、旧東欧諸国の苦しみ・悲しみ、
自立、恩など、考え方の相違からくる日本vs欧州の摩擦、
……紋切り型ではない、ユニバーサルな問題点への切り込み方、
さすがです。

それ以外にも、離婚、少年期の非行、家族間の嫉妬や争い
などなど、
人間の醜さも描きつつ、全くいやらしさがありません。

祖父の福造、末っ子の恭太が、実にいい味を出しています。
そして、もちろん、ビーグル犬フックも。

留学生という、私にはとても身近な題材でもあり、
紆余曲折を経て、大団円に向かっていく最終章などは、
私は涙なしには読めませんでした。
(本当は泣くところじゃないのかもしれませんが、つい思い入れが…)
大感動。。。

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書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

こんばんは。また宮本輝作品を読まれたんですね! 彗星物語は私も好きな作品なんです。奥さんにも勧めたら、すごく気に入ったみたいでした。

宮本輝には国際的な視点を含む作品が多いですが、どれも上っ面の国際人ごっこではなくて、あくまで登場人物の心情を大切にした物語になっているところが好きです。

(P.S. 草原の椅子はまだ手をつけてません^^)

彗星物語、何度もドラマ化されるなど、評判だったようですね。
私は全く知りませんでした…。
ほんと、いい物語。

昨今ありがちな、
目まぐるしい展開、あっと驚くどんでん返しで読者の意表をつく…
といった小説とは対極にあって、
それでいて、読者をぐいぐい引き込んでいく、
ぐっと胸に残る表現が、あちこちに散りばめられている、

……さすがだあ、と思いました。

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