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2013年2月 9日 (土)

『ピアニストという蛮族がいる』

中村紘子『ピアニストという蛮族がいる』文藝春秋1992

またまた、古い本です。
20年前の出版ですね。
タイトルから、有名ピアニストの奇人変人ぶりなどを
面白おかしく書いたエッセイ集の類かと思ったのですが、
さにあらず。
「ピアノ音楽史」という大学の講義の種本になるのでは…
と思われるような深い内容です。

ホロヴィッツの奇行ぶりを取り上げつつ、
ロシアという国の歴史や、
ユダヤという人種、音楽家としての家柄の問題等が、
いかに彼の人生に影響を与えたかを描く。

明治は文明開化の時期に、
日本初のピアニスト、クラシック音楽の作曲家となるも、
女性であるがゆえに評価されなかった、幸田延(のぶ)、

明治末期から大正にかけて日本を代表するピアニスト
と言われるも、ウィーンで自殺した久野久、

いう二人の女性を取り上げ、
日本のピアノ教育がいかに始められたかを解き明かし、
その歴史を糾弾する。

オーストラリア、タスマニア島に生まれ、
洗練された文化とかけ離れた生育環境にありながら、
世界的ピアニストとなったアイリーン・ジョイスに光をあてる。

大変読み応えがありました。
個人的には、幸田露伴の妹で、幸田文の叔母にあたるという
幸田延に大変興味をひかれました。

下手をすると固くなりがちな内容を、
しっかりとした資料に基づきつつ、
(巻末の参考文献は3ページにもわたっています)
とても読みやすく軽妙にまとめる中村紘子氏、お見それいたしました!

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書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

この本、ずっと昔に読み、感動しました。
あまり上手なので、ご主人が書いたのでは、と噂されたほど。
中村紘子さんはの評論は、質が高く、評判がいいです。
(本業よりも。。。失礼ながら。。。、個人的意見です。お許しを)

ananさん

うふふ。
私もananさんと同じ感想を抱いております。coldsweats01

それにしても、ご主人の作品って、とんと目にしませんね。
たま~に、雑誌に小さいエッセイを発見する程度かなあ。

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