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2013年1月 7日 (月)

『十一代目團十郎と六代目歌右衛門』

中川右介
十一代目團十郎と六代目歌右衛門~悲劇の「神」と孤高の「女帝」~』
幻冬舎新書 2009

歌右衛門については、『坂東玉三郎』で「なるほど~」と思ったのですが、
ひきつづき、同じ作者の前作となるこの本も読んでみました。

言いたいことは、次のようにまとめられるかと。

■團十郎という”役者の象徴”を頂点とする、伝統的・宗教的システムを信じ、
ひたすら「完璧な舞台」を目指し、早世した者(團十郎)と、

■俳優協会会長、芸術院会員、文化勲章、といった「権威」づけを重視し、
芸の力と一体となった政治力を発揮し、上り詰めた者(歌右衛門)。

ほっほう~、と納得いたしました。

さて、今回の「なるほど~。知らなかった。」は、以下の2点。

1)昭和の團十郎は、その振る舞いから「傲慢」と評されたが、
現代の眼で見れば、
彼に「市川宗家のブランド」という確固たる意識があったということ。
その考えは正論である。(彼は市川家直系ではなく養子)

いわく、
市川家を無視して市川姓を名乗るのは混乱である。
新しいかたちづくりを考えるのもよし。
ただしその場合は市川姓を名乗る必要はない。

新しい演出での歌舞伎を上演するのもよし。
ただしその場合は市川家のものたる「歌舞伎十八番」という冠を
つける必要はない。

「私自身にしても、なにも野心あって市川家へ入り込んだわけではなく、
たまたまその立場におかれたわけで、
立場におかれた以上は、私に市川家の秩序を守る責任があるわけです」

2)「三島由紀夫ー歌右衛門」「大仏次郎ー海老蔵(のちの團十郎)」
という、作家と役者との強い結びつきが、新しい歌舞伎作品を生んだ。
ただし、その強い関係は長くは続かなかった。

歌舞伎役者と小説作家、という組み合わせで物事を見るということ自体、
私には目新しく思えた次第です。

いやあ、奥が深いですね。歌舞伎って!

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書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

私もこの本買って読まなきゃ!2日の演舞場観劇、近いうちブログに書きますが、
26日(土)にまたぴあの発表会で、必死の練習中。少々お待ちを!

anan

まあ。発表会を控えていらっしゃったとは!
それは練習に邁進の日々でしょうね。納得のいく演奏になりますように。
演舞場のレビュー、気長に、楽しみに、お待ちしていますね~。happy01

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