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2012年12月18日 (火)

『坂東玉三郎』

中川右介『坂東玉三郎 歌舞伎座立女形への道』幻冬舎新書2010

勘三郎さんの訃報に接し、歌舞伎界のことが読んでみたくなって、
手にとった本です。

文献を駆使しての情報ぎっしり、
なるほど~腑に落ちた!の納得たっぷり。
最近、いわゆる新書の中身がどんどん薄~くなっていく傾向にある中、
あっぱれ!な本だと思います。

80年代の一時期、「坂東玉三郎&片岡孝夫」を観ていた私、
当時、「あれ~?どうしてかな?」「変だなあ?」
と感じていた疑問が、いろいろ氷解いたしました。

あの、すごい高齢まで舞台に立っていた中村歌右衛門って
歌舞伎界、演劇界を牛耳る「女帝」だったのですね。
一部、引用してみますと

歌右衛門批判は劇界ではタブーである。(中略)女帝を褒めつつ、玉三郎を褒め、しかし玉三郎の未熟さを指摘するのを忘れない――これが劇評の「正しい書き方」だ。(p176)

なるほど~。勲章を授与され、さまざまな役職に就き、「天の声」となる、
そんな人だったんですね。
10代の少女を演じる老齢男性、うわ不気味~といった認識だった私…(恥)

さて、玉三郎はこの歌右衛門の跡を継ぐ「立女形(たておやま)」
となるわけですが、
それがいかに奇跡的なことだったかが、縷縷と解説されていきます。
また、
玉三郎の現在の立ち位置が、未だかつてない形であると同時に、
彼の養父である守田勘弥の家の流れに沿う、伝統再興でもある、
ということも。

著者の中川右介氏、クラシック音楽の本もいろいろものされていますが、
私が読んだ中では、この本の密度が一番濃かったかと。

歌舞伎に興味のある方、一読をおすすめいたします。

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コメント

PIOさん、私も読みましたよー。
私が感じていた歌右衛門を、ぴったり表現してくれました。
それにしても、勘三郎の追悼番組を見るたびに、
惜しい人をなくしたと、また涙ぐんでいます。

ananさん

何を隠そう、私、ananさんのブログでこの本のことを知り、
それで読んだのですよ。
いい本をご紹介くださって、ありがとうございました~。

無念の思い、だれしもでしょう。
勘三郎さん、もっともっとそのお姿を見たかったです。

歌舞伎のこと、また、いろいろと教えて下さいませ。
よろしくお願いします。

え!私ブログに書きましたっけ!?
教えるなんてとんでもない。私は歌舞伎うんちくは苦手で、
その時々に観たものの感想を、素直に書くだけです。
勘弥も私の大好きな役者でした。品が良かったです。
本の内容、忘れてることもあると思うので、もう一度読んでみたいけど、
はて、どこにしまったかしら?

ananさん

ご返事遅れてすみません。
ええ。確かにこの本の推薦、されてましたよ!
ありがとうございました~。

勘弥は、私、見たことはないんです。
ただ、歌舞伎のプログラム解説などで、よく名前としては見ていて
どんな方なんだろうな~と思っていました。
坂東玉三郎の養父、後見役の方だったんですねえ。

歌舞伎界の方々の血縁図を見ると、
実子、養子、婚姻関係が入り組んでいて、複雑そのもの…。
亡くなった勘三郎さんの奥様の好江さんは、中村芝翫の娘さんで
この二人の結婚で、歌舞伎界の皆様ほとんど全員が親戚になった
ということだそうですね。

勘三郎さん、いろいろな意味で「人をつなぐ」役割の方だったんだなあ
と思います。

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