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2012年10月 1日 (月)

『横道世之介』

吉田修一 『横道世之介』 毎日新聞社 2009

80年代の大学生を描く青春小説と聞いて、「軽く読めそう」と手に取りました。
大学入学から卒業までを、ゆる~く描いていくのかと思いきや、さにあらず。

描かれる「青春」は、大学入学からの濃い1年。
その合間に、ストーリー中の人物の数十年後がはさみこまれます。

地方から東京に出て初めて一人暮らしをする、私大生。
日々を生きる中で、気づかないうちに、自然に変化していく若者の姿。
ちょっとした偶然で、とっても濃い人間関係を結ぶことになったり、
周囲の思い込みから、思わぬ方向に物事が転がったり。

そんなことの積み重ねが人生を造り、
数十年後の自らの姿につながっていくんだな~と、しみじみ感じます。

超・お嬢様の祥子ちゃんとの初々しいお付き合いの様子が、とっても微笑ましくて、
その彼女が、後に選び取った人生に、世之介がどれほど影響を及ぼしているかを知ると、
また感慨深くて。

どこにでも居そうな、人のいい世之介、ちょっとちゃんらんぽらんで、愛すべき世之介。
そんな世之介の行く末には、はっとさせられます。

「バブルだな~」という時代背景もまた、私にとっては懐かしく、
とても強い印象を残した本でした。

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