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2012年7月21日 (土)

『楽園のカンヴァス』

原田マハ 『楽園のカンヴァス』 新潮社 2012

『キネマの神様』(→)で知った原田マハが、この作品で山本周五郎賞を受賞した
と知って、読んでみました。

MoMA(ニューヨーク近代美術館)勤務経験もあるキュレーターだった
という、筆者の経歴を生かした、美術ミステリーです。

MoMAが所蔵するアンリ・ルソーの名作「夢」と酷似した作品「夢を見た」を秘蔵する大富豪。
彼が、その作品の真贋を見極めるという使命を託した二人の学者、織江とティム。
使命を果たすべく、火花を散らす二人の一騎打ちを描く物語。

?「夢を見た」はルソーの作か?
?読むように指示された「物語」はだれの作か?何のために書かれたものか?
?多くの美術品を大量に所持する大富豪の正体とは?
?高額の美術品取引をねらって周辺をうろつく人々との駆け引きの行方は?
?織江とティム、どちらが勝利するのか?

といった、多くの疑問が、最後近くになって一気に解き明かされていきます。
このあたり、見事です。

ただ、織江と言う人物が、
容姿端麗、頭脳明晰、申し分のない出自、父の死による不遇、報われない恋愛……
という、ある意味あまりに陳腐な、ステレオタイプ的ヒロインとして描かれているのが、
ちょっと鼻白む感じがしました。

美術の世界を覗きつつ、ミステリーが楽しめるという意味では、よくできた物語です。
美術館に足を運びたくなりました。

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