無料ブログはココログ

PIOの新ブログ

« オウム世代 | トップページ | 尾崎有飛@紀尾井ホール »

2012年6月 6日 (水)

『女流阿呆列車』

酒井順子 『女流阿呆列車』 新潮社 2009

文庫本の広告で、この書名を発見。
大学学部の授業で、内田百閒の『阿呆列車』シリーズが話題になったのを思い出し、
妙に懐かしくなって借りてみました。

筆者の酒井順子氏は、言わずと知れた『負け犬の遠吠え』の著者。
あっけらかんと、読みやすい文体でもって、結構「読ませて」しまう方。
今回も、その筆力を再認識しました。

だって、
「東京の地下鉄を1日で乗り倒す」とか、
「普通列車だけを乗り継いで、できるだけ遠くに行く」とか、
言ってしまえば、ごくごく単純かつ単調なルートをたどるだけ、なわけです。
それも、
企画立案にはまったく関わらず、出てきた原案どおりに動くだけ、というもの。

「このルートの立案は、こういう意味で画期的なもので…」とか、
「このルートは、以前の○○氏のものをこういう意図で改変したもので…」
云々、といったことは、そもそも書けない。
地方の歴史や、景観のウンチクなども皆無。

書いてあるのは、○時○分、○○の電車に乗って…
どこそこで、だれそれ氏が応援に現れて、差し入れを持ってきてくれて…
こういう具合で、寝てしまって…
といった話ばかり。

道中の情景描写よりも、著者が「眠気と戦う」話が多いです。
それでも、なんだかんだと、おもしろく読めてしまうのですから、不思議なもの。

私自身、最近の読書は、もっぱら「遠距離通勤の電車の中」。
「鉄子」の気は全くないものの、共感できる内容が多々あり、楽しく読んでしまいました。

« オウム世代 | トップページ | 尾崎有飛@紀尾井ホール »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« オウム世代 | トップページ | 尾崎有飛@紀尾井ホール »