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2012年6月18日 (月)

『おまえさん』

宮部みゆき 『おまえさん』(上・下) 講談社文庫 2011

宮部みゆきの本は、かなり読んでいますが、
歴史物は、今までずっと敬遠してきていまして、
最近になって、初めて手に取ってみたところ……はまりました!

4月ごろから読みはじめ、図書館の予約の順番が来るのを待っては読み続けて、
本日、最終巻を読み終えました。

実は、これ、シリーズの作品。

『ぼんくら』:ぼんくらな同心”平四郎”と、長屋の人々をめぐるお話。短編が絡み合う構成
『日暮らし』:平四郎の甥、美少年の弓之助が加わっての、本格的「なぞ解き」の長編
『おまえさん』:弓之助の兄や平四郎の新同僚ら、新メンバーも巻き込んだ大河的長編

と続きます。
ストーリーは省きますが、とにかく江戸の世の生き生きとした人物像が光ります。
さすがの書き手!と感嘆致しました。

こうした時代ものだからこそ生きる表現もありますね。
おもしろい表現をちょっと挙げてみるだけでも、

・護身術の修行が屁の突っ張りにもならなかった
・子供ながらに大したおつむりの持ち主
・呆れ返るの風が吹き抜ける

といった具合。
その他、ごくごくあたりまえの表現だけれど、さすがの言い回し…というものには、

・思ったのではなく、わかったのだ。腑に落ちて、心が落ち着いたのだ。
・笑っても笑っても愉快で、腹の底からあったかい

などなど。
わたくし、「おつむり」という表現が気に入りました。
「あたま」というよりも、なんとも人間臭くて、あったかい感じがしますよねえ。

「恋はおつむりでするものではございませんから」
という、平四郎の奥方のひとことなど、ほほう、と思うばかり。


また、本のタイトルのつけ方にもセンスがあるなあ……と思います。
おすすめです。

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