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2012年6月

2012年6月30日 (土)

自衛隊の吹奏楽

航空自衛隊 航空中央音楽隊
第51回定期演奏会

2012年6月29日(金)午後7時開演 午後8時50分終演

@すみだトリフォニーホール

プログラム

第1部 〈指揮:副隊長 3等空佐 中村芳史〉

1.行進曲「希望の空」    2等空曹  和田信(航空中央音楽隊)

2.吹奏楽のための俗祭   和田薫
   (「バンド維新2012」より)

3.サクソフォーン協奏曲   アンリ・トマジ/仲田守
 第1楽章 アンダンテ―アレグロ
 第2楽章 フィナーレ(ジラシオン)

第2部 〈客演指揮者:井上道義〉

4.交響曲        矢代秋雄/天野正道
 第1楽章 プレリュード:アダージョ
 第2楽章 スケルツォ:ヴィヴァーチェ
 第3楽章 レント
 第4楽章 アダージョ

アンコール
  航空自衛隊公式行進曲 「空の精鋭」

********************************

吹奏楽の生コンサートって、初めてだったかもしれません。
音の響き、広がり、厚み、……
オーケストラとの違いなど、いろいろ発見があり、大変楽しく聴きました。

1曲目、自衛隊員の作曲によるもので(ご自身がこの日のステージでトランペット担当)、
2012年度全日本吹奏楽コンクール課題曲に選ばれた曲とのこと。
「ブラスバンドといえば、…」という曲の典型のような、王道を行く堂々たる曲でした。
コンクール課題曲というと、現代曲の難解さを込めた……というイメージがあったので
ちょっと意外でしたが、
プログラムノートにあった作曲者コメントによると、
「6/8拍子のマーチが課題曲に選ばれるのは15年ぶり」とのことです。

第1部は、「吹奏楽、ここにあり」といった趣。
「式典曲」につながる「折り目正しさ」も含めて。

第2部は、「オーケストラの世界をも表現してしまう、その奥深さを堪能あれ」
といったところでしょうか。
指揮の井上道義氏、さすがでした!
別次元へ誘っていただいた、という感じです。

アンコール前の洒脱なスピーチ、アンコールでのお茶目な指揮ぶりも、あっぱれ!
アンコール、手の内に入っている曲というのがいいですねえ。おみごとでした。

また、会場がまさに「超満員」であるのには、ほんとにびっくり!
開演10分前に入ったところ、もう席がないかと思われる状況でした。
それも、老若男女、ありとあらゆる人々で……というのはめったに見られないのでは?
恐るべし、航空中央音楽隊。


2012年6月29日 (金)

ネットで育てる庭、そして木

インターポットの庭にいるのは、私のアバター、そして、がーがーちゃん。
このがーがーちゃん、時々庭に現れては、このように植物を食べてしまいます。
前回の写真(→)に比べて植物が減っているのは、このためです。
前回とは季節が異なる設定なので(今は秋)、花の様子が違っていたりしますが。

……というような仕組みを理解したのは、つい最近。
アバターを庭に出してみたらガーガーちゃん登場……で、撮影したら、こんな瞬間をキャッチ。

庭の真ん中にあるのが、実を収穫できる木で、
今日で樹齢17日、総収穫量15個。

そうそう、木といえば、
4月から始めたgremzの木(←PC版・左の列、下の方のブログパーツ)、
1本目が大人の木に成長したようで、

「今回育てて頂いた樹に相当する植樹はNGOの準備が整い次第実行されますので
現在は『植林スタンバイ』の状態となります。」

という通知が届きました。
gremzの木は、ブログの閲覧数に応じて成長するそうで、
思ったより速く成長したこの木、訪れてくださっている皆様のおかげです。
ありがとうございます。

わずかではあっても、現実世界の植林のお役に立てると思うと嬉しいです。

2012年6月28日 (木)

福井大地震

本日6月28日、福井大地震が発生した日です。
戦後の復興期、1948年の16時過ぎ。

wikiによると、

最大震度6、M7.1。
日本の災害史上最悪クラスの震災。
現在でも東日本大震災、阪神・淡路大震災に次ぐ戦後3番目の規模の震災にあた
り、
「死者のほとんどが、当時あわせて人口20万余りにすぎなかった福井市・坂井郡(現坂井市)に集中しており、その被害率(死者は人口の1%超)は甚大なものであった。」

とあります。
その被害の割には全国的な認知度は低いのでは?

実は、私の両親がこの地震を体験していて、
最近になって初めて、その詳しい様子を聞きました。
野球から戻って一人で自宅にいた父は、潰れた二階の下敷きになり、数時間後に奇跡的に助け出されたのだそうです。

当時の大学生による救援活動の記録なども残っているようですが、
父の場合は、滋賀県から徒歩で救援に来てくれた親戚に救われた、と。

64年前。
お城、駅、百貨店が倒壊し、
GHQが給水活動をし、
警察無線で被害連絡を行ったのだとか。

遠くて、そして、近くもある過去、です。

アバターのお出かけ

昨日、記事にしたインターポットとあわせて、わたくしPIOのアバターも作ってみました。
せっかくなので、このブログにも貼りつけて、
ときどき、勝手なことをつぶやいています。

ネット上の「まち」に出て遊んでみると、「ガチャ」をひく権利がもらえます。
夏祭り会場の「ガチャ」で、金魚のTシャツ、金魚のウチワ、金魚の背景が当たりました。
……着せ替え人形で遊んだ、幼稚園のころ(?)を思い出しつつ、楽しんでます。

これもゲームの一種??
……とすれば、わたくしもネットゲーム・デビューです。

下は、まちの「夏祭り会場」で撮った写真。
カメラの扱いがまだよくわからず、イマイチのアングルになってしまいましたが。

2012.6.28に撮影した【pio】さんの【夏祭り会場】での写真です。

2012年6月27日 (水)

インターポット

職場の同僚のすすめで、ココログの「インターポット」というのを始めました。
ネット上にお庭を作る、というものです。
現在のところは、上の画像のような状況……開始後、16日目です。

現世では、植物という植物をすぐに枯らせてしまうという、情けない私ですが、
はてさて、ネット上では、どうなるでしょうか。

2012年6月26日 (火)

『あかんべえ』

宮部みゆき 『あかんべえ』(上・下) 新潮文庫 2007

宮部みゆきの時代もの初期の作、ということで、前回読んだ本(→)から、さかのぼって読んでみました。

舞台設定としては、「料理屋」「差配人」あたりが共通します。
人々が集まる場所、現代人にとってもイメージを抱きやすい「料理屋」、
そして、江戸の住人たちを取り仕切る、頼りにされる「差配人」のいる集合住宅。

こういう舞台で生き生きと活動する人間像(幽霊像)が、まあ、見事です。
私、幽霊などのオカルトっぽいものが苦手なのですが、
この「あかんべえ」は、大丈夫でした。

なぜ幽霊になってしまったのか自分でも理解できていないハンサムな若侍、
あだっぽい美女、あかんべえをしてくる女の子、揉み治療の得意な按摩、おどろ髪の男。
この5人の幽霊が、ほんと、目の前にいるかのように思われます。

人間界でも、幽霊が全員見えてしまうという主人公の女の子、りんをめぐって、
大人たちの秘密めいた人間関係が、徐々に明かされていきます。

「幽霊譚」のストーリーというよりも、描かれる人間像を楽しみました。

バラノフと成田達輝くん

数日前の記事(→)の、バラノフの演奏を聴きました。
さすがだと思いました。

当然ながら、成田達輝くんの演奏とは、違う個性でした。
なんといいますか、
こちらに向かって、ぐいぐい押してくる感じ。
オーケストラを従えて、ここにソリストあり!という雰囲気です。

仕事しながらの「ながら視聴」で聴いたのですが、
なにしろ、ヴァイオリンの音量がたっぷりしていて貫録がありました。
日本の財団から貸与されているというヴァイオリン(→)の特性もあるのでしょうか。

エリザベート王妃国際コンクールでの優勝者には、
1708年製ヴァイオリン「ハギンス」 Huggins
が貸与されるそうですので、その楽器を使っての演奏にも期待できそうです。

アンコールは、
イザイのヴァイオリン・ソナタからバラード、という本格的なものでした。

聞き手の心の琴線を震わせてしまう成田くんと、
聞き手を圧倒する存在感のバラノフ、
とでもいいますか。
ここまでくると、
どちらがいい、というよりも、やはり好みの問題なのでしょうねえ。

解説のフランスが聞き取れないのが、残念でしたが、
バラノフの演奏後も、「タツキ・ナリタ」「パガニーニ」などの単語は出てきていました。

2012年6月25日 (月)

校歌

昨日の同窓会にまつわる話。

アトラクションとして、
母校に在学中の現役高校生合唱部14名が、
新幹線で上京し、歌声を披露してくれました。

その冒頭で歌われた、アカペラでの校歌には仰天、感動。

我々の在学中には合唱部は存在せず、
応援団の荒々しい先導により、蛮声張り上げて歌うのが恒例だっただけに、美しいハーモニーによる校歌はカルチャーショックで、呆然、恍惚となりました。

一方、宴会の締めでは、
同窓生の応援団長以下、応援団員4名が登場し、在学中さながらの蛮声による校歌熱唱も。
これはこれで、また感動的でした。

音楽の力って、凄いです。

あ、歌詞もまた、凄いんですけどね。
「国家のために明け暮れ学ぶ」とか。
創立140年になりなんとする旧制中学以来の伝統校ならでは…

2012年6月24日 (日)

高校同窓会

高校同窓会
東京支部の同窓会、
幹事学年となった今年、なんと同期30名が一堂に会しました。
4月末時点で集まったのは10名でしたから(→)、
その後の、手分けしての探偵もどき大捜索活動が功を奏した格好です。
全体では220名の出席という盛況ぶりでした。

写真は、同期の二次会会場となった、ホテル36階からの風景。

みんな、それぞれに社会的地位を得ていたり、子育てが一段落していたり、
という時期ですが、久々の再会、高校時代のエピソードを語り合ううちに、
表情が17歳の頃に戻ってしまうようでした。
1学年460人のマンモス校で、在学中は話したこともなかった人もいたのですが、
今日という時間、空間をともにして、すっかり仲間になってしまったような。

もっとも受けた回想エピソード。

先生「孔子、荘子、はい、それから?」
生徒「素粒子!

2012年6月23日 (土)

エリザベートコン:ガラコンサート

昨日の記事に対するコメントで、 I Love Brusselsさんからお寄せいただいた情報により、
エリザベート王妃国際コンクールのガラコンサートをネット視聴しました。(→

協演は、Brussels Philarmonic  指揮 Michel Tabachnik
演奏曲目は次のとおり。

シン・ヒョンス ブルッフ作曲 ヴァイオリン協奏曲第1番 ト短調 Op.26

成田達輝 メンデルスゾーン作曲 ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 Op.64
           ~アンコール~  パガニーニ作曲  カプリース No.1 
                       日本歌曲  浜辺の歌

アンドレイ・バラノフ  チャイコフスキー作曲 ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.35 

********************************************************

シンヒョンス、彼女のよく響く力強い音色にあう選曲だなあ、と思いました。
本選よりリラックスした表情で、のびのび弾いていました。
ブルッフの協奏曲、しっかり聴いたのは初めてですが、包み込まれるようないい曲ですね。

成田達輝くんのメンデルスゾーン(ストリームの36分頃から)、華麗でした。
特に第3楽章には、しびれました。
案の定、会場は大盛り上がりで、2度のアンコール。そしてスタンディングオベーション。

アンコール(1時間7分頃から)
パガニーニのカプリース、まさに魔術師のような技巧的演奏、みごとな軽やかさで、「パガニーニの再来」とも騒がれているという彼の特徴を遺憾なく発揮!といったところだったでしょう。
アンコールでは、曲目をフランス語で自ら発言していたのですが、2度目の発言
「シャンソン・ジャポネース……浜辺の歌」には、ちょっと会場がどよめきました。
その演奏……涙が出そうになりました。

バラノフのチャイコフスキーは、時間がなくて今日はギブアップ。
時間が許せば、また後日ということで。

2012年6月22日 (金)

ハイドンのチェロ協奏曲

先週の「らららクラシック」、今ごろになって録画で見ました。
以前、BS朝日でも放映されていた、小澤征爾と宮田大の競演(→)が取り上げられていたのですね。

BS朝日の放映では、公演そのものの「撮影が許可されなかった」ということで、
本公演での演奏は、舞台袖・出入り口の覗き穴という微妙なアングルから、
少し紹介されただけだったのですが……

なるほど! NHKが放映権を勝ち取っていた!ということだったのですね。納得。

「本公演こそ聴きたいのに、なぜこれっぽっち……」と残念に思っていただけに、
今回、しっかり聴くことができてうれしかったです。

いいですねえ。
ハイドンのチェロ協奏曲。。。ハイドンに惚れなおしました。
宮田くんのは第1番でしたが(1961年に発見、初演は1962年だなんて、びっくり!)
そういえば、去年の日本音コン(→)での第2番もよかったです。

調べてみたら、この2曲だけなんですね。
今、聴くことのできる、ハイドンのチェロ協奏曲って。
しばらく、はまってしまいそうな予感。。。

朝五時の雨空

朝五時の雨空
大きな雨音、雨に煙る川。

2012年6月20日 (水)

つぶジャムでケーキ

12_0620_31か月ぶりくらいに、ケーキを焼きました。
メープルシロップの「つぶジャム」、それから
バナナ、胡桃入り。

「つぶジャム」というのは
写真手前のビニール袋に入っているものです。
パンに入れたらいいかな、と思って買ったのですが、
ケーキやマフィンに入れたほうが美味しいみたい。
安くて手軽にメープルシロップ味が楽しめます。
他にもストロベリー、ブルーベリー等ありましたが、
香料がきついような気がして、これにしました。

こういう手軽なバターケーキなら、
スケールを使わなくても目分量で焼けるようになってきました♪

台風一過

台風一過
通勤途中の駅ホームから。

2012年6月19日 (火)

河村尚子&N響&ノリントン

特選 オーケストラ・ライブ N響コンサート - 第1726回定期公演 -

【出演】
ピアノ…河村尚子,
管弦楽…NHK交響楽団,
指揮…ロジャー・ノリントン
~東京・サントリーホールで収録~(2012年4月25日)

【曲目】
序曲「コリオラン」作品62(ベートーベン)
ピアノ協奏曲第4番ト長調作品58(ベートーベン)
交響曲第2番二長調作品73(ブラームス)

********************************

河村尚子さんのベートーヴェン・コンチェルトが聴ける!
というので、録画しておいたものを見ました。

指揮のノリントン氏、古楽の流れを汲む演奏で著名な方だそうですが、
冒頭のインタビューで、
ビブラートを使わない「ピュア・トーン」でのオーケストラと協演することについて
問われた河村さん、

「明確な音が聞こえるので、合わせやすい」
「今までと異なる、今日だけの音作りができる。協演とは、そういうもの」

といったコメントをされていました。

さて、その演奏。
「オーケストラと一体になる」「ともに音を作る」というのは、こういうことか!
と思いました。
オケとソリストが掛け合う、とか、お互いに押したり引いたりする、という次元ではなく、
ともに音楽の流れにのって楽しんでいる、という風情に見えました。

彼女の音楽は、一つの壁を超えて次の次元に到達している気がします。
素晴らしいテクニックも、それだけが目立つのではなく、溶け込んでいるという感じ。

改めて、すごい人だと思いました。

******************************

そして、とっても気さくな方なんですね。。。
ピアノを始めたきっかけについて問われたときは、

「3人兄妹の末っ子として、兄のレッスンにくっついて行ったのが初め。隣家がピアノの先生宅だったので、フェンスを越えてよく遊びに行っていた。”音あてゲーム”が、とっても楽しかった」

といったことを、ほんとうに楽しそうに語っていました。
楽しむ、これが大事なんだなあ……

2012年6月18日 (月)

『おまえさん』

宮部みゆき 『おまえさん』(上・下) 講談社文庫 2011

宮部みゆきの本は、かなり読んでいますが、
歴史物は、今までずっと敬遠してきていまして、
最近になって、初めて手に取ってみたところ……はまりました!

4月ごろから読みはじめ、図書館の予約の順番が来るのを待っては読み続けて、
本日、最終巻を読み終えました。

実は、これ、シリーズの作品。

『ぼんくら』:ぼんくらな同心”平四郎”と、長屋の人々をめぐるお話。短編が絡み合う構成
『日暮らし』:平四郎の甥、美少年の弓之助が加わっての、本格的「なぞ解き」の長編
『おまえさん』:弓之助の兄や平四郎の新同僚ら、新メンバーも巻き込んだ大河的長編

と続きます。
ストーリーは省きますが、とにかく江戸の世の生き生きとした人物像が光ります。
さすがの書き手!と感嘆致しました。

こうした時代ものだからこそ生きる表現もありますね。
おもしろい表現をちょっと挙げてみるだけでも、

・護身術の修行が屁の突っ張りにもならなかった
・子供ながらに大したおつむりの持ち主
・呆れ返るの風が吹き抜ける

といった具合。
その他、ごくごくあたりまえの表現だけれど、さすがの言い回し…というものには、

・思ったのではなく、わかったのだ。腑に落ちて、心が落ち着いたのだ。
・笑っても笑っても愉快で、腹の底からあったかい

などなど。
わたくし、「おつむり」という表現が気に入りました。
「あたま」というよりも、なんとも人間臭くて、あったかい感じがしますよねえ。

「恋はおつむりでするものではございませんから」
という、平四郎の奥方のひとことなど、ほほう、と思うばかり。


また、本のタイトルのつけ方にもセンスがあるなあ……と思います。
おすすめです。

2012年6月17日 (日)

『人質の朗読会』

小川洋子 『人質の朗読会』 中央公論新社 2011

新聞で、だったか、小川洋子、初のミステリー本、といった論調での紹介文に触れ、
興味を持って手に取ってみました。
この「ミステリー本」というのは、私の勘違いだったかと思われます。

異国の僻地で人質として監禁されてしまった日本人たちが、自分についての手記を書き、それを朗読する。
……この状況は、いかにもミステリーじみていますけれども、
「さあ、この監禁事件はどうなる? 人質たちの運命は?」というなぞ解きは皆無。

なにしろ、この本のごく最初の箇所で、
「人質は犯人の仕掛けたダイナマイトの爆発により八人全員が死亡した。」
とはっきり書かれているのですから。
その後、犯人グループの動きを探る盗聴テープが公開、ラジオ放送される、という筋書き。

わたくし、初めは「手記のなかに、なにか事件の鍵が隠されているのかも」
などと思って読み始めたのですが、これは明らかに見当違いでした。そうではなく、

「極限状態で、それでも、自分の話をじっくり聴いてくれる仲間のいる状況で、
それまでの人生を振り返るとき、どんなストーリーが語られるか」

「この僻地への旅行を選んだという、その人自身の人生(職業、立場)と、
その人が語るストーリーとは、どのような関わりを持つのか」

といったことについて、読み手側が、しみじみ考えさせられてしまう……といった構図かと。
9人(人質8人と、人質とともに死亡した現地の特殊部隊通信人1人)によって、それぞれの体験談のエピソードが、淡々と語られていくのですが、
このエピソードの選びとられ方、語られ方、小川洋子ワールド全開です。

それぞれの朗読についてタイトルがついています。ちょっと紹介してみますと、

「やまびこビスケット」
(調理師専門製菓コース教授・61歳 女性/研修旅行のオプショナルツアーで参加)

高校卒業後の就職先、ビスケット工場で「ベルトコンベヤーを流れてくるビスケットから、不良品のアルファベットを取り除く」仕事を任されていたときのエピソード。その不良品ビスケットを仲介として芽生えた、整理整頓に固執する嫌われ者の大家さんとの交流。

「冬眠中のヤマネ」
(医科大学眼科学教室講師・34歳・男性/国際学会出席の帰路)

私立中学在学中の通学路で出会った、手作りのぬいぐるみを売る片目の老人とのエピソード。偶然、老人とともにイベントに参加する羽目に陥り…。

「ハキリアリ」
(政府軍兵士・22歳・男性/Y・H氏の通訳により放送)

(手記の内容は伏せておきます…)

******************************

読後感、ただもう、しみじみ。


2012年6月16日 (土)

吉田秀和さん

5月22日に亡くなった音楽評論家・吉田秀和氏の追悼番組、
録画してあったものを見ました。
2007年に放送されたETV特集の再放送をメインとする構成でした。

吉田秀和氏というと、
とても格調高い筆致による評論で、小林秀雄っぽいというか、
ちょっと敷居が高すぎて‥‥といったイメージを私は抱いていました。

しかし、この番組を見て思ったのは、
自然体で、仲間とともに行動する人だったんだなあ‥‥「孤高の知識人」ではなく‥‥
ということ。

「子供のための音楽教室」の立ち上げ、運営にも携われていたということは、
斎藤秀雄の伝記などを読んで知っていたはずなのですが(→)、
私の中での吉田秀和像と、うまくつながっていませんでした。
が、この番組を見て納得。
小澤征爾氏をして、斎藤秀雄先生と並べて
「私にとって死ぬまで怖い先生」と言わせるほどの存在だったのですね。

また、水戸芸術館の館長でもあり、水戸室内管弦楽団の設立者でもあったこと、
失念しておりました。
小澤征爾氏が体調不良で指揮を取りやめられた際、
吉田氏ご本人が芸術館の客席から立ち上がり、聴衆に向かって語りかけられた様子に、
じんときました。

ご自宅では、
畳敷きの和室に置かれた、シンプルなオーディオで音楽を聴かれていたとか。
立派なオーディオセット、スピーカーなどは必要ない、と断言されていました。

音楽に限らず、美術、相撲についての評論もされていますが、
NHKの相撲解説が、
「ここで勝負が決まったという、肝となる一点」を捉えていることに感嘆され、
相撲を見ながら叙述する練習をされたりしたとか。

亡くなられた奥様、バーバラさんのことを素直に語られている姿も素敵でした。
お年を召されるほど、いい表情になっていかれたような。

亡くなられる当日も、NHK・FM「名曲のたのしみ」の打ち合わせをされていたそうです。
まさに、生涯現役でいらしたのですね。
98歳、みごとなる人生に瞑目。


2012年6月15日 (金)

この1週間

■土曜
昼間:古いPC譲り受けに妹宅へ。
夜: 4年数か月に及ぶ海外単身赴任を終えて、夫が帰国(帰任)。
深夜:譲り受けたPCセッティングに奮闘。

■日曜:ご近所ピアノの会に参加。
   帰宅19:00過ぎ。超特急で夕食準備。

■月曜~金曜
平常の業務以外に、テスト問題の作成&採点、作文添削、
といった、エクストラ業務満載の週に。
……疲れた……

**************************

ううう。
親子二人暮らしから、夫を交えた三人共同生活再開へ
……という生活のリズム変化についていけてません。
夜はなかなか寝付けず、朝はやたら早く目覚めます。
今週の平均睡眠時間、4時間ぐらいかも。

なんとか立て直したいのですが、
今朝になって、夫が赴任地から送った段ボール箱の数が、
数十箱に及ぶという衝撃の事実が判明sign03

船便で荷物が届くまでには、まだ1週間ほどはあるらしいのですが、

とても一人分の荷物量とは思えず、
それだけの量がこの家の中に入るわけもないsign01
そもそも、箱自体を積み上げること自体、物理的に無理sign01
……という事態を、いったい、どう処理すればいいのか……


いろいろ、ひっくるめて、
わたくし、号泣したい心境であります。。。。。。。crying

2012年6月14日 (木)

ニコライ・ホジャイノフ

1週間前(2012年6月7日)のNHK「クラシック倶楽部」の放送から……

ニコライ・ホジャイノフ ピアノ・リサイタル
(2012年4月19日(木)@武蔵野市民文化会館 小ホール)

プロコフィエフ  ピアノ・ソナタ 第7番 変ロ長調 作品83

ショパン    バラード 第2番 ヘ長調 作品38

シューベルト  幻想曲 ハ長調 「さすらい人」 D.760

******************************

ホジャイノフ、2010年ショパンコンクールのファイナリストだった
ということは知っていましたが、その演奏をじっくり聴いたことはなく、
なんとなく、
「金髪巻毛の美少年」という外見で人気がある…ような先入観を持っていたのですが、

……大変、大変、失礼いたしました!
いやはや、見事な演奏で、すっかり引き込まれてしまいました。

ショパンの演奏が見事なのは当然として、
プロコフィエフ、シューベルトの、この有名曲に対する認識が改まりました!

戦争ソナタ→「暴力的な曲」「うるさい曲」という印象があったのですが(失礼…)
  実は、まったく違ったのですね。。。
 1楽章の冒頭テーマなど、音量こそあれ、その音色たるや、決してうるさくはなく、
 心に秘めた寂寥感がにじむようなスタッカート。。。なかなか出せるものではない音でした。

さすらい人幻想曲→冒頭の「ダンダダ、ダンダダ」は重苦しい足音のよう
  ……という思い込みがあったのですが、これまた、違いました。
  「平坦な道を、足をひきずって、重苦しい足取りで進む」のではなく、
  「悩みつつも若々しい足取りで、起伏ある道を未来へ向かって進んでいく」という印象。

小さいホールでの演奏会ながら、ブラボーの声が飛び交っていたのも納得。
テレビを通してですら、感動を覚えました。
いつか是非、生演奏を聴いてみたいものです。

 

2012年6月13日 (水)

浜松国際2012:参加者決定

第8回浜松国際ピアノコンクール、
今年11月10日から24日にかけてアクトシティ浜松で開催されます。

その参加者(予備審査通過者)、96名が選出されたそうです。
うち、日本からの参加者は27名。
そのリストを見たところ、
なんと、私が「生演奏」を聴いたことのある方が3名も入っていました。

■安部 まりあ さん (NHK公開録音→2011年6月

■渡辺 友理 さん (NHK公開録音→2011年9月

■佐藤 卓史 さん (2010エリザベート王妃国際コンクールファイナリスト、
             2012同コンクール公式伴奏ピアニスト、
             その他、リサイタルやアンサンブル共演など→ 2011年11月2011年7月2010年7月2010年3月2008年11月

チャイコフスキーコンクール出場の■犬飼新之助さん(→)も、エントリーされています。
彼についてはTV番組で知ったので、生演奏は聴いていませんが‥

これは、またこの秋も、ネットに釘付けになってしまうかも、です。


2012年6月12日 (火)

『バイエルの謎』

安田寛 『バイエルの謎 日本文化になったピアノ教則本』 音楽之友社 2012

言わずと知れたバイエル。
その人物像が、まったくの謎だったなんて、驚きです。

「どうしてドイツの事典にバイエルが載っていないのだ」と質問したところ、
「ドイツではあれくらいの作曲家をいちいち取り上げていたら、事典のページがいくらあっても足りません」とドイツ人らしい自慢をされた

といった具合で、調査すれどもすれども、何も出てこず、
バイエルは架空の人かもしれない、いや、おそらくそうだろう、という結論に達しかけた、
というのですから。

本書は、

「バイエルとはどんな人物だったのか?」
「なぜ日本でこんなに普及したのか?」
「教則本として、どう評価できるのか?」

といった謎を解き明かしていく内容です。
調査の時系列に沿って、
「この謎についてこう予想し、こう調査したら、こう行き詰まり、こんな意外なことになった」
と進められていくので、大変読みやすく、ミステリー小説を読んでいるかのようです。

なかでも、「おお、そうだったか!」と目が開かされる気分になったのは、
クララ・シューマンの日記にある次の一節が、バイエルの教則本の性格を表している、
という指摘。

(クララの父による本格的なレッスンが開始される前、)
「既に私は静かな手による練習を少し学んでおり、自分で聞き覚えた簡単な踊りの伴奏を演奏したりしていた」

この「静かな手」とは、「ポジション移動・指の交差のない運指」を指し、
バイエルの前半部は、まさにこの練習用に書かれているものだ、というのです。
そして、それは、この本が書かれた時代(1850年頃)には、画期的なことだったのだ、と。

………

さてさて、根気よく追い続けた結果、
著者はついに、バイエルの実像にたどりつき、
バイエル教則本の意味するところも解き明かしてしまうのですが、
それはいくらなんでも「ネタばれ」ということになりますので、
細部をはしょって、強引にまとめてみると……

J.S.バッハを彷彿とさせる、教会オルガ二ストの系譜に位置づけられる人の手により、
プロテスタント文化の家庭音楽教育の流れを汲んで、バイエル教則本は生まれた……

おもしろかったです♪


ポチッとよろしく!

2012年6月11日 (月)

紫陽花と鴨

梅雨らしい、のどかな風景をパチリ。

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2012年6月10日 (日)

ご近所のピアノの会

ちょっとしたご縁があり、
ごく近所の小さなホールでアマチュアのピアノの会が催されるということで、
参加してきました。

集まったのは、演奏する7名、アドバイスくださる専門家の方、
そして家族の方々、合わせて13名。
たいへんアットホームな雰囲気で、お互い「聴き合う」という姿勢が気持ちよく、
得難い刺激をうけました。

驚いたのは、演奏者のなかに、同じ大学の同窓生にあたる方がいらしたこと。
まったく面識はなく初対面でしたが、わが家から自転車移動圏内に在住の方で、
ひょんなことから卒業大学名がわかり、お互いにびっくりでした。
10年以上うえの先輩で、国家公務員上級職で職務を全うされた後に、
今はNPO法人でお仕事されているとか。(天下りではないそうです)
すごい。。。
区内在住の同窓生にお会いしたのは、初めてです。
ピアノをきっかけとした出会いとは……御縁ですねえ。

また、素晴らしい腕前&音色の東大生(男性)がいらしたのですが、
こちらは、ほんとにわが家から徒歩圏のご近所さんで、またまたびっくり。

専門家の方からのアドバイスも示唆に富む内容で、大変ありがたく思いました。
身近な御縁、大事にしたいものです。

2012年6月 9日 (土)

PC問題の顛末

壊れたノートパソコン問題ですが、
メーカーのテクニカルサポート・チャット相談を繰り返し、
指示どおりに数々のテストを繰り返した結果、HDDの故障と特定され、
ほかは問題なし、と明らかになりました。

で、修理費は当初の見積もりの半額以下と決定したのですが、
それにしても「数万円」には相違なく、どうすべきかと頭を悩ませていたところ、
新機種を購入した妹から
「古くなったXPでよければ、譲ってあげるよ」
というありがたい申し出が。。。
ということで、本日妹宅に出向き、拝受してまいりました。

しかし、いろいろと、予想外のことが起きるもので、帰宅後、頭を抱えたのは‥‥

1)家族で共有すべく、アカウントを設定したところ、
  もともと妹のアカウントであった「Administrator」が表示されなくなり、
  この名前で管理していたファイルへアクセスできなくなってしまった!

2)WiFi接続設定、「接続の認証待ち」に30分近くかかり、
 実際に接続してからも、複数回のトラブル(接続不能!)が発生。

3)ディスクのクリーンアップを始めたら、終わるまでに延々数時間!

【その後】

1)は、メインPCのほうで「XP Administratorの表示」で検索し、
 レジストリの変更で、表示させることに成功。
 いやはや、いろいろ大変です。。。

2)は、やはり「無線接続」と「有線接続」の両者が存在することにより、
 PCが混乱をきたしていた模様‥‥2度ほど、「自動修正」かけることにより、
 今のところ、ちゃんと機能しているようです。
     ‥‥このまま行ってくれ!たのむ!

3)クリーンアップの効果はあったようで、Cドライブの使用領域は50%以下に。

‥‥Windows7に慣れてしまった身には、
やはり、XPの動作は遅いですね。。。特に立ち上がりが。
とはいえ、あくまでサブのマシンとして使う予定ですので、仲良くやっていきたいと思います。


PS
さきほど、4年数ヶ月に及んだ海外単身赴任を終えて、夫が帰国いたしました。
なんと、彼もまた、ふっるいWindows XPのノートパソコンを持ち帰ったとのこと。
ありゃりゃ。

2012年6月 7日 (木)

大友直人・郷古廉・横坂源の競演

読売日本交響楽団 第195回 オペラシティ名曲シリーズ

2012年6月7日(木)19時開演 21時終演

@東京オペラシティコンサートホール

指揮    :大友直人
ヴァイオリン:郷古廉
チェロ    :横坂源

<プログラム>

ブラームス  大学祝典序曲 作品80

ブラームス  ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲 イ短調 作品102

ブラームス  交響曲 第4番 ホ短調 作品98

********************************

会場に「ブラボー」の声が乱れ飛ぶ名演でした。
ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲。

ソリストの二人、若手の伸び盛り。
二人の感性、才気が……エネルギーの渦が、
音楽とともに弾け飛ぶさまが目に見えるような、
息をのんで、身を乗り出して聴き入ってしまうような、演奏でした。
仕事のあとの疲れも、空腹も、ふっとんでしまいました。

1プラス1は、2ではないんだなあ。。。無限大になるんだなあ。。。
ため息とともに、想ったことです。

二人の演奏を支える、大友さんのダンディな指揮ぶりも見事でした。
数年前だったでしょうか、体調不良で休養、というニュースに接した記憶が。
今日のお姿を見て安心しました。
颯爽とした立ち姿、そして指揮ぶりでした。

郷古くんについては、ほぼ「追っかけおばさん」と化している私ですが、
(→2012年3月2010年10月2010年8月2010年2月2008年12月
改めて、その音楽性の豊かさに脱帽。
細い体全体をしなやかに使った、全身これ音楽、といった弾きっぷりでした。

横坂くんのチェロも、何度かテレビなどで演奏を聴いて(見て)いましたが、
今日は髪型が一変していてびっくり。まるで別人のようでした。
これまでの「ベルばらのアンドレ?」のような長髪から、すっきりと額を見せた短髪に。
りりしくなっていました。

本日、初めて3階のバルコニー席で聴きました。
ここ、おすすめです。
管楽器の音色は上にのぼって来るのでしょう、大変よく響いていました。
弦楽器についても、ヴァイオリンのピチカートなど、正面席よりずっといい響き。
チェロのソロは、音は前に響いて行くのか、「響き」としてよく届くとはいえませんでしたが、
距離が近いため、「ほぼ、なまの音」として、よく聞こえました。

なんといっても、指揮の大友さんの表情を、ほぼ正面から捉えることができ、
オーケストラ団員の手元まで見え、(ティンパニって、撥を十数本も並べてあるのですね…)
さらに、楽屋からステージへの出入り口までもが見える、というのは初の体験でした。

ソリストの二人、楽屋へ戻るや、肩を抱き合っていました。
納得の演奏だったに違いありません。

至福の夜でございました。


ポチッとよろしく!

尾崎有飛@紀尾井ホール

紀尾井ニュー・アート・シリーズ
 ~輝け未来へ 第27回~
尾崎有飛(ピアノ)

2012年6月6日(水)午後7時開演 午後9時終演

@紀尾井ホール

<プログラム>

ベートーヴェン: ピアノ・ソナタ 第24番 テレーゼ 嬰へ長調 Op.28

ショパン:  幻想曲 ヘ短調 Op.49

ストラヴィンスキー: 「ペトル―シュカ」からの3章
  Ⅰ  Dance russe (Russian Dance)
     Ⅱ  Chez Petrouchka (Petrushka's Room)
  Ⅲ  La semaine grasse (The Shrovetide Fair)

メトネル: ソナタ・ロマンティカ Op.53-1

シューベルト: 即興曲 第4番 ヘ短調 D935-4

ゴドフスキー: こうもりの主題による交響的変容

*********************************

全席招待券という公演。葉書による応募に当選し、行ってきました。

「輝け未来へ」というタイトルに偽りなし、という印象です。
ふうむ。才能って言うのは、こういうことか!と納得しました。

全体的に、大変軽やかです。
テンポは速め。
オクターブ乱打の高速スタッカートなど、まさに「目にもとまらぬ」技。

ストラヴィンスキー、メトネル、ゴドフスキーは、この超絶技巧を駆使した曲で、
いずれも私にとっては初めて聴く曲でしたが、
会場全体、
その超絶技巧ぶりに唖然とし、舌を巻き、圧倒された……という雰囲気になりました。
私は「1階3列3番」という、ピアニストの手元がばっちり見える席だったこともあり、
いやあ、ほんとに、びっくりしました。

と書くと、まるでフランツ・リストのようですが、
「大音量で圧倒」という趣ではありません。
音色はあくまでも美しく、透明感をたたえるものだったことが印象的でした。
クリアで鮮やか。
いーっぱい音がある中で、旋律をきれいに浮き上がらせるのが上手な方でした。

ただ、音楽性も高い演奏だったというのに、
「超絶技巧」の印象ばかりが強く残ったのは、どうしてかなあ……という気もします。

よく知られた曲と、超絶技巧の目新しい曲をうまく組み合わせた、粋なプログラム、
なかなか楽しめました。
アンコールも初めて聴く曲で、曲名がわからなかったのが残念。。。

2012年6月 6日 (水)

『女流阿呆列車』

酒井順子 『女流阿呆列車』 新潮社 2009

文庫本の広告で、この書名を発見。
大学学部の授業で、内田百閒の『阿呆列車』シリーズが話題になったのを思い出し、
妙に懐かしくなって借りてみました。

筆者の酒井順子氏は、言わずと知れた『負け犬の遠吠え』の著者。
あっけらかんと、読みやすい文体でもって、結構「読ませて」しまう方。
今回も、その筆力を再認識しました。

だって、
「東京の地下鉄を1日で乗り倒す」とか、
「普通列車だけを乗り継いで、できるだけ遠くに行く」とか、
言ってしまえば、ごくごく単純かつ単調なルートをたどるだけ、なわけです。
それも、
企画立案にはまったく関わらず、出てきた原案どおりに動くだけ、というもの。

「このルートの立案は、こういう意味で画期的なもので…」とか、
「このルートは、以前の○○氏のものをこういう意図で改変したもので…」
云々、といったことは、そもそも書けない。
地方の歴史や、景観のウンチクなども皆無。

書いてあるのは、○時○分、○○の電車に乗って…
どこそこで、だれそれ氏が応援に現れて、差し入れを持ってきてくれて…
こういう具合で、寝てしまって…
といった話ばかり。

道中の情景描写よりも、著者が「眠気と戦う」話が多いです。
それでも、なんだかんだと、おもしろく読めてしまうのですから、不思議なもの。

私自身、最近の読書は、もっぱら「遠距離通勤の電車の中」。
「鉄子」の気は全くないものの、共感できる内容が多々あり、楽しく読んでしまいました。

2012年6月 5日 (火)

オウム世代

サリン事件に関わった容疑者、17年目にして逮捕されましたね。
同僚の話によると、ちょっと前にNHKで特集番組が放映されたこともあって、
小中学生の間でも話題になっているとか。

息子いわく
「17年目で40歳ってことは、23歳でサリン作ってたってわけ?わけえ!」

確かに。若いですねえ。。。
でも、「オウム世代」って、もうちょっと上を指したんじゃなかったっけ???
と思って、調べてみたら、ありました。

「オウム世代」

オウム真理教事件の主要メンバーの世代。1970年代末から80年代前半に高校や大学に学んだ世代。この時期は国公立大入試に共通一次試験が導入され、偏差値による大学などの序列化が急ピッチで進んだ。この世代の精神世界に大きなインパクトを与えたのが、チェルノブイリ原発事故などを通じて強まった生命とエコロジー思想の波だったという説がある。 (「現代用語の基礎知識」より)

わたくし、どんぴしゃでございます。
共通一次世代の中でも、理系だろうが文系だろうが「5教科7科目」必須という
「詰め込み教育」最盛期の世代。……文学部志望にして、物理&化学で受験した私です。
そういえば、
オウム元幹部の上佑なんとか氏と一緒に大学時代、ESSで活動していた、という友人も。

ふうん。。。私は「生命とエコロジー思想の波」なんぞ、無縁でしたけどね。
もっと下の世代のほうが、オカルトじみたものに興味を抱いているのでは???

ま、世代で括って語るということ自体、ちょっと胡散臭いですね。
他にも「三無主義」「しらけ世代」だの「新人類」だの、いろいろ言われたような。

息子の世代を語る言葉って、なんなのだろう……「草食男子」「肉食女子」??

2012年6月 4日 (月)

『わたしのいない高校』

青木淳悟 『わたしのいない高校』 講談社 2011

今年の三島由紀夫賞(その年の気鋭の作家に贈られる)受賞作、ということで
早速図書館で借りてみました。
すんなりと手元に。(本屋大賞受賞作とは大違い)

高校2年生の担任、専門教科は古文という男性教員が、
彼のクラスに、カナダ・ケベック州からの交換留学生を迎えて……
というのが話の中心
とくれば、どうにも人ごととは思えない設定…


しかし、私小説の伝統に逆らい、極力感情を排して叙述した作品、とのことで、
なんだか、キツネにつままれたような感覚で、話が進んでいきます。

なにしろ、この男性教員が、
「担任」「菊組担任」といった呼称で叙述されていて、

 菊組担任からは今回留学生を預かることになって慣れないところもあるが生徒に助けられる毎日である、といった内容の話があった。(中略)クラスに留学生がいるのを「ご理解いただく」目的があった。
 職員室では滞っていた書類仕事に取りかかった。いずれも修学旅行関係のもので、……

といった具合。
お役所の報告書を読んでいるような……と思ったら、日記を読んでいるような……
いや、やっぱり、報告書のような……。なんだか落ち着かない感じです。
ただ、確かに「淡々と事実を突き付けられている」という感覚は、あります。

また、「すわ、何かの事件の発端??」「あっ!異文化接触の始まり??」
と思えるような出来事が語られても、その後の進展、大展開にはつながりません。
ただ淡々と日々は過ぎていく、といった感じです。
肩すかしのような、それが現実の日常だ、という悟りがあるような。

終わり方も同様。なぜここで終わるのか???という疑問を残しつつ、
ま、こういうものかもね、という気もするような。

なるほど。
「気鋭の作家」に贈られる「三島由紀夫賞」って、こういう作品が対象になるものなのか!
と、変なところで納得してしまいました。

なんだか、最近こんなことばかり書いている気がしますけれども、
平成の世って、こういう醒めた、「熱く語る」ことのない作品が受けるのでしょうかね。

(実は先日、大学の後輩を相手に、思いっきり「熱く語って」きた私……過去の遺物かもcoldsweats02

2012年6月 3日 (日)

アマオケのコンサート

アマチュアオーケストラのコンサートに行ってきました。
15分の休憩をはさんで、開演から終演まで二時間という堂々たるコンサート。
人数が多いこともありますが、たっぷりした音量で、立派なものでした。

公共の大ホールが、八割方埋まっていたでしょうか。
団員の身内の方が多いのでしょうが、ホール全体が華やいだお祭り的雰囲気で、
室内楽やソロリサイタルとは違うな〜と感じました。

演奏については、次のような発見がありました。

★ 音楽を引っ張る指揮者(指導者)の役割、大!
特にアマチュアの力を最大限に引き出す上では。
本日の指揮者、見事な大奮闘でした。

★ アンコールは、手の内に入っている慣れた曲で。
そうでない場合は、無理に演奏しない方がよい。

★ 難しいのは、肝要なのは、出だしの音。

オーケストラに限らず、どんな音楽にも言えることだなあ…と思いました。

2012年6月 2日 (土)

音楽コンクールのレビュー

先月半ば頃から、エリザベート王妃国際コンクールに関して好き勝手に綴ってきましたが、
徐々にこうした記事へのアクセスが増え、
成田達輝君2位受賞直後の5/27には1日で1000件近いアクセスを記録。
びっくりしているPIOです。

もっとも、これは「瞬間最大風速」みたいなもので、徐々に元のレベルに落ち着いてきましたが。

それで、私自身もちょっと気になって、
こうしたコンクール記事を書き始めたのっていつからだっけ??と振り返ってみました。

いやあ、なんと、ブログ開設直後から、でした。
たぶん、ストリーミング配信が始まったことに喜んで、ということだったかと。
カテゴリーの「音楽(コンクール)」をクリックして(→右列をご参照)、
取り上げてきたコンクールを挙げてみると(単発記事だけのものは省略)、

・2005年10月:ショパンピアノコンクール
・2006年11月:浜松国際ピアノコンクール
・2007年7月:チャイコフスキー国際コンクール
・2010年5月:エリザベート王妃国際コンクール(ピアノ部門)
・2010年10月:ショパンピアノコンクール
・2012年5月:エリザベート王妃国際コンクール(ヴァイオリン部門)

といった具合です。

こうしたコンクールの順位などについては、いろいろ意見もありますが、
わたくし、2007年に「品格と実力」という記事を既に書いておりました。(→

今回の成田達輝くん「2位」については、
多くの方が指摘されている通り、「1位と僅差の2位」ということだろうと思います。
彼の品格については、疑問の余地なし、でしょうし。
弾き姿の美しさには、ほれぼれします。

しかし、コンクールに興味を持たれる方、そのレビューを知りたいと思われる方、
世の中にたくさんいらっしゃるんですね。
「お仲間がいっぱい!」と嬉しく思う一方、
「あまりおバカなことは書けないなあ」と身を引き締めております。はい。

2012年6月 1日 (金)

演奏へのモティベーション

2週間前のNHK番組「らららクラシック」の中で、
フランスの木管六重奏楽団「レ・ヴアン・フランセ」のメンバーが、
スタジオの音大生の質問に対して、次のような助言をしていました。

・私は本番後、興奮で眠れないくらいになる。
 アドレナリンが出て、すぐにまたステージに出て演奏したいと思うほど。
もしステージに出るのが苦痛なら、他の方法で音楽と付き合うこと、
 アプローチ法を変えることを考えてもいいかもしれない。
 音楽を楽しむ方法は色々ある。

・緊張から体調を崩すのは、多くの音楽家に共通する。
もしそうなら、緊張を味方につけるべき。緊張は敵ではない。
緊張は成長のチャンス。緊張していること自体を受け入れればよい。


私、上記の発言に、心底共感したのですが、
実は、音大生の質問、次のようなものでした。

「私は本番後、モティベーションが下がって体調を崩してしまうことが多い。
 みなさんは、どうやってモティベーションを維持しているのか。」

たぶん、この方は、

「ステージが苦痛だ。緊張のあまり体調を崩してしまう。」

ということを言いたかったのではないだろう、と思います。
回答者のお二人は、こうした意味に受け取られたのでしょうけれども。


「本番ステージが過ぎてしまうと、音楽に対するモティベーションが下がる」
「音楽に対するモティベーションを持ち続けるのは困難だ」

ということ自体、
回答者のお二人には、経験なかったのでは……とも思います。
たしかに、そりゃもう、楽しそうに演奏されていましたから。みなさん。

なんだか、ふかーいものを感じます。
何かの本にも書いてあったような気がしますが、真面目な日本人の場合、

「その道を極める」「修業」の日々
    →→「修業の山」を一つ越えると、気が抜けて体調を崩す
          →→次の「山」を自分で設定して気をふるい立たせる

という繰り返しになってしまうのかも。。。
そして、
「こういうスタンスで取り組んでいると、フランスものは表現しきれないんだろうな~」
とも思いました。
「レ・ヴアン・フランセ」の素晴らしい演奏を見て、聴いての、率直な感想です。

(…2週間前の録画を、今見た私なのでした…)

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