無料ブログはココログ

PIOの新ブログ

« 『舟を編む』 | トップページ | 演奏へのモティベーション »

2012年5月31日 (木)

『キネマの神様』

原田マハ 『キネマの神様』 文藝春秋 2008

1週間以上前に読んだ本です。
あらすじを次のように書いてしまえば、とっても陳腐なストーリー。

有名企業の管理職としてバリバリ活躍していた30代女性が、退職に追い込まれ、
無職→再就職の道で見出した、新しい、彼女ならではの人生!

しかし、この作品、決して陳腐ではありません。
現在、都心アパートの管理人をしている「ギャンブル好きで借金まみれの父」が
このストーリーに絡んでいく、その姿が憎いです。
題名が示すとおり、映画への愛にあふれた物語。

■現在のネット社会、「素晴らしい」側面を持っているよ!
■素人と玄人の差って、こんなところじゃないかな?
■親子関係なんて、長い目で見なくちゃ。
■「落ちこぼれ」って、「負け組」って何さ!

深刻な、ある意味哲学的ともいえる数々の問題に対して、
明るく前向きなメッセージを、軽やかに、送っている……そんな気さえします。

小さな日常の描き方も、心にくい限り。
PCを「神棚」のように扱い、その前に供え物をささげてしまうお母さん、とか。

主人公が、あっけなく再就職を決めてしまうところ、
昔の同僚が、寿退社後に百人力の協力を申し出てくるところなど、
「それは、出来すぎじゃないの?」
と思うところも多々ありますが、
その後の話の展開、人物関係の描き方、……読ませます。

最後の最後まで、
「どうなるんだ、これは!」
とハラハラさせられました。

蛇足ですが、
著者、若手作家と思いこんで読んでいましたが、なんと私と同い年でした。
そういえば、
作家の原田宗典さんの妹君だという記事を、新聞の「ひと」欄で読んだことがありました。
なるほど。。。

« 『舟を編む』 | トップページ | 演奏へのモティベーション »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 『舟を編む』 | トップページ | 演奏へのモティベーション »