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2012年5月30日 (水)

『舟を編む』

三浦しをん 『船を編む』 光文社 2011

大変評判になっていますね。2012年、本屋大賞受賞作。
図書館に予約して半年近く、それでもまだ順番は回ってこず、
結局、妹に借りました。。。 

辞書編纂の現場を、辞書の編集者の日常を描く
……という舞台、テーマの設定、うまいです。
(そういえば、主人公のモデルともなった方が朝日新聞beで取り上げられていました)

出だしから、ぐいぐい惹きこまれます。
ちょっとしたギャグがツボにはまってしまい、電車の中で笑いをこらえるのが大変。

例えば……

「互いに気心が知れていること」を「つうと言えばかあ」と表現するのはなぜだろう。
(中略)
それにしても気になる。「おーいと言えばお茶」でも「ねえと言えばムーミン」でもなく、
「つうと言えばかあ。」なんだ、「つう」と「かあ」って。鶴の化身の女が空へ呼びかけたら
カラスが返事したのか。

うまいですねえ。「ねえと言えばムーミン」!(世代がバレバレ…)

ただ、
ストーリーの進み方については、ちょっと軽過ぎて、速過ぎて、
もうちょっと、じっくり、ゆっくり描いてもいいのでは……という気もしました。
「辞書」というトピックの固さを、「不器用な恋愛」の描写で和らげよう、という意図が、
ちょっと見え透いていて鼻につく、といいますか。

終わり方についても、
「ああ、やっぱり、あれがこう繋がって、こう来るよね、当然」と予想がつく範囲で、
もう、ひとひねり、ほしかったかも。

その後、後付けを見て納得。
「初出――CLASSY 2009年11月号~2011年7月号」

ああ、ファッション雑誌の連載小説なら、そんな固いこと、言いっこなし、
ですよね。
なるほど、光文社から出版されるわけです。

軽く楽しく読むには、最適の一冊です。

(ただ、個人的には、同じ著者の『まほろ駅前多田便利軒』のほうが、
媚びない自然な軽快さで、おすすめだと思います。)

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