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2012年4月30日 (月)

『人を魅了する演奏』

紙谷一衞 『人を魅了する演奏』 角川学芸出版 2009

アマゾンで評判がよいようだったので、図書館で借りてみましたが、
タイトルにあるようなこと以前に、

 西欧人の心に沁みこんでいる音楽 vs 日本人の心に沁みこんでいる音楽

という対比がおもしろかったです。
要約してみると

【西洋のクラシック音楽】
 基本は、協和音の澄んだ響き
 石造りの教会など、残響が豊かなところで不協和音を出すと、騒音が降ってくる。
 和声学は、この騒音を避けるために必須のもの。快い音楽の規則というだけではない。
 さらに、雑音が少なくなるよう、合奏での同時性には神経が鋭くなる。
 溶け合った響きのセンスの上に音楽が作られている。

【日本の伝統的音楽】
 大事なのは「間」と、メロディーの上がり下がり
 木造の響きの少ない世界では、 発音の瞬間の響きに耳が向けられる。
 笛、尺八など、音が持続する楽器は独奏楽器の音自体を味わうものであって、
 濁った響きでもそこに味わいを感じる。
 時間的なずれや音程のずれは、味わいを生むために、むしろ不可欠。


な~るほど。納得。
以前、和楽器の合奏を見て「アイ・コンタクト」がゼロであることに驚きましたが
(→)、
驚くようなことではなかった、ということですよね。

この本の筆者は、結論として

■「総じて言えば、西欧音階では、和音の流れが心にもたらす作用への関心が不可欠な要素」であるのに対し、

■日本人は「主としてメロディーの上がり下がりをとらえて音楽の抑揚を感じている」ので、
  「和音の変化を聴き取ってもそこに抑揚を感じない民族的な感性の特質を持っている」

と論じます。
ううう。……私、この「日本人」の特質にばっちり当てはまっている気がします。

  「旋律のラインへの関心は高いが、和音や他の音と作る響きには関心が低い」

精進、精進……
 

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