無料ブログはココログ

PIOの新ブログ

« マフィンの覚え書き | トップページ | 執念~小澤征爾 76歳の闘い~ »

2012年3月 2日 (金)

『凍原』

桜木紫乃 『凍原』 小学館 2009

また読んでしまいました。桜木紫乃。
薄くて、読みやすいのですよ。この本も300ページちょっと。

薄いとはいえ、スケールは壮大です。
またまた「女の一代記」でした。それも、満州引き揚げ時からの。
現代と昔(ここでは終戦前後)が、交互に描かれるという手法も『ラブレス』と共通。

色調は、暗いです。
舞台は、北海道の湿原。
主人公は、
小学生だった弟が行方不明となった後、両親が離婚し、自らは警察官となった姉。
彼女が追う殺人事件がメインテーマ……一種の警察小説です。

その殺人事件の捜査を描く途中に、
ある女性の、辛苦を極める「満州引き揚げ」道中が描かれ、
「この二つは、どうつながるのか??」という読者の疑問が徐々に解かれていく
という仕掛けです。
そして、意外にも、弟の失踪事件ともつながりが…

とても強い印象が残りました。

ただ、メインテーマの事件については、殺人に至るという必然性が弱かったかも。
事件の筋がどうのこうのと言うより、
人間の生き方、心情の揺れなどを描写する筆力が強いなあ、と感じました。

« マフィンの覚え書き | トップページ | 執念~小澤征爾 76歳の闘い~ »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« マフィンの覚え書き | トップページ | 執念~小澤征爾 76歳の闘い~ »