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2012年3月25日 (日)

『小澤征爾さんと、音楽について話をする』

小澤征爾×村上春樹 『小澤征爾さんと、音楽について話をする』 2011年 新潮社

いや、もう、すごい本でした。
一気に読み切ってしまいました。
お二人の、音楽に対する深い理解、熱い想いに、ぐいぐい引っ張られました。

村上夫人と小澤征良さんが大変親しいことから、会話を交わすようになったというお二人。
小澤氏の話の面白さに、
「こんな興味深い話をこのまま消えさせてしまうのは惜しい。
誰かがテープにとって文章として残すべきだ」
と思われたという村上氏が、
「僕が録音機を用意して会話を収録し、自分でテープ起こしをして原稿のかたちにまとめ、
読んでもらい、手を加えていただいた」
という形で作られたものです。

小澤氏いわく「大病も悪いことばかりではない。なにせヒマだらけになるから。」

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クラシック音楽関係の本を読むと、往々にして

「はあ。やっぱり私にはわからない。ついていけない。勉強不足でした。すみません。」

といった敗北感を感じるものですが、そんなことは金輪際ありません。
うわあ、すごいなあ、へえ、そうなの、それで?それで?
という具合に、どんどん読んでしまいます。
クラシック音楽に対する村上氏の造詣の深さ、見事なものですが、
ひけらかしの色、未熟者を排除するようなニュアンスは皆無です。

「マニアの人には面白くないけど、本当に音楽の好きな人たちにとって、
読んでいて面白いというものにしたい」
と小澤氏が述べていますが、まさに、そのとおりのものになっていると思います。

本編の内容については、これ以上のコメントを控えますが、
「なるほど!」とうならされ、印象に残ったのが、次のようなくだり(粗い要約です)。

【村上氏、小澤氏、二人の共通点】(「始めに」より)

・仕事に熱中できている。仕事に純粋な喜びを感じている。
・これぐらいでは足りない、もっと奥まで追求したい、というハングリーな心を持ち続けている。
・自分がやろうと思ったことはやる。頑固で揺らがない。

【文章と音楽との関係】(インターリュード2より)

音楽的な耳を持っていないと、よい文章は書けない。
その人の書く文章にリズム感があるかどうかで、生き残る書き手か否かが見分けられる。

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