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2012年2月27日 (月)

『ワン・モア』

桜木 紫乃 『ワン・モア』 角川書店 2011

『ラブレス』の著者の作、ということで読んでみました。

これまた凝った構成の小説で、なかなかおもしろかったです。

短編6篇。それぞれが独立しているのですが、全体で一つの小説にもなっています。

最近、ドラマ等で「スピン・オフ」と言うのでしょうか、

脇役を主役として扱う、もう一つのドラマを制作したりしますが、

それを初めから織り込み済みで仕立てた小説、とでもいったような。

「若くして末期がんで余命わずかと診断された、病院の女性院長」

の周辺の人々を描きます。

・彼女に後継者の院長にと指名された、高校時代からの友人である女医。

・同じく二人の同級生で、学生時代からライバルでもあった放射線技師。

・病が判明するずっと前に離婚した、彼女の元夫。

・この病院に雑誌を納めている書店の店長。

……といった具合。微妙に人間関係が重なって、重層的に物語は進みます。

話のトーンは、全く暗くありません。むしろ明るい感じです。

「進む先には光が見える、世の中、何が幸いするかわからない」

というメッセージが込められた、救いと祈りの物語のように読めました。

結末がちょっと、いかにも小説用に作った舞台、作りものっぽい気もしましたが。

(そういえば、冒頭の短編も、私にはちょっと納得できないストーリーでした…)

登場人物みなを結び付けるのが、ペットのわんちゃん、

というのもまた、今の時代を映しているなあ……とも思いました。

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