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2011年9月13日 (火)

『二十世紀の10大ピアニスト』

中川右介『二十世紀の10大ピアニスト』幻冬舎新書

面白く読みました。
10人のピアニストが、この年、どこで、どんなことをしたのか、
世界で何があり、それが彼らにどんな影響を及ぼしたのか、
ということを、
1901年から順に、年を追って書きすすめられていきます。

取り上げられた10人、1940年の時点での年齢とともに並べてみると
(いい加減な計算なので、+-1歳の誤差があると思います)

・ラフマニノフ 67歳
・コルトー   63歳
・シュナーベル 58歳
・バックハウス 56歳
・ルービンシュタイン 53歳
・アラウ    37歳
・ホロヴィッツ 37歳
・ショスタコービッチ 34歳
・リヒテル   25歳
・グールド   8歳

第一次、第二次の対戦、その後の米ソ冷戦が音楽家に与えた影響の大きさ…。
また、今までまったく知らなかった、ピアニスト間の人間関係、演奏スタイル、興業のしかた、といったものに興味を惹かれました。

エピソードが多いのは、ルービンシュタインとホロヴィッツ。
私の知っているお二人は、「大家」としてのお年を召してからの写真、演奏のみで、次のようなことは知りませんでした。

ルービンシュタイン
・すぐに曲を覚え、気楽に演奏できるので、演奏会を気分転換の場と考えることもあり、音楽性は高くても、若い頃はミスタッチが多かった。
・ホロヴィツの演奏会後、彼がたった一音の間違いを指摘するのを聞き、レコードになった演奏を聴いて初めてミスタッチに気づく自分との差に、愕然とした。
・ホロヴィッツへの対抗意識から、40歳を過ぎて技術的な猛練習を始めた。
・女性にもてもての自信家で、楽屋に押し掛ける女性たちとすぐ仲良くなった。
・紆余曲折を経て45歳でネラと結婚。有名なプレイボーイで、コンクールで彼が推したピアニストは隠し子ではないか、という噂もたったが、ネラ夫人が「私は夫の愛人については全て知っています。この人は夫とは関係ありません」と公言したことで疑いが晴れた。

ホロヴィッツ
・風貌がショパンに似ていたことで、人気があった。
・ヨーロッパで初めて弾いた協奏曲では「ヒステリックなチャイコフスキーは受けない」と聞いていたため、音量を落として弾いたが、急な代役で臨んだ場で一転、怒涛のような、強く速い、音の洪水のチャイコフスキーを弾き、聴衆を熱狂させた。
・夫人は、トスカニーニの娘ワンダ。12年のブランクの後、カーネギーでの演奏で復活する夫のチケットを求めて雨の中並ぶ人々に、100杯のコーヒーを配った。数時間後、その徹夜組から感謝の電報が届いた。
……

長くなってしまうので、このへんでやめておきます。
堅苦しくなく、楽しく読めました。

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コメント

面白そうですネェ。。。。

芸術家の芸術性や技術には、実のところあまり関心もなく、なので、違いにも疎いアタシですが、人間性にはすごく惹かれるので、こういうエピソードを知るのは楽しいです。

いつも良質な読書案内をありがとうございますww

華音さん

お褒めのお言葉、ありがとうございます。m(_ _)m
この本、ほかにも
聴衆にアピールするスター性の有無
(大衆に受けるように弾けるピアニストと、自分の求める音楽だけを追求するピアニスト)
など、面白い記述がいろいろありますよ~♪

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