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2011年1月16日 (日)

『シューマンの指』

奥泉 光 『シューマンの指』

昨年のシューマン生誕200年記念イヤーをひきずって、
ただいま、シューマンのピアノ曲を練習中のわたくし。。。
こんな題のミステリー本と言えば、読むっきゃあるまい!
と、手に取った本です。

冒頭から、シューマンゆかりの地名やら、曲目名やら、満載。
「誰が書き手?」
「誰が主人公?」
「どの謎が主題?」
……頭の中を「???」が駆け巡ります。
そして、最後まで読み進めてみると、
この第一印象が、「ドンピシャ」だったのだ!……ということに気付きます。

「どんでん返し」が数度あり、そして、最後の最後に
「あれ?これは、あとがき?」と思いきや、
ビックリ仰天の「大どんでん返し」が待ち受けています。
これ以上は”ネタバレ”につながるので書けませんけれど……

物語のキーとなるのが、

・「ダヴィッド同盟」に関連した様々なエピソードや曲目
・幻想曲 ハ長調 Op.17

これらの項目以外にも、音楽解説的な記述が満載です。
たとえば、次のような具合。

 シューマンの楽曲は、ずっとどこかで続いていた音楽が、急に聴こえてきたようでなければならない。(中略)
 ≪クライスレリアーナ≫もとりあげて、冒頭の十六分音符のAとB♭の二音、これをどう弾くかを論じ、何人かの演奏家がテンポをいくぶん落として弾くのを批判した。たしかにあの開始はいかにも唐突であり、最初の二音をゆっくり刻印して、音楽の「開幕」を告げ知らせたくなる。けれども、それでは駄目だというのが修人の意見であり、つまり、「いきなり断ち切られ血がほとばしる」ように弾いてはじめて、シューマンが導きだそうとしている音楽の広がりは表現できるというのだった。(p.205)

上記に出てくる「修人」というのが、
この本の登場人物が結成した「ダヴィッド同盟」の中心人物、ということになります。

シューマンがお好きな方は、ぜひご一読を。
「狂気」について、しみじみ考えさせられる内容で、
決して、清々しい思いになったり、癒されたりする本ではありませんが。。。

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