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PIOの新ブログ

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2010年1月 8日 (金)

藤谷 治『船に乗れ!』

『船に乗れ!Ⅰ 合奏と協奏』
『船に乗れ!Ⅱ 独奏』
『船に乗れ!Ⅲ 合奏協奏曲』

上記のサブタイトルに惹かれて、まとめ読みしました。
とはいえ、図書館予約の都合により、読んだ順番はⅡ→Ⅲ→Ⅰ
でも、結果的には、私にとってこの順番がドンピシャ!当たった感じです。

「独奏:そうよねえ。そこが難しいところよねえ。。。」
「合奏協奏曲:音楽家(専門家)の道を選ぶ厳しさって。。。」
「合奏と協奏:ほほう、そういう醍醐味が。これから目指したい!」
という順で、共感しやすかったといいますか。

恵まれた音楽一族に生まれた(もっとも両親は音楽家ではない)少年の青春ストーリー。
でも決して「青春ばんざい!」「音楽ばんざい!」ではありません。
一瞬、一瞬はキラキラしていて、若さとエネルギーが輝いていたけれど、
純粋さゆえにより強く、深く味わうことになる、あまりにも苦い思い出、
自暴自棄が招いた取り返せない過ち。。。

Ⅰでは、音楽高校に入学し、恋愛に至る、青くひたむきな青春が、
Ⅱでは、キラキラした純愛、輝かしい海外レッスン、そして青春の悲劇が、
Ⅲでは、Ⅱの苦さを引き受けて人生を歩んでいく姿が、描かれます。

そこ、ここで、なにげない表現や描写にハッとしたり、身につまされたり、
ちょっと涙ぐんでしまったり。。。

ストーリーを楽しむ上でも出色の作です。
青春ストーリーに酔ってみたいと思う人、
音楽高校の内実を見てみたい人、
そして、音楽と関わっていたいと思っている人すべてにお勧めします。

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書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

こんにちは。はじめまして。
「船に乗れ!」凄いとしか言いようのない作品でした。
2巻の後半からは痛くて辛くて、死ぬほどせつなかったです。
さらに読んだ後で打ちのめされました。
結局、サトルも南も夢をかなえることはできなかった・・・。
なんという厳しい物語。
「それでもそのとき、音楽は僕たちを救おうとしていた」のは救いですが・・・。
青春小説の枠に収まらない、深くて大きい小説だと思いました。

私もHPに感想を書きました。
よろしければ御笑覧ください。
   ↓
http://www.h2.dion.ne.jp/~kisohiro/fune.htm

>木曽のあばら屋さん

はじめまして。
コメントいただき、ありがとうございます。


「一流の音楽家として世に立ち、生きていく」
ということが、いかに厳しいものか、
そういう道を歩ける者がいかに一握りにすぎないか
ということが、ひしひしと伝わってくる小説だと思いました。


でも、その背後には「音楽を楽しむ」多くの者たちがいて、
(一家の稼ぎ手として音楽以外の道を選び、生活の中で常に楽しげな鼻歌を歌っているというサトルの母などが、そうですよね)
こういう人たちがいてこそ、一流の音楽家たちの存在意義があるとも言えますよね。
そして、音楽は人生を豊かにする、ということは誰もが認めることだと思います。


音楽の道から下りて、苦い思いをかみしめたサトルも南も、
でも、その経験ゆえに、彼らの人生、人間性は深みを増したのでは、と私は思います。


ところで、なぜだか木曽のあばら屋さんのサイトは私のパソコンでは表示できないのです…
今度、職場のパソコンで再トライしてみますね。

こんにちは。
すみません、どうやらdion(au)のサーバーが
一時的にダウンしていたようです。
現在は復旧しています。

>木曽のあばら屋さん

貴殿のホームページ、拝見してまいりました!
素晴らしく充実したサイトで、すっかり楽しませていただきました。
『船に乗れ!』のレビューは「まさにそう!そのとおり!」と手を打ちながら読みたくなるほどでした。
書籍レビューだけでなく、音楽CDレビューもあるのですね。
ちょくちょくお邪魔させていただこうと思います。

PIOさんのレビューを拝読して、今日早速図書館にリクエストしてきたのですが、すごい人気なんですね~
話題の本なのかな?
回ってくるのが5月頃になる、と言われました
まぁ、急ぐものでもないので、愉しみに待とうと思いますww

たびたびこんにちはです。
この小説について、まだまだ語りたいことが
むくむくとわきあがってきまして、
HPに長文のネタバレ&ツッコミ感想をアップいたしました。
もしよろしければ
    ↓
http://www.h2.dion.ne.jp/~kisohiro/fune2.htm

>華音さん

1月初旬に申し込んで、借りる順番が回ってくるのが5月!
絶句。
ほんと、すごい人気なのですね。
でも、その価値はあると思いますよ。お楽しみに~note


>木曽のあばら屋さん

新たな執筆、拝読いたしました。
まさに「読み込んだ」方だけが書ける労作ですね~。脱帽です。
「南のスピンオフ」に私も一票!

こんにちは。
藤谷治さんのチェロが盗難にあったそうです。
おそらく「船に乗れ!」を読んだファンが
出来心で持ち去ったのでしょうが、
なんとも心ない人がいるものです・・・。

藤谷さんの日記です
   ↓
http://www.ficciones.jp/shimokitazawa_nikki.html

>木曽のあばら屋さん

チェロの盗難とは!
ほんとに、心ない人がいるものですね。
びっくりしました。


藤谷さん、
「店をあけた」「バックヤードで仕事をしていた」
って、どんなお店をなさっているのでしょう?
「楽器の安否だけを心配している。どうせ安物だが、お金に替えられるものではない」
って、本当に痛々しい感じですね。
どうか、無事に戻ってきますように。。。

こんにちは。
藤谷さんのチェロ、無事に戻ってきたそうです。
犯人も捕まったそうです。
よかった・・・。

>木曽のあばら屋さん

それはよかった!
いいニュースをお知らせくださり、ありがとうございました。
藤谷さんには、これで安心して次回作に取り組んでいただきたいですね。

盗んだ犯人って、どんな人だったのでしょうか…

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