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2010年1月20日 (水)

乃南アサ『ニサッタ、ニサッタ』

2009年10月刊行の本です。全513ページ。持ち歩くには重かった。。。
『フリーター、家を買う。』に引き続き、
正社員の職をあっという間に捨てた若者が主人公。

お約束どおり(?)
フリーターからネットカフェ難民化し、艱難辛苦をなめ……というストーリーです。
故郷の北海道から上京してきた若者のため、
失職=住処を失う、となるところが、さらに深刻。

最近、やたらと報道で取り扱われているテーマで、ちょっと食傷気味ですが、
正社員と派遣社員の対立、といったステレオタイプの構図だけでなく、
新聞配達員の人間関係、「アイヌ」差別問題などがさりげなく絡むあたりに新味があります。

血わき肉おどるスピード感、大どんでん返しなどはなく、淡々と筆は進みます。
前半は「やりきれなさ」に満ち満ちていますが、
さすがに後半では「光」が差し、最終章では、”うるうる”くる場面も多く、
前向きな未来が見えてきたエピローグで幕切れとなります。

裏切られ、失意の底に沈み……の繰り返しの中で、
「未来」が徐々に姿を見せてくる、そのあたりが読みどころでしょうか。
新聞配達員時代に知り合う、20歳前の沖縄出身の女の子、(その変化)、
そして、主人公の90近い祖母、がキーパーソンかと。

タイトルの「ニサッタ」はアイヌ語とのことです。

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