無料ブログはココログ

PIOの新ブログ

« 篠田節子『薄暮』 | トップページ | 贈り物 »

2009年10月31日 (土)

『怖い話2』

1年前ぐらいから評判になっていますね。中野京子『怖い絵』。
『怖い絵』『怖い絵2』『怖い絵3』と図書館で予約したうち、最初に手元に来たのが2。

ちょうど美術展 The ハプルブルク を見てきたところだったので、(→
「ほほう~。な~るほど!」
の感もひとしおのエピソードが。。。

上記美術展トップページ画像ともなっている、
ベラスケスが描いた マルガリータ王女、そしてその弟・皇太子の肖像画。
展覧会会場には、次のような解説がありました。

・マルガリータ幼少時から肖像画が描かれたのは、嫁ぐことが決まっていたウィーン王室に送るためだったこと
・弟皇太子の衣服についている鈴などは、体の弱かった彼を悪霊などから守る護符だったこと

で、『怖い絵2』です。
上記の絵・関連のほかの絵についてですが、次のような事情が説明されていました。

近親結婚で「異様に血を濃く」してゆく王家。
初代カルロス一世+いとこ→二代目フェリペ二世+姪(いとこ婚した実妹の娘)→三代目フェリペ三世+いとこの娘→四代目フェリペ四世+姪(実妹の娘)→

で、ここに生まれたのがマルガリータと、その弟、だったわけです。
肖像画の皇太子の「体が弱かった」のは、こうした血の濃さ、「今生きる我々におぞけをふるわせる四連続」の結果だったと。
そして、肖像画の男児が夭折したあと、マルガリータの10歳下に奇跡的に男児が生まれ、
彼が「カルロス二世」として即位するも、彼は「呪いをかけられた子」と陰でささやかれるような出来で、数割マシに描かれたと思われる肖像画からも、それが見てとれてしまう……

マルガリータも、ウィーンへ嫁いだ後4人の子どもたちを次々となくし、21歳の若さで病死。。。

こわっ!

そして、このマルガリータの時代には、「宮殿には数百人の奴隷」がいて、
重労働を担う一般の奴隷のほかに、「慰み者」と呼ばれる道化たち――矮人、超肥満体、巨人、異形の者、阿呆、おどけ、黒人、混血児など――がいて、
「その数はベラスケスが宮廷にいた40年の間だけでも、50人を超えた」

こわっ!
確かに、西洋の古い物語には「せむしおとこ」などの異形の者が頻繁に出てくるような…

言われてみれば当然だけれど、言われてみないと気づかない「怖さ」。
絵とともに語られると、歴史の流れ(うねり)が実感されます。

« 篠田節子『薄暮』 | トップページ | 贈り物 »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 篠田節子『薄暮』 | トップページ | 贈り物 »