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2009年10月11日 (日)

『明るい方へ 父・太宰治と母・太田静子』

題名からわかるとおり、太田治子氏の著作です。

はるか昔に国文科を出ている私、
中学・高校・大学時代は、それなりに太宰作品は読み、
それなりに評伝も読んでおりましたが、いかんせん

「凡人には、よくわからない……無頼派って、何?」

といったもやもや感が拭えずにおりました。
文学を語る際の「基軸」のようなもの自体を理解せずにいたのだと思います。

そんな私でも、この本の書く内容はストンと胸に落ちます。
文学に賭ける情熱、世間、家庭、私的生活、名誉欲、……
そういったものの間で揺れ動く人間模様。

母上・太田静子の日記、太宰との手紙、などを資料として、
治子氏自身の記憶も交えつつ、静かな筆致で淡々と書かれています。

それにしても……
太宰作品が、他人の日記を資料として、現在なら「著作権違反」と言われかねない手法で生み出されていたとは!
一般的にはよく知られている事実なのかもしれませんが(私も昔は知っていた??)。
文学の世界のマナーも時代とともに移り変わっていくことを実感します。

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書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

先日、NHK教育で特集やっていましたね
(http://cgi4.nhk.or.jp/hensei/program/p.cgi?area=001&date=2009-10-04&ch=33&eid=33627)

今年は『斜陽』に続き『ヴィヨンの妻』『パンドラの匣』『人間失格』生誕100年を記念した太宰作品の映画公開も相次いでいますが
『走れメロス』や『女生徒』『富嶽百景』くらいしか明るい(前向きな)作品を知らないので、あまり観る気にもなれていません

苦悩を”藁一すじの自負”として生きてきた太宰を顔も知らぬ父として生きてこられたこの治子さんの苦悩もまたいかばかりか・・・と

私は個人的には津島佑子さんの作品の方に興味を惹かれますが。。。

>華音さん

またまた、貴重な情報をありがとうございます。m(_ _)m


私もたぶん、太宰の映画には行かないなあ。。。
「文壇」とか「無頼」とか、昭和の香り芬芬ですね。
ネット時代から見ると、まさにギャップを感じます。
明治時代にまでさかのぼってしまったほうが、逆に「現代とのつながり」を覚えてしまうような気も。

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