無料ブログはココログ

PIOの新ブログ

« たんぽぽ | トップページ | さくら・さくら »

2009年4月 7日 (火)

米原万里 対談集

090407book 言葉を育てる 米原万里対談集 (ちくま文庫)2008

米原さんのエッセイや小説は、
骨太で、読むのにガッツが必要ですが、
これは対談集だけあって、気軽に読めます。

やはり、印象に残るのは、
10歳~14歳の5年間に体験したという
在プラハ・ソビエト学校の話。
そして、通訳(逐次通訳&同時通訳)の現場の話。

もちろん、彼女自身のキャラクターもあるでしょうが、
少年・少女の時代に受けた教育の影響って大きい
ということがよくわかります。

彼女は、○×の客観主義に拘泥する日本の教育に徹頭徹尾批判的ですが、
ソビエト学校で実践していたという、
「ペーパーテストは一切なくて」「全部口頭試問か論文」
という授業は、やはりそれを支える社会風土があってはじめて可能になるのだと思います。

それを端的に物語るのが、
日本に帰ってきて初めて「劣等感」という言葉、そして感情そのものを知った
というエピソード。

「ソビエト学校の学友たちにも、そう言えば、劣等感という感情、人の才能とか能力に対するねたみとかひがみのようなものがなかった」
「優れた才能を友だちのなかに発見すると、自分のことのように喜んだ」

私自身は「劣等感のかたまり」のような子どもだったので、ほんとにびっくりです。

たしか、音楽家の巨匠のエピソードもありました。
何のてらいもなく「ぼくは天才だ」と言い、
神に与えられた才能を聴衆の前に差し出だけだから、ステージに立つ前にも全く緊張などない、と言っていると。

こういう発想が背景にあればこそ、という教育を
上っ面だけ取り入れて効果を上げようとするのは、難しいでしょうね。

« たんぽぽ | トップページ | さくら・さくら »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« たんぽぽ | トップページ | さくら・さくら »