無料ブログはココログ

PIOの新ブログ

« 久々の授業&再会 | トップページ | 品川ランチ&散策 »

2007年9月23日 (日)

荒俣宏『日本妖怪巡礼団』

070923aramata ひょんなことから、友人に借りた本です。
表参道、六本木、といった場所をお散歩しながら
「こういう地名の由来って……」という話になり、
「あ、それなら面白い本が!」と薦められたのが、これ。

「著者から想像できるように、ちょっと何と言うか、
オカルトチックだし、眉唾っぽい話も多いんだけど…」

とのことでしたが、なんの、なんの!
四半世紀前(!)、国文科の近世文学史&近代文学史の時間に講義のスパイスとして聞いたような話がた~くさん出てきて、妙に懐かしくなりました。

編集者やカメラマン達が、巡礼団と称して東京+αの怪奇譚スポットを訪れ、それを写真とともにルポするという形式で書かれたものです。

「元麻布のマンションの庭に残るガマ池」
「むじなの紀伊国屋坂。右が松平屋敷」
といったキャプションつきの写真と、文献を根拠とした解説文。
例えば、室町時代から文献に出てくる「タヌキ囃子」の理屈づけは、次のよう。

・「タヌキ」=「狸」の漢字は中国から入ってきたときには「野のネコ」だった。
・中国での「タヌキ」は、「貉(かく)」で、これを日本では<むじな>と読んだ。
→かくして、タヌキ=ムジナ=妖怪となった。

収穫祭のシーズンである秋に、遠くの祭囃子が大きくひびくのを聞いて
「夜中にタヌキの送り囃子が聞こえ」たとなるのも、むべなるかな。。。というわけ。
どうしてタヌキ、化けタヌキが「音を出す」という特色をもつかというと…
どうぞ本書でお確かめください。

「むかしは、日本人なら誰でも妖怪を見ることができた」
「なにを隠そう、江戸時代の人たちは妖怪や幽霊を見る技術を、ちゃんと知っていたのだ」
という、むかしびとを先祖に持っていること、
日本土着の固有の文化を、しっかり背負ってもいること、
それがなんだか「可笑しくて」、でも「ちょっと誇りに」思えちゃう、
「てへへ」って頭をかきながら、「てやんでえ、こういう感性もあるってことよ」
と居直る江戸っ子の姿が浮かんできてしまう…

オカルト、→、新興宗教、胡散臭い、危険、逃げろ!
という図式しか思い浮かびませんでしたが、この本の路線には共感。
「美しい日本」なんて、空虚な抽象概念をふりかざすより、ずっと健康的な日本論につながると思いました。

« 久々の授業&再会 | トップページ | 品川ランチ&散策 »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

うわぁ、、、、
タイトルがなんとも・・・・
幽霊怖い、アタシには腰が引けますが
でも、日本人の持っている素敵な感性、と聞くと、ちょっと興をそそられますね!

うふふふ。華音さん、かわいい♪
確かに、このタイトルにはギョっとしますよねえ。
実は、紙カバーがかかった状態で借りたこの本。
ブログのための写真を撮ろうとカバーをはずして、私もギョっとしたのでした。
インパクトありますもんねえ。。。
でも、中身は「文献にある場所を訪れてルポ」したもので、
「おどろおどろしくて寝られなくなる」なんてことはありませんよ。

私も、ホラー映画大嫌いな怖がり人間です。
子どもの頃、エクソシストの予告版をTVで見てしまい、数日間うなされました。。。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 久々の授業&再会 | トップページ | 品川ランチ&散策 »