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2007年9月11日 (火)

小菅優・著

070911kosugeyu_book_2 小菅優のCDにシビレたついでに(→
図書館で借りてきました。彼女のエッセイ
情熱のカデンツァ』

2005年9月発行ですので、最新刊とはいえませんが、
若手音楽家の日常、思想が素直に綴られていて、
読み手側も素直に読みすすめることができました。

(音楽家の文章って、往々にして
「私、こんなに凄いんです!さすがなんです!」
というトーンが鼻につく場合がありますが、
これは、そんなことありませんでした)

確か、NHKの番組「トップ・ランナー」で、
「ドイツ語が一番話しやすい。日本語のインタビューは、いったんドイツ語に訳して答えるような感じで、ちょっと不自由。今は日本語より英語のほうが聞きやすいかも」
といった発言をしていたと思うのですが、この本、見事な日本語で綴られています。
音楽の才能と語学の才能って、脳科学的にも関連性が深いという話を聞いたことがありますが、さしずめその実例ってところでしょうか。

表紙を開けてすぐの冒頭、フォトアルバムになっていて
ここのキャプションが、本の内容を象徴しています。

1)エモーションとレーションのはざまで
2)ヨーロッパをまわる、ピアノひとり旅
3)22歳の伝達者が、羽をたたんでひと休み
4)耳を澄ませ、真実の追究を

1)については、素人の私も苦労しているところ。
エモーション(感情)とレーション(理性)の両方が重なり合っている演奏をしなければいけないのだけれど、そのコントロールが難しい、ということです。

彼女の場合は、
「あまりに自分の気持ちを表現したくて、感情を込めすぎてしまいがちの私は、息が荒くなり、ときおり手のコントロールを失ってしまうことがありました」
「いろいろ悩んだ結果、それを直すために、私は、声楽の先生につき、呼吸の仕方やリラックスの方法を習いました。のちになって、これがとても役立ち、うまくバランスがとれるようになりました」
とのこと。
近視眼的にピアノだけに没頭しているのではない、しなやかさ、さすがです。

4)についても同様で、実は「耳」だけでなく、あらゆる感覚を研ぎ澄ませている
という、大変理知的な彼女のスタンスが印象的でした。
美術(例えば、カンディンスキーの絵)を見て、それを音楽で表現するとか、
哲学書を好んで読む、とか、いろいろなエピソードが語られています。

この頃、お母様を急病で亡くされるという辛い体験をされていたそうで、
多忙の若い身で、それを乗り越えようとしていることにも、ハッとしました。

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