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2007年8月 6日 (月)

『大いなる聴衆』

070805oinarutyousyuu 永井するみ『大いなる聴衆』。

ベートーヴェン・ソナタを聴きに行く日、
その前に出席した研究会までの車中で読もうと、手にとった本です。
縁ですねえ。
ベートーヴェン・ソナタ「ハンマークラヴィーア」をキーワードとする内容の音楽ミステリーでした。

第一線で活躍するピアニストが、愛娘への腎臓提供を前に、見事な「ハンマークラヴィーア」を披露し、一大ブームを巻き起こすが、娘の死を契機にこの曲を封印してしまう。
この彼を学生時代から見守ってきた同級生の音楽エージェントが、地元札幌での音楽祭の目玉として彼を招聘。
ベートーヴェン・ソナタの連続演奏会を音楽祭の目玉に据える。
その演奏会直前。どう薦めても弾こうとしなかった「ハンマークラヴィーア」に曲目を急遽差し替えたピアニスト。
その演奏はひどい出来だったというのに、連続演奏会の曲目すべてを「ハンマークラヴィーア」に差し替える。
その理由は、婚約者を誘拐した誘拐犯からの脅迫状。
「ハンマークラヴィーアを弾け。しかも完璧に」だった……

犯人や動機を探るミステリー性はもとより、
音楽の世界の内実描写など、緊迫感に満ちていて、なかなか読み応えがあります。
指導者と弟子の関係、音楽家の血筋と家族関係、音楽コンクールの裏側、天賦の才をめぐる学生の葛藤、進路選択…

作者の永井するみさん、東京芸大音楽学部(ピアノ科)中退という経歴の方だそう。
なるほど、楽曲分析の引用など本格的なわけです。
ハードカバーで全402ページという大部の本でしたが、ぐいぐい引き込まれ、あっという間に読み終えました。

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コメント

永井するみさん、ジュニア向けミステリーから入り「なかなか、鋭い方だな」と思い、また経歴も気に入って(芸大中退→北大へ)何冊か読んだのですが、こんなのも書いてらしたのですね
さすがPIOさん、鼻が利く、というか、ご自身の興味関心にマッチしたものを選ばれてますね

私が永井するみさんを知ったのは、
何を隠そう、華音さんのブログを見て、なのですよ。
へえ、この人の作品、読んでみようかな…
と図書館の棚の前をウロウロして、この本を見つけた次第です。
また、華音さんのブログからいろんなヒントをいただこう
と思ってますので、今後ともよろしく!

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