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2007年7月11日 (水)

『夏休みのサンタさん』

070711santasan 通勤電車の中で読みやすい、薄い文庫本…
という安易な選択で手にした本です。

定年まであと5年となった、銀行員の夏休み。
「北海道のホームに入る」
と言い出した同居の母を、キャンピングカーで送っていきます。
同僚から借りたキャンピングカーが、
クリスマス・パーティーのままの装飾となっているのがミソ。

ロード・ムービーさながらに話が展開していきます。
競馬での一攫千金を夢見た若いカップル。
彼らが早合点で捨てた馬券(実は3000万円の当たり券)を拾った9歳の少年。
その3人が、銀行員&老母の旅の道連れとなり…

少年が、幼稚園の先生の話を根拠に、銀行員を「夏休み中のサンタさん」と信じ込んだのが題名の意味するところです。
よくある、あまったるい、夢物語かな、と思いきや、どうしてなかなか、読ませます。

早くして父を亡くし、母の手一つで育てられた銀行員が、定年を前にして「人生を振り返る」折に覚える苦々しさ、
揺れ動く母の心情と、彼女の老いを自覚させるさまざまな出来事、
東京の自宅に残った家族(ワインの営業職に励む妻、結婚間近の長女、そして次女)の描き方
それぞれが、巧みです。中でも、母に見捨てられたかのような9歳の少年と「夏休みのサンタさん」の交流には、ジーンとなります。
ラストシーンは、圧巻。

作者の井沢満は、「青春家族」や「外科医有森・・・」シリーズで有名な脚本家です。
ロード・ムービーさながらの展開も、むべなるかな…。

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