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2007年6月16日 (土)

八日目の蝉

070616book 角田光代の小説、最初に読んだのは、「秘密のない」がモットーの家族の姿を暴いていく『空中庭園』で、
読後に鮮烈な印象を残しつつも、その密やかな「毒気」、そして希望の見えない終わり方に、やりきれなさを覚えたものでした。

その後、いわゆる淡々とした日常生活を描く作品をいくつか読みましたが(→
この『八日目の蝉』が描くのは、いわゆる日常ではありません。
描かれるのは、
乳児誘拐犯の30代女性と女の子の逃亡生活。
そして、誘拐され、保護された女の子が成長してからの葛藤。
そこに、新興宗教、地上げ屋といった社会現象、
そして、友人関係、地縁関係、家族関係といったつながりを盛り込んでいきます。

「八日目の蝉」とは、7年間地中で幼虫として過ごした末に地上へ出て、
たった七日で死んでしまうと言われる蝉が、1匹だけ八日目だけ生き残っている。
その1匹だけ残った蝉のこと。

この蝉を「1匹だけ残されて不幸。気の毒」と見るか、
「他の蝉には見られなかった八日目が見られて、ラッキーな面もある」
と見るか。

読んだ直後よりも、しばらくたってから、いろいろ考えさせられるような小説でした。
内容、濃いです。

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