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2007年4月27日 (金)

最近読んだ小説

「血わき肉おどる」系ではなく、割と淡々と読み進められて、あとからジワジワくる、といった点で共通していたような気がします。

角田光代『夜をゆく飛行機』

地味な酒店の四姉妹の末娘、大学浪人生里々子が淡々と描く、彼女と家族の日常。
才能があるわけでもないのに作家デビューしてしまう次姉、彼女をめぐる人間関係、
恋愛と呼べそうな、呼べないような、大学生とのつきあい…
里々子の淡々としたスタンスは、ポジティブとか向上心とかとは無縁で、水墨画的ともいえる色調。
でも、最後のシーン~姉と一緒にベランダで空を眺める~には、ほのぼのとした一体感とでもいうものが感じられて、ああ、これって、やっぱり家族を描く小説なんだ、と思いました。

長嶋有『夕子ちゃんの近道』

骨董屋でアルバイトしながら、その倉庫に居候する「僕」と、その職場や生活圏で接する人々との物語。
肩の力の抜けたスタンスで、血縁関係ではない、微妙に近しい人間関係が描かれます。
最後のシーンでは、この緩いつながりの人々がフランスに集結して……
縁っていいな、と、ちょっとホンワカさせられます。

桐野夏生『魂萌え!』

TVドラマ、映画化されて話題になっていたんですね。知りませんでした。
夫に先立たれた専業主婦が、夫の秘密に憤り、息子や友人とギクシャクしながら、「毒にも薬にもならない」と言われた従来の自分のキャラクターから脱皮していく…といった物語。
ドラマや映画では、この主人公が「華麗に変身していく」さまが注目されたようですが、
私としては、未亡人が直面する些事をめぐっての葛藤が印象に残りました。

篠田節子『ロズウェルなんか知らない』

田舎の町興しに、ひょんなことからUFO伝説をでっちあげてしまう地元青年&移住青年たちのストーリー。
オカルトチックというよりも、ネット上のうわさ、マスコミ、芸能人などに振り回される素朴な青年たちの必死さと可笑しさを主軸としています。
町興し、オカルトブーム、マスコミのやらせ疑惑、バッシング……こういった社会現象を取り込むのが上手ですね、篠田節子。

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