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2007年3月20日 (火)

『冠婚葬祭のひみつ』

岩波新書。そして著者は斉藤美奈子。
この組み合わせにちょっとビックリ。

斉藤美奈子といえば、
谷崎潤一郎から丸谷才一に至る、文豪面々の文章指南をバッサバッサと斬ってみせた『文章読本さん江』に「おお、まさにそのとおり!」と膝を打って以来、
『妊娠小説』『紅一点論』『モダンガール論』『あほらし屋の鐘が鳴る』『文壇アイドル論』と、次々と(出版年は前後するけれど)楽しませていただきました。

で、今回図書館で見つけたのがこれです。『冠婚葬祭のひみつ』

文学論とは違うなあ、時事ネタでもないなあ、そして岩波新書かい?
と思ったのですが、「はじめに」を読んで納得。

本書の目的は、第一に、そうした冠婚葬祭をめぐる情報のもりにとりあえず分け入って、冠婚葬祭の過去と現在を俯瞰すること。第二に、以上をふまえた上で、現代にふさわしい冠婚葬祭への対処の仕方を考えることである。「しきたり」だ「作法」だとみんなうるさいことをいうけれど、うるさい人に限って、その出どころには無頓着だったりするのである。

おお、このスタンス!『文章読本さん江』と同じではありませんか。
これは期待できそう!

そして、予想通り、楽しく一気に読めました。
結婚式って、変だなあ、なんか納得できないなあ、と思いつつ挙げちゃったんですよね、私自身。
キリスト教信者じゃないから教会はパスだけど、神前っていうのも「何の神様?」って感じだし、西洋の猿真似はしたくないけど、じゃあ純日本式って何よ?

この本を読んで納得。ためしに
第1章・冠婚葬祭の百年、の1-1. 明治の家と冠婚葬祭
について見出しを挙げてみると(括弧内は補足・要約 by PIO)

・古式ゆかしい婚礼と葬式は行列だった(そもそも宗教者は介在していなかった!)
・行列にかわるトレンド、神前結婚式と告別式(都会化した環境じゃ、行列は無理だからねえ)
・婚礼プロデュース業の誕生(ビジネスとタイアップすれば普及は速いぞ)
・葬式が仏教と結びついた理由とは(宗教ならぬ政治&経済上の理由!江戸時代以降のこと。)
・葬式プロデュース業者が発明した祭壇と霊柩車(明治になっての業者ですよ。格式どころか!)
・葬式の産業革命は火葬炉から(土葬には幅狭の「桶」型がgoodで「棺桶」だったのが、火葬に合わせて「寝棺」に)
・明治民法が定めた婚姻の形(エリート層、富裕層の常識「妾」を否定。大正天皇の結婚式でそれをアピール)
・明治民法の影響下で生まれた墓の形(「○○家代々の墓」はこれ以降!)
・「家」の発想は明治から(戸籍制度前は「家」に縛られたのは武家&豪商のonly2%ですって!)

なんか、「目からウロコ」という感じでした。
このあと、1-2.昭和の結婚と優生思想、 1-3.『冠婚葬祭入門』とその時代、 1-4.少産多死の時代を迎えて、と続きます。

そして、第2章・いまどきの結婚、第3章・葬送のこれから。
第2章は、最近の事情に疎いオバサンの覗き見趣味を満足させてくれますし、
第3章は、「後学のために手元に置いておこうかしら」って気にさせられます。

『文章読本さん江』ほどアクは強くないけれど、岩波新書としてはかな~り柔らかいのでは?岩波新書、生まれ変わったとは聞いていましたが、ほんとです。

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コメント

アタシ、こうゆう『冠婚葬祭』のしきたりに厳格な両親の影響で、けっこうガチガチだったのですが、結婚式は”海外で、身内だけでやりたい(ウェディングドレスは一生に一回だからゼッタに着たい!)”って思っていたんです
でも、両親は勿論、ダンナも「やはり、皆様にお披露目しなければ・・・」というのに説き伏せられて、ありきたりな式を挙げたのですが、これが結構後々の”夫婦の危機”の時に、効いた!んですねぇ・・・・
ダンナ曰く「結婚式はするもんやな。結婚って、二人だけの勝手な結びつきだ、と言う傲慢な考えでは長続きしない。やはり結婚式に参列して祝ってくださった方たちの気持ちを考えると、軽々と解消なんかできんもんや」・・・・ですって!(笑

でも、お墓については・・・・
「千の風になって」を聞いて以来、そして義母の葬儀に直面してから、ダンナとお互いの死後の諸々の手続きについて腹を割って話し合うようになりました
いろんなことが、”しきたり”から自由になると良いな・・・って思いますよね

>華音さん

冠婚葬祭をメインとして、人生の中で「ケジメ」をつけようと思うとき、

・”しきたり”から自由になって自分らしくふるまう
・”しきたり”に従ってキッチリとした事実を作る

という二つの方向性の間で揺れ動くのが、我々の世代のような気がします。
このあたりをどう泳ぐかが、それぞれの家風になるのかなあ。

卑近な例では、お彼岸にぼたもちを作るか、食べるか、をはじめとしてね。
ほんと、家風を作るうえでも夫婦が「腹を割って話す」って大切ですよね。

あ~~、そうだ!
春のお彼岸はぼたもち、でしたね
アタシ、割と行事にまつわる食べ物には拘っている方でしたが、お彼岸のぼたもちとおはぎは気が向いた時にしか作ってなかったなぁ。。。

でも、親であるアタシが伝えなければ、子ども達は勿論意識もせずに大きくなってゆく、のですよね
それを取り入れるかどうかは、子ども達の世代の自由だ~~!としても
伝える、ってことを怠ってはいけないかな。。。とちょっと・・・

(PIOさんのブログを見て、また刺激され、久々に斉藤美奈子さんの著書を何冊か図書館にリクエストしてきました(^_^;))

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